SL理論の意味

皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「SL理論」について解説していきます。

SL理論

目次は以下の通りです。

①SL理論とは何か
②理論モデル
③SL理論と4つのタイプ分け
④SLIIⓇとは

是非最後までご一読ください。

SL理論とは何か

意味

SL(Situational Leadership)理論は以下のように意味があります。

成熟度に応じて指導方法を変えていくリーダーシップ理論

部下の成熟度に応じてリーダシップスタイルを変えることで、状況に対してもっとも適切な指導を行うことできます。

提唱者,歴史

SL理論は1977年にP・ハーシーとK・H・ブランチャードが提唱しました。ハーシーは行動科学者で実業家です。1960年代にリーダーシップ研究センターを設立し、SL理論を中心とした研究を行いました。

ブランチャードは作家、ビジネスコンサルタントとして活動していました。著作の「1分間マネジャー」は、全世界で1,300万部のベストセラーとなりました。1979年、妻と創設者の理事会とともに、ブランチャードトレーニングアンドデベロップメント社を設立しました。また、マサチューセッツ大学教授の組織心理学者で、「ブランチャード研究所」の所長でもあります。

 

理論モデル

4つのリーダーシップ

SL理論は以下の4つのリーダーシップを想定し、コミュニケーションのあり方を柔軟に変えていくことを想定します。部下の成熟度によって「S1~S4」の流れでリーダーシップを取っていくのがベストだとされています。SL理論リーダーシップモデルの図

S1:教示型リーダーシップ

仕事志向が高く、人間関係志向が低いメンバーに対して行うリーダーシップで、熱意ある初級者や「新入社員」に効果的です。

具体的な指示や細かい進行状況の確認などを行いアドバイスします。意思決定はリーダーが行うことで、確実に仕事を進めることができ、成果につながります。

S2:説得型リーダーシップ

仕事志向、人間関係志向ともに高いメンバーに対して行うリーダーシップで、入社5年未満の「若手社員」に効果的です。リーダーは自らの考えを伝え、メンバーの疑問に答えながらコミュニケーションを図り、仕事を進めます。仕事の達成度に気を配りながら、同時に人間関係も築くことができます。

S3:参加型リーダーシップ

仕事志向が低く、人間関係志向が高いメンバーに対して行うリーダーシップで、業務を自分と同じくらい理解している「中堅社員」に効果的です。リーダーは、メンバーとコミュニケーションを深め、お互いの意見を尊重した上で意思決定を行います。自主性を促すための声かけや、環境の整備など、人間関係を重視して関わります。

S4:参加型リーダーシップ

仕事志向、人間関係志向ともに低いメンバーに対して行うリーダーシップで、安定感のある「ベテラン社員」に効果的です。リーダーは、メンバーと話し合って、目標や課題を決めるようにします。その後はメンバーに仕事の進行を任せ、権限と責任を与えて成果の報告を待ちます。管理は極力行わないという関わり方です。

 

SL理論と4つのタイプ分け

成熟度とは何か

SL理論ではビジネスパーソンを成熟度によって分類していきます。成熟度は大きく以下の2つを重視しています。

1.職務成熟度
ある仕事に置いてどれだけ経験や知識があるか、どれだけスキルや責任感があるかなどの仕事面での成熟度です。

2.心理的成熟度
心理的成熟度とは、高い目標を掲げて目の前の努力を行っているかというメンタル面での成熟度を意味します。

成熟度による分類

SL理論は、部下を以下の4つの成熟度で分類をします。

M4:成熟度が高い
→S1教示型

M3:中程度の成熟度、高いスキル、自信がない
→S2説得型

M2:中程度の成熟度、限られたスキル
→S3参加型

M1:成熟度が低い
→S3委任型

SLII®とは

SL理論の改定版

SLIIⓇ(シュチエーションリーダーシップII)は、1985年に提唱されたものです。シチュエーションリーダーシップ理論を、クライアント、実践マネージャー、およびグループ開発などの主要な研究者の作業からのフィードバックに基づいて概念を改訂しました。

開発レベルによる分類

未熟という考え方は不名誉にあたると考え、成熟度から開発レベルに名前を変更しました。旧来のバージョンのM1~M4の分類から、D1~D4に変更しました。部下の開発レベルに応じて適切なリーダシップを把握することができます。

D1:能力も意欲も低い     ・・S1教示型
D2:能力は低いが、意欲は高い ・・S2説得型
D3:能力は高いが、意欲が低い ・・S3参加型
D4:能力も意欲も高い     ・・S3委任型

開発レベルにおいては、「ある仕事に置いて」という条件が付くことに注意しておく必要があります。つまり、取り掛かるタスクによって開発レベルは変化します。SL理論を活用する時には、プロジェクトによってもリーダシップの取り方を考えていく必要があるのです。

 

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監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
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