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マインドフルネス,ボディースキャン法,身体の観察練習

マインドフルネス,ボディースキャン法,身体の観察練習

みなさんこんにちは。公認心理師,精神保健福祉士の川島達史と申します。私は現在、こちらの初学者向け心理学講座で講師をしています。

当コラムは、マインドフルネス療法について、6回目に分けて解説しています。今回はマインドフルネスの代表的な技法である「③ボディースキャン瞑想」を紹介します。

①マインドフルネスの基礎
②呼吸のエクササイズ
③ボディースキャン法 
④歩く瞑想技法方法 
⑤レーズンエクササイズ
⑥自動操縦からの脱中心化

ボディースキャンは、マインドフルネス瞑想で最も基本的なトレーニングです。ぜひ当コラムで練習していきましょう。

ボディースキャン法とは

意味

ボディースキャン法とは、身体の微細な感覚に注意を払う方法です。足のつま先から頭のてっぺんまで全身の感覚に意識を向けていきます。

マインドフルネスは観察がテーマであることはコラム1で解説してきました。観察する対象は「思考や感情など心の面」と「呼吸や体の緊張など体の面」の2つにわけられます。ボディースキャンは特に体の面の観察に役立ちます。

効果

ボディースキャンを実施すると、自分を冷静に把握し、感情をコントロールする力がつきます。

Yadav (2017)[1]は、中等度のアルコール依存症の診断を受けた36歳の入院患者を対象に、ボディ・スキャン・セッションの効果を調査しました。

マインドフルネス,ボディスキャンとアルコール渇望度の研究

その結果、介入前のPACS(アルコール渇望度)は17ポイントだったのに対して、1週間、毎日45分間のボディ・スキャン・セッションを行なったところ、スコアが6まで下がりました。つまり、大きくアルコール渇望が減少していることがわかったのです。

トレーニング手順

①環境設定

部屋は適度な温かさを保ちます。時間も気にならないよう、30分程度で余裕を持っておこないましょう。

②最初の構え

楽な姿勢で椅子に座るか、仰向けに床に寝ます。仰向けの場合、頭と膝の下に枕を敷くとよいです。

③脱力

目を閉じ、肩の力は抜きます。奥歯は噛みしめず、眉間にしわもありません。

④呼吸

お腹のあたりに注意を払い、呼吸法を繰り返します。

⑤重みを感じる

椅子や床に支えられている重みをただ感じます。身体について考えるのではなく、身体を感じてください。

⑥つま先に注意を向ける

左足のつま先に注意を払い、つま先に感じる変化を感じ取ります。気温、靴下(靴)、空気・・・。指の1本1本の感覚を感じ取ります。

以下、それぞれの部位に意識を移動したとき、同じように意識してください。

⑦足の裏に意識を移動

足の裏、かかと、甲、足首・・・と、感覚を丁寧に感じ取ります。左足の足首から、スネやふくらはぎ、膝あたり、太ももあたり、股関節周りに向かって注意が移動していきます。

今度は、右のつま先から股関節まで、左足と同じ要領でおこないます。

⑧背中まで意識を移動

骨盤、腹部、腰、胸、背中、肩まで、意識を移動していきます。

⑨手の先に意識を移動

左右の手の先(指)それぞれに意識を移し、てのひら、甲、手首、前腕、肘、上腕、肩に向かいます。

⑩顔全体に意識を移動

肩から、首、のど、顔全体、口の中、頭を、呼吸で包み込むように注意します。

⑪全身で呼吸する

身体すべてのスキャンを終えたら、そのまま呼吸と全身を感じます。ゆったりとした全身での呼吸を好きなだけ続けてください。

身体の感覚がどのような感じでも気にしないでください。ただ「今」の瞬間に感じる静けさと落ち着きに身をまかせます。

⑫大きな呼吸で終了

最後に大きな呼吸を何度か繰り返します。何度かコブシを握ったり開いたりします。ゆっくりと目に光を入れ、まぶたをパチパチします。身体をゆっくりと動かします。

*補足
今回は、身体の微細な感覚に注意を向けていただきましたが、いかがだったでしょうか?少しでも体と心が軽くなっていたら成功です。瞬間瞬間の身体への注意は、深い心の平穏を感じることができ、ストレスとなる様々な場面でマインドフルネスを発揮できるようになります。是非体感してみてください。

関連コラム

今回はボディースキャン法について解説をしました。以下のコラムのうちまだ読んでいないものがありましたら是非ご参照ください。

①マインドフルネスの基礎
②呼吸のエクササイズ
③ボディースキャン法 
④歩く瞑想技法方法 
⑤レーズンエクササイズ
⑥自動操縦からの脱中心化

しっかり身につけたい方へ

当コラムで紹介した方法は、公認心理師による講座で、実際に学ぶことができます。内容は以下のとおりです。

・マインドフルネスの学習
・心が落ち着く,深呼吸法
・はじめての認知行動療法
・感情のコントロール,エクササイズ

講師に質問をしたり、仲間と相談しながら進めていくと、理解しやすくなります。🔰体験受講🔰に興味がある方は下記の看板をクリックください。筆者も講師をしています(^^)

マインドフルネス,ボディースキャン法,身体の観察練習,心理学講座

監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 帝京平成大学大学院臨床心理学研究科 教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 公認心理師
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連

・出典
[1]Yadav, S. (2017). Effectiveness of Mindfulness Based Body Scan Meditation: A Case Study of Alcohol Dependence Patient. International Journal of Indian Psychology, 4, 57-64.