流動性知能,結晶性知能の意味
皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「流動性知能,結晶性知能」について解説していきます。
目次は以下の通りです。
①流動性知能,結晶性知能とは
②提唱者
③特徴
④検査の仕方
是非最後までご一読ください。
流動性知能,結晶性知能とは
流動性知能 fluid intelligence (gf)
新しい場面への適応を必要とする際に働く能力 臨機応変に問題を解決する創造的な知能
正式には流動性一般能力と呼びます。
流動性知能があると、初めて経験するような新しい場面に遭遇した際に「どのように行動すればよいか」「どう対処すればよいか」と考え振る舞うことができます。
・具体例
新しいビジネスを考える
バズる動画を作成する
新しい社会の仕組みを発見する
結晶性知能 crystallized intelligence (gc)
過去の学習経験を高度に適応して得られた判断力や習慣
正式には結晶性一般能力と呼びます。
人生を通じて培ってきた知識や経験に基づく判断を意味します。結晶性知能があると、これまで経験してきた事象を正確かつ効率よくこなすことができます。
・具体例
気の利いたお中元を贈る
年賀状を達筆に書く
近道で帰る
提唱者
流動性知能と結晶化知能は、もともとレイモンドキャッテルによって1963年に概念化された構成概念です。その後、教え子のジョンL.ホーンによってさらに発展しました。
キャッテルは心理学を統計的に分析する第一人者で、知能や性格を科学的に明らかにする手法を生み出してきました。
特徴
年齢
・流動性知能
新しいことを知能として定着させるため、加齢による低下がみられることが特徴です。ピークは20~25歳ごろまでで、65歳前後で低下がみられます。
・結晶性知能
過去に得た経験が知能の土台であるため、加齢による低下が少ないのが特徴です。そのため、認知症の患者でも結晶性知能が保たれていることが多いです。
両者の関係
2つの知能を厳密に完全に分けることは難しいです。 2つの知能を活用することが、問題や課題に取り組む、解決する手助けとなります。
また、流動性知能は、加齢とともにまったくなくなってしまうというわけでなく、訓練をすれば向上することもあります。
検査の仕方
客観的な指標としては
WAIS-IV知能検査(ウェイス・フォー)
田中ビネー知能検査V(ファイブ)
などによって測定されます。実施場所としては精神科の病院が多く、次いで公的機関、一般のカウンセリングルームなどでも行われます。
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ダイコミュ用語集監修
・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
・NHK 天才テレビ君出演
・マイナビ出版 嫌われる覚悟
・Youtubeチャンネル
Cattell, R. B. (1963). “Theory of fluid and crystallized intelligence: A critical experiment”. Journal of Educational Psychology. 54: 1–22. doi:10.1037/h0046743.
Cattell 画像出典 ウイキペディア