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今ここの意味とは?マインドフルネス

今ここの意味とは?マインドフルネスの練習・活用例

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向け心理学講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

本コラムでは「今ここ」詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。

  • 今こことは何か?
  • 悩みの99%は過去と未来
  • ゲシュタルト療法とは
  • マインドフルネスとは
  • 今ここエクササイズ
  • 実践での活用-2つの例

それでは早速、基本知識から解説させて頂きます。  

「今ここ」とゲシュタルト療法

「今ここ」という概念は諸説ありますが、原始仏教の世界からはじまった、とても古い概念です。最初は仏教の世界で使われていた考え方ですが、その後、here and nowという英語で欧米でも広まるようになりました。

心理学の世界で今ここの概念を重視したのがゲシュタルト療法です。

ゲシュタルト療法

ゲシュタルト療法は1950年代のアメリカでパールズ夫妻、P.グッドマンらによって開発された心理療法です。パールズは京都での禅の修行経験もあり、東洋的な思想の影響を受けていると考えられています。

ゲシュタルトとは、ドイツ語で「統合された全体像」という意味で、人間を「知能・感覚・身体」が統合された有機体として捉えることを主張した考え方です。

今・ここの気づき

ゲシュタルト療法では、「今・ここの気づき」を大切にしています。「今・ここ」での「気づき」を得ることで、過去や未来に悩むことがなくなり、自分らしくあるがままにいきることができると考えます。ゲシュタルト療法では、普段意識することがない、身体感覚、感情に意識を向けます。

*身体感覚
痛み、空腹、だるさ、呼吸、凝り

*感情
嬉しい、楽しい、悲しい、辛い

アウエアネスとは

ゲシュタルト療法では、自分自身の体の感覚に耳傾け、外的な世界を理解することで「今ここの気づき」を得て、あるがままの自分に気づくことを目指します。そして、自分を知ることで、主体的な行動につながり、日々をイキイキと過ごすことができます。

ゲシュタルト療法ではアウエアネスを重視します。アウエアネスとは、気づきという意味であり、自分自身の体や感情の状態に気が付き、そしてコントロールできる状態にすることを目指していきます。

例えば

「怒り」があったときに、気が付いていないのと、それに気が付いているのとでは、行動の結果が異なります。もし怒りに気が付いていないとすれば、私たちは感情の赴くままに他者に怒りをぶちまけて取り返しのつかない行動をしてしまうかもしれません。

しかし、気が付いていれば、その感情をどう扱おうか?と冷静に対処することができるのです。このようにゲシュタルト療法では今に集中することで自分自身の状態に気が付いていくことを重視するのです。

「今ここ」とマインドフルネス

マインドフルネス

ゲシュタルト療法から20年ほど経つと、マインドフルネス療法が提唱され始めました。マインドルフネスとは、「今ここにただ集中している心のあり方」を目指す心理療法です。1970年代にマインドフルネスセンターの創設所長、ジョン・カバットジン(Kabat-Zinn, J.)が臨床に応用し発展させました。

語源は東洋の瞑想で使われていた「サティ」と言われていることから、瞑想のイメージを持つ人もいます。しかし、マインドフルネスを応用した心理療法は、世界的に不安障害やうつ病に対して効果があることが示されています(Hofmann et al., 2010)。カバットジンは「今ここ」について、次のように述べています。

「今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく、能動的に注意を向けること」

つまり今こことは、いまこの瞬間に集中し「すべてのことを迎え入れ、それをあるがままにしておく」ということです(北川, 2013)。

マインドフルネスの「気づき」は「今この瞬間」に意識をむけることで、自分の思考や感情などをありのまま観察することです。自分の状態を客観的に観察することで、感情をコントロールすることができます。

マインドフルネスでは、「今ここ」という瞬間に集中することで、悩みに感じていた不安や緊張などが一つの体験に過ぎないことに気づき、不安をやみくもにあおることもなくなります。

「今ここ」とは何か?川島アレンジ解説

悩みの99%は過去と未来

さて!今ここという概念、わかったようで、わからないやや複雑な概念ですね。そこで、今回は講師の川島が、自分なりにアレンジをして皆さんに解説したいと思います。

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。
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皆さんは今どんな悩みをお持ちでしょうか?

たとえば、
「貯金しておけばよかった」
「あの時、告白しなければよかった」
「失敗するような気がしてしかたない」
「あがってしまったらどうしよう」
このような悩みは、多くの人が感じているのではないでしょうか。改めて見ると、悩みは過去か未来にあることが分かります。

実は悩みの99%は過去と未来にあります。悩みやすい人は、過去や未来を生きていることが多いでしょう。変えることができない過去やどうなるかわからない未来の出来事に縛られてしまうと、悩みの種が増えてしまいますよね。悩みがない「今ここ」をという瞬間を意識することが、悩みのない幸福な日々へのヒントとなるのです。

心理学の世界では、東洋的な思想を取り入れた心理療法に「今ここ」を重視した手法があります。今回は、企業研修やコーチングなどに多く用いられている「ゲシュタルト療法」「マインドフルネス」を紹介します。

今ここエクササイズ

では今ここに意識を集中する練習をやっていきましょう!今回は、マインドフルネスで用いられる手法の1つ「レーズンエクササイズ」です。とても簡単ですから、ぜひ実践してみてくださいね。

*監修の川島(精神保健福祉士)が動画でも解説しています。
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レーズンエクササイズ

いつも何気なく行っている「食べる」という行動にしっかり意識を向けることで、新しい発見をしていきます。手順はこちらです。

【手順】
1:食べ物を用意する
2:今ここの感覚を味わう

レーズンエクササイズで使う食べ物は、レーズン1粒でOKです。なければ、飴、ガム、コーヒーなんでもいいですよ。さあ一口食べてみてください!色や形、触った感じはどうですか?そして、口にいれた感覚はどうでしょう。

・食べ物は、重い?それとも軽い?
・触感はどうですか?固い、柔らかい?
・香りは?
・味は、甘い?それとも辛い?

このように、色や形、口に入れた感覚など、食べ物をしっかりと感じていく事が大切です。

レーズンエクササイズのコツ

レースンエクササイズでは、五感をフル稼働させることで「今ここ」にいる自分の気持ちに気づくことができます。そして「気づき」を受け入れることで、心を安らかにコントロールできるようになります。

実践での活用-2つの例

レーズンエクササイズで得られる気づきをコミュニケーションの場面で考えてみましょう。

活用例1:プレゼンテーション

重要なプレゼンをしているAさんは、過去や未来のことで頭がいっぱいです。

・うまくできないと会社での評価が下がる
前回うまくいかなかったから今回も不安だ
・プレゼン後の仕事が山積みだ…

プレゼンでの不安や焦り

そこで、「今ここ」を意識して捉えなおしてみました。

・今できることをしっかり行おう
・今の状況に合わせて話そう
・今話している相手へ伝えることに集中しよう

今ここに集中することで、Aさんは実力をしっかり発揮できるのではないでしょうか。

活用例2:飲み会・婚活パーティ

苦手なメンバーとの飲み会の席は、ネガティブな気持ちが膨らんでしまい今を楽しめないことが多いかもしれません。

・うまく話せなかったら印象悪い
・いつも飲み会を楽しめないから今回も…
明日が早いからな…

飲み会や婚活パーティの悩み

「今ここ」を意識して捉えなしてみましょう。

・今でた話題を楽しむ
・今話したいことを話す
・今目の前にいるひとの会話を楽しむ

このように「今ここ」に集中できると、苦手な飲み会や不安の多い婚活パーティへの悩みを減らして参加することができますね。

「今ここ」でまとめ

今ここに意識を集中するレーズンエクササイズや活用例はいかがでしたか?「今ここ」に集中することで、変えることができない過去に縛られたり、どうなるかわからない未来への悩みを減らすことができます。

いろいろな気持ちや雑念に巻き込まれてしまう事があるかもしれません。エクササイズを繰り返すことで、今ここに集中する自分に変わっていけるはずです。ぜひ繰り返し実践してみてくださいね。

 

講座のお知らせ

私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、不安感、緊張、孤独感の軽減を目指し、心理学講座を開催しています。心理学を体系的に勉強されたい方のご参加をぜひお待ちしています。マインドフルネス療法の基礎もお伝えしています。

執筆者も講師をしています(^^)
 ・マインドフルネス療法
 ・心理療法の歴史
 ・緊張緩和法の学習

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心理学講座

コメント

1件のコメント

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    • なおみ
    • 2019年5月13日 9:42 PM

    レーズンエクササイズをやってみました。
    五感を意識しながらやってみますが、「時間が長いなぁ」と雑念が頭に浮かんできてなかなか集中できませんでした。
    これは慣れればうまくいくものでしょうか?

    1+

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Hofmann, S. G., et al. (2010) The effect of mindfulness-based therapy on anxiety and depression: A meta-analytic review. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 78, 169-183.
北川嘉野・武藤崇(2013)マインドフルネスの促進困難への対応方法とは何か. 心理臨床科学, 3(1), 41-51.