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原因帰属理論とは?理論や分類を解説

原因帰属理論とは?心理学的視点で理論や分類について解説!①

はじめまして!作業療法士の石橋、公認心理師の川島です。

今回のテーマは
「原因帰属理論」
です。


当コラムの内容
・原因帰属理論を理解する
・内的,外的の長所短所を理解
・メンタルヘルスへの影響を理解

  • 全体の目次
  • 入門①原因帰属の意味
  • 入門②内的,外的要因
  • 入門③帰属理論と研究
  • 発展-ワイナーの帰属理論
  • 助け合い掲示板

入門①~③を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非入門編は最後までご一読ください。

もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

入門① 原因帰属の意味とは?

意味

原因帰属とは心理学では「帰属理論」として扱われてます。心理学辞典(1999)では次のように定義されています。

身の回りに起こる様々な出来事や、自分が他人の行動について、原因を推測する過程

帰属理論をはじめに提唱したのは、ハイダーという心理学者です。とても有名な方なので、心理学の専門家は、ハイダーの理論を必ず勉強させられます。

ハイダー,帰属理論

原因をどう考えるか?

原因帰属について、もう少し身近な例で考えてみましょう。例えば、皆さんはテストで悪い点数を取った場合…その原因をどのように考えますか?

「勉強が足りなかったから…」
「地頭が悪い…」
「運がわるかった!」

原因帰属とは,身近な例で解説

実は、原因をどこに考えるかによって、その後の行動が変わってくるのです。

例えば、

「勉強が足りなかったから…」
→次はもっと勉強する

「地頭が悪い…」
→勉強しても無駄と考え遊ぶ

「運がわるかった!」
→神社に行く

このような違いが出てくるでしょう。私たちの行動は原因をどう考えるか?によって変化するのです。

入門② 内的要因,外的要因

原因帰属と2つのタイプ

原因帰属は大きく分けると2つのタイプがあります。

内的要因
結果に対する原因を、自分自身に求めます。
たとえば、
テスト結果が悪い→自分の学力が低いから

外的要因
結果に対する原因を、運や状況に求めます。
たとえば、
テスト結果が悪い→テストが難しかったから            

このように、起こった原因を内的なものか外的ものかを区別することを統制の所在といいます。

メリット,デメリット

2つの要因には、それぞれメリットとデメリットがあります。

それを表でまとめてみましょう。内的要因、外的要因

内的要因
→自分自身に原因があると考えるため、成功したときの喜びは大きいです。その一方で、失敗したことも自分のせいだと考えやすいため、その分失敗したときは落胆が大きくなります。

外的要因
→原因を他人や状況によるものと考えやすいので、失敗しても落胆しにくいのがメリットです。その一方、他人のせいにしやすかったり、無責任になりやすいこともあります。

講師の視点 内的、外的それぞれにメリットとデメリットがあります。時と場合によってバランスよく使い分けていくのが良さそうですね。

成功場面と失敗場面

桜井・桜井(1992)は、大学生を対象に成功場面と失敗場面での原因帰属について調査をしました。

成功場面では、内的要因が低いと絶望しやすいことが分かりました。

内的要因が低い問題

うまく行ったときに、自分の力を認めない人と絶望しやすくなるのです。

一方で、失敗場面では、統制不可能感と抑うつにプラスの相関が認められました。つまり、原因帰属がうまくコントロールできないと、抑うつになりやすいのです。抑うつと原因帰属の関係

いずれの場面においても、外的要因と内的要因をうまく使い分けることが大切といえます。

 

入門③ 原因帰属に関する研究

ここで原因帰属に関する心理学的な研究を3つ紹介します。

研究1 自己効力感との関係

三宅(2000)は238名の大学生を対象に、自己効力感と原因帰属について調べました。自己効力感とは、目標を達成できそうだ!という自信を意味します

まずは「努力」の結果をみていきましょう。自己効力感が高い群のほうが、努力を原因帰属として重視していることが分かります。

原因帰属および対処行動に関する結果

自己効力感が高い人は、原因帰属に努力不足だ!と考えからストイックに取り組み、結果を出していくことで自信をつけている感じがしますね。

こちらは「運」の結果です。自己効力感が低い群のほうが、運を原因帰属として重視していることが分かります。

因帰属および対処行動に関する調査

まり、自己効力感が高い人たちは、運のせいにしないで取り組んでいる感じがしますね。

もし、努力ができない…という方がいたら、自分に原因を求めず、運や環境のせいにしている可能性があります。

研究2 糖尿病患者の原因帰属

井澤ら(2003)は糖尿病患者を対象に調査を粉いました。具体的には療養行動が

・継続する人
・破綻する人

の比較を行っています。その中では、療養行動が継続する人としない人で、原因帰属に違いがあると述べてます。

継続する人は、
原因帰属を内的要因に求める傾向があり、他者と比較せず自身の価値で行動、決定し療養行動に活かしているとしています。

 

破城する人
原因帰属を外的要因に求める傾向にあり、他人との比較で行動しやすいことが示されています。

研究3 あがり症と原因帰属

つづいて、あがり症と原因帰属についての研究を見ていきましょう。

井上(2006)は大学生136人に対し、あがり症と、内的要因・外的要因の原因帰属の関係について調査しました。その結果、内的統制が低い群と比較して、内的統制が高い群の方があがりやすいことが分かりました。

内的要因は原因を自分自身に求めるため、他者の評価を受ける場面では緊張や不安が高まり、よりあがりやすくなるということが考えられます。

一方、外的要因は原因を自分外の状況に求めるため、「なるようになる」と考えてあがる度合いも小さいと推測できます。

このように、あがり症など緊張や不安が高まる状況では外的要因の方が対処がしやすいということがわかります。

原因帰属をバランスよく使い分けて

以上原因帰属について、心理学的な研究も通して解説をしてきました。これまでをまとめると、

内的要因

・結果に対する原因を自分自身に求めること
・目標を継続しなければいけないときに有効
・自信がつきやすい
・自責が強くなることも

外的要因

・結果に対する原因を環境や運に求めること
・自信がつきにくい

・緊張緩和に役立つ
・疲れているときは外的要因もたまにはOk?

どちらかがいいというわけではなく、時と場合によっててうまく考え方を使いわけていくとよいでしょう。

コラム①は以上になります。今回は内的要因―外的要因という、2つの要因でしたが実はもう少し詳細に分類することもできます。

次回のコラム②コラム③では原因帰属をさらに細かく分析した研究などを通して、応用編の内容をお伝えしたいと思います!

専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。

コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・引用文献
・井澤美樹子,中村恵子(2003)糖尿病患者の自己存在価値と療養行動の考え方の関係 青森保健大紀要 5(1),111-118
・奈須正裕(1988) Weinerの達成動機づけに関する帰属理論についての研究 教育心理学研究 37,84-95
・井上徹(2006) 「あがり」の心理:-内的統制・外的統制および達成動機との関連- 日本心理学会大会発表論文集70
・豊田弘司(2016) 努力と結果の随伴性、感情及び動機づけの関係 奈良教育大学次世代教員養成センター研究紀要2,19-25
・三宅幹子(2000)特性的自己効力感とネガティブな出来事に対する原因帰属および対処行動 性格心理学研究9(1)1-10