単純接触効果の意味

皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「単純接触効果」について解説していきます。

単純接触効果の意味

目次は以下の通りです。

①単純接触効果とは
②提唱者
③単純接触効果と心理学的研究
④単純接触効果の活用例

是非最後までご一読ください。

単純接触効果とは

ロバート・ザイアンス(1968)は以下のように定義しています。

ある対象に反復して接触することで,その対象への好意度が高まる現象

具体例
・CMソングを好きになる
・よく見る芸能人に興味がわく
・毎日バスで一緒になる人が気になる

 

提唱者

アメリカの心理学者ロバート・ザイアンス(Zajonc, R. B. )が1968年論文にまとめ、広く知られるようになりました。ザイアンスは幅広い社会的および認知的プロセスに取り組んでいます。

ロバート・ザイアンス

ザイアンスは、新しい事態に遭遇すると、すべての生物は恐怖心を持ち、回避反応を示すことを発見しました。そして、再び同じ事態に遭遇すると、その生物の恐怖心は減り、回避傾向が弱くなります。

さらに繰返すと、生物はその事態を好意的に解釈し始めます。ザイアンスはこの傾向から単純接触効果を着想しました。

ザイアンスは鶏卵を使用し、単純接触効果の検証を行いました。具体的な研究デザインは以下の通りです。

・まだ孵化していない卵を2つのグループに分る
・それぞれ異なる周波数の音色を聞かせる
・孵化した後に2つの音色を両方のヒヨコのグループに聞かせる

その結果、孵化する前のトーンの音色を聞いた方が、鳴き止む傾向にあることが分かりました。

 

単純接触効果と心理学研究

①見た回数と好感度上昇

川上・吉田(2011)は、大学生75名を対象に3D画像で作られたキャラクターにどのようなイメージを持つかを調べました。

実験では大学生を2つのグループに分け、キャラクターを見る回数を変えています。具体的には次の通りです。

・キャラクターを
何回も見た群
1回しか見ない群

この2つの群について、一定期間の好感度を比較しました。結果は、キャラクターを見た回数が多い群ほど好感度が高いことが明らかになりました。

2つの群の好感度の結果を詳しく見ていきましょう。

まずは、キャラクターを何回も見た集団の好感度得点です。実験直後より3日後に好感度得点が高くなり、2週間後も維持されるという結果になっています。

単純接触効果 意味

何度も見た集団は、好感度が継続するのが特徴的です。

つづいて、キャラクターを1回しか見なかった集団の結果を見ていきましょう。実験直後の好感度得点に、大きな差はありませんが、時間とともに好感度が低下する結果が得られました。

単純接触効果 研究

1回しか見なかった集団では、2週間後には好感度得点が0点に近づいています。このように、接触回数が少ないと好感を得るのがとても難しいことが分かります。

 

②見た回数が増えると好感度上昇

鎌田ら(2009)は、大学生88名を対象に「商品を見た回数」と「商品の選ばれやすさ」の関連を調べました。

その結果が以下のグラフです。

 

呈示回数と選択頻度

このように、呈示回数が「10」のグラフが、もっとも選択頻度が高くなっていることが分かります。つまり、よく見る商品は選ばれやすいことが考えられます。

世の中には様々なマーケティング手法がありますが、特にCMや広告で自社商品を宣伝するのは、こうした単純接触効果を狙ったものが多いです。

全く知らない商品よりも、「この間、TVで見た!」と事前認知のある商品の方が、手に取ってもらいやすいことが分かっているのです。

 

④単純接触効果の活用例

ビジネスでの活用例

ビジネスの場面で単純接触効果を生かすには、以下のような方法があります。

・時間よりも回数を意識する
例えば、ビジネスで単純接触効果を活用したい場合、年に数回長時間の商談を行うよりも、週に1回短い商談を行う方が効果的です。先方と頻繁に会うことで、「私たちは親しい仲だ」と思うようになり、交渉もしやすくなります。

・SNSを活用する
自社の情報を毎日SNSを通して発信することで、お客さんの目に触れる機会を増やすことができます。その結果、自社の商品を思い出してもらいやすくなり、購買率も高まります。

・フリーミアム効果を活用する
フリーミアムとは商品の一部を無料で提供することです。無料体験を行うことで、お客さんの商品に触れるハードルを下げ、何度も商品を使ってもらいやすくなります。

ビジネスでの活用例をより深く知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。

単純接触効果とビジネスの活用法

恋愛での活用例

恋愛で単純接触効果を活用するには、以下のような方法があります。

・1日1回触れる
もし好きな異性が、学校や職場にいる場合は、1回は相手の目に触れることが大切です。1日に1回目に触れることで、徐々にあなたのことが気になっていきます。例えば、あいさつをする、目の前を横切る、視界に入る位置に座るなどが挙げられます。

・SNSで発信
SNSの投稿頻度を増やすことで、相手があなたのことを認識する機会も増えます。その結果、単純接触効果につながるのです。例えば、インスタグラムやフェイスブック、ツイッターなどを気になる異性が使用しているSNSで発信するようにしましょう。

・ちょっとしたプレゼント
プレゼントは顔を合わせなくても、相手があなたのことを思い出すだけで単純接触効果は得られます。例えば、アロマやコーヒーカップを買うを面白い筆記用語などは、身近なグッズなので、日常的に使ってもらうことであなたを連想させすいです。

恋愛で活用例をより深く知りたい方は、以下のコラムをご参照ください。

単純接触効果を恋愛で活かす方法

 

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監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
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出典・参考文献
鎌田 晶子 臼井 信男 吉野 大輔(2009)商品選択における単純接触効果の影響–商品評価と商品カテゴリーからの検討(1)人間科学研究 (31), 153-160, 2009 文教大学
Zajonc, R. B. (1968). Attitudinal effects of mere exposure. Journal of Personality and Social Psychol
ere Exposure: A Gateway to the Subliminal R.B. Zajonc1First Published December 1, 2001 Research Article
https://doi.org/10.1111/1467-8721.00154
川上 直秋・吉田 富二雄(2011)閾下単純接触の累積的効果とその長期持続性. 『心理学研究』,82, 345–353.