喃語の意味

皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「喃語」について解説していきます。

喃語

目次は以下の通りです。

①喃語とは何か
②喃語の種類
③喃語の役割
④言語発達の仮説
⑤その他の喃語

是非最後までご一読ください。

①喃語とは何か

意味

乳児が発する意味をもたない2つ以上の声を意味します


・ばぶばぶ
・ままま
・あっあっ

など

クーイング~初語までの流れ

乳児は喃語を発声する前に、アーアー、ウーウーといったクーイングが起こります。そこから、喃語が始まり、徐々に発音が明瞭になっていき、最初に発する言葉である初語を話すようになります。クーイング~初語までの流れは以下の通りです。

生後1か月~2か月
クーイングが始まる
生後3か月~5か月
母音の喃語が始まる
子音を含む喃語が始まる
生後6か月~9か月
反復する音の喃語が始まる
反復する音の喃語が始まる
発声がより明瞭になる
生後10か月~12カ月頃
ジェスチャーが始まり、喃語が減る
初語を話し始める

このように、乳児が言葉を話すまでには、およそ1年かかることが分かります。言語発達において、喃語は明瞭な発音をする上で大きな意味を持っていると言えそうです。

②喃語の種類

喃語は音の出方によって、2種類に分けられます。

重複喃語

同じ子音や母音が連続する。
例:「あああ…」「ばばば…」など

多様喃語

違う子音や母音が組み合わされる。
例「ばぶだびぶ…」など

 

③喃語の役割

言語の発達

喃語は具体的な単語を発する前の段階で、その後の言葉の発達において大事な段階です。この喃語が出現することで、一語、二語、多語…と言葉を発するようになっていきます。そのため、喃語の役割は言葉の発達を促す役割を果たしています。

baby talk

喃語は誰かに向けて発するのではなく、自分で自分の発声を楽しんでいるといわれています。このことを「baby talk」と言ったりします。

親子関係の構築

乳児期の子供は自分の欲求や不満を具体的に言葉にして伝えることができません。そのため、言葉にならない音として母親に要求を伝え、それに母親が応えることで相互のやりと入りが可能になります。喃語は具体的な要求を代わりに伝える役割を果たし、それが愛着の形成にも役に立っています。

難聴児の早期発見

難聴がある子供は喃語の出現が遅れるといわれています。健常児の喃語が6か月~12か月で出現するのに対し、難聴児では18か月であるといわれています。これは、聴覚に障害がある子供は、自分の声を自分で聞き取ることができないためであるとしています。

喃語は言葉の発達に大事な役割を果たしているため、出現が遅れている場合は医療機関での診察や健診を行った方が良い場合があります。

④言語発達の仮説

喃語と言語発達の関連を説明するために、以下の2つの仮説が考案されました。

不連続性仮説

この仮説では、喃語は言語発達に全く関係していないというものです。乳児はいったん音を覚えても、次第に忘れていき、また数か月後に再びを音を思い出すと考えられています。

喃語の初期段階で、習得した音を一貫性のない方法で使用したり、話し方を学ぶ前に音を完全に忘れたりする可能性があります。つまり、発声と言語には関連性がないという仮説になります。現在の心理学では。この仮説は指示されていません。

継続性仮説

この仮説では、喃語は言語発達に直接関係しているというものです。乳児は喃語で多くの音を出しますが、そのうち「ママ、ダダ」などの音だけが、親や養育者の反応によって、意味があると音だと認識されていきます。こうした社会的フィードバックは、迅速な単語学習を可能にしています。

たとえば、フランス語を話す環境で育てられた乳児は、英語を話す環境で育てられた乳児と比べて、より多くのイントネーションを覚えられることが分かっています。現在の心理学では、この仮説が指示されています。

 

⑤その他の喃語

鳴鳥の喃語

鳴鳥と人間の言語は、他の個体から模倣学習という点で、起源が類似していることが分かっています。こうしたメカニズムは、動物の行動観察を遺伝子と細胞レベルでの解析する、「分子神経行動学」という学問によって研究が進んでいます。

ヒトの赤ちゃんが喃語で声を出し、だんだんはっきりと話せるようになるのと同じように、鳴鳥のヒナもサブソングと呼ばれる低く不明瞭な発声から始まり、徐々に大人の鳥と同じように鳴くことができるようになります。

手指喃語

乳児が喃語を話すのと同じように聴覚障害のある乳児、または無言の両親、手話を使用する両親がいる場合、両親の手話を模倣します。この最初の模倣は、手指喃語と呼ばれています。典型的なジェスチャーは、ミルクを欲しがっていることを示すために、手をつかんだり、伸ばしたりすることです。そこから、徐々に手話を覚えていき、自分の意志を伝えることができるようになります。

 

⑥関連コラム

吃音症

幼少期に発声に問題がでやすい症状として吃音が挙げられます。吃音症になると、最初の一言が出てこない、何度も同じ発声をしてしまう、などの症状が見られます。理解を深めたい方は以下のコラムを参照ください。

吃音症の意味,症状

愛着形成

幼少期には愛着形成が大事です。以下のコラムでは愛着形成の研究や手法を解説しています。参考にしてみてください。

子供と愛着形成

 

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ダイコミュ用語集監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
・NHK 天才テレビ君出演
・マイナビ出版 嫌われる覚悟
Youtubeチャンネル

・出典、引用文献

前田綾子(2019) 子どもの言葉の獲得のプロセスと発語の時期に関する研究奈良学園大学人間教育学部 人間教育 2(11), 263-268

黄麗輝,加我君孝(2000) 高度難聴乳幼児の発見の遅れと喃語 Audiology Japan日本聴覚医学会 43(5), 391-392

黄麗輝,加我君孝,今泉敏,新美成二,汪濤(2002) 補聴月齢の異なる先天性高度難聴児の前言語期における音声の発達について : 音響分析によるフォローアップ研究(2)
音声言語医学 43(2), 134-140