興味の意味とは

皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「興味」について解説していきます。

興味を持つ意味,福魚様作成

目次は以下の通りです。

①興味とは何か
②興味と心理的な影響
③興味と身体的影響
④関連コラム

是非最後までご一読ください。

①興味とは何か

心理学の世界では、興味に近い概念として、好奇心の研究が盛んに行われています。好奇心には以下の2つの種類があります(西川・雨宮,2015を参考に解説)。

①拡散的好奇心

拡散的好奇心とは以下のように定義されています。

特定の目標を定めず、新しい情報を幅広く求める状態

新しいことに挑戦するのが好き、新しいアイデアをあれこれ考える、何事にも興味関心が強い、これらは拡散的好奇心にあたります。例えば、ネットサーフィンをしていると、つぎつぎに情報を求め、時間があっという間に過ぎてしまうことがありますよね。このような状態は、拡散的好奇心が刺激されていると言えるでしょう。

特殊的好奇心

次に特殊好奇心とは以下のように定義できます。

特定の目標を定め、既知の情報を深く掘り下げる状態

1つの物事を突き詰める、分からないことは徹底的に調べる、本質的なところまで理解したい、このような感覚が強い方は特殊好奇心が強いと言えそうです。新鮮なものに興味を持ち、さまざまな対象に興味を広げる拡散的好奇心は、探究への入り口です。そこから1点を追求し、深さをもたらすのが特殊的好奇心なのです。

 

②興味と心理的な影響

興味を持つことについて、心理学において様々な研究があります。

①頭がよくなる

斎藤(2014)は大学生129名を対象に好奇心(興味)と頭の良さとの関連を調べました。その結果が以下の図となります。

好奇心 研究

上図は、拡散的好奇心が強いと「探求心」「論理的思考」「客観性」が高くなることを意味しています。ちなみに特殊好奇心も同様な結果となっていました。興味を持てる人は、目の前のことを鵜呑みにせず、多角的な視点から考えられると言えそうです。

 

②集中力UP

汀(2019)は大学生192名を対象に、拡散的好奇心・特殊的好奇心ついて調査をしました。その結果の一部が下図となります。

高める方法

上図は、特殊好奇心が上がると、勤勉性や開放性が増すことを意味しています。興味を深堀りすることは勤勉さを高め、未知の知識に対してもオープンに接することができると言えそうです。

 

③勉強嫌いを改善

古屋(2017)は、大学生150名に対して、性格の調査を行いました。その結果の一部が以下の図です。

好奇心 高める

上図は開放性が増えると勉強嫌いになりにくいことを意味しています。開放性とは、興味にとても近い概念です。その意味で、勉強嫌いを克服するためには、開放性を高める必要があると言えるでしょう。

 

④楽観的になる

古屋(2017)の同研究では、開放性と楽観的な能力認知との関連も調べています。その結果、以下の図のようになりました。

勉強と興味

上図は、開放性が増えると楽観的でいられる傾向が増えるを意味しています。興味を持てる方は、辛い経験に直面しても、成長の糧にし、前向きに捉えていくことができると推測されます。

 

③興味と身体的影響

Swan(1996) は、アメリカ人1118名を対象に、好奇心(興味)と健康との関連を調査を行いました。調査は5年間に渡って行われました。その結果の一部が下図となります。

好奇心 高める

上図は、年齢、がんが死亡リスクを上げるのに対して、好奇心は低下することを意味しています。興味を持てる方は、外出をしたり、新しい物事に積極的で、活発に動くため、健康に生きやすいと考えられます。

 

④関連コラム

興味を増やす方法

当コラムでは興味の研究や種類を中心に解説してきました。以下のコラムではより実践的に興味を増やす方法を紹介しました。理解を深めたい方は参照ください。

興味を持つ方法

興味を持つ力診断

筆者は興味を持つ力の強さを簡易的に診断できるシステムを作りました。客観的に興味を持つ力の強さを把握したい方は簡易診断を参照ください。

興味を持つ力診断

 

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監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
Youtubeチャンネル

 

*出典・参考文献
Rowson, J., Young, J., Spencer, N., Lindley, E., & Gecius, E. (2012). The power of curiosity. London: RSA Social Brain Centre.
Swan, G. E., & Carmelli, D. (1996). Curiosity and mortality in aging adults: A 5-year follow-up of the Western Collaborative Group Study. Psychology and Aging, 11(3), 449.

西川・雨宮 2015 知的好奇心尺度の作成――拡散的好奇心と特殊的好奇心
タイラー・コーエン (著), 若田部 昌澄 (その他), 池村 千秋 (翻訳)   大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか エヌティティ出版
イアン・レズリー (著), 須川綾子 (翻訳)(2016). 子どもは40000回質問する あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力 光文社.山田奈保子, & 伊田勝憲. (2003, September).
Von Stumm, S., Hell, B., & Chamorro-Premuzic, T. (2011). The hungry mind: Intellectual curiosity is the third pillar of academic performance. Perspectives on Psychological Science, 6(6), 574-588.
P2-7 大学生の知的好奇心尺度作成の試み (1): 信頼性の検討および課題価値との関連. In 日本性格心理学会発表論文集12 (pp. 116-117). 日本パーソナリティ心理学会.
知的好奇心尺度の作成 西川一二, 雨宮俊彦 教育心理学研究 2015 63 巻 412-425
古屋 健 2017 大学生の学業遅延傾向に関わる性格特性について 立正大学心理学研究所紀要