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失敗は成功の元,挑戦が怖い時,恐れない-公認心理師が解説

失敗は成功の元,挑戦が怖い時,恐れない-公認心理師が解説

はじめまして!公認心理師の川島です。今回のテーマは
「失敗は成功の元」
です。

  • 改善するお悩み
  • 失敗が怖い
  • 恐れない方法を知る
  • 成功のもとにしたい

全体の目次
入門①失敗は成功のもと
入門②高目標設定法
入門③原因分析法
入門④目的本位法
助け合い掲示板

入門①~④を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非入門編は最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

失敗は成功のもと

意味

失敗は成功のもとには以下のような意味があります。

失敗することは原因を探る、原因を活かして改善していくことで、成功へ結びつけることができる

私たちの人生は失敗の連続と言ってもいいかもしれません。筆者の川島も自慢ではないですが、失敗続きの人生です。

・対人恐怖症になった
・会計士受験の失敗
・ひきこもりになった
・自殺企図
・会社をつぶしかけた
・結婚まで考えた女性にふられる
・コロナウイルスで大ピンチ。。
・企画で成功するのは10本中1個ぐらい
 9本ぐらいは大体ボツになる

失敗をすると、その瞬間は極めて、落ち込むものです。

失敗は成功のもと

しかし、不思議なことに長期的なスパンで見ると、人生に大きな気づきを与えてくれることがわかります。

例えば私は以前対人恐怖症、ひきこもりになったことで、心理学にすごく興味を持つようになりました。

今では、精神保健福祉士、公認心理師という2つの国家資格を取り、心理系大学院卒業という人生の大きな転機に繋がりました。私にとってまさに失敗は成功の元となりました。

らせん式発達モデル

心理学の世界では、
「アイデンティティー確立」
「アイデンティティークライシス」
という言葉をよく使います。

確立とは、自分のやりたいことが見つかったり、自分らしさを発揮している時期です。比較的成功している時期に訪れやすい心理状態です。

クライシスとは、自分のやりたいことが見つからず、何をしていいか混乱している時期です。比較的失敗している時期に音連れやすい心理状態です。

心理学者の岡本(1994)は、自身の研究の中でアイデンティティクライシスは人生を通して何度も訪れ、何度も乗り越えていくことでアイデンティティが確立されていくと述べています。

モデルにすると下記のようになります。

アイデンティティ 拡散この図は、アイデンティティのらせん式発達モデルといいます。上に行くほどアイデンティティが確立できている状態を示しています。

私たちはぐるぐるとらせんを描きながら絶えず、自分とは何か?を考え、理解していくのです。

入門②恐れない練習 高目標設定法

失敗については、恐れないで積極的に行動できる人、失敗が怖いためチャレンジできない人がいます。両者にはどのような違いがあるのでしょうか?失敗を恐れない方法として

①失敗過敏→高目標設定法
②原因究明!省察法
③森田療法,目的本位

を紹介したいと思います。まずは①失敗過敏→高目標設定法を紹介します。

失敗過敏と高目標設定

心理学の世界では、高目標設定タイプ、失敗過敏タイプという分類があります。両者の違いを見てみましょう。

「高目標タイプ」
 会話を楽しく盛り上げよう!  
 友達としてこれからもずっと仲良くありたい
 会話は相手を褒めることを意識する!

完璧主義 メリット

「失敗過敏タイプ」
 機嫌を絶対に損ねてはならない
 人前であがってはいけない
 人に絶対に迷惑をかけてはいけない

完璧主義 勉強

前者は積極的でプラスに視点が向いていますね。後者はミスをなくす、という消極的で視点がマイナスに向いています。

失敗過敏については、心理的に悪影響になりやすいことが分かっています。興味がある方は以下の研究をご覧ください。

齋藤(2009)は、大学生474名に対して、完璧主義と心理的な影響について調査を行いました。その結果、
失敗過敏完璧主義
のある方は
「集団にとけこめない」
「人間関係の当惑」
があることがわかりました。

これに対して、
高目標完璧主義
の方は、これらの傾向はなく、特に顕著な差として「幸福感」が高いことがわかりました。

絶対にミスをしてはいけないと思ってしまう

メンタルヘルス的には、高目標完全主義は過剰にならない程度であれば、プラスの側面が大きく、逆に消極的完全主義はマイナスになることが多く、注意が必要だと言えます。

ワレンダ要因

心理学の研究では、うまく行くことに意識を向け続ければ、うまく行きやすくなり、逆に、うまく行かないことばかりに意識を向けると、本当にうまく行かなくなってしまうことが多いと言われています。

この心理は、ワレンダ要因と呼ばれています。ワレンダとは、カール・ワレンダ(1905-1978)という天才的な綱渡り芸人です。彼は、最期に綱渡りで転落死しますが、その時の彼の妻によると

「今までは綱を渡り切ることしか考えていなかったのに、その時に限って落ちないことに注意を向けていた」

とのことです。もちろん失敗を一切イメージしてはいけないということではないのですが、失敗よりも成功イメージを重視することの重要性が示唆されています。

*動画解説もあります

入門③恐れない練習 原因分析法

省察とは何か?

心理学の世界では、「省察(せいさつ)」という言葉をつかうことがあります。省察とは、自分の体験を冷静に考えていく姿勢を意味します。

似た概念で「反省」がありますが、反省よりもより精緻に原因を分析していくイメージになります。

具体的には、
・なぜその出来事が起こったのか?
・その時の自分の感情は?
・どうすれば失敗しないですんだのか?

など全体から冷静に分析をしていきます。

中村(2016)の研究では、省察が劣等感に与える影響について調査が行われています。大学生338名を対象に、質問紙をもちいて調べました。その結果が以下の図です。

失敗は成功の元

このように、省察によって劣等感が下がることが示されています。自分のことを振り返ることで、周りよりも劣っているという感覚が薄れていくのですね。

失敗は経験の1つに過ぎず、これをしっかりと省察することで、大事な経験として活かせるようにしていきましょう。

省察のコツ

省察のコツは以下の3点です。

・考え方,感情を眺める
失敗をしたときは、混乱してしまうものですが、まずは冷静に自分の感情や考えを見つめなおします。混乱しやすい方はこちらのマインドフルネスコラムを参考にしてみてください。感情や考え方を眺めるトレーニングができます。

・因果関係を書き出して分析
次にできれば白紙の紙を出して、因果関係を分析していきましょう。頭の中で考えるよりも、紙に書きだした方が冷静に分析しやすいです。紙に書くと記録として残り、思考か前に進みやすくなります。

・次にどうするか?考える
因が関係を冷静に分析できたら、最後に次にどうするか?考えていきましょう。失敗過敏型の目標ではなく、前向きな目標がいいですね。

*余談 筆者の川島はニッチもサッチもいかないときは、コンビニでA3のコピー用紙を白紙で印刷して、喫茶店で、因果関係の図を作成してじっくり自分と向き合うようにしています。2時間ぐらい作業していると不思議と前向きな気持ちになれます。

入門④恐れない練習 目的本位に生きる

心理療法の中に森田療法があります。森田療法は森田正馬という精神科医が発案した心理療法です。森田昌磨は、気分本位、目的本位という2つの有名な言葉を作りました。

気分本位

気分本位とは「気分の赴くまま行動する姿勢」を意味します。例えば、失敗が怖い…という気分になったら、気分の赴くまま、逃げ出してしまうのです。

人と会うのが怖い
恥をかくのが怖い
失敗が怖い

私たちの心にはチャレンジをする際に必ず恐怖や不安が沸き起こります。気分本位で生きる人はそのたびに、回避をしてしまうことになるのです。

目的本位

森田は、気分本位ではなく、目的本位で生きよ!ということを主張しています。目的本位とは、そのままですが、目的を大事に生きていく姿勢を意味します。

例えば、私であれば、講演を依頼された時に、すごく不安になります。

「うまく話せるかな」
「あがってしまったらどうしよう」

こんな気分が沸き起こってきます。しかし、私には目的があるのです。
「少しでもメンタルヘルスの重要性を伝えたい」
「みんなを勇気づけたい」

こんな目的があります。この時に、気分本位ではなく、目的本位で行こう!と決心を固め、不安や恐怖をそのまま持ちながら、講演するのです。

失敗は怖いものですが、目的本位の考え方を身に着けると、挑戦する心は折れずに、チャレンジし続けることができると思います。動画でも解説したのでよかったらみてみてくださいね♪

失敗を成功の元にする-発展編

ここからは失敗を成功の元にする発展編のコラムとなります。興味があるタイトルがありましたら参考にしてみてください♪

スモールステップ法

失敗を恐れない方法としては目標をスモールステップで作っていくことが大事です。高すぎる目標ではなく、手触り感のある身近な目標を立てる習慣をつけましょう。詳しくはこちらの行動療法コラムを参照ください。

挫折から立ち直る

大きな失敗をした後は挫折感に苛まれると思います。そんなときは挫折から立ち直る方法を理解しておくと安心できると思います。最近大きな挫折があった・・・という方はこちらの挫折経験から立ち直る方法を参考にしてみてください。

専門機関で学ぶ

専門家から心理学を直接学びたい!という方は良かったら私たち公認心理師・精神保健福祉士が開催している、講座へのご参加をおすすめしています。

コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)詳しくは下記の看板をクリックしてみてください。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
中村(2016)理想自己と現実自己の差異と自己注目が劣等感に与える影響 2016 年 2016 巻 26 号 p. 168-172