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論理療法とはどんな方法?考え方に焦点を当てて変える!

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論理療法とはどんな方法?考え方に焦点を当てて変える!

はじめに

当サイトをご覧いただきありがとうございます。このページは論理療法について紹介するページです。執筆者は井ノ口です。私は、心理系の大学を卒業後に金融機関に就職し、その後、心理系の大学院に再入学しました。現在は臨床心理士として、医療機関や研究機関、民間カウンセリングセンターなどで働いています。メンタルヘルス関連などの各種研修で論理療法の考え方を用いることが多いため、コラムの担当となりました。どんな方法なのかを、心をこめてみなさんに伝えたいと思います。

当コラムでは以下の内容で進めていきます。

●論理療法とは何か
●セルフヘルプが目標
● イメージと説得で悩みを解消!
● 自分の「秩序」で生じる悩み!
●Happyなことを考えて悩みを解決!
●まとめ

考え方を変える方法!

論理療法では悩みを解決するために考え方を変えることが重要視されます。その根底には「人間の悩みは出来事に対する受け取り方に左右される」という理念があります。柔軟な思考を持つことによって、人間は幸せになれるとされています。

その論理療法は20世紀半ばにエリスによって確立されました。当初は精神疾患の治療を目的としていましたが、後年は、人々が幸せに生きていくためにも論理療法を活用しました。

エリスはどんな人?

エリスの幼少期は不幸が多く、1人でさまざまな困難を乗り越えました。ユーモアがある会話や大らかな性格といったエリスのキャラクターは、論理療法の普及に役立ちました。心理学の発展に大きな影響を与えた人物でもあり、エリスの書籍や論文はフロイトやロジャースに次いで引用される機会が多いとされています。

こんな人に効果がある!

論理療法はうつ病に効果があり、治療率は50~70%程度であると言われています。また、摂食障害、強迫神経症、パニック障害といった精神疾患にも有効であると考えられています。近年では、発達障害を患う人たちの人間関係の悩みに対しても論理療法が使われています。

流行っている論理療法!

論理療法では、悩みを抱えている人の主観的な考え方や感情に注目します。客観的基準や道徳的な判断が最も重要になるわけではありません。また、治療法自体もシンプルであるため、多くの場所で論理療法が積極的に使われています。

例えば、医療機関における保険適用内の30分カウンセリング、EAP会社が提供する自己負担なしの心理援助などに論理療法は活用されています。時代に即した心理療法であり、今後もさらに広まっていくとされています。

ABC理論で悩みを整理

ABC理論とは、人の悩みを生み出す過程を整理した理論です。以下に示す3つの要素を想定して悩みを考えます。
●出来ごと(Activating event)
●固定観念(Belief)
●結果(Consequence)

この3要素のアルファベットの頭文字がABCなので、ABC理論と言われています。

具体的な悩みとして、仕事が続かない場合を考えてみましょう。ABC理論を用いると、以下にように整理されます。
●出来ごと(A)→職場で上司に怒られた
●固定観念(B)→上司に目をつけられたら会社にいられない
●結果(C)→会社に行くことが辛くなった

この一連の流れが繰り返されると、仕事が続かずに職を転々とするという悩みが生じます。

ABC理論は論理療法の醍醐味!

では、悩みの原因は3つの要素のどの部分でしょうか?世間ではCの原因がAであると考える場合が多いです。しかし、論理療法では、Bの固定観念が悩みの根幹であると考えます。ABCの一連の流れを把握することが大切です。

例えば、上記の仕事が続かないという悩みを考えてみましょう。上司から怒られるという出来ごとは誰しもが経験することです。しかし、その結果として、必ず会社に行くことが辛くなるというわけではありません。辛いと感じる人もいれば、心気一転して頑張ろうという人もいます。

会社に行くことが辛くなるかどうかは、AとCの間にあるBの違いで生じます。したがって、Bの固定観念を見直すことが悩みを解決するうえで最も有効になります。

日常生活を脅かすイラショナル・ビリーフ

論理療法では、固定観念をイラショナル・ビリーフと呼びます。エリスは、全部で12パターンのイラショナル・ビリーフを提唱しています。その中には、日常生活でも頻繁に見られるものが幾つかあります。

例えば「○○ね(れ)ばならない」というイラショナル・ビリーフを持っていると、家庭で下記のような悩みが生じます。
●出来ごと(A)→子どもが学校のテストで良い点数を取らない
●固定観念(B)→(親)将来のことを考えて、子どもの頃から一生懸命に勉強しなければならない
●結果(C)→親子喧嘩が生じる etc

また、「○○はダメだ」という非難・卑下的ビリーフを抱いていると、対人関係で下記のような困りごとが生じます。
●出来ごと(A)→友達が約束の時間に遅れた
●固定観念(B)→遅刻はダメだ、連絡しないのはダメだ
●結果(C)→イライラして友人と口喧嘩になる、友人の人格を否定する etc

このように、イラショナル・ビリーフは日常生活を脅かすものになり得ます。

考え方を変えて悩みを解決

論理療法では、非合理的なイラショナル・ビリーフを変えることによって悩みが解消されるとしています。イラショナル・ビリーフを変化させて合理的な考えを行うことを論駁と呼びます。つまり、論駁を行って出来ごとの捉え方を変化させることが、論理療法の目的です。

ラショナル・ビリーフに変えることがコツ!

論駁によってもたらされる合理的な考え方をラショナル・ビリーフと呼びます。ラショナル・ビリーフの基本は「○○にこしたことはない」という考え方です。

具体例として、何かしらの精神病が原因で将来を悲観しているかたを考えてみましょう。この方のイラショナル・ビリーフとラショナル・ビリーフは下記の考え方になります。
●イラショナル・ビリーフ→精神的に健康でなければならない
●ラショナル・ビリーフ→精神的に健康であるにこしたことはない

このように、ラショナル・ビリーフを持って日常生活を送ることで、気持ちが楽になります。エリスは、イラショナル・ビリーフをラショナル・ビリーフに変えることによって、これまでの結果と異なる状況が生じると考えました。

事実・論理性・ハッピーの3つが大事

イラショナル・ビリーフは日常生活を脅かすものになり得ます。逆に、ラショナル・ビリーフは日常生活を豊かにするものになります。エリスは、ラショナル・ビリーフの特徴として以下3点を問うことを強調しました。
●事実に基づいているか?
●論理性が備わっているか?
●人をハッピーにするか?

例えば、恋人と喧嘩をして「喧嘩の原因を作るのは自分ばかりだから別れを告げられるだろう」と考えている男性がいたとします。上記の3点に基づいてこの考え方を見直すと、以下のようになります。

●事実→喧嘩するほど仲がよいという言葉がある。喧嘩=悪いものではない etc
●論理性→喧嘩の原因が自分ばかりだとすると、彼女以外の人たちとも自分のせいで喧嘩が起こることが多いはずである。何でもかんでも自分のせいにする癖は辞めよう etc
●ハッピー→別れを告げたら私とパートナーは一時的に悲しくなる。2人ともハッピーとは言えないから、仲直りする方法を考えよう etc

論理的に考えて楽しくなる生活!

このように、ラショナル・ビリーフで出来事を考え直すと、今までとは違った状況を想像することができます。合理的な考え方を身につけると、起こる可能性が少ない出来事で悩む機会が減ります。また、被害的・自虐的な思考で自分自身を苦しめることも少なくなります。その結果、日常生活が楽しくなります。

今回はラショナル・ビリーフについて説明しました。ラショナル・ビリーフを用いて悩みが解消することがポイントです。次回は「セルフヘルプ」について説明したいと思います。自分で自分のメンタル不調を防ぐという考え方なので、次のコラムも参考にしてください。

★ラショナル・ビリーフで悩みを解消!
★ラショナル・ビリーフで楽しい生活!

コミュニケーション講座

論理療法とは何?考え方に焦点を当てた方法!悩みを解決するための思考の練習