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恐怖心を克服する方法とは?臨床心理士が専門解説

恐怖心


恐怖心をなくすには?3つの方法で克服を-臨床心理士が専門解説①

恐怖心を専門家が解説

みなさんはじめまして!臨床心理士の竹元です。私は臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングや交流分析の講義を行っています。

当コラムは「恐怖心」をテーマに専門家が解説をしています。全部で5コラムあります。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

 

恐怖心とは?

恐怖心とは「恐怖心」にも色々ありますが、当コラムでは特に対人場面における恐怖心をメインにお話ししていきます。

みなさんは「恐怖心」という単語から何をイメージされたでしょうか?

「職場の上司に報告する時、どうしてもビクビクしてしまう・・」

「自分の意見を言わなければいけないが、どう思われるか怖い・・」

「あの人の視線が怖い・・」

対人場面でも、様々恐怖心を感じる状況は様々ありますが、そもそも「恐怖心」とは何でしょうか?

「恐怖心」とは悪いものとしてとらえられがちですよね。一方で、恐怖心が全くないという人はいないのではないでしょうか。恐怖心とは、感情の1つに数えられ恐怖心を抱くということは、人間としてある種生き延びるために自然な反応と言えます。恐怖心を感じるからこそ、私たちは危険を予測し、それに基づいた行動を立てることができます。

例えば、比較的子どもの頃は怖いもの知らずでしたが、大人になるにつれ慎重になっていたりしますよね。私もボールが公園の外から転がってしまった時に、周りも見ずに道路から飛び出して、少し危険な思いをしたことがあります。しかし今となっては、同じ行動はしないのではないでしょうか。

このエピソードから分かるように、恐怖心とは今までの経験やできごとに基づいて学習をしていくもので、ある程度の「恐怖心」はとても大切なのです。

「恐怖心」の問題点

ある程度は必要な恐怖心ですが、「恐怖心」が膨らみ過ぎると問題となってくる時があります。「恐怖心」が膨らむと、私たちは異常な反応を起こすと言われています。

グリーンバーグは認知行動療法の立場から異常な反応の種類を3つに分けています。

・戦う
例)野生動物でいうと相手を倒そうと戦闘態勢に入る
・固まる
例)野生動物でいうと身を固くして守る
・逃げる
例)早い逃げ足を駆使して逃げる

という、3つに分けています。

対人関係での「恐怖心」の問題

恐怖心の問題先ほどの3つの分類は、対人関係における恐怖心でも同じようなことが言えます。「恐怖心」が強すぎると、対人関係でが円滑になりにくいですよね。様々な問題点が指摘されていますが、ここではいくつかにまとめて紹介しましょう。具体的な現れ方として、

・過剰に良い評価を得ようとする
上地ら(2009)の研究では、対人恐怖傾向と、相手に自分が評価されるかどうかという評価懸念の関連が指摘されています。これは実際に対人場面で相手に恐怖感を感じると、「嫌われないように」「当たり障りない」といったような振る舞いをする傾向があるというものです。これは疲れますし、反対になかなか親しい友達ができないですよね。

・緊張感が強くなり過ぎる
永井(1994)は全体的な対人恐怖についての研究を行っています。そこでは対人恐怖がちな人の特徴を挙げています。

具体的には「人に迷惑を与えてしまったらどうしよう」という気持ち、「自分のしぐさが不快な気持ちを与えてしまったらどうしようか」という気持ちが生じる傾向があるとしています。重ねて対人関係の距離のとりにくさや過剰な緊張感の存在を指摘しています。確かに過剰な緊張感を持つと、同じように疲れてしまいますよね。

・対人関係から逃げてしまいたくなる
堀井(2006)は対人恐怖傾向のチェックリストを作成しました。このチェックリストは聴き取り調査を行い、1000人近い協力者に回答してもらい作成したものです。

その中で「対人退却傾向」という、対人関係から逃げたくなる傾向の項目が入っています。その他ひきこもりの特徴を研究したものにも対人退却傾向という項目が加えられるようになっています。

サッとまとめてきましたが、こんな感じです。そうなる前に「恐怖心」に手だてを打ちたいですよね。

 

恐怖心の度合チェック

さて、ここであなたの恐怖心の度合をセルフチェックしていきましょう。

以下のそれぞれの質問に、あなたが当てはまると思うところに〇をつけてください。 

さぁ皆さんどうでしょうか。結果をお話していきますね。

セルフチェックの傾向と対策

40~25点:高め
かなり対人場面で恐怖感を感じているのではないでしょうか。過剰に感じすぎてしまい、対人場面を避けたりひきこもったりしてしまうなど、日常生活に支障もかなり出ている可能性も考えられます。

よくよく考えてみると、そこまで恐怖心を感じなくてもよいのではないかと思うことも有るのではないでしょうか。このコラムを読み、日常生活に生かしてください。

24~17点:やや高め
さほど高くはありませんが、対人場面で恐怖感を感じることはあるのではないかと思います。そして日常生活で、心配感や緊張感が強くなり対人関係で疲れるなど、日常生活で少し困ったことがあるのではないかと思います。

恐怖心と上手く付き合うポイントを見つけていってください。

16~8点:普通
恐怖心はさほど高くありません。日常生活は問題なく送れているのではないかと思います。しかし恐怖心は、日常生活などからとあることをきっかけに高まったりすることがあります。

そのような場合でもうまく対処できるように、恐怖心の生まれるメカニズムをつかんでおくことをお勧めします。

定期的にチェックしてみよう

結果は、あくまで「今」の傾向です。時間や状況によって変化するため、できれば月に一度ほど恐怖心の診断・チェックを行い、自分を見つめ直しましょう。

自分の状態を知ることで、膨らんでしまった恐怖心と上手く付き合っていくことができます。下記で対処法をご紹介します。

恐怖心の原因と対処法

恐怖心を克服する3つの方法ここでは、恐怖心が膨らんでしまう原因と解決策について考えていきましょう。

恐怖心が膨らんでしまう原因と解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

 

①他の見方がないか検討する

思い込みで恐怖心が膨らむ
私たちは、自分を実際以上に注目されていると考えやすいことがあります。しかし実際には、さほど注目されていなかったり、見ているにしても一時的にしか見ていないということがあったりします。

こうした現象をElkindという学者は「想像上の観客」と名付けました。つまり私たちの想像上に「観客」が存在していて、それに苦しめられてしまうということがあります。

心理療法を活用しよう
この自分自身のとらえ方について見直していくことが必要になってきます。当コラムでは、心理療法の1つ「メンタライゼーション」を活用してあなた自身のものごとのとらえ方を見直していく方法をご紹介します。

一度恐怖心を抱いてしまうといつも同じ気持ちになってしまう…という方は、これはコラム②の解説と練習問題に取り組んてみてください。

 

②自己観察しよう

プライドが高すぎて邪魔をする
プライドが高い場合も恐怖心を持ちやすいです。その理由は、プライドが高い人は相手の評価に非常に敏感だからです。相手から良い評価を得られるかどうか不安で仕方がないので、いつもびくびくしたような振る舞いになってしまいます。これは実際に上地ら(2009)の研究でも実証されています。

気づく事から始めよう
相手の評価との付き合い方という点は、まず自分自身にそうしたプライドが高い点があるという点に気づいていく事から始まります。当コラムでは、恐怖心を乗り越えた事例を交えながらプライドと上手く付き合うコツをご紹介します。人からダメと思われたくない…という気持ちが強い方は、コラム③の解説をチェックしてくださいね。

 

③認知の歪みを見直す

自分ルールにしばられている
私たちは、「こうしなければ」という自分自身の中にルールがあります。特に、「普通ならこれくらい・・」「もういい年なのだからこれくらい・・」といったルールを決めることは皆さんの中でもあるのではないでしょうか。

このルールは自分の中で決めていますが、かなり人の目や人の価値観に左右されたルールになっています。つまり潜在的に他者の評価を意識せざるを得ないメカニズムになっているということですね。

認知の歪みを修正しよう
ここでの対処法として、自分が作っているルールを見直していく事が重要になってきます。自分ルールには、「~べき、~ねばならない」というフレーズが伴う事が多くあります。これらは認知療法でいう認知の歪み「考え方のクセ」の1つで、自分ルールを作りだす素にもなっています。

当コラムでは、この認知の歪みを修正する方法を練習問題を交えながらご紹介します。周囲の意見や評価が気になる…という方は、コラム④でルールの見直し方について確認してみてください。

 

恐怖心をなくす方法を知ろう

恐怖心を無くす方法恐怖心が膨らんでしまう原因を3つ挙げてきました。「思い込みで恐怖心が膨らんでいる」「プライドが高すぎて邪魔をする」「自分ルールにしばられている」でしたね。これからご紹介する恐怖心を軽減する方法を知ることで、恐怖心と上手に付き合うコツを身に付けてくださいね。

1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

コラム② 恐怖心をもつ対人場面の対処法!心理療法で克服を目指そう
コラム③ 恐怖心の正体となくす方法!具体例と3つのポイント
コラム④ 恐怖心の正体はあなたの考え方のクセ!認知の歪みを修正しよう

次回は、恐怖心が膨らむ原因の1つ目「思い込みで恐怖心が膨らんでいる」の対処法をご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ 3つの恐怖心をなくす方法で 恐怖心と上手に 付き合っていこう
コミュニケーション講座

*出典・参考文献
Elkind(1967) Egocentrism in adokesence  Child Development 38 1025-1034 永井撤(1987)対人恐怖的心性に関する心理学的研究 東京都立大学人文科学研究科博士論文堀井俊章(2006)対人恐怖心性尺度Ⅱの開発 –対人関係におけるおびえの心性を測定する試み- 学生相談研究 第26巻 第3号, 221-232上地雄一郎・宮下一博(2009)対人恐怖傾向の要因としての自己愛的脆弱性,自己不一致,自尊感情の関連性 パーソナリティ研究2009 第17 巻 第3 号 280–291Greenberger&Christine(2001) うつと不安の認知療法練習帳 創元社岡田努(2002)現代大学生の「ふれ合い恐怖的心性」と友人関係の関連についての考察 性格心理学研究 第10巻 第2 号69−84



3つの原因と解決策を理解しよう