赤面症思考の偏りを改善②

皆さんこんにちは。心理学講座を開催している公認心理師の川島達史です。赤面症コラム1では治療方法を概観してきました。今回は赤面症で起こりやすい「思考の歪みを改善する」というテーマで解説をしていきます。

赤面症,認知療法,はるかむぎ様作成

カウンセリング場面において、赤面症で悩む方の多くは

赤面症は恥ずかしいことだ
赤くなるのは異常なことだ
赤くなると心が見透かされる

という極端な考え方をしています。このような思い込みはとても堅く、すぐにほぐせるものではありません。しかし、何度も何度も考え方を足す練習をしていくと、次第に柔軟に考えられるようになり、緊張もほぐれていきます。当コラムで是非練習していきましょう。

 

認知療法の基礎

認知療法とは何か

極端な考え方をほぐす手法としておすすめなのは認知療法です。認知療法では、非合理的な考え、現実的でない考え、を健康的にしていく練習をしていきます。

認知療法は厳密には5つのステップで進めていくのですが、今回はお試しとして2ステップでチャレンジしてみましょう。具体的には、

①「事実」と「思考」をわける
②ほぐす思考を追加

という2つのステップで進めていきます。以下、事例を元に解説していきます。

 

認知療法,具体例

大学で新しくテニスサークルに入った太郎さんは、新入生歓迎会に参加することになりました。歓迎会の最初に自己紹介がありました。太郎さんは赤面しながらもどうにか自己紹介をしました。その時、数人が笑っているのに気づきました。太郎さんは

「ニヤニヤ笑われて、赤面していることを馬鹿にされた!」

と感じてしまいました。すっかり自信をなくした太郎さんは、歓迎会で上手く話せなくなってしまいました。

 

①事実」と「思考」をわける

ここで太郎さんは「事実」と「思考」を分けることにしました。

「事実」
笑っていた
 ・
「思考」
馬鹿にされた!

「笑っていた」これは「事実」ですので間違いないでしょう。しかし、「馬鹿にされた!」というのは、必ずしもそうとは限りません。このようにまずは、事実と思考をわけることからはじめていきます。

②ほぐす思考を追加

次に太郎さんは思考を追加してみることにしました。

笑ってくれるということは好感を持ってくれのかも
緊張を解こうと微笑んでくれていたのかもしれない
深い意味はなくよく笑う人なのかも

このように思考を足してみると、太郎さんの気持ちは少しかるくなりました。

せきめんの認知と事実

 

練習問題1

それでは実際に練習していきましょう。以下の事例に自分が陥ったと想像して、

①事実と思考をわける
②ほぐす思考を追加

を意識してみてください。

相談者
21歳 大学生 男性 ゼミの発表場面

お悩みの内容
赤面しながら研究発表をした
後ろの席の方で笑っている人がいた
きっとダメな発表と考えている
赤面する自分は恥ずかしい人間だ

 

 

解答例
①事実」と「思考」をわける

「事実」
後ろの席の方で笑っている人がいた

「思考」
きっとダメな発表と考えている
赤面面する自分は恥ずかしい人間だ

②ほぐす思考を追加

笑っているのは赤面を馬鹿にしているのではなく、暖かいまなざしをくれたのかも

自分の時にだけではなく、他の人の発表の時にも笑っていた

赤面自体は誰でも経験はある 赤面したからと言って私の価値が下がるわけではない

 

練習問題2

相談者
28歳 会社員 女性 会議の発表場面

お悩みの内容
私の会社は優秀な社員が多い
会議の発表の時に赤面してしまう
赤面しているのがバレてしまったら
仕事ができないと思われるかもしれない

 

 

解答例

①事実」と「思考」をわける

「事実」
私の会社は優秀な社員が多い
会議の発表の時に赤面してしまう

「思考」
赤面症だと仕事ができないと思われる

②ほぐす思考を追加

重要なのは普段の仕事ぶりだ
赤面しても内容が良ければ問題ない
むしろ好感を持つ人もいる

 

赤面症の治し方

いかがでしょうか?赤面症で悩む方の多くは、事実と考え方がごっちゃになってしまう傾向があります。まずは事実なのか、考え方なのか、を冷静に分けて、そのあとに考え方を追加すると、悩みが軽くなることがかなりあります。是非日常生活でもチャレンジしてみてくださいね(^^)

なお認知療法をもっとしっかり学習したい方は以下のコラムをご参照ください。詳しいやり方を解説しています。

認知療法の理解と練習

 

心理学講座のお知らせ

赤面症を改善する心理療法を独学で学ぶことに不安がある場合は、専門家の元でしっかり学ぶこともお勧めしています。 私たち公認心理師・精神保健福祉士は、対人不安、緊張の軽減を目指し、心理学講座を開催しています。講座内容は以下の通りです。

・人の目を気にする心理の改善
・精神交互作用の学習
・緊張緩和法の学習
・人と楽しく会話をする練習

独学に限界を感じた方、心理学を体系的に勉強されたい方のご参加をぜひお待ちしています。執筆者も講師をしています(^^)

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心理学講座

 

監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 元専修大学人間科学部教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連