自意識,自己意識の意味

皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「自意識,自己意識」について解説していきます。

自意識過剰

目次は以下の通りです。

①自意識とは何か
②提唱者
③自意識の原因
④自意識の研究

是非最後までご一読ください。

①自意識とは何か

意味

心理学辞典(1999)によると、以下のように記載されています。

自分自身を他者の観点から他者と同じように眺めること

例えば
・他人が自分のことをどう思ているか気になる
・人に良い印象を与えようと自分の言動を気にする
・自分の容姿を気にしている

などが挙げられます。自意識は、自己意識、自我意識と呼ばれることもあります。

②提唱者

自意識を最初に提唱したのはミード(George Herbert Mead)という心理学者です。ミードはアメリカの社会心理学者で、社会的行動主義を提唱しました。

社会的行動主義とは、コミュニケーションを中心として、人の行動は社会的なものから出発しているという考え方です。つまり、個人の経験もそれを取り巻く社会なしには考えられないということです。

自分の属する社会との関係を重視したことから、「自分自身を他者の視点から見る」という観点が重視されました。その中から自意識という概念が生まれています。その後、フェニングスタイン(Fenigstein)らによって、自意識尺度が開発され、自意識過剰の測定などに役立っています。

 

③自意識の種類

自意識は2つの種類があります。

公的自己意識

公的自己意識とは、他者との関わりで自分が他者からどう見られているかに意識を向けることを言います。例えば、「うまく話せないと恥をかく」と感じている状態は公的自己意識が強い状態です。

私的自己意識

私的自己意識とは、自分の内面に注意を向けることを指します。例えば、スピーチをするときに「面白い話があるからきいてもらおう!」と考えている場合は私的自己意識が強い状態です。

④自意識過剰の研究

自意識については様々な研究があります。

鏡像認知とは

自己意識を調べる方法として、よく用いられてきたのが、Gallop, G.G. (1970)が提唱したミラーテストです。これは、動物の鏡像認知を測定するためのものです。鏡像認知とは、動物が鏡に映った自分を自分だと認識することを意味します。この鏡像認知のレベルを調査することで、動物に自己意識が存在するかを測定することができます。

研究では、まず動物を麻酔で眠らせて、視界に映らない体の部位に色のついたマークをつけます。例えば、おでこやあごなどです。その後、麻酔から覚めた時に、鏡を見せて、動物の反応を観察します。この時、動物が自分のおでこを触るなどの行動が確認された場合、鏡像認知が起きていると考えられます。

鏡像認知

出典:Wikipedia

チンパンジーやオランウータンは、マークテストを通過しますが、複数種のサル(テナガザル科、ベニガオザル、カニクイザル、アカゲザル、アビシニア、アビシニアコロブス、フサオマキザル、マントヒヒ、ワタボウシタマリン)はマーキングに気づかないことが分かっています。

また、ヒトの場合、生後1歳半から2歳頃になると鏡映認知が確認されます。これは嫉妬・当惑などが表れる時期とも合致するため、ヒトは2歳前後に自己意識を獲得すると考えられています。このとき、獲得する自己意識は、公的自己意識であると推測されています。

対人不安との関係

Fenigsteinら(1975)の自己意識尺度の中には、公的自己意識、私的自己意識、対人不安の3つの因子が含まれています。

つまり、自意識過剰には対人不安の要素も含まれているということです。自分に注意が向きすぎると、人と話すときに緊張したり、不安を感じる傾向にあるということです。

羞恥心との関係

有光(2001)は羞恥心と公的自己意識の関係を調べています。

その結果、羞恥心と公的自己意識には相関関係にあるという結果が出ています。恥を感じやすい人は他者から非難されることを恐れるため、他者の視線を意識しやすい公的自己意識と関係が深いと考察されています。

 

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ダイコミュ用語集監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
・NHK 天才テレビ君出演
・マイナビ出版 嫌われる覚悟
Youtubeチャンネル

【出典,引用文献】

Fenigstein, A., Scheier, M. F., & Buss, A.H., 1975, Public and private self consciousness : assessment and
theory, Journal of Consulting and Clinical Psychology, 43, 522-527

Gallop, G.G. (1970).Chimpanzees: self-recognition. Science (New York, N.Y.), 167(3914), 86-7.

有光興記(2001)罪悪感,羞恥心と性格特性の関係 性格心理学研究 第9巻 第2号71−86

中島義明,子安増生,繁桝算男,箱田裕司,安藤清志(1999)心理学辞典 有斐閣

恩田彰,伊藤 隆二(1999) 臨床心理学辞典 八千代出版

金子智昭(2018) 自己意識の類型化とアイデンティティ形成の関連:青年期の自己否定性に注目して 慶応義塾大学大学院社会学研究科紀要 No85,p57-68