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いじめ撲滅

~ いじめによる事件 ~ 事件⑨旭川女子中学生いじめ凍死事件

はじめまして!いじめ撲滅委員会代表,公認心理師の栗本顕です。私は学生時代、壮絶ないじめを体験して、大学院でいじめの研究をしてきました。

現在はいじめの問題を撲滅するべく、研修やカウンセリング活動を行っています。

いじめ撲滅委員会代表栗本顕

今回のテーマは
旭川女子中学生いじめ凍死事件
です。

今回の目次は以下の通りです。

・事件の概要
・事件の流れ
・加害者たちと学校の対応
・調査と裁判
・被害者について
・社会への影響
・メッセージ

いじめによる事件の中で、旭川女子中学生いじめ凍死事件を取り上げます。いじめは事件にも発展する危険のあるものです。今まで起きてしまった悲しき事件の全容を理解し、二度と起こらないようにしていかなくてはなりません。その責任が、我々教育関係者にはあります。

旭川女子中学生いじめ凍死事件

事件の概要

旭川女子中学生いじめ凍死事件は、2021年2月13日に北海道旭川市で当時14歳の女子中学生が行方不明となり、同年3月23日に市内の公園で凍死した状態で発見された事件です[1]。被害者は中学入学直後から上級生らによる凄惨ないじめを受けており、PTSDを発症していました。

被害者
女子中学生(当時14歳)

加害者
上級生を含む複数の少年少女(当時10人以上)

失踪日時
2021年2月13日夜

発見日時
2021年3月23日

場所
北海道旭川市内の公園

死因
低体温症

被害者は2019年4月に旭川市立北星中学校に入学後、上級生らからわいせつ画像の強要や自慰行為の強要といった性的ないじめを受けました[2]。失踪当日の気温は氷点下17度という極寒の中、薄着で家を飛び出し、その後38日間の捜索を経て公園で遺体となって発見されました。

旭川女子中学生いじめ凍死事件

事件の流れ

事件は大まかに説明すると以下のような経緯になります。

2019年4月

被害者が旭川市立北星中学校に入学しました。入学直後から、他校の上級生の男子生徒から「裸の動画送って」「写真でもいい」「お願いお願い」といったLINEメッセージで執拗にわいせつ画像を要求されるようになりました[2]

2019年5月

ゴールデンウィーク頃、被害者は上級生らから深夜4時に公園に呼び出されそうになり、母親が必死に止める事態が発生しました。被害者は「先輩に呼ばれているから行かなきゃ」とパニック状態になっていました。この頃から、被害者は母親に「死にたい」と漏らすようになりました[3]

2019年6月

6月中旬
母親がいじめを疑い、担任教師に何度も相談しましたが、担任は「今日は彼氏とデートなので、相談は明日でもいいですか?」と対応を拒否しました[4]

6月15日
公園で10人以上に囲まれた被害者は、上級生の女子生徒らから「それ今ここでやってよ。見せてよ」と自慰行為を強要されました。その後、公園に隣接する小学校のトイレに移動し、再び自慰行為を強要されました[3]

6月22日
加害生徒らがわいせつ画像を拡散すると脅したことで、被害者は「死ぬから画像を消してください」と懇願しました。すると上級生は「死ぬ気もねぇのに死ぬとか言うなよ」と煽り、被害者はパニックになってウッペツ川に飛び込みました[1]。警察が出動し、被害者は保護されました。

いじめグループは警察に「親の虐待が原因で飛び込み自殺未遂をした」と虚偽の説明をしたため、警察は一時、母親が被害者に付き添うことを拒みました。しかし、被害者のスマートフォンに残っていたトークや画像からいじめの実態が判明し、旭川中央警察署少年課が捜査を開始しました。

2019年9月

被害者はいじめから逃れるため、転校し引っ越しました。しかし、いじめによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症しており、転校先の学校にもほとんど通えない状態が続きました。入院と通院を繰り返しながら、自宅に引きこもる生活を送るようになりました。

2021年2月13日 失踪当日

氷点下17度の極寒の夜、母親が買い物で1時間半ほど家を留守にした間に、被害者が薄着のまま自宅を飛び出し、行方不明となりました。母親はSNSでも捜索を呼びかけ、警察による公開捜査が行われました。

2021年3月23日 遺体発見

自宅から数キロ離れた旭川市内の公園で、雪の中から被害者の遺体が発見されました。死因は低体温症で、失踪当日に死亡した可能性が高いことが検死により判明しました。

旭川女子中学生いじめ凍死事件

加害者たちと学校の対応

加害者グループ

いじめに直接関与した加害者は10人以上に及ぶとされています。主犯格とされる上級生の女子生徒A、男子生徒B、別の中学校に通う男子生徒C、そして女子生徒D、Eらが関与していました。

加害者Cは被害者に対してLINEで「裸の動画送って」「(送らないと)ゴムなしで〇るから」などと脅迫し、わいせつ画像を要求しました。被害者は恐怖から画像を送ってしまい、その画像はグループLINEなどに拡散されました。

ウッペツ川飛び込み事件後、警察の捜査により、加害者Cは当時14歳未満で児童ポルノ禁止法違反(製造)で触法少年として厳重注意処分となりました。その他のいじめグループのメンバーは強要罪の疑いで調べられましたが、証拠不十分で厳重注意処分となりました[2]

学校側の対応

旭川市立北星中学校の対応は極めて不適切でした。母親が何度も担任教師に相談しても、担任は「今日は彼氏とデートなので」と相談を断り、「いじめはない」と否定し続けました。

ウッペツ川飛び込み事件の後、教頭は母親に対して「わいせつ画像の拡散は、校内で起きたことではないので学校としては責任は負えない」「加害生徒にも未来があるんです」と告げ、いじめを否定しました[5]。この発言は、被害者を守るべき教育者としての責任を完全に放棄したものでした。

さらに、教頭は母親の目の前で、いじめの証拠となるLINEメッセージや画像を携帯電話のカメラで撮影し、「すべて調査します」と約束しましたが、その後何の対応もありませんでした。

当時の校長も、警察からいじめについて調査するよう要請されたにもかかわらず、「いじめの事実はなかった」「男子生徒らのいたずらが過ぎただけ」と弁明し、約3ヶ月もの間、事実を隠蔽し続けました[6]

旭川女子中学生いじめ凍死事件

調査と裁判

文春オンラインによる報道

被害者の遺体が発見された約1ヶ月後の2021年4月15日、文藝春秋のネットメディア「文春オンライン」が、被害者の母親の支援者からの告発を受け、この事件を初めて報道しました。報道は大きな反響を呼び、旭川市教育委員会や学校に300件以上の苦情電話が殺到しました。

第三者委員会による調査

2021年4月22日、旭川市長と教育委員会は、文春オンラインの報道を受けて、第三者を交えた調査を行うことを発表しました[7]。4月27日には、いじめ防止対策推進法に基づき「重大事態」に認定しました。

2022年3月27日、旭川市教育委員会の第三者委員会は中間報告で6項目についていじめがあったと認定しました[8]。しかし、2022年9月20日に提出された最終報告書では、「いじめはあったが、それが被害者を自殺に駆り立てた原因とまでは言えない」と結論づけました。

遺族はこの結論に強く反発し、旭川市長も遺族の意向を汲んで再調査を命じました。2022年10月7日、市長直属の再調査委員会の設置が議決されました。

再調査委員会の結論

2024年6月3日、再調査委員会は記者会見で「自殺といじめの因果関係を認める」と発表しました[8]。同年9月13日に公表された最終報告書では、前回調査で認定された5件以外に2件のいじめを認め、被害者のSNS投稿や心理学的分析などから自殺はいじめが主因だったと結論づけました。

報告書では、学校関係者、市教委、道教委、警察などの対応についても詳述され、学校はいじめへの対処を怠ったと認定されました。

旭川女子中学生いじめ凍死事件,再調査委員会

被害者について

被害者は中学校入学当初、一人で公園で小説を読んだり勉強したりする、大人しい性格の生徒でした。友達は少なかったものの、同学年の上級生と仲良くなり、公園で話したり、通話を繋いでネットゲームをする仲になりました。

しかし、その関係がいじめへと変わっていきました。被害者は母親に何度も助けを求め、「お母さん、死にたい」と2度訴えていました[3]

被害者は失踪する直前まで、ネットで知り合った友人に対して自分が受けたいじめの実態についてメッセージを送っていました[9]。そのメッセージには「会う度にものを奢らされる。最高1回3000円、合計10000円超えてる」「おな電をさせられ、秘部を見させるしかない雰囲気にさせられて見せるしか無かった」「自殺未遂しました」と記されていました。

社会への影響

政治への影響

2021年4月26日、萩生田光一文部科学大臣は国会で「今後、中々この事案が進まないということであれば、文科省の職員を現地に派遣する。或いは私を含めた政務三役が現場に入って直接指導することも考えながら進めていきます」と答弁しました[7]

旭川市長の対応

2021年10月28日、旭川市長の今津寛介氏は市議会代表質問で「資料を精査し、いじめがあったと認識した」と答弁し、市としていじめが存在したことを初めて認めました。

前市長の西川将人氏は、事件発生時の市長でしたが、市長を辞職して第49回衆議院議員総選挙に立憲民主党公認で北海道6区から出馬しました。しかし、この事件への対応が批判され、落選しました。

デマ・誹謗中傷の問題

事件報道後、インターネット上では被害者の遺族に対する事実無根のデマや誹謗中傷が拡散されました[10]

2022年1月31日、愛媛県松山市の36歳の無職男性が、被害者の同級生を名乗り、遺族を中傷する書き込みを繰り返し行ったとして、侮辱罪で松山区検に略式起訴されました。

また、2023年2月10日、旭川市在住の40代の女性が、SNSで被害者の遺族に対して誹謗中傷を繰り返していたとして、遺族から名誉毀損で約250万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こされました。2023年6月15日、旭川地裁は女性に計165万円の賠償を命じました。

メッセージ

旭川女子中学生いじめ凍死事件は、いじめの凄惨さと、学校や教育委員会の隠蔽体質が招いた悲劇です。

被害者は母親に「死にたい」と訴え、担任教師にも何度も相談していたにもかかわらず、学校は「いじめはない」と否定し続けました。警察からの調査要請も無視し、加害者側の家族からの謝罪の申し出さえ拒否するという、信じがたい対応でした。

教頭の「加害生徒にも未来があるんです」という発言は、被害者を守るべき教育者の言葉として決して許されるものではありません。一人の被害者の命よりも、複数の加害者の未来を優先するという考え方は、教育の本質を完全に見失っています。

この事件を決して忘れず、二度と同じような悲劇を繰り返さないよう、全力で取り組んでいかなくてはなりません。

お知らせ

いじめ撲滅委員会では、いじめのない社会を実現するべく、以下のような取り組みを行っています。

教育関係者向け講演,指導

教育関係者、学校向けのコンサルテーションも行っています。研修や講演に興味がある方は下記ページをご覧ください。

いじめコンサルテーション,研修,講演依頼-いじめ撲滅委員会

 

相談をご希望の方へ

いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。

・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている

など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。

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出典
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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