>
>
>

教育委員会の対応義務

いじめ撲滅

~ いじめの定義 ~ いじめ問題と教育委員会の対応義務を解説

はじめまして!いじめ撲滅委員会代表、公認心理師の栗本顕です。私の専門は「いじめ」です。心理学の大学院で研究もしてきました。現在はいじめの問題を撲滅するべく、研修やカウンセリング活動を行っています。

いじめ撲滅委員会代表栗本顕

今回のテーマは「いじめ問題と教育委員会の対応義務」です。お子さんがいじめに遭っているとき、学校に相談しても十分な対応が得られず、どこに助けを求めればいいか悩んでいませんか。教育委員会には法律で定められた対応義務があります。本記事では、教育委員会の役割と具体的な対応義務について解説していきます。

目次は以下の通りです。

① 教育委員会とは何か
② いじめ防止対策推進法
③ 教育委員会の対応義務
④ 重大事態とは
⑤ 教育委員会への相談方法
⑥ 学校が行うべき対応

それでは、いじめ問題における教育委員会の役割を一つずつ見ていきましょう。ぜひ最後までご一読ください。

教育委員会とは何か

教育委員会は、地域の教育を管理する行政の組織です。都道府県や市区町村ごとに設置されており、学校の運営や教職員の管理を行っています。

教育委員会の役割

教育委員会は、学校教育全体を見守る大切な役割を担っています。学校の設置や管理、教職員の採用や研修、児童生徒の就学に関することなど、幅広い業務を行っています。

いじめ問題に関しては、各学校の取り組みを支援し、必要な指導や助言を行う立場にあります。具体的には、専門家を学校に派遣したり、教員向けの研修を実施したりします。

また、学校だけでは解決が難しい問題について、教育委員会が直接関わることもあります。地域全体でいじめをなくすための対策を進める役割も持っています。

公立と私立の違い

教育委員会の権限は、公立学校と私立学校で大きく異なります。公立学校に対しては、教育委員会は強い権限を持っており、学校の運営に問題があれば変更を命じることができます。

一方、私立学校は学校法人が独自に運営しているため、教育委員会の権限はほとんど及びません。

したがって、公立学校のいじめ問題では教育委員会に相談することが有効ですが、私立学校の場合は各都道府県の私立学校を管理する部署に相談する必要があります。お子さんが通う学校がどちらなのかを確認してから相談先を選びましょう。

教育委員会

いじめ防止対策推進法とは?

いじめから子どもたちを守るため、2013年に「いじめ防止対策推進法」という法律が作られました。この法律によって、学校や教育委員会の責任が明確になりました。

法律の目的と内容

いじめ防止対策推進法は、いじめによって子どもの命や心身に危険が生じることを防ぐために作られました。この法律では、国や地方自治体、学校の責任を明確に定めています。いじめの防止、早期発見、適切な対処について、それぞれの立場で取り組むべきことが書かれています。

教育委員会には、学校を支援する役割や、重大な事態が起きたときの調査義務などが定められています。また、学校にはいじめ対策のための組織を作ることが義務付けられました。この法律ができたことで、いじめ問題への対応がより組織的に行われるようになりました。

いじめ防止対策推進法について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

いじめ防止対策推進法とは?

いじめの定義

法律では、いじめを具体的に定義しています。いじめとは、子どもに対して、同じ学校などに在籍する他の子どもが行う、心理的または物理的な影響を与える行為で、対象となった子どもが心身の苦痛を感じているものを指します。インターネットを通じて行われるものも含まれます。大切なのは、被害を受けた子どもが苦痛を感じているかどうかという点です。

加害者側に悪意がなくても、相手が苦痛を感じていればいじめに該当します。たとえ軽い冗談のつもりでも、相手が傷ついていればいじめとして認識される必要があります。この定義を理解することが、早期発見につながります。

いじめの定義について詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。

いじめの定義とは

教育委員会の対応義務

法律によって、教育委員会には様々な対応義務が定められています。ここでは、具体的にどのような義務があるのかを見ていきましょう。

学校への支援義務

教育委員会には、いじめ問題の解決に向けて学校を支援する義務があります。教育委員会が行う支援は以下になります。

指導主事の派遣
教育相談の専門家派遣
緊急対応チーム支援
教員研修の実施

これらの支援を通じて、学校だけでは対応が難しい問題にも取り組むことができます。特に、専門家の派遣は、いじめの早期解決に大きな効果があります。また、教員の対応力を高めるための研修も重要な支援の一つです。教育委員会は、学校と連携しながら問題解決に当たる責任を持っています。

指導・助言の義務

教育委員会は、学校のいじめ対策について確認し、必要な指導や助言を行う義務があります。各学校の取り組み状況を把握し、不十分な点があれば改善を求めます。また、いじめを行った子どもに対して、他の子どもの教育を受ける権利を守るため、出席停止を含む厳しい指導を行うこともあります。

被害を受けた子どもを守るため、転校や学校の指定変更などの柔軟な対応も求められています。家庭への支援として、学習の機会や情報提供を行うことも教育委員会の役割です。学校と保護者の間に立って、問題解決を進める役割も担っています。

教育委員会,学校への対応

重大事態への対応は?

いじめの中でも特に深刻なものは「重大事態」として扱われます。重大事態になると、学校や教育委員会には法律で定められた対応が求められます。

重大事態の定義

重大事態とは、いじめによって子どもの生命、心身、財産に重大な被害が生じた疑いがある場合、または相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合を指します。重大事態の例は以下になります。

自殺を図った場合
重い怪我を負った
精神疾患を発症
30日以上の欠席

重要なのは「疑い」の段階で対応を始めることです。事実が確定してからではなく、可能性がある時点で調査を開始します。また、被害を受けた子どもや保護者から申し立てがあった場合も、重大事態として扱わなければなりません。早い段階で適切な対応を取ることが、被害の拡大を防ぐことにつながります。

調査組織の設置

重大事態が発生したら、学校または教育委員会は速やかに調査組織を設置する義務があります。調査組織には、いじめの関係者と直接の利害関係がない専門家の参加が必要です。

弁護士
精神科医
学識経験者
スクールカウンセラー
スクールソーシャルワーカー

などが含まれます。

調査では、被害者と加害者への聞き取りだけでなく、周囲の児童生徒や教職員からも情報を集めます。調査の目的は、事実関係を明らかにし、再発防止策を考えることです。責任追及が主な目的ではなく、子どもの尊厳を守り、同じことが起きないようにすることが大切です。

第三者委員会のメンバー構成

報告の義務

学校は、重大事態が発生したことを直ちに教育委員会に報告しなければなりません。電話などで第一報を入れた後、数日以内に文書で詳しく報告します。教育委員会は、その報告を受けて教育委員会の会議で取り扱い、地方自治体の長に報告する義務があります。また、文部科学省への報告も必要です。

調査結果についても、被害を受けた子どもとその保護者に適切に情報提供することが義務付けられています。報告の際には個人情報に配慮しながら、事実関係を正確に伝えることが求められます。これらの報告義務によって、組織的な対応が確保されています。

教育委員会への相談方法

学校の対応に不安がある場合、教育委員会に直接相談できます。ここでは、効果的な相談の仕方を説明します。

相談の準備

教育委員会に相談する前に、しっかりと準備をすることが大切です。まず、いじめの内容を時系列で整理しましょう。いつ、どこで、誰が、何をしたのかを具体的にまとめます。学校に相談した日時や、学校からの対応内容も記録しておきます。可能な限り証拠を集めることも重要です。メールやSNSのやり取り、写真、診断書などがあれば準備します。

また、お子さんの様子の変化についても、日記のように記録しておくと良いでしょう。これらの準備をすることで、教育委員会に問題の深刻さを正確に伝えることができます。

相談の流れ

教育委員会への相談は、まず電話で連絡を取ることから始まります。相談の流れは以下になります。

電話で相談予約
担当者と面談
状況の説明
対応方針の確認

面談では、準備した資料を使って具体的に説明します。お子さんの苦痛や、学校の対応の問題点を明確に伝えましょう。教育委員会は、相談内容を確認した上で、学校への指導や支援について検討します。相談後も、定期的に進捗状況を確認することが大切です。必要に応じて、再度相談することもできます。

必要な証拠

教育委員会に相談する際、証拠があると問題の深刻さを理解してもらいやすくなります。いじめの証拠として有効なものをいくつか紹介します。メールやLINEなど、いじめに関するやり取りの記録は重要な証拠です。スクリーンショットを保存しておきましょう。お子さんの怪我の写真や、病院の診断書も客観的な証拠になります。

また、いじめを目撃した人の証言も大切です。お子さんが書いた日記や、学校に提出した相談の記録なども証拠になります。証拠は原本を保管し、相談時にはコピーを提出すると良いでしょう。証拠がなくても相談はできますが、あると対応がスムーズに進みます。

証拠の集め方について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。

いじめの証拠になるものは?

学校が行うべき対応

いじめ問題に対して、学校には法律で定められた対応義務があります。教育委員会は、学校がこれらの対応を適切に行っているか確認する役割を持っています。

いじめ対策委員会

すべての学校は、いじめ防止のための組織を設置することが法律で義務付けられています。この組織は「いじめ対策委員会」などと呼ばれ、複数の教職員で構成されます。心理や福祉の専門家も参加することが望ましいとされています。

この委員会は、いじめの防止、早期発見、対処について中心的な役割を果たします。いじめの疑いがある場合は、個人ではなく必ずこの委員会で対応を検討します。具体的な指導方針や支援方法を決め、全職員で共通理解を図ります。保護者や教育委員会との連携も、この委員会が中心となって行います。

事実確認の方法

いじめの疑いがあると分かったら、学校は速やかに事実確認を行わなければなりません。事実確認の手順は以下になります。

被害者から聞き取り
目撃者から聞き取り
加害者から聞き取り
複数の教員で確認

聞き取りは、被害者、周囲にいた人、加害者の順に行います。複数の教職員で対応し、情報の整合性を確認しながら進めます。被害者の安全を最優先に考え、必ず守り通すという姿勢を示すことが大切です。事実確認の結果は、管理職に報告し、教育委員会にも連絡します。

保護者への報告

学校は、いじめの事実を確認したら、速やかに保護者に報告する義務があります。被害を受けた子どもの保護者には、いじめの内容や学校の対応方針を丁寧に説明します。お子さんの気持ちに寄り添い、保護者の不安にも答えていく必要があります。加害者側の保護者にも、事実関係を説明し、指導の内容を伝えます。

双方の保護者と連携しながら、問題の解決を目指します。保護者との信頼関係を築くことが、いじめ問題の解決には欠かせません。報告後も定期的に状況を伝え、安心してもらえるよう努めることが求められます。家庭と学校が協力することで、より効果的な対応ができます。

 

まとめ

いじめ問題に直面したとき、一人で抱え込まないでください。教育委員会には、法律で定められた対応義務があります。学校への支援、指導・助言、重大事態への調査など、様々な役割を担っています。まずは証拠を集め、時系列を整理した上で教育委員会に相談しましょう。教育委員会の対応が不十分な場合は、24時間子供SOSダイヤルや法務局、弁護士、警察など、他の相談窓口も活用できます。大切なのは、お子さんの安全を最優先に考え、できる限りの行動を起こすことです。あなたとお子さんは一人ではありません。必ず助けてくれる人がいます。勇気を出して、声を上げてください。

相談をご希望の方へ

いじめ撲滅委員会では、全国の小~高校生・保護者のかた、先生方にカウンセリングや教育相談を行っています。カウンセラーの栗本は、「いじめ」をテーマに研究を続けており、もうすぐで10年になろうとしています。

・いじめにあって苦しい
・いじめの記憶が辛い
・学校が動いてくれない
・子供がいじめにあっている

など、いじめについてお困りのことがありましたらご相談ください。詳しくは以下の看板からお待ちしています。

いじめ,カウンセリング


助け合い掲示板

コメントを残す

いじめの定義
いじめによる事件
いじめ防止対策推進法
これまでのいじめ研究
児童虐待といじめ
代表講師の研究
栗本のお勧めサイト
YouTubeいじめ撲滅委員会動画一覧

日本からいじめをなくそう