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ストレス度チェックと5つの発散・解消法

ストレス度チェックと5つの発散・解消法①

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は心理学の大学院を卒業し、現在はカウンセリングや心理療法の講師として活動しています。当コラムでは「ストレス」について詳しく解説をしていきます。コラム①では

  • ストレスってなに?
  • ヤーキースダットソンの法則
  • 4大ストレス要因とは
  • 失敗過敏とストレス
  • 自殺のNO要因
  • サポート不足

について解説します。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが、ぜひお付き合いください!

ストレスを心理学の専門家が解説していますストレスと聞くと、「勉強に集中できずイライラする」「上司の期待が大きくてツライ」など、嫌なことやツライことをイメージする方が多いかもしれませんね。

 

しかし「結婚式が近づいて眠れなくなってきた…」「進学の事を考えると不安になる…」など、うれしい出来事でもストレスと同じような感情を抱くことがあります。

ストレスとはどのようなことを、意味するのでしょうか?まずは、ストレスを正しく理解していきましょう。

ストレスとは?

ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。

外部からの刺激は、睡眠不足や心理的な不安、騒音や睡眠不足など、日常感じている外部からのあらゆる変化がストレスの対象となります。

例えば

・会社での上司への報告
・スポーツ競技でのプレシャー
・引越しによる新生活
・進学や入社

などは特にストレスを抱きやすいといわれています。

ストレスにはメリットとデメリットがある

ストレスは心理的負荷が大きいため適切な対処ができないと、気持ちが不安定になり体調を崩してしまうこともあります。しかし適度なストレスは、意欲や成果などプラスの力になることが、心理学の実験で分かっています。

ヤーキーズ・ダットソンの法則とは?

ここでヤーキーズ・ドットソンの法則という理論をご紹介します。

ヤーキーズ・ドットソンの法則は、生理学者ヤーキーズとドットソン博士が、マウスに電気ショックを流して学習を促した実験から出された有名な理論です。

この実験では、次のことが分かりました。

・電気ショックが適度なとき最も学習できる
・電気ショックの強弱がありすぎると学習能力が低下する

つまり
「適度なストレスが、学習や仕事のパフォーマンスを向上させる」
ということです。

下図がストレスとパフォーマンスの関係です。ストレスレベルが適度な時に、パフォーマンスが最も高くなるのがわかりますね。

ストレスとパフォーマンスの関係を表した図

このようにストレスは適度に取り入れることでメリットとして取り入れることができるのです。

マイナスイメージが強いストレスですが、コントロールをしてうまく付き合っていきたいものですね。

4つのストレスを知ろう!

さまざまな要因で引き起こされるストレスは、大きく4つに分けられます。

1.心理的
完璧主義・捉え方が歪み 
2.人間関係
過労・失恋・パワハラ
3.身体的
睡眠不足・慢性的な痛み
4.環境的
長時間の通勤・悪天候

それぞれのストレス要因について、詳しく見ていきましょう。

1.心理的ストレス

心理的ストレスとは、心のあり方からくる不安や悩みが要因となるストレスです。

例えば、大勢の人前でプレゼンをする時に、強いストレスを感じる人がいれば、平気な人もいます。これは「心のあり方」が影響しているのです。

心理的ストレスの解説

心理的ストレスを抱きやすい「完璧主義」で考えてみましょう。

完璧主義傾向がある人のクセに極端な考え方があります。

積極的完璧主義
・絶対〇〇すべき
・必ず〇〇しなければならない

消極的完璧主義
・〇〇しては絶対ダメ
・必ず〇〇はよくない

このような考え方は心理的負担が大きくストレスを大きくしてしまいます。特に消極的完璧主義で考えるクセがある場合は、注意が必要です。

消極的完璧主義は特に注意

ここで齋藤(2009)が大学生474名を対象に大なった、完璧主義と心理的な影響についての調査結果を見ていきましょう。

積極的完璧主義(高目標設定)を持つ人は「幸福感」が高まるのに対し、消極的完璧主義(失敗過敏完全主義)を持つ人は「集団にとけこめない」「人間関係の当惑」があることが分かりました。

完璧主義とストレスについて解説心理的影響から考えると、消極的完全主義はマイナスの側面が大きいため、注意が必要だと言えます。消極的完璧主義の「失敗は絶対よくない」といった捉え方が、ストレスを強い抱かせる結果につながっていると考えられます。

心理的ストレスは、捉え方によって負荷が大きくかわる点が特徴ですね。

4つのストレス要因の1つ「心理的ストレス」は、認知療法や行動療法・マインドフルネス療法など心理療法が、ストレス発散・解消法となります。

2.人間関係ストレス

ここで改めて4つのストレス要因を確認しておきましょう。ストレスは「心理的・人間関係・身体的・環境的」の4つに分類することができましたね。

ここではストレスの中でも、非常に大きい要因となる人間関係ストレスについてみていきましょう。

人間関係のストレスは、主に仕事や学校生活で引き起こされます。そのため、良好な環境が築かれていない場合、日常生活のストレスが強くなり心理的にとても不安定になりやすくなります。

ここで厚生労働省(平成24年)が行った調査をご紹介します。

こちらの図は、労働者健康状況調査の中から「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスをもっとも感じる事柄」についてたずねた調査結果です。

仕事や職場でのストレス要因ストレス要因で
「職場の人間関係の問題」41.3%
と大きな割合になっている事が分かりました。

人間関係での問題は、大きなストレスを招くため人間関係が良好になる環境づくりをすることがとても大切ということです。

このようにストレス要因となる人間関係ですが、上手に活用すればストレスを軽減させてくれる側面もあります。人間関係がストレス軽減に効果があることを示した研究を見ていきましょう。

人間関係はストレス軽減にも

ストレス反応は、ソーシャルサポートを受けることで軽減させる効果があることが心理学の研究で分かっています。ソーシャルサポートとは、周りの方からの心理的・道具的な援助のことです。

大坪(2017)は、大学生254名を対象に「ソーシャルサポートと心理的な関係」について調査を行いました。その結果、家族や友人、大切な人のサポートを受けられる人は、不安感・疲労感などの指標においてポジティブな関連があることがわかりました。

ソーシャルサポートとストレスの関係

さまざまな人間関係からのソーシャルサポートが、心理面で多くのメリットにつながることが分かりますね。

つまりストレス要因ともなる人間関係ですが、幅広く交流することでストレス軽減にもつなげることができるということです。

多くのソーシャルサポートを受けるには、健康的な範囲内でコミュニティに所属することが大切になります。4つのストレス要因の1つ「人間関係ストレス」はコミュニティへの所属がストレス発散・解消法となります。

3.身体的ストレス

身体的ストレスとは、寝不足や病気、感染症やアレルギー、腰痛や頭痛など身体の仕組みによって引き起こされるストレスです。

例えば、過労による身体の痛み、春や秋の花粉アレルギーなどがストレスになっている人は多いかもしれません。また身体的ストレスは、体調不良を悪化させるうえ心理面にもマイナスの影響を与えてしまいます。

こちらは、内閣府が発表した「自殺の原因・動機の割合」です。

自殺の原因や動機からストレスを解説身体の不調は、生きる気力すら減退させてしまうこともあるため注意が必要です。

気質とストレスの関係

ここで「気質(きしつ)」について少し解説します。

気質とは、比較的遺伝の影響を受けやすい性格的な特徴です。

私たちの気質は、身長や体重と同じようにある程度、先天的に既に決まっている部分があります。そのため心理的な問題というより、身体的な問題としてとらえた方が適切と言えますね。

ストレスを抱きやすいタイプAとは?

アメリカの医師のM・フリードマンとR・ローゼンマンが発見した、心臓病疾患を発症しやすい気質にタイプAがあります。

フリードマンとR・ローゼンマンは、1950年後半に心臓病の外来で待合室のイスのシートが異常に早く擦り切れていることに気付きました。そこで待合室の様子の観察をつづけたところ、心臓病患者はわずかな時間を待つことにもイライラした様子で、すぐに立ち上がれるように浅くイスに腰掛けている人が多く、イスの擦り切れはそのためであることがわかりました。

フリードマンとR・ローゼンマンは、この特徴がある人をタイプA(Aggressive)と名付けました。

タイプAの特徴には

・非常に野心的
・他人に対して攻撃的
・常に時間に追われる
・何事も急ぎがち
・警戒心が強い

などがあり、イライラしやすい性格のため、タイプAの人はストレスに弱く、他のタイプの人と同じ状況にいてもストレスを強く感じやすいと言われています。

このような状況が続けば心身共に疲れてしまいますよね。

心理学の研究ではストレスへの対処の違いで、心身に与える影響は大きく変わっていくことが明らかになっています。具体的な対処法で、ストレス発散・解消法をしていきましょう。

4.環境的ストレス

環境的ストレスとは、生活環境からくるストレスです。

例えば、

・パワハラが横行する会社
・長時間勤務や長距離勤務
・空間の狭さや日照不足

などです。例えば、パワハラが横行する会社や長時間勤務が続けば、だれでもストレスをためてしましますよね。ストレス状態に慣れてしまい、会社に居続ければうつ病などのリスクも出てしまいますし、若い女性が自殺してしまうという痛ましい事件もありました…。

環境ストレスの負荷が強い場合は、思い切って環境を変えるのも解消法の1つとなります。

・パワハラが横行する会社
→転職でホワイト企業に行く

・長距離勤務がツライ
→会社近くに引越しをする

・日常生活に寂しさを感じている
→習い事をはじめてみる

環境的ストレスの発散・解消法のポイントは、生活に変化をつける事です。ストレスが強い場合は、思い切って環境を変えることも大切です。生活習慣や環境、体調にも目を向け、実践していきたいですね。

コミュニケーション講座について♪

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学講座のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

5つの方法で発散・解消を!

本コラムでは、ストレスとうまく付き合っていく方法を5つご紹介します。全部読むのは大変なので、当てはまる項目のリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①思考の歪みを修正

デイリーハッスルが崩れている
「バスが遅れてイライラ…」「妻の一言にイラっ…」など日常のささいな出来事「デリバリーハッスル」が大きなストレス要因になることがあります。デイリーハッスルは、日常の些細なイライラのため、ストレスと感じない場合が多いです。しかし気付かず放置すれば、蓄積され大きな心理的ストレスになってしまいます。

捉え方を修正する
日々の出来事は、捉え方によって感じ方は大きく変わります。デイリーハッスルも捉え方(認知)次第では、プラスに感じられるかもしれません。イライラしやすい捉え方「思考の歪み」を見つけて、修正することで対処していきましょう。些細なことにもイライラしてしまう…という方は、コラム②を確認してみてくださいね。

②3つのCを向上させる

ストレス耐性が低い
ストレスの感じ方も人によって異なりますが、心理的ストレスを強く感じやすい人は、次の特徴があります。

・周囲を見る余裕がない
・自分の状態を把握できない
・心理的ストレスの発散・解消法を知らない

これらの特徴が当てはまる人は、まずは自分がストレス耐性が低いと認識することが大切です。

ストレスに強い人の特徴を知ろう
ストレス耐性がある人は「3つのC」をもっています。

①コミットメント(Commitment)
②コントロール(Control)
③チャレンジ(Challenge)

この3つのCを理解することで、ストレスを上手に発散・解消することができるようになります。ストレスに弱いタイプだ…という方は、コラム③で「3つのC」の理解を深めて実践しましょう。

③ソーシャルサポートを活用する

心理的サポートが不足している
周囲からの心理的サポートが不足すると不安感が強くなり、人間関係でストレスを抱きやすくなることが分かっています。心理的サポートを得るには、家族や学校、職場や趣味サークルなど、コミュニティに所属することが必要です。そのため偏った人間関係になっている…という方は、ストレスを大きくしてしまうため注意が必要です。

コミュニティに所属しよう
周りの方からの心理的・道具的な援助のことをソーシャルサポートといいます。ソーシャルサポートはネガティブ要素を軽減し、多くのメリットをもたらしてくれます。ソーシャルサポートを安定して得られるよう、適度なコミュニティに所属することがストレスの発散・解消につながります。ソーシャルサポートが少ない…という方は、コラム④をチェックしてくださいね。

④自律訓練法で身体をほぐす

身体の緊張は要注意!
私たちはストレスを感じると、身体が思ったように動いてくれなくなります。これは、自律神経の働きが狂っているため起こります。ストレスのせいで身体が固くなっている、ストレスで落ち着くことができない、という方は要注意です。

自律訓練法とは?
自律神経を整えてストレスを発散・解消法として「自律訓練法」をご紹介します。自律訓練法は自己催眠の一種で、自律神経を整えることで心と身体のバランスを保つのに効果的です。心と身体は密接に影響し合う関係にあります。自律訓練法を用いてストレスを緩和していきましょう。自分自身で自分の心と身体に向き合いたい!という方はコラム⑤を参考にしてみてくださいね。

⑤生活習慣を整える

ホメオスタシスが崩れている
私たちは良好な状態を保つため、心と身体がバランスをとっています。この身体がバランスをとることを「ホメオスタシス」と呼びます。ホメオスタシスが崩れると心身ともにコントロールできなくなり、ストレス負荷を大きくしてしまいます。

生活習慣を見直そう
ホメオスタシスを良好に保つには、日常生活のリズムを整えることが欠かせません。そのため、入学や入社、結婚、新部署への配属など、生活に変化が起きた時はホメオスタシスが崩れやすい時期であり、良好に修正できるチャンスにもなります。本コラムでは、生活習慣を整える方法を具体的に紹介します。身体が疲れている…という方は、コラム⑥をチェックしてストレス発散・解消を目指しましょう。

5つの発散・解消法を知ろう

ストレスの解消法は「①思考の歪みを修正」「②3つのCを向上させる」「③ソーシャルサポートを活用する」「④自律訓練法で身体をほぐす」「⑤生活習慣を整える」でしたね。

これからのコラムで具体的に紹介していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

ストレスはさまざま要因があるため、全てをなくすことは難しいかもしれません。またプラスの側面もあることから、上手に付き合っていくことが大切です。ご紹介していく解消法を元に、ストレスを上手にコントロールして行きましょう。

次回は、ストレスの発散・解消法の1つ目「思考のクセを修正」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★ 過剰なストレスは要注意!5つの方法で上手に発散・解消をしよう

*出典・参考文献
前田 聰:行動パターン評価のための簡易質問法「A型傾向判定表」,特集1,日本におけるタイプAの判定法.タイプA 2(1):33-40,1991.
高畑好秀 2007 スポーツ・メンタル強化BOOK 新星出版社.
Baumeister,R.F.(1984)Choking under pressure : Selfconsciousness and paradoxical effects of incentives on skillfull preformance. J.Pers. Soc. Psychol.,46:610-620
青木紀久代・神宮英夫 2008 徹底図解 心理学 pp.168-167 新星出版.
厚生労働省 労働者健康状況調査 平成24年



5つの方法で上手に付き合っていこう