イドの意味

皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「イド」について解説していきます。

目次は以下の通りです。

①イドとは何か
②提唱者
③心的構造論とは
④他の心理療法への影響

是非最後までご一読ください。

 

①イドとは何か

定義

イドとは以下のような意味があります。

心的エネルギーの源泉。

イドは精神分析の概念の一つです。エス(Es)とも呼ばれます。本能的な欲動(リビドー)を備えており、その欲動のまま行動する働きをするのがイドです。身体的と欲求、感情的な衝動、性欲の源となると考えられています。

語源

イドはラテン語からきています。もともとの由来は、三人称の代名詞として使われていた言葉です。英語で言うと、「it」に当たる言葉です。この三人称の代名詞には「行動を起こさせるもの」という意味が含まれています。

生まれる時期

食べ物、飲み物、快適さの基本的なニーズを満たすための基本的な欲望がイドです。イドは本能的な要素であり、出生時から存在します。そして、乳児期には、性格が形成され始める前に、完全にイドによって行動を支配されると考えられています。

イドの基本的な性質

イドは基本的に以下のような性質があります。

・快を求める
・衝動的な行動
・非論理的

イドは快感原則によって支配されており、不快を避けて快を求める特徴があります。また、意識を無視して衝動性が高く、論理性に欠けており、非現実的な行動に向かいます。

 

②提唱者

イドを提唱したのは、ジークムント・フロイトです。

フロイトはウィーンの精神科医で、精神分析を開発した人で有名です。フロイトの精神分析は心理学以外にも、文学、文化人類学、哲学、芸術など様々な分野にも大きな影響を及ぼしています。

その他にも、コンプレックスについての着想を得たり、自由連想法と呼ばれる無意識を探索する技法を開発した人物です。フロイトは当初、ヒステリーの治療や研究を進めていました。その中で”無意識”の概念を提唱しました。

フロイトはさらに無意識についての研究を発展させ、「イド」「超自我」「自我」からなる心的構造論を着想しました。

 

③心的構造論とは

心的構造論では「イド」「超自我」「自我」の3つを合わせて心の仕組みを分析していきます。

超自我

社会の中で協調するために発達した自我で、道徳観や倫理観の規律の役割を果たします。イドから起こる本当的な欲動を監視する働きをします。超自我があるおかげで、ルールやモラルを守り、より人間的に生きることができます。

自我

超自我とイドからの要求を受け取り、それぞれの調節役として機能します。特に理性的に考えている時に働くと考えられています。本能と社会的慣習との折り合いをつけて、現実的に行動な行動を促します。

3つの関係

ルールや規範を大事にする超自我は本能をつかさどるイドとせめぎ合います。この時自我がその仲立ちをして、バランスを取ろうとしていくと考えられています。

 

④他の心理療法への影響

交流分析への影響

アメリカの精神科医エリック・バーンは、1957年に交流分析(TA)という心と行動に関する理論を提唱しました。交流分析は、フロイトの精神分析理論の影響を受けたものとされることが多いです。例えば、交流分析では、親の心、大人の心、子供の心という3つの自我状態を前提としていますが、これらは超自我、自我、イドとかなり似た意味合いになっています。

現代のカウンセリングへの影響

精神分析的心理療法を本格的に行っている心理療法家は日本では15名以下と言われています。一方で精神分析療法は、臨床心理士、公認心理師が必ず学ぶ理論であり、現代のカウンセリングにおいて影響を与え続けています。

直接カウンセリングの手法として使われることは少ないですが、心理的な問題を抱えるクライアントはイドの発揮がうまくいっていない、という感覚は臨床家であれば、誰しもが感じ取るところです。その意味でイドという概念はこれからも臨床心理の世界で普遍的に受け継がれていくと考えられます。

 

⑤関連コラム

精神分析的心理療法

今回はイドを中心について解説をしてきました。精神分析的心理療法を体系的に学びたい方は以下のコラムを参照ください。

精神分析的心理療法

 

防衛機制とは何か

精神分析の中心理論として心を守るための防衛機制理論があります。精神分析をより深く理解したい方は以下のコラムを参照ください。

防衛機制とは何か

 

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ダイコミュ用語集監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
・NHK 天才テレビ君出演
・マイナビ出版 嫌われる覚悟
Youtubeチャンネル

・出典、引用文献

フロイト画像wikipedia

構造論のwikipedia

中島義明,子安増生,繁桝算男,箱田裕司,安藤清志(1999)心理学辞典 有斐閣

恩田彰,伊藤 隆二(1999) 臨床心理学辞典 八千代出版