恐怖心の意味とは

皆さんこんにちは。心理学講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「恐怖心」について解説していきます。

恐怖心の意味,すまいるほっぺ様作成

目次は以下の通りです。

①恐怖心の定義
②恐怖心と3つの反応
③恐怖心と体の仕組み
④精神疾患への影響
⑤関連コラム

是非最後までご一読ください。

 

①恐怖心の定義

意味

恐怖心は心理学辞典(1999)において以下のように定義されています。

自己存在を脅かす可能性のある破局や危険を漠然と予想することに伴う強い不安。漠然とした不安が何かに焦点化され対象が明確になったもの。
*一部簡略化

例えば、見知らぬ人に恐怖心を抱く、大きな地震に恐怖心を抱く、熊の足跡を見て恐怖心を抱く、などが挙げられます。恐怖心とは、人間として生き延びるために自然な反応と言えます。恐怖心を感じるからこそ、私たちは危険を予測し、それに基づいた行動を立てることができます。

ジョセフルドー感情の2経路説

恐怖心は大きく分けて2つの経路から発生します。これはジョセフルドーの感情の2経路説と言います。以下の動画で解説をしました。参考にしてみてください。

 

②恐怖心と3つの反応

私たちは恐怖心を覚えると3つの選択を取りやすくなります。これは戦うか逃げるか反応、ポリヴェーガル理論と言われます。

戦う

暴力を受けそうになったとき、動物に襲われそうになった時、精神的に傷つけられそうになったとき、私たちの戦うための準備を行います。例えば、会話をしている時に、自分を罵倒してくる人がいたとします。この時、恐怖心が出てくると共に、言い返す!という行動に出ることになります。

逃げる

暴力を受けそうになったとき、精神的に傷つけられそうになったとき、私たちは逃げる選択をすることもあります。例えば、電車に乗っていた時に、だれかれ構わず暴力を振っている人がいたとします。この時、私たちは、身体に力を入れ、すばやく逃げることもあります。

固まる

ポリヴェーガル理論によると、私たちの体は、恐怖心が大きくなりすぎると、不動の状態になるとされています。これは生物学的には死んだふり状態とも言えます。例えば、あまりにも恐ろしい目に合うと、もはや逃げることも戦うこともできなくなることがありますが、これが不動の状態と言えます。

 

*参照戦うか逃げるか反応

 

③恐怖心と体の仕組み

偏桃体の働き

恐怖心と深く関りがあるのは偏桃体と言われています。偏桃体は大脳辺縁系と呼ばれている中にある脳の一部の器官です。下の図で赤く記してある部分が扁桃体です。

私たちは何らかの脅威に直面すると、、偏桃体が刺激されます。偏桃体が刺激されると、視床下部などの器官へ臨戦態勢を指示する情報が流れていきます。視床下部では、自律神経を活性化させたり、弱めたりする情報が伝達されていきます。

神経への伝達

自律神経には以下の2つがあります。1つ目は、交感神経です。交感神経が刺激されると、緊張する、活力を上げる、心拍数が上がる、などの反応があります。恐怖心が刺激されると交感神経が反応していきます。

2つ目は、副交感神経です。副交感神経が刺激されると、リラックス、休息する、心拍数が下がる、などの反応に繋がります。恐怖心があると副交感神経の働きは低下します。

 

④精神疾患への影響

恐怖心は精神疾患に影響します。

強迫神経症

強迫神経症とは自分でもおかしいとわかっていても、ネガティブな想像が頭から離れず、何度も同じ行動を繰り返す精神疾患です。例えば、潔癖症の方が1日10回シャワーを浴びるなどが挙げられます。

強迫性障害

パニック障害

パニック障害は、突然理由もなく動悸やめまいが起こる、発汗が止まらない、吐き気がするなどの症状が出る精神疾患です。パニック障害になると、逃げ場のない場所が苦手になり、エレベーターや電車に乗ると恐怖心が大きくなることがあります。

パニック障害

 

PTSD

PTSDは過去にあった恐怖体験が何らかのきっかけでフラッシュバックする精神疾患です。例えば、過去に災害にあった記憶が頭に思い浮かんで恐怖心が沸き起こります。

PTSD

 

⑤関連コラム

恐怖心を克服する方法

当コラムでは恐怖心の意味や研究を紹介してきました。実践的に恐怖心を改善したい方は以下のコラムを参考にしてみてください。リラックスできる考え方を学ぶなど練習など行っていきます。

恐怖心を克服する方法

 

パニックになりやすさ診断

筆者はパニックになりやすさを簡易的に診断できるシステムを作りました。恐怖心を感じたときに、冷静に対処する力を把握したい方は一度チェックしてみてください。

パニックになりやすさ診断

 

心理学講座のお知らせ

公認心理師の元で、心理学や人間関係の学習を直接したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の学習
・恐怖心の治し方
・不安のコントロール法
・傾聴スキル,共感スキルの習得

などたくさん学習していきます。筆者も講師をしています。皆さまのご来場をお待ちしています。↓興味がある方は下記のお知らせをクリック♪↓

心理学講座,教室

 

監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
Youtubeチャンネル

 

中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
Reiss, S. (1991). Expectancy model of fear, anxiety, and panic. Clinical psychology review, 11(2), 141-153.
・Jakupcak, M., Osborne, T., Michael, S., Cook, J., Albrizio, P., & McFall, M. (2006). Anxiety sensitivity and depression: mechanisms for understanding somatic complaints in veterans with posttraumatic stress disorder. Journal of traumatic stress, 19(4), 471-479.
・フリー百科事典『wikipedia』戦うか逃げるか反応
・フリー百科事典『wikipedia』偏桃体