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不安神経症とは?症状や良くする3つの方法

不安神経症とは?症状や良くする3つの方法①

はじめまして!臨床心理士の森、精神保健福祉士の川島です。私たちは現在、こちらの初学者向け心理学講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

本サイトでは「不安神経症」について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。

  • 不安神経症とは?
  • パニック障害との違い
  • 認知行動療法とは
  • エクスポージャー法
  • リラクセーションを活用
  • あるがまま森田療法

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^)それでは早速、不安神経症の基礎から解説させて頂きます。

不安神経症

不安神経症とは?

不安神経症は「不安」「神経質」「症」の3つからなる言葉が組み合わさった言葉です。それぞれ軽く理解していきましょう。

神経「質」とは何か?

不安神経症についてはまず「神経質」という言葉の定義から押さえていきましょう。心理学辞典(1990)では、以下のように記されています。

「外部刺激に敏感に反応する、小心で不安を示しやすい、心身の状態のバランスを崩しやすく、身体症状を示しやすい、疲労しやすい、新しい環境に適応することに困難を感じる等を示す性格傾向を神経質という。」

とされています。神経質という言葉は、古典的には森田正馬のヒポコンドリー研究からはじまりました。神経質な人は、体の問題を抱えやすく、問題となっていたのです。

神経「症」とは何か?

神経症とは、神経質な心の在り方から生じる、行動や体の問題を意味します。神経質な考え方や性格を原因として起こる結果のイメージですね。神経症には様々な分類があります。国際保健機構においては、神経症性障害, ストレス関連障害及び身体表現性障害(F40-F48)として分類されています。興味がある方は、こちらの厚生労働省のリンクを参照ください。

神経症の人は、次のような体験をしやすいと言われています。

・不安
・肩こりや頭痛
・動悸
・集中困難
・不眠
・発汗
・イライラしやすい
・めまい
・パニック発作

などです。このように、不安神経症には身体症状が多くみられます。

不安とは何か?

心理学的に不安とは
明確な対象のない恐怖
と定義することができます。

つまり、とりとめもなく、なんとなく、漠然と感じる恐怖感のことです。

不安神経症とは何か?

不安神経症は、「不安」を主な原因として起こる、体や行動の障害を意味します。これまでの定義を合わせると、なんとなく、漠然と感じる恐怖感から起こる、体や行動の障害と考えると良いでしょう。現在は診断名としては使われていない言葉で、全般性不安障害やパニック障害のことを表しています。

 

2つの不安神経症

ここでパニック障害と全般性不安障害について、それぞれ簡単に解説したいと思います。

パニック障害

これに対してパニック障害とは、パニック発作をはじめとした症状がある状態のことです。

パニック発作とは、以下の13の症状うち少なくとも4つ以上の症状があり、さらにその発作は急激に始まり、数分以内にピークに達するものを言います。

<パニック発作で見られる症状>
①動悸、心悸亢進②発汗、③身震い、④息切れ、⑤窒息感、⑥胸痛、⑦吐き気、⑧めまい、⑨現実感喪失、⑩コントロールを失う恐怖、⑪死の恐怖、⑫異常感覚(うずき感)、⑬冷感・熱感

こうしたパニック発作に加え、再びパニック発作が起こるのではないかと心配する、“予期不安”があることも特徴的です。

パニック障害をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・パニック障害の影響
・診断とチェック
・パニック障害の対処法
パニック障害の原因・治療法を心理面から解説-臨床心理士監修①

不安神経症とパニック障害の違いを解説

全般性不安障害

全般性不安障害(GAD)とは、
「“過剰な不安”と“特定のテーマに限局されない心配(予期憂慮)”がほとんど毎日起こる状態」
のことです。

平たく言えば、日常で起こる様々な事柄をかなり心配する状態です。

たとえば、会話をすれば相手に嫌われたのではないかと考え、ペットがいれば何か重い病気にかかっているのではないかと考え、試験があればうまくいかないのではないかと考えるのです。

川上ら(2006)の疫学調査では、全般性不安障害の12か月有病率は0.86であったと報告しています。

これを日本の20歳以上人口にあてはめると、過去12か月に86万人が全般性不安障害を経験したことになるのです。また、パニック障害は一生のうちで全人口の2~3%の人が発症すると言われています。

このように、不安神経症は珍しいものではないのです。

全般性不安障害をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・GADの症状
・発症する原因
全般性不安障害とは?症状や原因を精神保健福祉士が解説

併存症があると治りにくい?

ここで、不安神経症の1つである全般性不安障害をあつかった研究を見てみましょう。Bruceら(2005)は、併存症を持つ不安障害患者を12年にわたって追跡調査しました。併存症とは、「別の病気を伴っている状態」のことをを意味します。

今回は、

①全般性不安障害×広場恐怖をともなうパニック障害
②全般性不安障害×大うつ病性障害(いわゆるうつ病)

を併存している患者が回復していくのかどうかを調査したのです。

①パニック障害との併存

まずは、全般性不安障害×広場恐怖をともなうパニック障害から見ていきましょう。

不安神経症 克服

このように、回復の可能性を見たリスク比は0.67と低い値です。リスク比とは、今回の場合、「併存がある」グループと「併存がない」グループとの比率になります。この値が低いということは、回復の可能性はやや低いということを意味します。

つまり、症状を併存していると、不安障害が治りにくいことが考えられます。

②大うつ病性障害との併存

続いて、大うつ病性障害の結果を見てみましょう。

心配を和らげよう

このように、回復の可能性を見たリスク比が0.57と低い値を示しています。やはり、全般性不安障害やパニック障害、大うつ病性障害の併存症があると、回復しにくいということが言えそうです。それだけに、不安神経症を軽んじることはできません。

不安神経症 改善

不安神経症を良くする4つの解決策

それではここで、不安神経症を良くする解決策を見ていきましょう。不安神経症の原因と解決策は大きく分けると4つあります。一度に全部を読むのは大変なので、あてはまる項目からチェックしてみてください。

①認知行動療法で現実的に捉える

不安神経症の人は、不安に思うとそれを破局的な考えに結びつけてしまいます。例えば、明日の試験が「ちょっと不安…」では済まされず、「どうせだめだ」「自分には無理だ」と極端にネガティブな方向に結論づけてしまうのです。

破局的な考え方を解消するには、認知行動療法の技法のひとつ「尺度活用法」が有効です。尺度活用法は、「たとえ悪いことが起きても世界の終わりではない」と現実的な視点に戻るのに効果があります。

破局的に考えやすい…という方は、認知行動療法を実践することで、心が落ち着いていきます。

認知行動療法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・尺度活用法とは
・認知行動療法が鉄則
・もっとひどいことを想像
不安神経症には認知行動療法が効果的!3ステップで実践できる対処法②

②エクスポージャー法で克服

不安神経症の人は、自分が不安に思う人や場所、場面などを避けがちです。たとえば、広場恐怖を伴うパニック障害の人は、大勢の人が集まるような場所に行くことを避けることがあります。そうして行動範囲が狭くなり、ついには引きこもりのような状態に陥る場合もあります。

不安な状況に一歩踏み出すには、行動療法のうち、エクスポージャー法が有効です。エクスポージャー法とは、暴露療法とも言われ、少しずつ段階的に不安に思う状況や苦手な場所に慣れていく方法です。

不安のあまり一歩踏み出せない…という方は、エクスポージャーを学ぶことで、少しずつ前に不安を克服していくことができます。

エクスポージャーをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・エクスポージャーとは
・薬よりも効果的!?
・少しずつ不安を克服
不安神経症の強い不安状況でも「エクスポージャー法」踏み出そう③

不安神経症 改善

③リラクセーションで緩和

不安が強いと、心身が緊張しやすくなるため、不安神経症の人は緊張状態が強い傾向にあります。緊張から肩こりや頭痛が続いたり、1日中気を抜けなかったりするため、まずます体が凝り固まり、気持ちも自由になれません。

緊張が強い場合は、リラクセーションを用いるのが有効です。リラクセーションにもいろいろ種類がありますが、本コラムでは日常生活に取り入れやすい「漸進的筋弛緩法」をご紹介します。

心身の緊張が強い…という方は、リラクセーションを実践することで、体や心の緊張をほぐすことができます。

リラクセーションをより深く知りたい方は下記をご覧ください。
・リラクセーションの実力
・不安・緊張を和らげる
不安神経症に効果あり「漸進的筋弛緩法」で緊張をほぐそう④

④あるがまま森田慮法

不安神経症の症状が強くなる原因としては、不安に過剰にこだわってしまうことが挙げられます。「不安を感じたくない…」「不安を抑えなくちゃ」と思うほど、症状が悪化してしまいます。

そんな症状への過剰なこだわりには、「森田療法」が有効です。森田療法は、1919年に森田正馬によりつくられた精神療法で、対人恐怖症や赤面恐怖、視線恐怖などに対して古くから活用されてきました。

森田療法は簡単に言うと、
「症状をあるがままに受け止めて考えていく」
方法です。

不安や心配になる気持ちを強引に打ち消すことはせず、前向きな目的に注意を向けることを重視します。まず、不安神経症へのこだわりを自覚し、あるがままに受け入れていきましょう。

不安神経症の症状を抑え込んでしまう…という方は下記をご覧ください。
・不安を緩和するポイント
・あるがままと不安神経症
不安神経症の症状を改善!「あるがまま森田療法」⑤

正しい知識で対処!

不安神経症の原因には、「破局的にとらえる」「不安のあまり一歩踏み出せない」「緊張が強い」「過剰なこだわり」の4つが関わっていると言えそうです。次回以降のコラムでは、不安神経症に対処するための方法をご紹介していきます。

次回は、不安神経症に対処するための方法の1つ目「認知行動療法で現実的にとらえる」について解説します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★不安神経症の理解を深めて 正しい知識で対処しよう

心理学講座

目次

①不安神経症-概観
②認知行動療法とは
③「エクスポージャー法」
④「漸進的筋弛緩法」で緊張⇩
⑤「あるがまま森田療法」

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
Bruce, S. E. et al. (2005) Influence of psychiatric comorbidity on recovery and recurrence in generalized anxiety disorder, social phobia, and panic disorder: A 12-year prospective study. American Journal of Psychiatry, 162, 1179-1187.
川上憲人ら(2006)平成16~18年度厚生労働省科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業) こころの健康についての疫学調査に関する研究. https://www.khj-h.com/wp/wp-content/uploads/2018/05/soukatuhoukoku19.pdf
坂野 雄二(2012)特集 不安障害の病態・診断・治療の最前線 不安障害に対する認知行動療法. 精神神経誌, 114(9), 1077-1084.