~ いじめによる事件 ~ 事件⑦愛知県名古屋市中学生5000万円恐喝事件
はじめまして!いじめ撲滅委員会代表,公認心理師の栗本顕です。私は学生時代、そうぜつないじめを体験して、大学院でいじめの研究をしてきました。
現在はいじめの問題を撲滅するべく、研修やカウンセリング活動を行っています。

今回のテーマは
「愛知県名古屋市中学生5000万円恐喝事件」
です。
今回の目次は以下の通りです。
・いじめの概要
・事件の流れ
・被害者を救った奇跡の出会い
・学校の対応
・その後
・メッセージ
いじめによる事件の中で、愛知県名古屋市中学生5000万円恐喝事件を取り上げます。いじめは事件にも発展する危険のあるものです。今まで起きてしまった悲しき事件の全容を理解し、二度と起こらないようにしていかなくてはなりません。その責任が、我々教育関係者にはあります。

いじめの概要
愛知県名古屋市中学生5000万円恐喝事件は、中学生がいじめの概念を通り越して5000万円という膨大な被害金額を一人の中学生から恐喝で脅し取っていた事件です。加害者の少年たちが口止めのために、被害少年殺害計画すら立てていたことが世間から注目されました。
被害者
男子中学生
加害者
同級生A、他10数名の少年
恐喝期間
1999年6月頃~2000年2月
場所
愛知県名古屋市緑区
名古屋市立扇台中学校
この事件で特に衝撃的だったのは、被害総額が5207万円にも及んだこと、そして130回もの恐喝が繰り返されたことです[2]。また、加害少年たちは恐喝した金を遊興費に浪費し、まるで「ATM」のように被害者から金を引き出していました[2]。

事件の流れ
事件は大まかに説明すると以下のような経緯になります。
1999年6月頃
名古屋市緑区の名古屋市立扇台中学校に通う被害生徒は、同級生のAから帽子にジュースのシミをつけたことに因縁をつけられて金を要求されます。怖くなった被害生徒は自分の預金19万円を引き出してAに渡しました。
これが悪夢の始まりでした。
1999年6月~2000年1月
Aと同級生のBは8ヶ月間にわたって被害生徒から金を脅し取っていました。恐喝された回数は130回にも及び、多いときには1回の恐喝金額が500万円になることもありました。被害総額は5207万円にもなりました。
被害生徒の家庭は、決して裕福ではありませんでした。恐喝されていた被害生徒は母親に金を要求して暴れたため、耐えかねた母親が事故死した父親の生命保険や預貯金を取り崩したり親類に借りるなどして金を工面していました。
加害少年たちの豪遊
Aらは被害者生徒を「○○○金融」と馬鹿にして預金口座から金を引き出すような感覚で金を脅し取っていました。
Aらは被害者生徒から恐喝した約5000万円の殆どを遊興費に浪費しました。
・高級ブランド品を買い漁る
・女生徒に恐喝した金を見せびらかす
・女生徒に数万円のお小遣いを渡す
・パチンコや風俗店で浪費
・タクシーを頻繁に利用
・大阪で高級料理を食べ歩く
・大阪名古屋間をタクシー移動
被害者生徒の中学校近辺のタクシー運転手の間ではAらの豪遊ぶりはよく知られていました。また、Aらは恐喝だけではなく、理由もなく鼻が骨折するほど殴ったり、タバコの火を押しつけるといった暴力行為も行っていました。

被害者を救った奇跡の出会い
2000年2月 入院
被害者生徒はAに無理やり連れて行かされたスキー旅行でAらに暴行を受けて、名古屋市の病院に入院しました。この時の旅行代金や旅先での滞在費は全員分被害者生徒に負担させていました。
被害者生徒は、顔がボコボコに腫れ、肋骨が折れるなど、ひどい怪我を負っていました。同じ病室には暴力団組長を父親に持つ、Yさんという男性がいました。
Yさんの気づき
Yさんが被害者生徒に怪我の理由を聞くと、「タイマンで喧嘩して負けた」と答えたそうです。
しかし、Yさんには被害者生徒が喧嘩ではなく、一方的に激しい暴行を受けたように見えました。腕や胸のあたりにタバコを押しつけた跡があり、大人しい被害者生徒が喧嘩をするようには見えなかったからです。
その後、Yさんは他の同室の男性2人と相談し、被害者生徒に積極的に話しかけたりしました。しかし、被害者生徒は「恐喝されているんじゃないか」と聞かれても、頑なに否定し続けました。
母親の苦悩
入院初日、同室の3人は被害者生徒の母親に「〇〇君、暴行されて、お金をとられてるんじゃないですか?」と声をかけました。しかし、母親はやつれた様子で「構わないでください」という態度でした。
明らかにひどい暴行を受けた跡があったのですが、母親は病院にも「警察には言わないで下さい」と頼んでいたそうです。
決定的な瞬間
2月中旬に、Yさんらは病院の屋上で、被害者生徒が2人の少年といるのを見つけました。
同室の男性が「お前ら、いい加減にせえよ!」と怒鳴ってにらむと、少年たちはオドオドして「友達なんです。見舞にきただけです」と答えたそうです。Yさんは少年らに被害者生徒が誰に殴られたのかを尋ねました。
彼らは「別の中学の生徒」と言いましたが、それが嘘であることはYさんには容易にわかりました。Yさんは2人の携帯電話の番号を聞き、追い返しました。この一件を境に、被害者生徒は同室の男性たちに心を開き始めるようになりました。
母親の告白
翌日、同室の男性たちは被害者生徒の母親に闘うように説得をし、ようやく立ち向かえるようになりました。母親がお金を渡したり、警察に相談したりしなかったのは、子どもが殴られて帰ってくるのがたまらないからだったらしい。
Yさんは学校にも電話を入れましたが、「そんな事実は把握していない」という返答だったようです。
加害少年たちの殺害計画
一方、少年達はAの家に集まり、被害者生徒と同室の男性から怒鳴られたことから、「このままでは警察に知られる。殺すしかない」と話し合い、遺書を書かせて、自殺に見せかける計画を立てていました。
3月 加害者宅訪問と被害届
3月始め、Yさんは被害者生徒と母親とともに加害者宅を回りました。加害者の親達の多くは「弁護士に相談する」と言ったり、「金を出す方がおかしい」と話したそうです。Aは両親の前で、恐喝を認めました。
3月中旬、被害者生徒と母親は預金通帳などの証拠をそろえ、愛知県警・中署に被害届を提出しました。

学校の対応
被害者生徒が通っていた学校は、事件当時は生徒数1300人で市内で一番大きい学校でした。事件当時の中学校では生徒同士のトラブルが頻発していたそうです。
事件発覚当初の対応
事件発覚当初はマスコミの取材に対し、教頭は「入院したことは知っているが、いじめや暴行を受けてのものかは把握していない」と答えていました。
また、校長は記者会見の席で、「ちょっとわからない」「把握していない」等を発言しましたが、被害者生徒へのいじめについてはなかったとキッパリと答えました。
しかし、学年主任は恐喝については修学旅行の一件でいじめに関して薄々気づいていたことを述べたものの、その後の指導については「キチンとやっていた」「精一杯やった」と述べていました。
懲戒処分
2000年6月13日、名古屋市教育委員会は、休職中の前校長(事件による過労のため入院中)が減俸、教頭に戒告の懲戒処分、教員4人と市教委事務局長らも文書訓告や口頭訓告となりました。
また、被害届が出されて捜査が進む最中に2000年3月末に被害者生徒の元担任だった女性教諭が一身上の都合で退職しています。

その後
逮捕と処分
・4月5日
主犯のA、B、Cの3人が逮捕されました。
・4月12日
4人目Dが逮捕、その後、5月までにAの先輩や、別の中学校の遊び仲間など10人が逮捕されました。
・4月24日
田中節夫警察庁長官は、衆院予算委員会で、「被害少年や母親から相談があったものの、継続的に少年や学校から連絡を取らず、迅速に本格的な捜査を開始しなかった」と陳謝しました。
・5月18日
審判が開かれ、100万円を恐喝していたKの中等少年院送致が決定します。Kの両親は謝罪とともに、520万円を支払うことで示談が成立しました。
・6月8日
名古屋家裁で主犯のAとBに「矯正機関での長期の教育を施すのが妥当」と少年院送致を決定しました。
・6月9日
愛知県警は緑署長ら5人に対して、訓戒、注意などの処分をしました。
結局、この5000万円恐喝事件で、9人が中等少年院送致、6人が保護観察処分となりました。
加害少年たちのその後
加害少年たちは、少年院退院後、主犯格だったAとBは2006年2月13日に名古屋市のパチンコ店駐車場で約1200万円を強奪する事件を起こし、同年11月22日に逮捕されました(逮捕時の2人の年齢は22歳)。
2007年3月30日、名古屋地方裁判所はAに懲役7年6ヶ月、Bに懲役5年6ヶ月の判決を下しました。
加害少年たち
事件に関わっていた少年は以下の通りです。()内の数字は脅し取ったとされる金額です。
・A (1600万円) 同級生 中心人物
・B (1300万円) 卒業生
・C (930万円) 同級生
・D (170万円) 同級生
・E (80万円) 同級生
・F (50万円) 同級生
・G (400万円)
・H (160万円)
・I (25万円)
・J (250万円)
・K (100万円)
・L 暴行のみ(被害者生徒を用水路に突き落とそうとした)。発覚当時17歳。
・M (10万円 ※Cから分け前をもらう)
・N
・O (140万円 ※Aから恐喝)
メッセージ
残念ながら、児童生徒による恐喝事件は後を絶ちません。今回ご紹介した事件の前にも、大きな事件になった恐喝事件もあります。また、近年にも大きな恐喝事件が起きました。
いじめ事件は繰り返してはならないことです。事件があったことで、反省点や改善点など、見直すことができたと思います。しかし、実際には繰り返されてしまっています。だからこそ、以前起きた事件を見直していくことが必要です。
決して忘れてはいけない、軽んじてはいけないことです。現在起きている問題に目を向けることは大前提ですが、過去に起きた問題にも目を向けて、前に進んでいかなくてはなりません。
奇跡的な出会いから学ぶこと
愛知県名古屋市中学生5000万円恐喝事件は、被害少年が入院した病院での出会いが解決へのキッカケになりました。このようなキッカケは、どんなところにもあるわけではなく、本当に、奇跡的な出会いだと思います。
教育関係者、ならびに地域としても児童生徒を見守っていき、「何か変だな」と思ったら動けるようにしていくことができれば、被害も事件の大きさも、小さい内に介入できるのではないかと考えます。
チーム学校、チーム地域として、児童生徒を見守る機会を作れたらと思います。
お知らせ
いじめ撲滅委員会では、いじめのない社会を実現するべく、以下のような取り組みを行っています。
教育関係者向け講演,指導
教育関係者、学校向けのコンサルテーションも行っています。研修や講演に興味がある方は下記ページをご覧ください。
相談をご希望の方へ
いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。
・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている
など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。
≪参考文献≫

3件の相談
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ありがとうございます。
0カウンセリングうけたら
2+教室で会話が出来なさそうな雰囲気だったらメッセージアプリを使って会話をするのも全然いいと思います!お友達のことも未月さん自身のことも大切にしてくださいね。長文失礼しました。
2+いいアドバイスができているかわかりませんができる限り友達のそばにいてあげることがが大切だと思います。きっとそれが友達のなによりの支えになると思います。的外れなアドバイスをしていたらすいません…
2+すみません…。
いじめの相談ではないんですけど、みんなに伝えたいことがあります。
他の人がもしかしたら言ってたかもしれませんがここの掲示板きつい人多すぎませんか?
少し前の相談(私がまだこの掲示板に居ない時)を見てたんですけど、「夢香」さんと
「天音」さんと言う人はみなさん知らないでしょうか。最近この2人はここの掲示板に
来てない感じですけど、ちょっと前にこの2人は他の名前になりすましていたんです。
(この情報はこの掲示板に居る誰かが書いていたことです)私には自分の名前を2つ以上作る必要があるのかわかりません。でも確定ではないので普通に注意しただけ
なんですけど、夢香さんは3つもなりすましている可能性が高く、さらに、天音さんの相談だけ言葉を少しきつくしたり、反対していたんです。天音さんも名前をもう一つ使ったのは悪いけど、夢香さんのほうが人に迷惑かけている気がします。1+-
すみません…
私昔からこうなんです。
なにか間違っているようなことを感じると、つい注意してしまいます。
これじゃあ、さりなさんも傷つきますよね。
すみません2+大切なことを書き忘れていました。
紗理奈さんの言う「名前を二つ以上つくる」ことは、成りすましではありません。
成りすましとは、実在する人の名前を使ってあたかも本人かのようにふるまう(書く)ことです。
あと紗理奈さんは前の投稿者が言っていたことをうのみにしています。
そんなんじゃ天音さんも傷つきますし、夢香さんも気に食わないと思います。
まだ決まってもいないことを注意するのはダメです。
芽育さん(情報源)もやめてください。芽育さんの投稿では、天音さんは名前を二つつくったことを否定していました。
2+こんにちは。
たしかに、私も同じことを思いました。
でも、二人には事情があったのかもしれません。
夢香さんは、おそらく天音さんが名前を二つ使っていることをなんとなく察していて、
だから天音
さんのことをよく思っていなかったのかもしれません。
でも、天音さんだけ言葉をきつくしたり、否定したりするのは差別です。
紗理奈さんも言った通り最近お二人はここにきていないと思うので、
もし夢香さんが天音さんの悪口を言っても天音さんは見ていないので傷つかないと思います。
申し訳ありませんが、私は紗理奈さんの味方になることも、天音さんや夢香さんの味方になることもできません。
不快にさせてしまったらすみませんでした。1+続きです。
さっきも言いましたが、まだこのことは確定ではありません。もし違うと証拠ができたり、
証明されたら2人とも、申し訳ありません…証拠ができたら私はこの掲示板を目に入れる
ことはもうないでしょう…。不快になった人すみませんでした…!
超長文失礼しました。0いじめではないんですけっど
1+-
だから?
0なんのことですか?
0じぁ何?
0日本からいじめをなくそう
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私の友達が塾でいじめられています。
毎日クスクス笑われたりとか、真似していないのに真似したと主張したり最近は暴力を振るった所を見ました。後、友達を空気のようにあつかったりもう友達もあまり学校に来ていません。しかも友達が休みの時は、その時、庇っていた私達をいじめるんです。先生もひどいんです。知っているのにいじめている人達が気に入っているからと止めないんです。友達も最近は死にたいと言っています。どうすれば良いでしょうか?