外発的動機づけの意味

皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「外発的動機づけ」について解説していきます。

外発的動機づけの意味

目次は以下の通りです。

①外発的動機づけの意味
②外発的動機付けの種類
③心理的効果
④外発的動機付けへの影響要因

是非最後までご一読ください。

①外発的動機づけの意味

意味

本人以外の外部からの報酬や罰による動機づけ。

具体例

*報酬
・成果報酬で仕事を依頼する
・目標を達成したらボーナス支給
・勉強をしたらおもちゃを買う
・親に褒められたいから勉強をする

*罰
・遅刻をしたら罰金を取る
・目標を未達成の際はボーナスカット
・勉強をしないとおもちゃを捨てる
・怒られるから勉強をする

 

②外発的動機付けの種類

Ryan(2000)は外発的動機付けには以下の3つの種類があるとしています。

外的調整

最も自己決定度が低く、賞罰に依存した動機づけのことです。例えば、昇給や昇進、職を失いたくないなどから発生するモチベーションが挙げられます。

取り入れ調整

恥の回避や自尊心を高めたいという動機づけのことです。例えば、ミスをしたくない、褒めて欲しいなどの気持ちから生まれるモチベーションが挙げられます。

同一視的調整

その行動の目的が重要だと、ある程度意識している動機づけのことです。例えば、会社の売り上げに貢献することに価値を見出し、自分なりに成果につながる行動を行うなどが挙げられます。

 

内発的動機づけと、外発的動機を総合すると以下のようになります。内発的動機づけについてはこちらをご覧ください。

③心理的効果

やる気を引き出す

やる気がない状態から、賞罰を使うことでやる気を引き出すことができます。例えば、勉強への意欲が低い子供に対して「テストでいい点を取ったら好きなものを買ってあげる」と報酬が掲げられるとやる気が出ます。しかし、内発的動機づけに比べると、やる気の持続が難しいことが注意点です。やる気を持続させるためには、報酬を与え続けたり報酬の段階を上げる必要があります。

行動のコントロールがしやすい

内発的動機づけは個人の自発性に依存している部分が大きいです。そのため、外部からの影響によって変えることが難しいです。一方で、外発的動機づけは外部からの賞罰によってコントロールが可能です。部下のマネジメントや、コーチングに活用が可能です。

やる気を削ぐリスク

内発的動機づけが高い状態に、外発的動機づけを行うと、逆にやる気がなくなってしまう場合があります。これをアンダーマイニング効果と言います。例えば、人の役に立ちたいとボランティア活動を行っていた人に対して、金銭的な対価が得られるようになると、報酬なしに活動ができなくなってしまうことなどがあります。最初から内発的動機づけが高まっている場合は、やる気を削いでしまうので注意が必要です。

 

外発的動機づけへの影響要因

外発的動機づけによって行動を促すためには2つの要因が大事です。

目標を明確にすること

賞罰によって行動が促されても、目標が明確であることが必要です。
・収益10%アップのために
新規顧客を5人獲得する

・新しい企画を10個考え、
そのうち2つ実行する

具体的で目標が明確であれば、外発的動機づけが高まります。

賞罰を明確にする

賞罰を明確にすると外発的動機が高まります。関(2020)は食品メーカーの営業職の社員(350名)に対して、報酬の知覚と創造的な仕事の関係について調べています。具体的には、外的な報酬が得られると知覚していると、創造的な仕事の内容が上がるかを検討しました。

結果の一部が下図となります。

数字の149**は緩やかな正の影響があることを示しています。すなわち、仕事をすることで得られる報酬が明らかになっていると、動機づけが高まり仕事でもモチベーションや効率が上がると言えるのです。

 

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コミュニケーション講座

監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
Youtubeチャンネル

ダイコミュ用語集監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 元専修大学人間科学部教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連

【出典、参考文献】

中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣 

臨床心理学辞典  1999 恩田 彰  伊藤 隆二

関隆教(2020)  内発的モチベーションと創造的な取り組みに対する外的報酬が営業担当者のクリエイティビティに及ぼす影響  広島経済大学経済研究論集43(1),13-29

Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2000). Intrinsic and extrinsic motivations: Classic definitions and new directions. Contemporary Educational Psychology, 25, 54-67