本音と建前の意味

皆さんこんにちは。コミュニケーション講座を開催している公認心理師の川島達史です。今回は「本音と建前」について解説していきます。

 

目次は以下の通りです。

①本音と建前とは
②心理学的な特徴

是非最後までご一読ください。

本音と建前とは

意味

日本大百科全書(1994)によれば、本音と建前には以下のような意味あります。

建前(家の棟上げ、表向きの方針、原則)と本音(本当の音色(ねいろ)、本心)。理念的な文化と制度的な文化、規範的な行動と現実的な行動との対照をさしている。

このように、「表の顔」と「裏の顔」との対照を意味しています。例えば、

・大統領同士が表では仲良くしているが裏では憎しみ合っている
・上司のギャグがつまらないけど、とりあえず笑う

などが挙げられます。

心理学的な特徴

本音と建て前については心理学で様々な研究があります。関連する研究を紹介します。

研究‐①本音で話す人は対人信頼感が高い

松永ら(2008)は「本音、気遣い、うわべ」と様々な心理的な指標について調査を行いましました。まずは、「対人的信頼」との関連を見ていきましょう。対人的信頼は、「周囲に対する信頼感」のことを意味しています。


本音と建て前の研究

「本音群」のグラフが「うわべ群」に比べて差が開いています。本音で話す人はうわべで話す人に比べて、周りの人を信用していると言えそうです。言い換えると本音で話す人は相手を信頼するがゆえに、建前よりも本音で話す傾向があると言えそうです。

研究‐② 本音で話す人は基本的信頼感が高い

「基本的信頼感」との関係を紹介します。基本的信頼感とは、

・他人から無条件に認められている
・私は信頼されている
・大概の事はうまく行く

という感覚を意味します。下図のグラフは「基本的信頼感」と「本音、気遣い、うわべ」の関連について調べたものです。

 

本音と基本的信頼

「本音で話す傾向がある」方が基本的信頼感がもっとも高いですね。その意味で本音を話す方は、世の中全般的に信頼していると言えます。周りを信頼しているからこそ本音でコミュニケーションができるのですね。

逆に基本的信頼感が低い方は、気遣いやうわべが大きくなります。世の中に対する、信頼が低いため、自分の本心を取り繕ってして本音がわかりにくくなるのです。

研究‐③ 日本文化は建て前を重視する

日本人はあまり本音を話さない相手の気持ちを大事にする文化があります。曖昧な部分から、相手の「本音」を判断する国民性があります。「言葉や文字」にする前に相手の本音を読み取り行動できると「気遣い上手」と褒められます。

・空気を察する
・気配り
・おもてなし
・配慮

このように日本語には相手の本音を大事にする言葉が多くあります。世界的にも、日本が本音を汲み取って行動すること大切にする傾向があるようです。

例えば、総務庁青少年対策本部(2004年当時,現総務省)の調査によると、「親が子どもに望む性格特性」として、日本は「思いやり」を1番に重視していると報告されています(図1)。

本音と建て前の心理学的な意味

一方で、アメリカや韓国ではは「責任感」、韓国は「礼儀正しさ」が一番に来ています。

日本人は文化的な背景もあり、本音を隠しながら、周りと協調関係を結ぼうとする特徴があるのです。相手の本音を理解するのはこうした文化的な背景も考慮する必要があります。

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監修

・川島達史
・公認心理師,精神保健福祉士
・目白大学大学院心理学研究科卒
Youtubeチャンネル

・総務省(2004)  青少年対策本部 「子供と家族に関する国際比較調査 」
・松永(2008)現代青年の 友人関係 に 関する研究 Kurume University Psychological Researeh 2eO8,No .7,77−86
・日本大百科全書(1994)小学館