優柔不断の意味とは

皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「優柔不断」について解説していきます。

優柔不断の意味,丑蟻様作成

目次は以下の通りです。

①優柔不断の意味とは
②優柔不断と4つの因子
③優柔不断と長所
④優柔不断と短所
⑤関連コラム

最後まで読むと優柔不断の心理学的な意味を一通り理解することができます。是非最後までご一読ください。

①優柔不断の意味とは

意味

心理学者の斎藤・緑川(2015)は優柔不断な人を以下のように定義しています。

何かを決定する場面でなかなか決められない状態になりやすい人

具体例

・今日のお昼ご飯で迷う
・休日どこに遊びにいくか迷う
・新しい資格にチャレンジするか迷う
・結婚しようか?しまいか?迷う

このような場面でなかなか決められない方は優柔不断な人と言われます。

②優柔不断と4つの因子

斎藤・緑川(2015)の研究によると優柔不断には4つの因子によって構成されていることがわかりました。これらにあてはまる項目が大きいほど優柔不断な傾向が強いと言えます。

熟慮因子

何かを選ぶ時、些細な事が気になる、些細な事の判断にも、時間がかかる

先延ばし因子

決断を先送りにしてしまいがち、重要な問題は、直前まで決定を延ばす

不安因子

決断した後、決断に後悔する事が多い、決断をする時、自信を持って選べない

他者参照因子

他者がどうするか何を選ぶか気になる、自分の選択が他者と違うと不安になる

 

③優柔不断と長所

優柔不断には長所と短所があります。長所については以下の3つが代表的です。

正確な判断に役立つ

優柔不断であるという事は決断するときによく考えると言い換えることができます。ある決断のメリット・デメリットを精査した上で、決断するので間違いが少なくなります。

曖昧さ耐性がある

心理学の世界では曖昧さ耐性という言葉を使うことがあります。曖昧さ耐性とは、白黒つけないグレーな状態をキープできる心の強さがあります。

曖昧さ耐性がある方は、人間関係が長続きしやすい、好き嫌いが少ないという長所があります。(*興味がある方はこちらの曖昧さ耐性コラムを参考にしてみてください)

相手の主体性を高める

優柔不断な方は決断を相手にゆだねることが多くなります。これは言い換えると、相手のリーダーシップ力を鍛えるとも言えます。

例えば、優柔不断な方同士がお付き合いすると、1年ぐらい経つと、どちらか一方のリーダーシップ力が大体あがっていきます。これは片方が決断しないと前に進んでいかないので、自然と主体性が身について行くのです。

逆になんでも決めすぎてしまう方は相手の主体性を奪っているとも言えます。その意味で優柔不断な方は、リーダーを育てることに向いていると言えるかもしれません。

 

④優柔不断と短所

次に優柔不断の短所を解説します。具体的には以下の3つが代表的です。

生活の質が下がる傾向

原田等(2007)は女性看護師227名を対象にQOL(クオリティオブライフ)についての調査を行いました。その結果の一部が下図となります。

上図のように、優柔不断な若者ほどQOLが低い傾向があることがことがわかりました。特に20代、30代にとって優柔不断な傾向が高い方は人生の充実感がマイナスな傾向があります。上記の研究は母集団が少なく、有意差は20代のみ確認されています。あくまで参考値として考えてください

 

後悔しやすい

上市ら(2004)は大学生70名を対象に、行動選択が「後悔」にどのような影響を及ぼすかを調べています。その結果の一部が下図となります。

優柔不断 なぜ

上図は、結果を問わず「告白しなかった」人たちよりも、「告白した」人たちの方が短気的にも長期的にも後悔の程度が低い傾向にあることがわかります。この結果から、優柔不断で決断できない方は後悔が多くなると推測できます。

 

心の負担になる

田中ら(2013)は中高生259名を対象に「意思決定スタイルが購買行動にどのような影響を与えるか」を調査しました。その結果の一部が下図となります。

 

上図は、優柔不断な方ほど、買い物の場面で充実感がなく、認知的負担が大きいことを意味しています。優柔不断は時間をかけて熟考しながら、ベストな買い物を選ぼうとするのですが、結果的に後悔してしまうことが多いのです。

 

⑤関連コラム

優柔不断を治す方法

優柔不断は長所と短所がありますが、心理学の研究では概ね、メンタルヘルス的にはマイナスが大きくなります。優柔不断で後悔することが多い…と感じる方は以下のコラムを参照ください。優柔不断を改善する方法を解説しています。

優柔不断の治し方

 

先延ばし癖を治す方法

優柔不断の因子の1つには先延ばし癖があります。やらなくてはいけないことがあるのにいつも先延ばしをしてしまう…と感じる方は以下のコラムを参照ください。先延ばし癖を治すコツを解説しています。

先延ばし癖を治す方法

 

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監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
Youtubeチャンネル

*出典・参考文献
上市ら(2004)後悔の時間的変化と対処方法 74 巻 6 号 p. 487-495
田中ら(2013)中高年者の意思決定スタイルが購買行動に与える影響に関する検討
杉浦義典・杉浦知子・丹野義彦(2007)「日本版不決断傾向尺度の信頼性と妥当性の検討」人文科学論集・人間情報学科編斎藤聖子(2017)「優柔不断な人の心理特性と意思決定プロセスに関する研究」

斎藤聖子・緑川晶(2016)「優柔不断尺度の作成と信頼性および妥当性の検討」中央大学人文科学研究所斎藤聖子・緑川晶(2015)

「優柔不断さを測定する尺度作成のための予備的研究」中央大学人文科学研究所福田一朗(2003)

「意思決定理論における心理学的なアプローチ」経営情報研究 : 摂南大学経営情報学部論集 10(2), 65-90, 和田秀樹(2011)

女性看護職の強迫傾向が主観的QOLに及ぼす影響 原田 貴史, 中村 明美, 友竹 正人, 大森 哲郎 47 巻 (2007) 1 号 p. 33-40

「大切なところで迷わない『1分間決断力』」新講社シーナ・アイエンガー(2010)

「選択の科学」文藝春秋刊Frost, R. O., & Shows, D. L. (1993)「 The nature and measurement of compulsive indecisiveness. Behaviour Research and Therapy.」

女性看護職の強迫傾向が主観的QOLに及ぼす影響 原田 貴史, 中村 明美, 友竹 正人, 大森 哲郎 47 巻 (2007) 1 号 p. 33-40