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いじめ撲滅

~ これまでのいじめ研究 ~ これまでのいじめ研究➀教員の指導態度がいじめを変える

指導態度でいじめが左右される!?

はじめまして!
いじめ撲滅委員会代表の栗本顕です。

私は学生時代、そうぜつないじめを体験してきました。
その後この問題を世界からなくすことを決意し、心理学の大学院でいじめの防止策を研究してきました。

現在では公認心理師として、いじめの解決策や、教育相談を行っています。

全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。

大学生の頃から、とりわけ「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
私自身がいじめが原因で不登校になった経験を大いに活かし、今後のいじめ対策に貢献ができればと思います。

今回は、教員の日常的な指導態度によっていじめ問題が変化することについてご紹介ます。
学校の中で、さまざまな種類のいじめがある中、いじめが比較的少ないクラスもあれば、いじめが絶えないクラスも存在します。
教員の指導態度によってこのような違いが起こるのであれば、そのメカニズムを知ることで、いじめを未然に防ぐことも可能となります。

いじめ撲滅委員会代表栗本顕

クラスによっていじめが違う

いじめ問題に対応する中で、「このクラスは比較的いじめが深刻ではないな・・・」とか「このクラスはいじめが深刻だな・・・」と感じることがあります。
「このクラスはいじめはないな」と捉えた時点で対策が疎かになる危険が高くなります。常に、「いじめが発生している可能性がある」といった意識を持つことが不可欠です。

いじめはそもそも、集団の中で起こるものです。
その集団の特性によって例えば、お金を恐喝するようなものだったり、暴力が中心のものだったり、悪口が中心、仲間はずれが中心といたようにさまざまなものになります。

こうなってしまう背景には、その集団の中で、その行為に及ぶ際に止める雰囲気なのか、促す雰囲気なのかが大きく関わってきます。
これと同じように、クラスの中で「いじめをさせない」という雰囲気を作ることが学級運営をしていく上で大切な視点です。

いじめの加害者の行動の背景に、周囲の児童・生徒が影響を及ぼすことが明らかにされています。

例えば、森田(1985)は、いじめをはやしたてる観衆層の児童・生徒と、見て見ぬふりをする傍観層の児童・生徒が相互に影響しあうことで生起することを明らかにしています。
いじめに受容的な学級では、特に傍観層の児童・生徒がいじめを活性化させる可能性があることを指摘しています。

また、いじめの発生件数は、小学校高学年頃から増加し始めて、中学校1年生でピークになることが文部科学省の調査で明らかになっています。

つまり、この時期の学級集団に焦点を当てることは、いじめ問題の根本的な原因を明らかにする上で重要であると考えられます。

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教員に求められる態度

どのような学級を組み立てていくかは、その担当となった教員の傾向が大きく関わっていきます。
そのため、教員がどのような態度や考えでクラス運営をしていくかを意識していくことはとても効果的です。

大西ら(2009)の研究では、「児童・生徒の教師認知については、受容・親近・自信・客観の教師認知が高い生徒ほどいじめ否定学級規範を高く意識していることが示された。」と報告しています。

また、西本(1998)は、教師から児童・生徒への影響の行使を可能にする資源と学級文化との関連について検討し、
「思いやりが学級文化の相違にかかわらず、児童・生徒へ影響を与える教師の資源として有効である」ことを明らかにしています。

さらに、三島・宇野(2004)は、「児童は、教師の受容的で親近感のある態度や、自信のある客観的な態度をモデルに、相手を尊重し認め合う学級雰囲気を醸成することを示している。」と報告しています。

つまり、教員が

児童・生徒に対して受容的になる
親近感を持つことができる
自信をもっている
客観性の高いコミュニケーション

以上の事ができることで、その教員のもとにいる児童・生徒が変わっていきます。

その教員のもとにいる児童・生徒は、

他者の喜びに共感する方法
攻撃的な児童・生徒との関わり方
児童・生徒と公平に接する
主張を納得してもらう方法
苦手なことや失敗に対する対処

などを、その教員をモデルとして学習することができます。

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クラスに求められること

いじめは、クラスの傾向によって発生することも、抑止力になることもできます。
そのため、クラスの傾向、特にいじめを許さないといういじめに対して否定的な評価を持っていくことが求められます。

クラスの中で、児童・生徒がいじめに対して否定的な評価をするためには、その前提として、大久保(2005)は以下のようにまとめています。

問題の児童・生徒をいじめることで解決する方略よりも適切な対人方略が存在することを、学級成員が知っている
学級のいじめに否定的な集団規範への意識を高く持つ
友人関係は児童・生徒にとって学校生活の適応感を左右する

としています。

つまり、いじめをするといった行為が学級の集団規範から逸脱し、他者から批判される可能性がある場合には、いじめを行うリスクが高くなるということです。
それにより、いじめの加害傾向が低くなると考えられということです。

内藤(2001)によれば、「いじめは加害者の利害構造に支えられて蔓延・エスカレートする」と言われています。
クラスに求められるものは、いじめを行うことによってメリットとなるものがなくなう環境を作ることが求められます。
いじめを行うことのメリットを低くして、デメリットを高めることで、いじめが起こることを少しでも減らしていくことが効果的です。

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教員がクラスにできること

これまでに、「教員に求められる態度」と「クラスに求められること」をご紹介してきました。
ここで、教員がクラスにできることをまとめると、以下のようになります。

教員は児童・生徒に対して

受容的になる
親近感を持てるように接する
自信をもっている
客観性の高いコミュニケーション
他者の喜びに共感する方法
攻撃的な児童・生徒との関わり方
児童・生徒と公平に接する
主張を納得してもらう方法
苦手なことや失敗に対する対処

ことが求められます。

そして、クラスの目標として、

対人的な問題が学級内に生じた時に、適切な対人方略が存在することを、学級成員が知っている。
学級のいじめに否定的な集団規範への意識を高く持つ。
友人関係は児童・生徒にとって学校生活の適応感を左右する重要な要因であると自覚する。

ことが必要です。

また、クラス運営は一人の教員で何十人もの児童・生徒を相手に慎重に行っていかなければなりません。
しかし、一人の教員で全てを決めたり、実行をしてしまうと偏った見方だけになってしまいかねない状態となってしまいます。

クラス運営をしていく際には、複数の教員と相談しながら慎重に決めていくことが必要不可欠です。
また、時にはクラスの児童・生徒と直接話し合いをして決めていくことも良い方法であると考えられます。

さらに、
「このクラスは比較的いじめが深刻ではないな・・・」
「このクラスはいじめが深刻だな・・・」と感じること、決して「このクラスはいじめはないな」と捉えないようにする意識を持つことが必要不可欠です。

これまでのいじめ研究➀教員の指導態度がいじめを変える



<引用文献>

大西 彩子・黒川 雄幸・吉田 俊和 2009 児童・生徒の教師認知がいじめの加害傾向に及ぼす影響―学級の集団規範およびいじめに対する罪悪感に着目してー 教育心理学研究 57, 324-335.
森田 洋司 1985 学級集団における「いじめ」の構造 ジュリスト 836,35-39.
西本 裕輝 1998 教師の資源と学級文化の関連性 社会心理学研究 13,191-202.
三島 美砂・宇野 宏幸 2004 学級雰囲気に及ぼす教師の影響力 教育心理学研究 52, 414-425.
大久保 智生 2005 青年の学校への適応感とその規定要因―青年用適応感尺度の作成と学校別の検討― 教育心理学会 53,307-319.
内藤 朝雄 2001 いじめの社会理論 柏書房.

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