不信感の意味とは

精選版 日本国語大辞典(2006)によると、不信感は以下のように定義されています。

信じていない思い。信用していない気持。不信の念。

不信感がある状態は信用できない状態なので例えば、

・スマフォをチェック
・SNSをチェック
・PCの履歴チェック

など相手の真意を探る、など探索行動に結びつきます。

不信感の機能

不信感は人間にとって、リスク回避のための機能を果たしています。

Gudmundsson(2013)の研究では、不信感がある程度ある企業は、自信過剰な企業家よりも生き残る可能性が高いことを発見しました。不信感を抱くことによって、より正確な意思決定に時間を割くようになります。

その結果、大きな失敗の回避することができ、長期的に企業として生き残っていけるのです。

もちろん、企業だけに関わらず、

・恋愛であれば浮気を防ぐことができる
・社員の行動を不信があれば横領が防げる
・リスクを視野に入れると医療体制が改善

など様々なシーンで不信感の機能は果たされています。

不信感の悪影響

一方で不信感には悪影響もあります。

対人関係での消耗が激しくなる

不信感があると、常に周囲を疑いながらコミュニケーションしてしまいます。その結果、対人関係で激しく消耗してしまいます。

例えば、パートナーからの返信が遅い時、不信感の有り無しでは、以下のような違いがあります。

・不信感がある時
浮気された?と考える
⇒ずっと気が休まらない

・不信感がない時
まあ大丈夫でしょと考える
⇒好きな本など安心して読める

このように、不信感に有無によって疲れる度合いが全く違ってしまうのです。

不信感には不信感が返ってくる

人間には「返報性の原理」という心の働きがあります。これは簡単に言えば、お返しをしなくては…と考えてしまう働きのことを意味します。不信感という枠組みに当てはめるなら、

・人は信じてくれる人を信じたくなる
・不信感のある人には不信感を持つ

という流れが想定できます。このように、不信感を持っていると相手が信用されずらくなり、結果として人間関係も充実しにくくなるという負の連鎖に発展してしまう恐れがあります。

判断力が低下する

不信感が強い人は「騙されるかもしれない・・・」と想像する人も多いでしょう。他人を信頼しない方が、悪い人に利用されずに正しい判断ができるのでは?と考えるのです。

菊地・渡邊・山岸(1997)は、96人の大学生を、基本的な信頼関係が高い群と低い群に分け、信頼関係と情報選択実験を行いました。その結果、

「相手を信頼する傾向の強い人」は、
「正確な行動をする」

傾向があることが分かりました。

不信感

一見、他人を信頼しない方が、正確な行動がとれそうな感覚があります。しかし、相手を信頼したことで開けてくる世界も多いようです。

その意味でも、不信感を持ちすぎることは判断力の低下につながると言えます。

 

お知らせ

当コラムは公認心理師、精神保健福祉士により作成されています。もっと心理学や人間関係を学習したい方は下記のコミュニケーション講座でぜひお待ちしています。

コミュニケーション講座

監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
Youtubeチャンネル

・Gurtman, M. B. (1992). Trust, distrust, and interpersonal problems: a circumplex analysis. Journal of personality and social psychology, 62(6), 989.
・菊地 雅子, 渡邊 席子, 山岸 俊男(1997)他者の信頼性判断の正確さと一般的信頼-実験研究  37 巻 1 号 p. 23-36
・精選版 日本国語大辞典(2006)小学館