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ストレスが起こる理由

ストレスの原因「ストレッサー」の意味と種類③

コラム②では、ストレスが生まれる過程を理論化した「ストレス理論」について解説していきました。考え方や対処方法によって健康を維持することができるとお伝えしましたね。

今回は、ストレスの原因と呼ばれる「ストレッサー」を解説します。

ストレッサーとは?

皆さんはストレッサーという言葉を聞いたことはありますか?おそらく、「ストレス」に比べると聞き馴染みがないワードではないでしょうか。しかし、このストレッサーこそが、ストレスを引き起こす原因なのです。

心理学辞典によれば、ストレッサーは以下のように定義されています。

「心身の適応能力に課せられる要求」

つまり、自分の体や心にかかる圧力や負荷と考えてよいでしょう。例えば、暑さ、寒さ、痛み、悲しさなどの刺激はストレッサーに当たります。

このストレッサーにはいくつか種類があり、それぞれの特徴があります。順番に見ていきましょう。

1.心理的ストレス

心理的ストレスとは、心のあり方からくる不安や悩みが原因となるストレスです。

例えば、大勢の人前でプレゼンをする時に、強いストレスを感じる人がいれば、平気な人もいます。これは「心のあり方」が影響しているのです。

心理的ストレスの解説

心理的ストレスを抱きやすい「完璧主義」で考えてみましょう。

完璧主義傾向がある人のクセに極端な考え方があります。

積極的完璧主義
・絶対〇〇すべき
・必ず〇〇しなければならない

消極的完璧主義
・〇〇しては絶対ダメ
・必ず〇〇はよくない

このような考え方は心理的負担が大きくストレスを大きくしてしまいます。特に消極的完璧主義で考えるクセがある場合は、注意が必要です。

・消極的完璧主義は特に注意
ここで齋藤(2009)が大学生474名を対象に大なった、完璧主義と心理的な影響についての調査結果を見ていきましょう。

積極的完璧主義(高目標設定)を持つ人は「幸福感」が高まるのに対し、消極的完璧主義(失敗過敏完全主義)を持つ人は「集団にとけこめない」「人間関係の当惑」があることが分かりました。

完璧主義とストレスについて解説心理的影響から考えると、消極的完全主義はマイナスの側面が大きいため、注意が必要だと言えます。消極的完璧主義の「失敗は絶対よくない」といった捉え方が、ストレスを強い抱かせる結果につながっていると考えられます。

心理的ストレスは、捉え方によって負荷が大きくかわる点が特徴ですね。

4つの原因の1つ「心理的ストレス」は、認知療法や行動療法・マインドフルネス療法など心理療法が、ストレス発散・解消法となります。

2.人間関係ストレス

人間関係のストレスは、主に仕事や学校生活で引き起こされます。そのため、良好な環境が築かれていない場合、日常生活のストレスが強くなり心理的に「やる気がでない」「行きたくない」などの症状が出ます。

ここで厚生労働省(平成24年)が行った調査をご紹介します。

こちらの図は、労働者健康状況調査の中から「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスをもっとも感じる事柄」についてたずねた調査結果です。

仕事や職場でのストレス要因ストレス要因で
「職場の人間関係の問題」41.3%
と大きな割合になっている事が分かりました。

人間関係での問題は、大きなストレスを招くため人間関係が良好になる環境づくりをすることがとても大切ということです。

このようにストレスの原因となる人間関係ですが、上手に活用すればストレスを軽減させてくれる側面もあります。人間関係がストレス軽減に効果があることを示した研究を見ていきましょう。

・人間関係はストレス軽減にも
ストレス反応は、ソーシャルサポートを受けることで軽減させる効果があることが心理学の研究で分かっています。ソーシャルサポートとは、周りの方からの心理的・道具的な援助のことです。

大坪(2017)は、大学生254名を対象に「ソーシャルサポートと心理的な関係」について調査を行いました。その結果、家族や友人、大切な人のサポートを受けられる人は、不安感・疲労感などの指標においてポジティブな関連があることがわかりました。

ソーシャルサポートとストレスの関係

さまざまな人間関係からのソーシャルサポートが、心理面で多くのメリットにつながることが分かりますね。

つまりストレスの原因ともなる人間関係ですが、幅広く交流することでストレス軽減にもつなげることができるということです。

多くのソーシャルサポートを受けるには、健康的な範囲内でコミュニティに所属することが大切になります。4つの原因の1つ「人間関係ストレス」はコミュニティへの所属がストレス発散・解消法となります。

3.身体的ストレス

ストレッサーの代表的なものとして、身体的ストレスが挙げられます。これは寝不足や病気、感染症やアレルギー、腰痛や頭痛など身体の仕組みによって引き起こされるストレスです。

例えば、過労による身体の痛み、春や秋の花粉アレルギーなどがストレスになっている人は多いかもしれません。また身体的ストレスは、体調不良を悪化させるうえ心理面にもマイナスの影響を与えてしまいます。

実際に、内閣府が発表した「自殺の原因・動機の割合」という統計データがあります。以下のグラフをご覧ください。

自殺の原因や動機からストレスを解説このように、自殺の原因の半数が「健康問題」であることが分かります。身体の不調は、生きる気力すら減退させてしまうこともあるため注意が必要です。

4.環境的ストレス

環境的ストレスとは、生活環境が原因のストレスです。

例えば、

・パワハラが横行する会社
・長時間勤務や長距離勤務ち
・空間の狭さや日照不足

などです。例えば、パワハラが横行する会社や長時間勤務が続けば、だれでもストレスをためてしましますよね。ストレス状態に慣れてしまい、会社に居続ければうつ病などの症状も出てしまいますし、若い女性が自殺してしまうという痛ましい事件もありました…。

環境ストレスの負荷が強い場合は、思い切って環境を変えるのも解消法の1つとなります。

・パワハラが横行する会社
→転職でホワイト企業に行く

・長距離勤務がツライ
→会社近くに引越しをする

・日常生活に寂しさを感じている
→習い事をはじめてみる

環境的ストレスの発散・解消法のポイントは、生活に変化をつける事です。ストレスが強い場合は、思い切って環境を変えることも大切です。生活習慣や環境、体調にも目を向け、実践していきたいですね。

ストレスの原因を知ろう!

今回はストレッサーの意味と種類について解説していきました。「心理的」「人間関係」「身体的」「環境」の4つのストレッサーがありましたね。いくら心理的ストレスに対処しても、環境に問題があれば絶えず対処しつづけなくてはなりません。

このように、自分のストレスがどの種類のものなのかを分類するだけでも、解決策が見えてきます。ぜひ、ご自身の状況で考えてみてくださいね。

次回は、ストレスが起きるメカニズムの1つ「一次評価」についてご紹介します。

★ストレスが起きる原因は「心理的」「人間関係」「身体的」「環境」の4つ!

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目次

①原因と症状を知ろう-概観
②ラザルスのストレス理論
③ストレッサー」の意味と種類
④考え方が原因「一次評価」とは
⑤対処行動を考える「二次評価」
⑥対処方法「コーピングスキル」
⑦種類!短期・長期のストレス反応
⑧ストレス診断とチェック!
⑨問題解決型コーピング
⑩情動焦点型コーピング
⑪症状の原因「認知のゆがみ」
⑫ソーシャルサポートを得よう
⑬身体的コーピング
⑭気晴らし型コーピング

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
・自己志向的完全主義の特徴 : 精神的不健康に関する諸特性との関連から 2009 齋藤, 路子; 今野, 裕之; 沢崎, 達夫対人社会心理学研究. 9 P.91-P.100

・厚生労働省 労働者健康状況調査 平成24年
・大坪岳 追手門学院大学心理学論集;Otemon Gakuin University Psychological Review 2017 青年期のコミュニケーション・スキルとソーシャル・サポートがレジリエンスに及ぼす影響
・内閣府・警察庁「平成25中における自殺の状況」