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無意識の意味とは?フロイト,行動への影響,心理学

無意識の意味とは?フロイト,行動への影響,を心理学

みなさんこんにちは!臨床心理士の加賀です。私は、これまで臨床心理士として精神科・心療内科クリニックでカウンセリングを行ってきました。

その経験や心理学の知識の中から皆さまのお役に立てられるような情報をお伝えしていきたいと思います。今回のテーマは「無意識」です。

  • 全体の目次
  • フロイトと無意識
  • ユングと無意識
  • 様々な研究
  • カタルシス
  • 助け合い掲示板

はじめに

無意識は精神分析の花形の概念です。私たち心理師は心理学の基礎として必ず学びます。最近では認知行動療法が主流になり、精神分析のみをセラピストは減っている印象です。

しかし、カウンセリングにおいては極めて重要な概念で、とても厚みのある分野です。

コラムを読み進めると、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

フロイトと無意識

提唱者-フロイト

人間の心的世界に無意識を推定したのは、ジクムント・フロイトという精神科医です。フロイトは一般開業医として、心に問題を抱える患者を治療していきました。

フロイトは自由連想法という手法で、下記のように患者をカウチソファーに寝かせて、カウンセリングを行いました。

無意識,カウンセリング

こうして横になり、自由に話すようにすると、普段は意識できなかった、心に溜まっていた悩みが出てくるようになるのです。

そうして、普段は気が付かなかった悩みを十分に語りつくすと、患者の悩みが大きく改善されていくことにフロイトは気が付きます。

このような過程からフロイトは「無意識」を治療体系に組み込んでいきました。

無意識を発見したフロイト

出典:Wikipedia

無意識の意味と構造

フロイトは、無意識を次のように説明しています。

無意識とは、なんらかの理由で自分のものと認めがたい欲求、願望、感情などは抑圧され、本人には自覚されない存在となる。しかし、それらは存在し続け、意識レベルで行動に影響を与える

フロイトは、こころは心的装置という3層からなるという仮説を立てています。

 超自我 
ルール重視。親のしつけ、社会のルールなどを重視する役割を担う層。
 自我 
調整役。エスと超自我とのバランスをとる役割を担う層。
 エス 
快楽重視。無意識的で欲望や原始的な衝動のもととなる。幼少期から抑圧してきたものが蓄積されている層。

図に示すと以下のようになります。

フロイト提唱心的装置の模式図

フロイトは無意識を「思い出したくない感情や観念の集まりのこと」と捉え、意識と無意識の間を自我が調整していると考えました。

悩みの抑圧

現実で大きなストレスが起こると、自我はその記憶を無意識に抑圧して自分自身を守ろうとすることがあります。

たとえば、
・失恋した記憶をすぐに忘れようとする
・虐待された体験を無意識に抑圧する
・大変だけど感じないふりをする
などがあげられます。

これらの心を守ろうとする心の作用を防衛機制と言います。

無意識と葛藤

一方で、フロイトは、抑圧することが多すぎ、無意識の葛藤が強くなりすぎると、その結果として神経症的症状が生じるとも伝えています。神経症的症状とは、

・視力や聴力の低下
・胃痛
・顔面麻痺
・心因性のめまい
・円形脱毛症

など様々なものが挙げられます。

具体例
パワハラに耐えていた会社員の花子さんは、「大丈夫頑張れる!」と気丈にふるまっていました。しかしある日、顔面のけいれんが起きて、治らなくなってしまいました。

Aさんは、意識では気丈にふるまっていましたが、無意識では大きなストレスになっていたのです。このような症状は現在では心身症と言われ、心療内科などで治療の対象となります。

意識と無意識,パワハラでの事例

ユングと無意識

フロイトが提唱した無意識の世界は、心理学の花形の概念となります。そうして様々な心理学者により、実践、批判が進み、発展していきます。

集合的無意識

スイス出身の医師であるカール・グスタフ・ユングは、フロイトとともに精神分析学を発展させるために研究をしていました。しかし後に意見の違いから決別し、分析心理学を創始しました。

分析心理学を創始したユング

出典:Wikipedia

ユングも無意識の働きを重視する治療を行っていました。フロイトと異なる点は、集合的無意識という概念を作り出し、新たな無意識の領域を明らかにしたことです。

集団的無意識とは、先祖から受け継がれた無意識の共通パターンです。人には共通する無意識があり、そのうえに私たちの意識、個人的な無意識が存在します。

ユング提唱集合的無意識の模式図

ユングが提唱「元型」とは?

集団的無意識には、共通パターン「元型」がありいくつかに分かれています。元型のパターンの一例を挙げると以下が挙げられます。

ペルソナ
そのときにそれぞれの役割に合わせて見せる自己の側面を意味します。

・コンプレックス
無意識下の感情によって着色された表彰群とされています。ユングは言語連想テストでコンプレックスを発見しました。例えば、「青」というと皆さんはどんなイメージを持ちますか?私で言えばガリガリくんです。

このようにある程度まとまっている心的内容を意味します。日本ではコンプレックスというと劣等感がイメージされますが、もう少し広い意味になりますね。

・シャドウ
無意識化に抑圧された、劣等感、不道徳な心理、敵意、不安など

・グレートマザー
息とし生けるものをはぐくみ育てる母親のイメージ 天照大神、マリア(イエスの母)など

・アニマ
男性がイメージする女性像 女性らしさの共通するイメージ

・アニムス
女性がイメージする男性像 男性らしさの共通するイメージ

・セルフ
意識と無意識を含む全体の中核 心を統合させる機能を持つ

心理学研究

無意識についてはこれまで様々な研究がなされてきました。以下折りたたんで記載しました。興味があるタイトルを展開してみてください。

佐藤,塩飽,遠藤&佐藤(2016)らの研究では、小学5年生~中学1年生までの児童・生徒849名を対象に質問紙調査を実施しました。結果を以下の図に表しました。

無意識と意識,心身症状の発見に関する要因

図を左側から見ていきましょう。ネガティブな体験があると、情動抑圧に繋がりやすくなります。そして情動抑圧があると、調整困難や心身症に結びつくことがわかります。

嫌な出来事があるときに、無理に忘れようとしたり、我慢をすると、体に影響が出てくることがわかります。

プライミングは、先行する情報が無意識的に当事者の後の情報処理に影響を及ぼす現象のことです。

Aarts, Custers, & Holland (2007)の研究では、58人の大学院生を対象にしてプライミングに関する研究を行っています。

この研究では以下の手順で実験が行われました。

 

①3つの条件分け

・プライミングなし群

・ポジティブプライミング群
おちつく、信頼、楽しいなどの語句プライミングを受けた後に課題を行った群 

・ネガティブプライイング群
悲しい、裏切り、辛いなどの語句プライミングを受けた後に課題を行った群

②課題を行う

次に課題を行います。早く作業が終わればパーティ券が当たるとしましました。結果を以下に図で示しました。

プライミングに関する研究

このようにポジティブなプライミングは無意識に働きかけ、課題をすばやくする行動に結びついていることがわかります。

 

発展+まとめ

ここまで無意識について提唱者や考え方について解説してきました。ここからは発展的な内容となります。より理解を深めたい方は、リンク先で知識を深めてください。

カタルシス

無意識に抑圧された悩みを十分に意識化すると、悩みが改善することがあります。この作用をカタルシスと言います。無意識を治療に役立てる際に重要な概念です。是非参考にしてみてください。

カタルシスコラム

防衛機制

私たちは日々、落ち込んだり、悲しい気持ちがあるときに、心の安定を図ろうとします。精神分析療法ではこの作用を防衛機制と言います。精神分析の中でも重要な分野なので、ぜひ学習してみてください。

防衛機制コラム

ヒステリー

精神分析は現在でもヒステリー症状には有効とされています。ヒステリーとは何かについて是非理解を深めておきましょう。

ヒステリーコラム

 

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・対人不安の改善
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心理学講座

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
・Aarts, H., Custers, R., & Holland, R. W. (2007). The nonconscious cessation of goal pursuit: When goals and negative affect are coactivated. Journal of personality and social psychology, 92(2), 165.
・佐藤幸子, & 塩飽. (2016). 子どもの情動調整と心身症状の関連. 小児保健研究= The journal of child health, 75(3), 343-349.
・中島義明, 安藤清志, 子安増生, … & 立花政男. (1999). 心理学辞典,有斐閣.
・氏原 寛, 成田 善弘, 東山 紘久, 亀口 憲治, 山中 康裕(2004). 心理臨床大辞典,培風館.
・山中康裕. (1996). 臨床ユング心理学入門 (Vol. 4). PHP