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マインドフルネス療法入門,歴史,効果,やり方

マインドフルネス療法入門,歴史,効果,やり方

みなさん、こんにちは。公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。当コラムは

心理療法で情緒を安定がテーマです。マインドフルネス療法で日々の生活がすごく生きやすくなりました。みなさんにマインドフルネス療法の魅力をお伝えしていけたらと思います。

歴史と提唱者

まずはマインドフルネス療法の歴史から抑えていきましょう。

カバットジンの経歴

マインドフルネス療法の提唱者であるジョン・カバットジン(Kabat-Zinn, J.)は元々分子生物学者でした。分子生物学とは、体の仕組みを分子や遺伝子レベルで解明していく分野です。

そんなバリバリの理系だったカバットジンだったのですが、学生時代から禅に魅了されます。具体的には
 国際観音禅院
 崇山行願
から基本的なやり方を学んでいきます。そうして禅が心の安定に役立つことを体感していきました。

その後、禅が精神的に良い理由を研究しはじめ、心理療法に応用することを着想していったのです。

マインドフルネス療法の誕生

1979年になると、カバットジンはマサチューセッツ大学医学部にストレス低減センターを設立しました。そこでは、マインドフルネス瞑想、ヨーガ瞑想を取り入れた治療プログラムとして

マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)

が実践されていきました。その効果が科学的に実証されると、世界各地の病院やクリニックで瞑想がおこなわれるようになりました。

1990 年代には、MBSR と認知療法を組み合わせた

マインドフルネス認知療法(MBCT)

が生まれ、うつ病の再発予防についての効果が実証されました。その他、パニック、睡眠障害、慢性の不安などの患者にも適用し、心理学や心理療法に大きな影響を与えました。

現在では病気だけでなく、健康な人の生活の質を上げる技術としても認知されています。

意味とは,効果

マインドフルネスの意味とは

カバットジンは“マインドフルネス”について

今ここでの経験に評価や判断を加えることなく能動的に注意を向けること

と定義しています。

マインドフルネス瞑想の特徴は「いまこの瞬間」に意識を向け、知覚、思考、感情、行動を観察するすることに重点を置いています。

ただその感覚をながめ、良い、悪いの価値判断をしないことを大事にするのです。

体験してみよう

一方でマインドフルネスは知識では理解しにくい心理療法です。せっかくなので、軽いエクササイズをやってみましょう。折りたたみをクリックして展開してみてください。

理想は3分程度ですが、時間がない方は飛ばして読み進めてください。

・目を優しく閉じます 

・60秒自分の呼吸を観察します
  息を吸い,吐く
  ただその動きを観察します

・60秒体の感覚に集中します
  胸が膨らんだり、小さくなったりします
  体温を観察します
  風を感じている感覚を観察します

・60秒感情を観察します

  少しイライラしている… 
  心地よいと感じる…
  落ちついている…

ありのままを観察します。

このように自分自身を観察していくと、
 
 心が落ち着く
 感情に流されなくなる
 冷静に物事を進めていける

これらの効果があります。

どんな人が行うのか?

マインドフルネスは当初は以下のような病気を抱える方を対象に行われていました。

・慢性疼痛への効果
慢性疼痛の患者は、痛みがあるために気分が優れず消極的で、抑うつや不安が強くあります。マインドフルネスを実施したところ、大多数の患者は痛みや不安に振り回されることが減りました。その効果は、15ヶ月後も継続されていました。

・不安障害への効果
不安障害やパニック障害の患者にMBSRを実施し、不安が11%、抑うつ傾向が16%低下するという研究がありました。パニック障害傾向やパニック(不安発作)傾向も減少しました。

・うつ病への効果
うつ病を2・3回経験している患者にMBCTを実施したところ、再発率は37%でした。これは、通常の治療グループの再発率が66%ですので、再発をほぼ半分に抑えられたということです

最近では対象が広くなり、日常生活の問題に対するストレス耐性の向上、クリエイティビティを発揮する技術としても注目されています。

7つの基本姿勢

カバットジンは以下の7つの姿勢を重視しています。

①判断しない
②忍耐強くあれ
③初心を忘れない
④自分を信じる
⑤努力しない
⑥受け入れる
⑦とらわれない

この7つはマインドフルネスの基礎となります。次のコーナーからしっかり解説していきます。

マインドフルネスの思想はやや抽象度が高く、一般の方はやや理解しにくい部分もあります。解説には川島の考えを若干入れながら、わかりやすく解説していきます。

 

①判断しない

マインドフルネス瞑想では、観察した感情や考え方に対して、腹を立てず、憎まず、批判せず、判断しません。ありのままの感情や考え方をそのまま自然なものとして観察します。

例えば

将来お金が足りるか不安 もっと稼がなきゃ

という感情が見つかったとしましょう。この時

お金の不安をなくしたい
お金にとらわれる自分の考え方はあさましい
お金のことを考えてはいけない

とは考えません。

不安を感じている自分がいるな
私はお金について心配しているんだな

と、まずは気が付くだけで充分と考えます。

②忍耐強くあれ

マインドフルネスでは粘り強くあることが大事にされます。

マインドフルネスはすぐに習得できるものではりません。練習をしていても、気が付けば感情の渦に取り込まれてしまうことがあります。

そんなときは、心配や不満、イラつき、つらい思いがある時、まさにそれらの感情に巻き込まれやすい自分を忍耐強く観察していくのです。

粘り強く継続することで、自分自身を少しずつ客観視できるようになるのです。

③初心を忘れない

日々の体験に対して、初めてのことのように感じることを大事にします。

例えば、犬をはじめてみた小さな子供は、じっくりと犬を観察していきます。

ベロの長さ
息遣い
模様

小さな子供と大きな大人、どちらが今この瞬間犬のことを理解しているのか?もしかしたら子どもの方が気が付いているかもしれません。

マインドフルネスも同じです。自分と言うものは分かっているようでわかっていない部分もあります。見慣れているものでも「初心」で初めて見るように、見ると感動が生まれるのです。

④自分を信じる

自分を信頼し、感情を否定せず向き合うことが大事にされます。

私たちは時に、自分自身の感情に嘘をつくことがあります。例えば好きな人がいたとして、その人に配偶者がいたとしましょう。

この時、好きになってしまった自分を信じられなくなることがあります。取り乱して自分自身を否定してしまうかもしれません。人によっては、感情に巻き込まれて、自暴自棄な行動をとってしまうかもしれません。

でも、好きになってしまったことは仕方のないことで、自然なことです。その気持ちは気持ちとして、素直に観察してみるのです。そうして観察してよく考えた結果、冷静に結論を出せばいいのです。

このように自分自身とちゃんと向き合うことができて、理解した上で、行動を積み重ねていくと自分自身を信じることができるようになります。

⑤むやみな努力をしない

マインドフルネスでは努力をしない自分も認めます。

必ずしも自分を変えようとか、違う自分になろうとか、人は変わろうとしないでも良いと考えます。

これは説明が難しいですね。私たちはそもそもなぜ努力をするのでしょうか?それは「今の自分」に納得がいっていないからだと言えます。

ですので絶えず努力をしようとする姿勢は、絶えず今の自分を否定し続ける態度になりやすくなります。そうすると、今この瞬間を生きている自分の感覚に目が届きにくくなってしまいます。

その結果、自分の今の気持ちに嘘をついたり、理性を失った行動に結びつき、なりたい自分に結果的になれないのです。

そこで大事なことは、むやみな努力をするのではなく、規則正しくやるべきことを丁寧にこなしていく姿勢になります。

今の自分に心を向けつつ、理解を深めながら、コツコツ努力していく。その姿勢が結果的には目標にたどり着きやすくなります。

⑥受け入れる

生じてくるすべてのものを、そのまま受け入れます。痛みや哀しみ、怒りなどの感情も“あるがまま”に受け入れます。

思考や感情は私たちを心配や不安にさせ、“あるがまま”に観察し受け入れることを容易にしません。苦しい記憶が不安や哀しみを増幅させてしまったり、無かったことにしたいと差し引いたり、記憶を都合よく歪曲するかも知れません。

“あるがまま”を受け入れることは、記憶や今現在起きている苦痛によってはとても難しいことだと思います。はじめはとても難しいことです。

あるがままの姿勢を身に着けることは、訓練だけでなく、たくさんの人生を経験を積み重ねることでだんだんと理解できるものです。

このあるがままの感覚が身についたとき、心の平穏が訪れてくると思います。

⑦とらわれない

マインドフルネスではとらわれないことが大事にされます。

人は往々にして執着することが多いです。執着をすると、失うことが怖くなったり、不安が大きくなったり、イライラすることが増えていきます。

・お金をふやしたい
・物をふやしたい
・魅力的な異性をゲットしたい
・楽をしたい

もしあなたが日々これらの感情に支配されている場合は、マインドフルネスで観察をして気づきを得たあとに、緩める(手放す)練習をしてもいいかもしれません。

あなたは一度しかない人生を、イライラして過ごすのか、それとも落ち着いた心で自分自身を受け入れながら生きていけるかは、とらわれない心を持てるかにかかっているのです。 

自分の気持ちを確認

まとめと発展

ここまでのまとめ

“あるがまま”を観察するマインドフルネス瞑想ですが、しばしば映し鏡に喩えられます。あなたが鏡を覗くと、そこに映っているのは、あなたが長年親しんできたあなたの顔です。

次々と現れる思考や感情を、何の判断も交えずに映し出す心の鏡なのです。

日常的におこなうことで、今まで気にも留めなかったことに新しい発見を覚え、閃きを提供してくます。また、周囲の人の気持ちや考えがより理解できるようになり生活の質が向上していくのです。

エクササイズ一覧

マインドフルネスには様々なエクササイズのやり方があります。代表的なものを解説しました。興味があるものをクリックしてみてください。

脱中心化と呼吸法 
ボディースキャン法 
歩く瞑想技法方法 
レーズンエクササイズ

仕上げ動画

マインドフルネス療法について動画も作成しました。基礎の仕上げとしてご活用ください。

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