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精神分析入門①わかりやすく解説,歴史とは?フロイト,創始者

精神分析入門①わかりやすく解説,歴史とは?フロイト,創始者

みなさんこんにちは。
公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。

今回は、
「精神分析的心理療法」
について、初学者向けにわかりやすく紹介します。精神分析療法は三大心理療法と呼ばれ、源流と言って良い心理療法です。是非最後までご一読ください。

精神分析療法の歴史,フロイト

精神分析の技術は、一朝一夕では習得することができないとても高度なものです。現代でも要となる心理療法ですが、理論が複雑です。

また、さまざまな弟子たちが新たに理論を踏襲したために、その理論も多岐に渡ります。まずは歴史から概観し、全体像をつかんでいきましょう。

提唱者

主な理論をつくったのは、ジークムント・フロイトです。以下の動画は生前の様子です。

シャルコーから学ぶ

創始者であるフロイトは、はじめ「催眠」という方法を使ってヒステリーの研究や治療を行いました。「催眠」という治療方法は神経科医のシャルコーやブロイラーから学びました。

そのうちに、催眠を使っての治療は患者の依存を強くすると考え、それらを踏襲しつつ、独自の手法を確立していきます。

精神分析の誕生

フロイトは、まず催眠を用いない「前額法」を採用しました。ひたいに手を当て促すことで、患者が過去のことについて思い出し語るという方法でした。

その後、フロイトは、前額法を辞め、「心に浮かんだ内容やイメージを思うままに語る」という「自由連想法」を確立します。これが精神分析の基礎となりました。

無意識の発想

精神分析が治療法として確立していくうちに、学問としての理論も成り立っていきます。フロイトは

  原因不明な体の症状
  なぜか他人にイライラする
  意図しないミス  

これらの症状や行動は「無意識」が関係していると考えました。フロイトは、心には人間には意識できる部分と、自分でもよくわからない無意識の部分があると考え、無意識を紐解くことで患者の心を理解しようとしたのです。

多くの弟子が生まれる

精神分析は、性的な内容を含む衝撃的な理論であり、多くの批判を受けました。フロイトには多くの共同研究者や弟子がいましたが、彼らはこれまでの方法を改良したり、弟子独自の形で広めました。

例えば、
アドラー心理学
遊戯療法
ユングの分析心理学
は精神分析の影響を強く受けています。

アンナ・フロイト

フロイトの精神分析学の基礎を忠実に継承した学派を『自我心理学』と呼びます。この学派で有名な学者は、アンナ・フロイト(Freud,A)です。

彼女はフロイトの娘でイギリスで活躍しました。後のコラムで、もう少し詳しくお話しますが、アンナ・フロイトはフロイトの理論を継承しつつ、人間の自我についての理論を深めていきます。

子どもの世代に適用させようと遊戯療法(プレイセラピー)の基礎も創りました。

精神分析療法と現代

精神分析療法を現在本格的に行っている心理療法家は少なくなってきています。ただ精神分析を極めた方は、ある意味で神がかったカウンセリングの成果を残す方もいます。

同業としてもすごいな…と感じます。

精神分析療法で生まれてきた、防衛機制の考え方や無意識の思想は現代でも重要な概念として、臨床心理士や公認心理師は必ず学ぶ概念となっています。

 

精神分析療法の特徴

次に精神分析の特徴を抑えていきましょう。

心の問題に効果的

 精神分析は、心理学発症当時の「神経症」に効果があると言われてきました。神経症とはざっくりと言うと、「心の問題が引き起こす強い悩み」です。

現代でいうと不安障害やうつ病、強迫性障害などが当てはまります。これ以外にもパーソナリティ障害などさまざまな心の病気の治療に用いられます。

過去の葛藤を扱う傾向

精神分析では比較的過去の記憶を取り扱うことが多いです。幼い頃からどんな人生を送ってきたか、どんな心の成長をしてきたかということをじっくりと振り返ります。

精神分析学,精神分析的心理療法の違い

精神分析学はフロイトによって提唱された心の理論を体系的に理解していこうとする学問です。

精神分析的心理療法は、精神分析学の理論を使いながら、心の中の葛藤や課題などを治療に役立てていくものとなります。

 

理論体系,局所論

心は3つの層からなる

フロイトは人間の心が
「意識」「前意識」「無意識」
の3つの層から成り立ち、心を構成していると唱えました。これを局所論と言います。

精神分析の全体図

この理論は、人の心をちょうど氷山のように例えることができます。誰しもが見える氷山の上部分を意識、水面下にある部分を前意識、そしてその更に奥底の部分が無意識です。

意識

意識は自分の考えや感情を直接操作できる領域を指します。経験や感情などが「これは自分のものだ」と主体的に感じられるものです。

意識や前意識のように、頭や心の表面に浮かんでこない経験や感情のことを指します。例えば、
「嫌いなタイプを教えて下さい」
という質問を受け、

30代後半の男性

と答えた女性がいたとします。これは意識の部分でコントロールできている状態になります。意識できる状態なので、現実的な対処が可能です。

例えば、30代の男性を避ける、会話にならないようにするなどをすることになります。 

前意識

前意識は、「思い出そう」と思えば簡単に思い出すことができる領域を意味します。意識のように頭や心の中で表面化されてはいなくても、前意識はいつでも意識の中に入ることができます。

無意識

無意識は記憶や考えを見つけられない領域を意味します。例えば先程の女性に
「なぜ30代後半の男性が嫌いなのですが?」
とさらに聞いたとしましょう

う~ん…わからないです…でもなぜか嫌いなのです

と答えたとします。この時精神分析の心理療法家はその理由が無意識に抑圧されている可能性を疑います。

無意識には、反道徳的な考え、過去の苦痛、などが存在します。私たち思い出してしまうと心が傷つくような情報を思い出さない部分に閉じ込めておく性質があると考えるのです。

 

理論体系,構造論

フロイトはもう1つ構造論を提唱しました。心が「自我」、「イド(エス)」、「超自我」という3つの層形成されると唱えられた理論です。

局所論との関係を以下の図でイメージしてみてください。

精神分析の全体図

イド(エス)

「〜したい」という欲望を表します。フロイトは、欲望はもともと本能的な性の欲動と捉えています。そしてその性衝動がよく部分をイド(エス)と呼びました。

エスは本能的で動物的な部分なので、非現実的な考え、反道徳的な行動を引き起こすこともあります。

超自我

 超自我は良心や道徳的価値観、それに則りイドを禁止する機能を指します。「〜であるべきだ」「〜してはいけない」など考え行動することです。

良心や道徳的な価値観は、親のしつけ、先生の教えにより形成されていきます。それを、「親と同じになろう(同一視)」と自分の中に取り込んでいくのです。

超自我はイドを監視し、本能的に振る舞い、罪を犯すことを抑える機能があります。

自我

自我はイド(エス)と超自我のバランスをとる機能です。

「〜したい」というイド
「〜してはいけない」という超自我

がぶつかると人の心の中に葛藤が起きます。これを「現実原則」に従って現実的な考え方、対処方法へと調整するのです。

自我の機能が適切で、イド、自我、超自我のバランスがとれていれば心が健康であると考えられています。

治療の指針

古典的手法

精神分析では無意識を非常に重視します。自由連想という形で無意識の領域を知り、解釈を行うことで、心の病気を治療します。

古典的には、カウチソファーという足を延ばせる椅子に座り、目をつぶりながら自由に話していきます。

フロイトのソファ、ロンドン、2004(2).jpeg
画像出典

これを週6回繰り返します。カウンセラーと繰り返し話していくうちに、過去に眠っていた記憶などを呼び起こし、普段の生活では見過ごしていた無意識の世界と向き合い、そして悩みの原因と改善を目指します。

実際の治療には、無意識の領域や自我防衛機制などについて明確化すること、それをわかりやすくクライエントへ解釈し、クライエントが意識的に直面化する必要があります。

充分な訓練が必要

この一連の行程は非常に高度な技術が必要になります。治療中はクライエントの心、そして治療者の心、つまり自我が揺れ動くのです。

そのためにクライエントの心の調子が悪くなることもおおいにあり得ることなのです。実際の治療場面では治療者の十分な訓練が必要なのです。

まとめとお知らせ

まとめ

ここまで精神分析の基礎について学習してきました。まずは、局所論、構造論など基本的なワードを抑えておきましょう。次回のコラムでは、より詳しい治療体系として、防衛機制について理解を進めていきます。

精神分析の中核となる部分なのでぜひ次のコラムも参照ください。

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