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マインドフルネス療法‐歩く,歩行瞑想法を紹介

マインドフルネス療法‐歩く,歩行瞑想法

みなさんこんにちは。公認心理師,精神保健福祉士の川島達史と申します。私は現在、こちらの初学者向け心理学講座で講師をしています。

当コラムは、マインドフルネス療法について、6回目に分けて解説しています。今回は「④歩く瞑想法」を解説します。

①マインドフルネスの基礎
②呼吸のエクササイズ
③ボディースキャン法 
④歩く瞑想技法方法 
⑤レーズンエクササイズ
⑥自動操縦からの脱中心化

歩く瞑想はマインドフルネスのエクササイズの中で、最も取り組みやすい方法です。呼吸瞑想が継続しにくいという方は、まずは歩行瞑想から初めてみると良いでしょう。ぜひ、当コラムでやり方を覚えていきましょう。

歩行瞑想,マインドフルネス療法,kanana129様作成

歩く瞑想法とは

歩く瞑想法とは、身体を動かしながら身体の微細な感覚に注意を払う方法です。「歩く」という動きの中で、足のつま先から頭のてっぺんまで、全身の感覚を観察していきます。

①場所を探す

まずは、邪魔が入らず人目が気にならない場所を探します。スペースは、普通の歩幅で15歩〜20歩 まっすぐに行き来できる程度でOKです。

②注意を集中

スペースの端に立ち、身体に注意を集中しましょう。肩の力を抜いて安定した状態で立ちます。そして呼吸を整えて、足先〜股関節まで注意を集中します。

③歩き始め

ゆっくりと歩き始め、脚の動作や感覚の一つひとつに細かく注意します。左右の脚の体重移動・身体全体の感覚にも注意を向けます。反対側に着いたら止まります。

④止まる体験を意識

すぐに向きを変えず、静止したまま、全身を注意深く観察します。「動きたい」「向きを変えたい」など、そのときの気持ちに注意を集中します。

⑤変化を確認

注意集中できたら、身体の向きを変えて、再び観察します。身体全身と足先はどのような変化を感じていますか?

⑥繰り返す

観察ができたら、 ①〜⑤を繰り返し続けます。

 

トレーニングのコツ・対処法

トレーニングをする時には、別のことを考えてしまい、うまく観察できない時もあります。以下の方法で、対処してみてください。

①足先に意識を戻す

一旦、歩くのを止め、意識をそらすものに注意を集中します。落ち着いたら足先に意識を戻します。注意を集中している状態を保つことが大切です。

②ゆっくり歩く

歩く速度をゆっくりにする。1つ1つの動作をゆったりさせて、1つ1つの感覚を丁寧に観察していきます。

③パターンを見つける

何度も繰り返すと、段々と意識が離れやすいパターンが見つかってきます。そのパターンがわかったら、その瞬間に意識が離れないように訓練をしていきます。

うまく行ったら成功です♪

 

*補足
歩く瞑想法のトレーニングに慣れてきたら、ゆっくりな速度、普通の速度、速めの速度と、いろいろな速さで変化をつけてみるのも良い体験になります。

まずは1回15分ほどできると良いと思います。歩く瞑想法は静止状態と比べより日常に近い状態のため、日常でのストレスとなるさまざまな場面でマインドフルネスを発揮できるようになります。

 

効果

歩く瞑想法には、さまざまなメリットがあります。

不安の軽減

Meghanら(2018)[1]は、大学生110名を対象に状態不安を測定する質問票を用いて、歩行瞑想の効果を調査しました。その結果、歩行だけをした人と歩行に瞑想を組み合わせた人を比較したところ、歩行に瞑想を組み合わせた人の方が、不安感が大きく取り除かれたことが分かりました。

血糖値と循環を改善 

Atikarnら(2016)[2]の2型糖尿病患者23名を対象に行った調査によると、歩行によって2型糖尿病患者の血糖値と心血管にプラスの効果があることも分かりました。またこの研究では、歩行に瞑想を組み合わせた場合に限り、HbA1c(体内の糖化ヘモグロビンの割合を示す値。食前食後で変化する血糖値とは違って糖尿病のリスクの目安となる)、動脈硬化、コルチゾール(ストレスを受けると急激に増える体内ホルモン)レベルが低下することも示されています。

うつ病を緩和

Susareeら(2014)[3]は、軽度から中等度の抑うつ症状のある高齢者45名を対象に、歩行瞑想がうつ病に与える影響を調査しました。その結果、歩行に瞑想を組み合わせたことで、うつ症状が軽減することが分かりました。

実際に従来の歩行プログラムと比較しても、全体的に大きな改善が見られました。

関連コラム

今回は歩行瞑想法について解説をしました。以下のコラムのうちまだ読んでいないものがありましたら是非ご参照ください。

①マインドフルネスの基礎
②呼吸のエクササイズ
③ボディースキャン法 
④歩く瞑想技法方法 
⑤レーズンエクササイズ
⑥自動操縦からの脱中心化

 

心理学講座のお知らせ

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を行っていきます。筆者も講師をしています。皆様のご来場を心からお待ちしています。↓興味がある方は以下の看板をクリック♪↓

コミュニケーション講座,心理療法の学習

監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 元専修大学人間科学部教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連

・出典
[1] Edwards, M.K., Rosenbaum, S., & Loprinzi, P.D. (2018). Differential Experimental Effects of a Short Bout of Walking, Meditation, or Combination of Walking and Meditation on State Anxiety Among Young Adults. American Journal of Health Promotion, 32, 949-958. 
 
[2] Gainey, A., Himathongkam, T., Tanaka, H., & Suksom, D. (2016). Effects of Buddhist walking meditation on glycemic control and vascular function in patients with type 2 diabetes. Complementary Therapies in Medicine, 26, 92-97. 
 
[3] Prakhinkit, S., Suppapitiporn, S., Tanaka, H., Suksom, D. (2013). Effects of Buddhism walking meditation on depression, functional fitness, and endothelium-dependent vasodilation in depressed elderly.  Journal of Alternative and Complementary Medicine, 20, 411-416.