~ いじめ防止対策推進法 ~ いじめ防止対策推進法とは?学校や行政の責任、条例をくわしく解説
はじめまして!いじめ撲滅委員会代表、公認心理師の栗本顕です。私の専門は「いじめ」です。心理学の大学院で研究もしてきました。現在はいじめの問題を撲滅するべく、研修やカウンセリング活動を行っています。

今回のテーマは「いじめ防止対策推進法」です。いじめは子どもたちの心と体を傷つけ、時には命にかかわる深刻な問題です。このような悲しい事件を二度と起こさないために、法律が作られました。本記事では、いじめ防止対策推進法について、その内容や学校・教育委員会の役割を分かりやすく解説していきます。
目次は以下の通りです。
①いじめ防止対策推進法の概要
②いじめの定義
③学校の対処方法
④いじめ対策組織の役割
⑤重大事態への対処
⑥法律を分かりやすく解説
教育関係者だけでなく、保護者の方々にもぜひ知っていただきたい内容です。ぜひ最後までご一読ください。
いじめ防止対策推進法の概要
いじめ防止対策推進法がどのように生まれ、何を目指しているのかを見ていきましょう。
いじめ防止対策推進法とは
いじめ防止対策推進法は、2013年6月28日に公布され、同年9月28日に施行された法律です。この法律は、いじめへの対応と防止について、学校や行政の責任を明確に定めています。
法律が作られた背景には、2011年に起きた大津市中2いじめ自殺事件があります。この事件では、学校側がいじめはなかったとして隠蔽や責任逃れをしたことが大きな問題となりました。事件が2012年に発覚すると、マスコミで大きく取り上げられ、社会全体でいじめ問題に真剣に向き合う必要性が叫ばれました。
2013年2月、教育再生実行委員会議の第1次提言で「社会総がかりでいじめに対峙していくための基本的な理念や体制を整備する法律の制定が必要」とされました。これを受けて速やかに法整備が進められ、与野党の議員立法によって国会で可決成立しました。
法律が目指すもの
この法律は、いじめが子どもたちの教育を受ける権利を著しく侵害し、心と体の健全な成長に重大な影響を与えることを認識しています。さらに、いじめは命や体に重大な危険を生じさせる恐れがあるものです。
法律の基本理念として、いじめは全ての子どもに関係する問題であることが示されています。そのため、子どもたちが安心して学習できるよう、学校の内外を問わず、いじめが行われなくなるようにすることを目指しています。
また、国や地方公共団体、学校、地域住民、家庭などが連携して、いじめ問題を克服することを目標としています。子どもたちの命と心を守ることが何よりも大切であり、そのための対策を総合的かつ効果的に進めていくことが、この法律の目的です。
いじめの定義
法律では、いじめを明確に定義することで、適切な対応ができるようにしています。
いじめとは何か
いじめ防止対策推進法では、いじめを次のように定義しています。
いじめとは、児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等、一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものをいう。
この定義のポイントは、被害を受けた子どもが「心身の苦痛を感じている」かどうかです。つまり、行為をした側の意図ではなく、受けた側がどう感じたかが重要になります。
また、インターネットを通じて行われるいじめも含まれることが明記されています。SNSやメッセージアプリなどでの嫌がらせも、立派ないじめとして認識されます。
対象となる学校と子どもたち
この法律が対象とする「学校」は、学校教育法第1条に規定される小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校(幼稚部を除く)です。
「児童等」とは、これらの学校に在籍する児童または生徒を指します。また、「保護者」とは、親権を行う者(親権を行う者がいないときは、未成年後見人)を意味します。
法律では、児童等はいじめを行ってはならないと明確に禁止しています。これは単なる努力目標ではなく、法律で定められた禁止事項です。すべての子どもたちが、この原則を理解し、守っていくことが求められています。
学校の対処方法
学校には、いじめを防止し、早期に発見し、適切に対処する責任があります。
学校が講じるべき基本的な取り組み
いじめ防止基本方針では、学校が行うべき取り組みが明確に示されています。学校は、いじめの防止のための取り組み、早期発見、いじめ事案への対処のあり方、教育相談体制や生徒指導体制、校内研修などを定めることが求められています。
具体的には、道徳教育の充実、早期発見のための措置、相談体制の整備などが基本的施策として定められています。また、インターネットを通じて行われるいじめに対する対策も推進しなければなりません。
学校は、いじめの防止などの対策に従事する人材の確保、調査研究の推進、啓発活動についても取り組む必要があります。さらに、複数の教職員、心理や福祉などの専門家、その他の関係者により構成される組織を置くことが義務付けられています。
いじめが発見されたときの対応
いじめが発見された場合、学校は速やかに事実確認を行わなければなりません。学校は、いじめを受けた児童生徒またはその保護者に対する支援を行います。同時に、いじめを行った児童生徒に対する指導、またはその保護者に対する助言も行います。
必要に応じて、いじめを行った児童生徒について、いじめを受けた児童生徒が使用する教室以外の場所で学習を行わせることもあります。これは、いじめを受けた児童生徒が安心して教育を受けられるようにするための措置です。
いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは、所轄警察署と連携します。児童生徒の生命、身体、財産に重大な被害が生じる恐れがあるときは、直ちに所轄警察署に通報し、適切に援助を求めなければなりません。
継続的な支援と評価
いじめを受けた児童生徒に対しては、学校がカウンセラーの協力を得ながら、継続的に支援を行います。一度対処したら終わりではなく、子どもの心のケアを長期的に行っていくことが大切です。
学校は、いじめ防止などの取り組みに関する達成目標を設定し、目標の達成状況を評価されます。評価結果を踏まえた上で、いじめ防止などの取り組みの改善を図る必要があります。
また、学校の評価を行う場合には、いじめの事実が隠蔽されず、いじめの実態の把握やいじめに対する措置が適切に行われるよう、適正に評価が行われるようにしなければなりません。
いじめ対策組織の役割
いじめ防止対策推進法では、様々な組織の役割が明確に定められています。
いじめ対策組織とは
学校には、いじめの防止などの中核となる「いじめ対策組織」を置くことが義務付けられています。この組織は、複数の教職員、心理や福祉などに関する専門的な知識を有する者、その他の関係者によって構成されます。
いじめ対策組織の役割は、いじめの疑いに関する情報の共有を的確に行い、その情報をもとに組織的に対応できるような体制を作ることです。事実関係の把握やいじめであるか否かの判断は、組織的に行うことが必要とされています。
些細な兆候や懸念、児童生徒からの訴えなどを、教職員が抱え込まず、直ちにすべて報告・相談するものとしています。いじめ対策組織に集められた情報は、個人の児童生徒ごとに記録して、複数の教職員が個別に認知した情報の集約と共有化を図ります。
教育委員会の役割
教育委員会には、大きく3つの役割があります。
1.管理下の学校のいじめ問題の徹底把握と徹底指導
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2.教職員の意識改革といじめ防止対策推進法の浸透
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3.指導主事の要請や配置、警察との連携
教育委員会には、いじめの情報や対策の課題などが集約されます。指導主事が問題調査や学力調査などの情報とともにデータ分析を行い、いじめの情報や対策の提案などを教育長に挙げます。
それをもとに、教育委員会から学校に指導や助言を行います。
また、いじめについて全ての教職員の意識改革や、いじめ防止対策推進法の教職員への浸透を図ります。重大事態が発生した際には、警察との連携や地方公共団体への報告も行います。
学校の役割
学校の役割は、大きく3つに分けられます。
全ての教室のマネジメント
体制づくり
情報収集と連携
いじめが発生しているかどうか、現場の情報が全てになります。学校長や教頭は、教職員から報告が挙がってきやすい環境づくりが必要です。定期的な面談やアンケートによる早期発見の努力も求められます。
いじめが発生した場合、児童生徒に寄り添い支える体制をつくり、徹底的に守り通すことが大切です。いじめた生徒に自らの行為の責任を自覚させること、いじめに向かわせない力を育むことも必要です。
保護者との連携も重要です。いじめの事実関係の報告や、今後の学校との連携方法などを共有することで、児童生徒のケアを行うと同時に、いじめを進行させないための取り組みも行います。
重大事態への対処
重大事態が発生した場合には、特別な対処が求められます。
重大事態とは
重大事案とは、いじめによって子どもの命や心、身体、財産に深刻な影響が出た場合を指します。具体的には、自殺を図った、身体に重大な傷害を負った、精神疾患を発症した、金品を奪われたなどが該当します。
また、いじめが原因で年間30日以上欠席した場合や、一定期間連続して欠席している場合も重大事態となります。
詳しい重大事態の定義を知りたい方は、下記をご覧ください。
重大事態の定義
重大事案の定義は以下の通りです。
1.いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき
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2.いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき
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3.学校の設置者又はその設置する学校は、重大事態に対処し、及び同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、適切な方法により事実関係を明確にするための調査を行うものとすること
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4.学校の設置者又はその設置する学校は、1の調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童生徒及びその保護者に対し、必要な情報を適切に提供するものとすること
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5.地方公共団体の長等に対する重大事態が発生した旨の報告、地方公共団体の長等による1の調査の再調査、再調査の結果を踏まえて措置を講ずること等について定めること
重要なのは「疑いがある」という時点で重大事案として扱うことです。確実な証拠がなくても、可能性があれば対応を始めなければなりません。
学校の設置者又はその設置する学校は、重大事案に対処し、及び同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、適切な方法により事実関係を明確にするための調査を行うものとします。
それぞれの責務
いじめ防止対策推進法では、国、地方公共団体、学校の設置者、学校、教職員、保護者それぞれの責務が明記されています。
国:いじめ防止対策を総合的に策定し実施する
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地方公共団体:国と協力し地域の状況に応じた施策を実施する
・
学校の設置者:必要な措置を講ずる
・
学校と教職員:関係者と連携し全体で防止と早期発見に取り組む
・
保護者:子どもに規範意識を養う指導を行い学校の措置に協力する
保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであり、保護する児童等がいじめを行うことのないよう、規範意識を養うための指導を行うよう努めるものとされています。
子どもがいじめを受けた場合には、適切に当該児童等をいじめから保護します。また、国、地方公共団体、学校が講ずるいじめの防止などのための措置に協力するよう努めるものとされています。
防止と早期発見の取り組み
学校の設置者およびその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことが、いじめの防止に役立つことを踏まえて、全ての教育活動を通じた道徳教育や体験活動などの充実を図らなければなりません。
学校は、いじめを早期に発見するため、児童生徒に対する定期的な調査その他の必要な措置を講じます。国や地方公共団体は、いじめに関する通報や相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講じます。
国や地方公共団体は、いじめを受けた児童生徒や保護者に対する支援、いじめを行った児童生徒を適切に助言などできるようにします。また、いじめ防止のために働ける専門の人を置いたり、先生方の研修を進めたりします。
いじめに対する具体的措置
教職員や地方公共団体の職員、児童等からの相談に応じる者、保護者は、児童等からいじめに関する相談を受けた場合、いじめの事実があると思われるときは、学校への通報その他の適切な措置をとります。
学校は、通報を受けたとき、または児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに事実の有無の確認を行うための措置を講じ、その結果を学校の設置者に報告します。
いじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、その再発を防止するため、複数の教職員によって、専門家の協力を得つつ、いじめを受けた児童等や保護者に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導や保護者に対する助言を継続的に行います。
いじめ防止対策推進法の条例
いじめ防止対策推進法の条例を詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
第一条(目的)
この法律は、いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、児童等の尊厳を保持するため、いじめの防止等(いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。以下同じ。)のための対策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体等の責務を明らかにし、並びにいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針の策定について定めるとともに、いじめの防止等のための対策の基本となる事項を定めることにより、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする。
【分かりやすく】
いじめというものは、心や身体を傷つけ、教育を受ける権利や、人間としての生きる権利を傷つける行為であり、児童生徒の成長に害を与えます。命が危険にさらされてしまうことさえあります。この法律は、そのようないじめを防止するために作られました。
第二条(定義)
この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。 2 この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。 3 この法律において「児童等」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。 4 この法律において「保護者」とは、親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。
【分かりやすく】
いじめは、児童生徒等に対して、当該児童生徒等が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒等と一定の人的関係にある他の児童生徒等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒等が心身の苦痛を感じているものをいいます。ここでの学校は学校教育法第一条に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいいます。また、「児童等」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。「保護者」とは、親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいいます。
第三条(基本理念)
いじめの防止等のための対策は、いじめが全ての児童等に関係する問題であることに鑑み、児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。 2 いじめの防止等のための対策は、全ての児童等がいじめを行わず、及び他の児童等に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため、いじめが児童等の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童等の理解を深めることを旨として行われなければならない。 3 いじめの防止等のための対策は、いじめを受けた児童等の生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、国、地方公共団体、学校、地域住民、家庭その他の関係者の連携の下、いじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。
【分かりやすく】
いじめは全ての児童生徒に関係する問題なので、学校の内外問わず防止しなくてはいけません。また、放置しないために理解を深めること、国、地方公共団体、学校、地域住民、家庭その他の関係者の連携の下、いじめ問題に取り組みましょう。
第四条(いじめの禁止)
児童等は、いじめを行ってはならない。
【分かりやすく】
児童生徒はいじめを行ってはいけません。
第五条(国の責務)
国は、第三条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、いじめの防止等のための対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
【分かりやすく】
国は、いじめの防止のために、対策をする責務があります。
第六条(地方公共団体の責務)
地方公共団体は、基本理念にのっとり、いじめの防止等のための対策について、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
【分かりやすく】
地方公共団体は、国と協力していじめ対策をする責務があります。
第七条(学校の設置者の責務)
学校の設置者は、基本理念にのっとり、その設置する学校におけるいじめの防止等のために必要な措置を講ずる責務を有する。
【分かりやすく】
学校設置者(主に市や国など、〇〇立の○○部分)は、いじめを防止する責務があります。
第八条(学校及び学校の教職員の責務)
学校及び学校の教職員は、基本理念にのっとり、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民、児童相談所その他の関係者との連携を図りつつ、学校全体でいじめの防止及び早期発見に取り組むとともに、当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対処する責務を有する。
【分かりやすく】
学校と教職員は、関係者や関係機関と連携し、学校全体でいじめの防止と早期発見に取り組むこと、いじめが起きていると思われるときには適切かつ迅速に対処する責務があります。
第九条(保護者の責務等)
保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、その保護する児童等がいじめを行うことのないよう、当該児童等に対し、規範意識を養うための指導その他の必要な指導を行うよう努めるものとする。 2 保護者は、その保護する児童等がいじめを受けた場合には、適切に当該児童等をいじめから保護するものとする。 3 保護者は、国、地方公共団体、学校の設置者及びその設置する学校が講ずるいじめの防止等のための措置に協力するよう努めるものとする。 4 第一項の規定は、家庭教育の自主性が尊重されるべきことに変更を加えるものと解してはならず、また、前三項の規定は、いじめの防止等に関する学校の設置者及びその設置する学校の責任を軽減するものと解してはならない。
【分かりやすく】
保護者は、規範意識を養うための指導を行うように努めます。子どもがいじめられた時は、適切に保護します。学校や公共団体が行ういじめの措置に協力するよう努力します。
第十条(財政上の措置等)
国及び地方公共団体は、いじめの防止等のための対策を推進するために必要な財政上の措置その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
【分かりやすく】
国及び地方公共団体は、いじめ対策のために必要な財政上の措置を講ずるように努めます。
第十一条(いじめ防止基本方針)
文部科学大臣は、関係行政機関の長と連携協力して、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「いじめ防止基本方針」という。)を定めるものとする。 2 いじめ防止基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。 一 いじめの防止等のための対策の基本的な方向に関する事項 二 いじめの防止等のための対策の内容に関する事項 三 その他いじめの防止等のための対策に関する重要事項
【分かりやすく】
文部科学大臣は、関係行政機関の長と連携協力して、いじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するためのいじめ防止基本方針を定めます。この方針は、いじめの防止等のための対策の基本的な方向、対策の内容、その他いじめの防止等のための対策に関する事項を定めます。
第十二条(地方いじめ防止基本方針)
地方公共団体は、いじめ防止基本方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体におけるいじめの防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「地方いじめ防止基本方針」という。)を定めるよう努めるものとする。
【分かりやすく】
地方公共団体は、その地域の実情に応じ、いじめ防止対策の基本方針(地方いじめ防止基本方針)を立てるように努めます。
第十三条(学校いじめ防止基本方針)
学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。
【分かりやすく】
各学校は、その学校の実情に応じ、いじめ防止対策の基本方針を定めます。
第十四条(いじめ問題対策連絡協議会)
地方公共団体は、いじめの防止等に関係する機関及び団体の連携を図るため、条例の定めるところにより、学校、教育委員会、児童相談所、法務局又は地方法務局、都道府県警察その他の関係者により構成されるいじめ問題対策連絡協議会を置くことができる。 2 都道府県は、前項のいじめ問題対策連絡協議会を置いた場合には、当該いじめ問題対策連絡協議会におけるいじめの防止等に関係する機関及び団体の連携が当該都道府県の区域内の市町村が設置する学校におけるいじめの防止等に活用されるよう、当該いじめ問題対策連絡協議会と当該市町村の教育委員会との連携を図るために必要な措置を講ずるものとする。 3 前二項の規定を踏まえ、教育委員会といじめ問題対策連絡協議会との円滑な連携の下に、地方いじめ防止基本方針に基づく地域におけるいじめの防止等のための対策を実効的に行うようにするため必要があるときは、教育委員会に附属機関として必要な組織を置くことができるものとする。
【分かりやすく】
地方公共団体は、関係者や関係機関でいじめ問題対策連絡協議会を置き、当該市町村の教育委員会との連携を図るために必要な措置を講じ、教育委員会に附属機関として必要な組織を置くことができます。
第十五条(学校におけるいじめの防止)
学校の設置者及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない。 2 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを防止するため、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民その他の関係者との連携を図りつつ、いじめの防止に資する活動であって当該学校に在籍する児童等が自主的に行うものに対する支援、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員に対するいじめを防止することの重要性に関する理解を深めるための啓発その他必要な措置を講ずるものとする。
【分かりやすく】
学校は、いじめ防止につながるような、道徳教育や心を豊かにする教育、及び体験を充実させなければなりません。また、保護者、地域の方々、その他の関係者と協力して、いじめ対策・啓発を講じます。
第十六条(いじめの早期発見のための措置)
学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを早期に発見するため、当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査その他の必要な措置を講ずるものとする。 2 国及び地方公共団体は、いじめに関する通報及び相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。 3 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者並びに当該学校の教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制(次項において「相談体制」という。)を整備するものとする。 4 学校の設置者及びその設置する学校は、相談体制を整備するに当たっては、家庭、地域社会等との連携の下、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利その他の権利利益が擁護されるよう配慮するものとする。
【分かりやすく】
学校はいじめの早期発見をするため、定期的に調査など必要なことを講じます。国や公共団体、学校は、いじめについての相談や通報の体制を作ります。いじめを受けた児童生徒の教育を受ける権利を守ります。
第十七条(関係機関等との連携等)
国及び地方公共団体は、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言その他のいじめの防止等のための対策が関係者の連携の下に適切に行われるよう、関係省庁相互間その他関係機関、学校、家庭、地域社会及び民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援その他必要な体制の整備に努めるものとする。
【分かりやすく】
国及び地方公共団体は、いじめられた児童生徒や家族を支え、いじめた児童生徒について指導できるように、関係機関との連携を図り、必要な体制を整備します。
第十八条(いじめの防止等のための対策に従事する人材の確保及び資質の向上)
国及び地方公共団体は、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言その他のいじめの防止等のための対策が専門的知識に基づき適切に行われるよう、教員の養成及び研修の充実を通じた教員の資質の向上、生徒指導に係る体制等の充実のための教諭、養護教諭その他の教員の配置、心理、福祉等に関する専門的知識を有する者であっていじめの防止を含む教育相談に応じるものの確保、いじめへの対処に関し助言を行うために学校の求めに応じて派遣される者の確保等必要な措置を講ずるものとする。 2 学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校の教職員に対し、いじめの防止等のための対策に関する研修の実施その他のいじめの防止等のための対策に関する資質の向上に必要な措置を計画的に行わなければならない。
【分かりやすく】
国及び地方公共団体は、いじめを受けた児童生徒や家族、いじめをした児童生徒を適切に助言等できるようにします。また、いじめ防止のために働ける専門の人を置いたり、先生方の研修を進めたりします。
第十九条(インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進)
学校の設置者及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等及びその保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、及び効果的に対処することができるよう、これらの者に対し、必要な啓発活動を行うものとする。 2 国及び地方公共団体は、児童等がインターネットを通じて行われるいじめに巻き込まれていないかどうかを監視する関係機関又は関係団体の取組を支援するとともに、インターネットを通じて行われるいじめに関する事案に対処する体制の整備に努めるものとする。 3 インターネットを通じていじめが行われた場合において、当該いじめを受けた児童等又はその保護者は、当該いじめに係る情報の削除を求め、又は発信者情報(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第四条第一項に規定する発信者情報をいう。)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局又は地方法務局の協力を求めることができる。
【分かりやすく】
国及び地方公共団体、学校は、インターネットでのいじめを防止するために、啓発活動をします。また、いじめに関する事案に対処する体制の構築に努めます。インターネットを通じていじめを受けた児童生徒や家族は、法務局又は地方法務局の協力を求めることができます。
第二十条(いじめの防止等のための対策の調査研究の推進等)
国及び地方公共団体は、いじめの防止及び早期発見のための方策等、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言の在り方、インターネットを通じて行われるいじめへの対応の在り方その他のいじめの防止等のために必要な事項やいじめの防止等のための対策の実施の状況についての調査研究及び検証を行うとともに、その成果を普及するものとする。
【分かりやすく】
国及び地方公共団体は、インターネットを通じたいじめへの対応の在り方、その他のいじめの防止等のために必要な事項やいじめの防止等のための対策の実施の状況についての調査研究及び検証を行います。また、その成果を普及します。
第二十一条(啓発活動)
国及び地方公共団体は、いじめが児童等の心身に及ぼす影響、いじめを防止することの重要性、いじめに係る相談制度又は救済制度等について必要な広報その他の啓発活動を行うものとする。
【分かりやすく】
国及び地方公共団体は、いじめについての知識と対策、相談体制等の広報や啓発活動をします。
第二十二条(学校におけるいじめの防止等の対策のための組織)
学校は、当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。
【分かりやすく】
学校は、当該学校の複数の教職員、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者と、いじめ防止のための組織を作ります。
第二十三条(いじめに対する措置)
学校の教職員、地方公共団体の職員その他の児童等からの相談に応じる者及び児童等の保護者は、児童等からいじめに係る相談を受けた場合において、いじめの事実があると思われるときは、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報その他の適切な措置をとるものとする。 2 学校は、前項の規定による通報を受けたときその他当該学校に在籍する児童等がいじめを受けていると思われるときは、速やかに、当該児童等に係るいじめの事実の有無の確認を行うための措置を講ずるとともに、その結果を当該学校の設置者に報告するものとする。 3 学校は、前項の規定による事実の確認によりいじめがあったことが確認された場合には、いじめをやめさせ、及びその再発を防止するため、当該学校の複数の教職員によって、心理、福祉等に関する専門的な知識を有する者の協力を得つつ、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を継続的に行うものとする。 4 学校は、前項の場合において必要があると認めるときは、いじめを行った児童等についていじめを受けた児童等が使用する教室以外の場所において学習を行わせる等いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を講ずるものとする。 5 学校は、当該学校の教職員が第三項の規定による支援又は指導若しくは助言を行うに当たっては、いじめを受けた児童等の保護者といじめを行った児童等の保護者との間で争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとする。 6 学校は、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものであると認めるときは所轄警察署と連携してこれに対処するものとし、当該学校に在籍する児童等の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは直ちに所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければならない。
【分かりやすく】
いじめの相談を受けた際は、いじめを受けたと思われる児童等が在籍する学校への通報、その他の適切な措置をとります。学校は、速やかに児童等に係るいじめの事実確認を行うための措置を講じ、その結果を当該学校の設置者に報告します。いじめの事実があった場合は、いじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言や必要な措置を行うものとします。学校は、保護者同士の争いが起きることのないよう、いじめの事案に係る情報をこれらの保護者と共有するための措置その他の必要な措置を講ずるものとします。学校は、いじめの程度により所轄警察署に通報し、適切に、援助を求めなければなりません。
第二十四条(学校の設置者による措置)
学校の設置者は、前条第二項の規定による報告を受けたときは、必要に応じ、その設置する学校に対し必要な支援を行い、若しくは必要な措置を講ずることを指示し、又は当該報告に係る事案について自ら必要な調査を行うものとする。
【分かりやすく】
学校の設置者は、いじめ報告を受けたら、その学校がいじめ対策をするのを指示し、必要な調査を行います。
第二十五条(校長及び教員による懲戒)
校長及び教員は、当該学校に在籍する児童等がいじめを行っている場合であって教育上必要があると認めるときは、学校教育法第十一条の規定に基づき、適切に、当該児童等に対して懲戒を加えるものとする。
【分かりやすく】
校長及び教員は、教育上必要があれば、学校教育法に基づいて、いじめた児童生徒に対して懲戒を加えます。
第二十六条(出席停止制度の適切な運用等)
市町村の教育委員会は、いじめを行った児童等の保護者に対して学校教育法第三十五条第一項(同法第四十九条において準用する場合を含む。)の規定に基づき当該児童等の出席停止を命ずる等、いじめを受けた児童等その他の児童等が安心して教育を受けられるようにするために必要な措置を速やかに講ずるものとする。
【分かりやすく】
市町村の教育委員会は、いじめた児童生徒の保護者に対して学校教育法に基づいて、出席停止を命ずる等、いじめを受けた児童生徒が安心して教育を受けられるようにします。
第二十七条(学校相互間の連携協力体制の整備)
地方公共団体は、いじめを受けた児童等といじめを行った児童等が同じ学校に在籍していない場合であっても、学校がいじめを受けた児童等又はその保護者に対する支援及びいじめを行った児童等に対する指導又はその保護者に対する助言を適切に行うことができるようにするため、学校相互間の連携協力体制を整備するものとする。
【分かりやすく】
いじめを受けた児童生徒といじめを行った児童等が同じ学校に在籍していない場合でも、地方公共団体は、適切に対処できるように学校相互間の連携協力体制を整備します。
第二十八条(学校の設置者又はその設置する学校による対処)
学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態(以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。 一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。 二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。 2 学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。 3 第一項の規定により学校が調査を行う場合においては、当該学校の設置者は、同項の規定による調査及び前項の規定による情報の提供について必要な指導及び支援を行うものとする。
【分かりやすく】
学校の設置者又はその設置する学校は、重大事態に対処するため、組織を設け、事実確認のために調査を行います。必要な情報を適切に提供し、必要な指導及び支援を行うものとします。重大事態とは、児童生徒の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるときや、児童生徒が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるときに該当します。
第二十九条(国立大学に附属して設置される学校に係る対処)
国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する国立大学に附属して設置される学校は、前条第一項各号に掲げる場合には、当該国立大学法人の学長を通じて、重大事態が発生した旨を、文部科学大臣に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた文部科学大臣は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、前条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 文部科学大臣は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る国立大学法人又はその設置する国立大学に附属して設置される学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、国立大学法人法第三十五条において準用する独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第六十四条第一項に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。
【分かりやすく】
当該国立大学法人の学長を通じて、重大事態が発生した旨を、文部科学大臣に報告しなければなりません。報告を受けた文部科学大臣は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、前条第一項の規定による調査の結果について調査を行います。文部科学大臣は、調査の結果を踏まえ、当該調査に係る国立大学法人又はその設置する国立大学に附属して設置される学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、必要な措置を講ずるものとします。
第三十条(公立の学校に係る対処)
地方公共団体が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 地方公共団体の長は、前項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。 4 第二項の規定は、地方公共団体の長に対し、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十一条に規定する事務を管理し、又は執行する権限を与えるものと解釈してはならない。 5 地方公共団体の長及び教育委員会は、第二項の規定による調査の結果を踏まえ、自らの権限及び責任において、当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずるものとする。
【分かりやすく】
地方公共団体の教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければなりません。地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行い、その結果を議会に報告しなければなりません。地方公共団体の長及び教育委員会は、調査の結果を踏まえ、自らの権限及び責任において、当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずるものとします。
第三十一条・第三十二条(私立の学校に係る対処)
学校法人(私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、重大事態が発生した旨を、当該学校を所轄する都道府県知事(以下この条において単に「都道府県知事」という。)に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた都道府県知事は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 都道府県知事は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校法人又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、私立学校法第六条に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。 4 前二項の規定は、都道府県知事に対し、学校法人が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。 第三十二条 学校設置会社(構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第十二条第二項に規定する学校設置会社をいう。以下この条において同じ。)が設置する学校は、第二十八条第一項各号に掲げる場合には、当該学校設置会社の代表取締役又は代表執行役を通じて、重大事態が発生した旨を、同法第十二条第一項の規定による認定を受けた地方公共団体の長(以下「認定地方公共団体の長」という。)に報告しなければならない。 2 前項の規定による報告を受けた認定地方公共団体の長は、当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。 3 認定地方公共団体の長は、前項の規定による調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校設置会社又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、構造改革特別区域法第十二条第十項に規定する権限の適切な行使その他の必要な措置を講ずるものとする。 4 前二項の規定は、認定地方公共団体の長に対し、学校設置会社が設置する学校に対して行使することができる権限を新たに与えるものと解釈してはならない。 5 第一項から前項までの規定は、学校設置非営利法人(構造改革特別区域法第十三条第二項に規定する学校設置非営利法人をいう。)が設置する学校について準用する。この場合において、第一項中「学校設置会社の代表取締役又は代表執行役」とあるのは「学校設置非営利法人の代表権を有する理事」と、「第十二条第一項」とあるのは「第十三条第一項」と、第二項中「前項」とあるのは「第五項において準用する前項」と、第三項中「前項」とあるのは「第五項において準用する前項」と、「学校設置会社」とあるのは「学校設置非営利法人」と、「第十二条第十項」とあるのは「第十三条第三項において準用する同法第十二条第十項」と、前項中「前二項」とあるのは「次項において準用する前二項」と読み替えるものとする。
【分かりやすく】
重大事態が発生した旨を、当該学校を所轄する都道府県知事に報告しなければなりません。当該報告に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、調査を行うことができます。調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校法人又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、必要な措置を講ずるものとします。また、学校設置会社が設置する学校は、当該学校設置会社の代表取締役又は代表執行役を通じて、重大事態が発生した旨を地方公共団体の長に報告しなければなりません。重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のため必要があると認めるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、調査を行うことができます。調査の結果を踏まえ、当該調査に係る学校設置会社又はその設置する学校が当該調査に係る重大事態への対処又は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずることができるよう、必要な措置を講ずるものとします。
第三十三条(文部科学大臣又は都道府県の教育委員会の指導、助言及び援助)
地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十五条の四第一項の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県の教育委員会は市町村に対し、重大事態への対処に関する都道府県又は市町村の事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる。
【分かりやすく】
文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県の教育委員会は市町村に対し、重大事態への対処に関する都道府県又は市町村の事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができます。
第三十四条(学校評価における留意事項)
学校の評価を行う場合においていじめの防止等のための対策を取り扱うに当たっては、いじめの事実が隠蔽されず、並びにいじめの実態の把握及びいじめに対する措置が適切に行われるよう、いじめの早期発見、いじめの再発を防止するための取組等について適正に評価が行われるようにしなければならない。
【分かりやすく】
学校が評価される際は、いじめの事実が隠蔽されず、いじめの実態の把握及びいじめに対する措置が適切に行われるよう、いじめの早期発見、再発を防止するための取組等について適正に評価が行われるようにしなければなりません。
第三十五条(高等専門学校における措置)
高等専門学校(学校教育法第一条に規定する高等専門学校をいう。以下この条において同じ。)の設置者及びその設置する高等専門学校は、当該高等専門学校の実情に応じ、当該高等専門学校に在籍する学生に係るいじめに相当する行為の防止、当該行為の早期発見及び当該行為への対処のための対策に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
【分かりやすく】
高等専門学校の設置者及びその設置する高等専門学校は、実情に応じ、在籍する学生に係るいじめに相当する行為の防止、当該行為の早期発見及び当該行為への対処のための対策に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとします。
まとめ
いじめ防止対策推進法は、いじめから子どもたちを守るために作られた大切な法律です。この法律により、学校や教育委員会、国や地方公共団体の責任が明確になり、いじめへの対応が組織的に行われるようになりました。
いじめは子どもたちの心と体を深く傷つけ、教育を受ける権利を奪い、時には命にかかわる深刻な問題です。だからこそ、学校だけでなく、家庭や地域、関係機関が連携して、社会全体でいじめに立ち向かっていく必要があります。
もしあなたの周りでいじめに苦しんでいる子どもがいたら、決して見過ごさず、学校や相談機関に相談してください。また、保護者の方は、お子さんの様子に変化がないか日頃から気を配り、何かあれば話を聞いてあげてください。一人ひとりができることから始めることで、いじめのない社会を作っていきましょう。
相談をご希望の方へ
いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている
など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。

参考文献
文部科学省 2016 平成28年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について.
文部科学省 2013 いじめ防止対策推進法の公布について.
毎日新聞 ことば:いじめ防止対策推進法 2013年9月28日.
文部科学省 別添1 いじめ防止対策推進法(概要).
日本経済新聞 いじめ防止法が施行 学校に対策組織を義務付け 2013年9月28日.
NHKニュース 犯罪行為として取り扱われるべきと認められるいじめ事案に関する警察への相談・通報について(通知) 2013年6月21日.
独立行政法人教職員支援機構「いじめ対策のポイントといじめ防止基本方針の改定」.
文部科学省 2023 いじめ防止対策推進法.