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原因帰属とは?心理学的視点で理論や分類について解説!①

原因帰属とは?心理学的視点で理論や分類について解説!①

はじめまして!作業療法士の石橋、監修の精神保健福祉士の川島です。私たちは現在、こちらの初学者向け心理学講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

本コラムでは『原因帰属』について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。

原因帰属とは?

原因帰属とは、人の行動の結果について、どこに原因があるのかを推測していく過程のことをいいます。

例えば、テストで悪い点数を取った場合…その原因をどのように考えますか?
「勉強が足りなかったから…」
「難しい問題だったから…」
「たまたま調子が悪かった…」

などと、テストの点数が悪い原因をどこに考えるかによって、その後の行動も変わってきます。このように、ある結果に対して、どこに原因があるのか考えることを原因帰属理論といいます。

原因帰属には2つのタイプ

原因帰属は大きく分けると2つのタイプがあります。

内的要因…結果に対する原因を、自分自身に求める
例:テストの結果が悪い→自分の学力が低いから

外的要因…結果に対する原因を、運や状況に求める
例:テストの結果が悪い→テストが難しかったから            

このように、起こった原因を内的なものか外的ものかを区別することを、心理学では、統制の所在といいます。このコラムでは、「内的要因」と「外的要因」という言葉で説明していきます。

内的要因と外的要因のメリット・デメリット

原因帰属には①内的要因と②外的要因の2つがあることをお伝えしてきました。この2つの要因にはそれぞれメリットとデメリットがあります。

それを表でまとめてみましょう。

内的要因
→自分自身に原因があると考えるため、成功したときの喜びは大きいです。その一方で、失敗したことも自分のせいだと考えやすいため、その分失敗したときは落胆が大きいです。

外的要因
→原因を他人や状況によるものと考えやすいので、失敗しても落胆しにくいのがメリットです。その一方、他人のせいにしやすかったり、無責任になりやすいこともあります。

内的、外的それぞれにメリットとデメリットがあります。時と場合によってバランスよく使い分けていくのが良いかと思いますが、なかなか難しいときもあります。

原因帰属に関する研究

では、ここで原因帰属に関する心理学的な研究を3つ紹介します。

研究1 自己効力感との関係
自己効力感とは目標を達成するために、必要な行動がうまくできるか予期することです。

三宅(2000)は238名の大学生を対象に調査を行い、自己効力感や原因帰属、対処行動について調べました。結果の一部を下の図に示します。少し眺めてみましょう。ちょっと難しいですね(^^;

この図は男性について、授業の単位を落としてしまうというネガティブな状況における自己効力感が高い群と低い群との差を比較したものです。ここでいう「努力」とは内的要因であり、「運」は外的要因の原因帰属です。

この図から言えることは、
自己効力感が高い群は、「努力のせい」が大きい
自己効力感が低い群は「運のせい」がやや大きい

という結果になっています。自己効力感が高い人たちは、「努力」という内的要因に原因を帰属しやすく、自己効力感が低い人は「運」という外的要因に原意を帰属してることがわかります。

つまり、うまくできるか自信がある人は、自分の努力といった内的なものに原因を置きやすい。一方、うまくできるか自信がない人はたまたまの運といった、外的な原因を置きやすいということです。

研究2 糖尿病患者の原因帰属
井澤ら(2003)では、糖尿病患者で療養行動が継続する人と、破綻する人の比較を行っています。この研究では糖尿病患者7名に対して面接を実施し、病気に対する考え方や療養行動の変化について調べています。その中では、療養行動が継続する人としない人で、原因帰属に違いがあると述べてます。

 

療養行動が取れる人は、原因帰属を内的要因に求める傾向があり、他者と比較せず自身の価値で行動、決定し療養行動に活かしているとしています。一方、療養行動が取れない人は、原因帰属を外的要因に求める傾向にあり、他人との比較で行動しやすいことが示されています。

研究3 あがり症と原因帰属
最後に、あがり症と原因帰属について研究した内容を紹介したいと思います。井上(2006)は大学生136人に対し、あがり症と、内的要因・外的要因の原因帰属の関係について調べています。

その結果、内的統制が高い群の方があがりやすいという結果になっています。

内的要因は原因を自分自身に求めるため、他者の評価を受ける場面では緊張や不安が高まり、よりあがりやすくなるということが考えられます。

一方、外的要因は原因を自分外の状況に求めるため、「なるようになる」と考えてあがる度合いも小さいことが考えられます。

このように、あがり症など緊張や不安が高まる状況では、外的要因の方が対処がしやすいということがわかります。

原因帰属をバランスよく使い分けて

以上原因帰属について、心理学的な研究も通して解説をしてきました。原因帰属は大きく内的要因と外的要因に分けられ、それぞれのメリットデメリットがあるということです。

これまでをまとめると、

内的要因⇒結果に対する原因を、自分自身に求める。
      目標や努力を継続しなければいけないときに有効

外的要因⇒結果に対する原因を、運や状況に求める。
      極度の緊張や不安が高まりやすい状況には有効

などのことが言えます。どちらかがいいというわけではなく、時と場合によっててうまく考え方を使いわけていくとよいでしょう。

コラム①は以上になります。今回は内的要因―外的要因という、2つの要因でしたが実はもう少し詳細に分類することもできます。次回のコラム②では、原因帰属をさらに細かく分析した研究などを通して、応用編の内容をお伝えしたいと思います!

専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

内的・外的要因の原因帰属のそれぞれの特徴を活かそう!

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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引用文献

井澤美樹子,中村恵子(2003)糖尿病患者の自己存在価値と療養行動の考え方の関係 青森保健大紀要 5(1),111-118

奈須正裕(1988) Weinerの達成動機づけに関する帰属理論についての研究 教育心理学研究 37,84-95

井上徹(2006) 「あがり」の心理:-内的統制・外的統制および達成動機との関連- 日本心理学会大会発表論文集70

豊田弘司(2016) 努力と結果の随伴性、感情及び動機づけの関係 奈良教育大学次世代教員養成センター研究紀要2,19-25

三宅幹子(2000)特性的自己効力感とネガティブな出来事に対する原因帰属および対処行動 性格心理学研究9(1)1-10