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今ここを生きるの意味とは?マインドフルネス

今ここを生きるの意味とは?マインドフルネスの練習・活用例

はじめまして!公認心理師の川島です。今回のテーマは
「i今ここを生きる」
です。


当コラムの目標
・今ここを生きる,意味を理解
・過去と未来から今思考への転換
・エクササイズにチャレンジ

  • 全体の目次
  • 入門①ゲシュタルト療法
  • 入門②マインドフルネス療法
  • 入門③悩みの99%は過去と未来
  • 入門④レーズンエクササイズ
  • 発展-実戦での活用例
  • 助け合い掲示板

入門①~④を読み進めていくと、今ここを生きる意味と練習方法を知ることができると思います。是非入門編は最後までご一読ください。

入門①今を生きる‐心理療法

「今ここ」という概念は諸説ありますが、原始仏教の世界からはじまった、とても古い概念です。仏教の世界では今まさに自分の感情に気が付き、眺め、観察することを「サティ」と言います。

サティは2千年以上仏教の世界で大事にされてきました。そしてここ100年、サティの考えは心理学の世界でも注目されるようになります。そしてhere and nowという英語で、欧米でも広まりはじめました。

ゲシュタルト療法

心理学の世界で最初に今ここを生きる概念を重視したのがゲシュタルト療法です。1950年代のアメリカでパールズ夫妻、P.グッドマンらによって開発されました。

パールズは京都での禅の修行経験もあり、東洋的な思想の影響を受けていると考えられています。

ゲシュタルトとは、ドイツ語で「統合された全体像」という意味で、人間を「知能・感覚・身体」が統合された有機体として捉えることを主張した考え方です。

今・ここの気づき

ゲシュタルト療法では、「今・ここの気づき」を大切にしています。「今・ここ」での「気づき」を得ることで、過去や未来に悩むことがなくなり、自分らしくあるがままにいきることができると考えます。

ゲシュタルト療法では、普段意識することがない、身体感覚、感情に意識を向けます。身体感覚や感情とは以下が挙げられます。

*身体感覚
痛み、空腹、だるさ、呼吸、凝り

*感情
嬉しい、楽しい、悲しい、辛い

皆さんは、これらの感覚に「気が付いていますでしょうか?」もし気が付いていなかったとしたら、今ここを生きることができていないかもしれません。

アウエアネスとは

ゲシュタルト療法ではアウエアネスを重視します。アウエアネスとは、気づきという意味であり、自分自身の体や感情の状態に気が付き、そしてコントロールできる状態にすることを目指していきます。

そして、自分を知ることで、主体的な行動につながり、日々をイキイキと過ごすことができるのです。

今ここに気がつく重要性

例えば「怒り」があったときに、気が付いていないのと、それに気が付いているのとでは、行動の結果が異なります。

もし怒りに気が付いていないとすれば、感情の赴くままに行動してしまいます。暴言や暴力をふるってしまう方は、「自分が今ここでどんな状況にあるのか?」気が付いていないのです。

しかし、気が付いていれば、その感情をどう扱おうか?と冷静に対処することができるのです。

入門②マインドフルネス

マインドフルネスとは?

ゲシュタルト療法から20年ほど経つと、1970年代にマインドフルネスセンターの創設所長、ジョン・カバットジンがマインドフルネス療法を提唱しました。

マインドフルネスとは以下の意味があります

*Kabat-Zinn, J.
今ここでの経験に、評価や判断を加えることなく、能動的に注意を向けること

*北川, 2013
いまこの瞬間に集中しすべてのことを迎え入れ、それをあるがままにしておくということ

今ここを重視する、ゲシュタルト療法の哲学とよく似ていますね。

マインドフルネスの目標

マインドフルネスを応用した心理療法は、世界的に不安障害やうつ病に対して効果があることが示されています(Hofmann et al., 2010)。

マインドフルネスでは、様々なエクササイズを通して「今ここ」という瞬間に集中する練習をしていきます。練習を通して悩みに感じていた不安や緊張などが一つの体験に過ぎないことに気づきます。

そして不安は1つの自然な感情として、客観できるようになることを目標とします。そしてその感情をただただ眺め、受け入れることを目標とします。

入門③悩みは過去か未来に

さて!今ここという概念、わかったようで、わからないやや複雑な概念ですね。そこで、今回は講師の川島が、自分なりにアレンジをして皆さんに解説したいと思います。

皆さんはどんな悩みの99%は過去と未来

皆さんは今どんな悩みをお持ちでしょうか?

たとえば、
「あの時、告白ておけばよかった(過去)」
「もっと良い大学に入りたかった(過去)」
「あがってしまったらどうしよう(未来)」
「収入が下がったらどうしよう(未来)」
「将来、年金どうしよう(未来)」
このような悩みは、多くの人が感じているのではないでしょうか。改めて見ると、悩みは

過去
未来

にあることが分かります。

過去,未来,今ここを生きる

悩みの99%は過去と未来

実は悩みの99%は過去と未来にあります。この事実に気が付くことはコペルニクス的転換が起こります。過去やどうなるかわからない未来の出来事に縛られてしまうと、悩みの種が増えてしまいますよね。

これに対して、「今ここを生きる人」は、悩みがとても少ないのです。例えば私は3歳の子供がいますが、たぶん10分後の未来も考えています。今この瞬間を全力で、楽しんで生きています。見習いたいものです。

*監修の川島(公認心理師)が動画でも解説しています。
 チャンネル登録くださると励みになります!

入門④今ここエクササイズ

ここからは今ここに意識を集中する練習をやっていきましょう!今回は、マインドフルネスで用いられる手法の1つ「レーズンエクササイズ」です。とても簡単ですから、ぜひ実践してみてくださいね。

レーズンエクササイズ

いつも何気なく行っている「食べる」という行動にしっかり意識を向けることで、新しい発見をしていきます。手順はこちらです。

【手順】
1:食べ物を用意する
2:今ここの感覚を味わう

とってもシンプルです。レーズンエクササイズで使う食べ物は、レーズン1粒でOKです。なければ、飴、ガム、コーヒーなんでもいいですよ。

用意ができたら一口食べてみましょう!色や形、触った感じはどうですか?そして、口にいれた感覚はどうでしょう。

・食べ物は、重い?それとも軽い?
・触感はどうですか?固い、柔らかい?
・香りは?
・味は、甘い?それとも辛い?

このように、色や形、口に入れた感覚など、食べ物をしっかりと感じていく事が大切です。

レーズンエクササイズのコツ

しっかり味わう=今を生きる

味は「今この瞬間」に発生するものです。もし、レーズンエクササイズは「今この瞬間」を大事にする感覚を養うことができます。

慣れてくると、食べ物以外でもこの「今この瞬間を感じ取る力」「自分自身の感覚を観察する力」を増やすことができます。

入門まとめ 過去と未来を考えることも大事ですが、同じぐらい今この瞬間を大事に生きることもとても大事です。是非活かしてみてくださいね♪ 

発展‐今ここ力UP!

ここからは発展編となります。より深く理解を深めたい場合は、気になるタイトルについてご覧ください。

マインドフルネス療法についてより深く理解したい方はこちらを参考にしてください。基礎から練習法まで解説しています。

発展-2つの実践例

レーズンエクササイズで得られる気づきをコミュニケーションの場面で考えてみましょう。

活用例1:プレゼンテーション

重要なプレゼンをしているAさんは、過去や未来のことで頭がいっぱいです。

・うまくできないと会社での評価が下がる
・前回うまくいかなかったから今回も不安だ
・プレゼン後の仕事が山積みだ…

プレゼンでの不安や焦り

そこで、「今ここ」を意識して捉えなおしてみました。

・今できることをしっかり行おう
・今の状況に合わせて話そう
・今話している相手へ伝えることに集中しよう

今ここに集中することで、Aさんは実力をしっかり発揮できるのではないでしょうか。

活用例2:飲み会・婚活パーティ

苦手なメンバーとの飲み会の席は、ネガティブな気持ちが膨らんでしまい今を楽しめないことが多いかもしれません。


・うまく話せなかったら印象悪い
・いつも飲み会を楽しめないから今回も…
・明日が早いからな…

飲み会や婚活パーティの悩み

「今ここ」を意識して捉えなしてみましょう。

・今でた話題を楽しむ
・今話したいことを話す
・今目の前にいるひとの会話を楽しむ

・心配性コラム

今ここを生きるのが苦手な方は、心配性になりやすいという特徴があります。マイナスの未来を考えやすいという方はこちらの心配性コラムを参照ください。

・自分を受け入れるコラム

もしあなたが過去にとらわれすぎていると感じたら、過去の自分を受容することも大事です。過去を整理できると、より今に集中しやすくなります。過去の自分を引きずっているという感覚がある方は、自分を受け入れるコラムを参照ください。

講座のお知らせ

私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、不安感、緊張、孤独感の軽減を目指し、心理学講座を開催しています。心理学を体系的に勉強されたい方のご参加をぜひお待ちしています。マインドフルネス療法の基礎もお伝えしています。

執筆者も講師をしています(^^)
 ・マインドフルネス療法
 ・心理療法の歴史
 ・緊張緩和法の学習

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助け合い掲示板

1件のコメント

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    • なおみ
    • 2019年5月13日 9:42 PM

    レーズンエクササイズをやってみました。
    五感を意識しながらやってみますが、「時間が長いなぁ」と雑念が頭に浮かんできてなかなか集中できませんでした。
    これは慣れればうまくいくものでしょうか?

    返信する

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Hofmann, S. G., et al. (2010) The effect of mindfulness-based therapy on anxiety and depression: A meta-analytic review. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 78, 169-183.
Kabat-Zinn, J. (1994). Wherever you go, there you are: Mindfulness meditation in everyday life. New York: Hyperion Books.
北川嘉野・武藤崇(2013)マインドフルネスの促進困難への対応方法とは何か. 心理臨床科学, 3(1), 41-51.