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囚人のジレンマの意味とは?初学者向けに解説

囚人のジレンマの意味とは?初学者向けに解説

今回のテーマは「囚人のジレンマ」です。

  • 当コラムの目的
  • 囚人のジレンマを理解
  • 協力の効果について学ぶ
  • 協力の仕方について学ぶ
  • 全体の目次
  • 囚人のジレンマの意味
  • 研究の2つの目的
  • OFTで利益のある関係を
  • 発展コラム
  • 助け合い掲示板

最後まで読み進めていくと、基本的な知識と対策を押さえることができると思います。もしお役に立てたなら、初学者向けビジネス基礎講座でもぜひお待ちしています。

信頼関係 孤独感

囚人のジレンマの意味とは?

歴史

・1930年代
1930年代ぐらいまでは、経済学の世界では、人間は物が欲しいと買う!というすごく単純な動機で行動するという人間観を前提としていました。

・1940年代
1940年代になるとアメリカでゲーム理論と言う分野が提唱されました。ゲーム理論の前提は、人間は相互依存的に様々な価値観を前提として意思決定をするという哲学があります。

既存の経済学よりももう少し人間の心理をしっかり考えていこうという流れが出てきていきます。

・1950年代
ゲーム理論の1つとして、数学者のアルバート・タッカーは「囚人のジレンマ」を考えました。タッカーは囚人の黙秘や自白を選択する行動が、ゲーム理論にとても似ていることからそう例えたと言われています。

意味

囚人のジレンマにはいくつか定義がありますが、概ね以下のようにまとめられます。

お互い協力すると全体にとって良い結果となる
個人が抜け駆けするとその個人は最大の利益を得る
しかし、全員が抜け駆けすると、結局全員が損する

という状況下で起こる人間の葛藤のことをあらわします。

具体例

囚人のジレンマを説明する際は、古典的な説明の仕方が多いのですが、2020年はコロナウイルスの問題があり、これが直感的に非常に理解しやすいので例として挙げたいと思います。

コロナウイルスがあった時、自粛をする飲食店と、それでも営業を続ける会社がありました。

全体のためには自粛をしたほうが
ウイルスの感染を抑えられます
でも一時的に損をします。

   一方で

抜け駆けすると
みんなが休んでいるので、
営業をすると利益を最大化できる

   さらには

結局みんなが抜け駆けして、
自粛をやめると
コロナウイルスが拡散してしまい
感染者が激増する

このような状態は囚人のジレンマ状態と言ってよい現象です。

以下古典的な説明も載せておきましたので気になる方は展開してみてください。

①警察に捕まる

それでは、実際に囚人のジレンマにチャレンジしてみましょう。あなたと友人は、ある犯罪を犯し、容疑者として警察に捕まったとしましょう。

囚人のジレンマ

*あくまで理解するためなのでお付き合いください(^^;)

②別々の取調室に通される

あなたと友人は別々の取調室に通されました。

囚人のジレンマU

③弁護士から選択肢の提示

その後、弁護士から以下の表を渡され、選択を促されました

1.あなたが黙秘し、友人が裏切った場合
→あなたは無罪放免
→友人は懲役10年

2.友人が黙秘し、あなたが裏切った場合
→友人は無罪放免
→あなたは懲役10年

3.2人とも黙秘した場合
→2人とも懲役2年

4.2人とも裏切った場合
→2人とも懲役5年

④あなたはどの選択を選びますか?

さてみなさん・・・皆さんならどのような行動をとるでしょうか。想像してみましょう。

Menusch(2013)は学生、囚人相手に実際に協調行動を取るのか?裏切るのか?実験を行いました。実際の囚人に囚人のジレンマの課題するってすごいですね!


さて・・・結果はどうだったか・・・
なんと・・・

37~63%程度の方が黙秘(協調行動)を取った!

のです。学生、囚人それぞれに統計的な差はほとんどありませんでした。信頼関係を持って、協調行動を選択し、2人の利益を最大化できたのです。

囚人の方も相手を信頼して協調行動を取ったところがすごいところです。これはあくまで実験なのですが「お互い信頼する」と利益が大きいのです。

例えばお互い信頼しあえば、契約などの煩雑な手続きは不要となりますし、猜疑心に苛まれることなく、メンタルヘルスも良好になりやすくなるのです。

 

研究の2つの目的

囚人のジレンマ研究の活用の仕方は大きく分けて2点あります。

①集団のコントロールとしての視点

ジレンマ状態に陥った個人をどうコントロールして、組織として全体のメリットを追求できるか?という全体の管理者としての立場から活用されます。

集団コントロールのやり方は、政治家など大局的な政策を考える方が活用していきます。

(非常に複雑な話になってしまうので、当コラムでは触れません)

②個人として考える

私たちが個人としてこのような事態に遭遇したときにどのようにすれば利益を最大化できるか?という視点から活用できます。当コラムでは、TFT戦略、OFT戦略の2点をお伝えします。

TFT戦略とは

囚人のジレンマ状態になったとき、私たちはどのように振舞えば良いのでしょうか?まずはじめにTFT戦略を抑えておきましょう。

TFT戦略とは

前提として、あなたと相手という2人しかいない状況を考えます。この時、囚人のジレンマ状態に陥ったとしましょう。

あなたはどうすれば利益を最大化できるのでしょうか?

この時オススメなのが、TFT(Tit for tat)戦略です。これは応報戦略(しっぺがえしせんりゃく)とも言われています。

TFT戦略とは、

裏切られるまでは信頼し続け、裏切られたら応報して自分も信頼しない

という戦略です。

AXELROD (1984)の研究によると、始めはとにかく信頼・協力しておく戦略が最も利益が生まれやすいという結果になっています。

信頼関係を築く方法

日常生活への活かし方

TFT戦略を日常生活に当てはめてみましょう。初対面の相手だと、こちらから信頼することに不安を感じるかもしれません。

しかし、人間疑い始めるときりがない面もあります。

まずは「裏切られるまでは信頼する」と心に決めておけば、結果的には相手もその空気感を感じ取り、お互いの利益が最大化されやすくなります。

実際私は会社経営をしていまして、様々な方とお仕事をしてきましたが、まずは信頼するというスタンスを大事にしています。

15年会社を経営していますが、このやり方で大概の場合はうまく行っています。

これはあくまでも、単純なゲームから導きだされた結果のため、複雑な人間関係の場合変わってくる面もあります。しかし、誰かと上手く信頼を築くためにはとても参考になると思います。

OFTで利益のある関係

次にOFT(Out-For-Tat)についても触れておきましょう。

OFT戦略とは

OFTは相手を選択できる状況での戦略となります。例えば恋愛では、様々な異性からこの人だ!と考え恋愛に進んでいきますね。

このような選択肢がたくさんある場合のケースが前提となります。

このようなケースでのOFT戦略とは以下のように定義されています。

まずは相手を信用し一度でも裏切られた場合、新たにパートナーを探す

OFT戦略はHayashiら(1998)の研究で利益が最大になることがわかっています。

とりあえずは、一度選んだパートナーを信頼して、もし相手が裏切ったら、関係を見直して、自分と相性のいい人を選びなおすか検討するという方法ですね。

日常生活での活かし方

例えば恋愛では、相手が浮気するかどうかはわからない面もあります。

でも最初から疑うのではなく、まずは浮気はしないものと考え、誠実に付き合うことです。

もしかしたら相手の異性は心変わりせず本当に生涯自分と誠実に向き合ってくれるかもしれません。まあ裏切られたらその時考えればいいのです。

このように、初対面では、まずはこちらから信頼を示す。そして、その後の相手の反応によって付き合うべき人を決めるというやり方が、OFT戦略となります。

相手を信じよう

発展コラム

ここからは囚人のジレンマに近い分野としていくつかのコラムを紹介させて頂きます。

信頼関係コラム

囚人のジレンマはある意味で信頼関係をどう築いていくのか?という分野でもあります。信頼関係の心理学を理解しておくとより深い洞察ができると思います。下記のコラムも参照ください。

信頼関係構築コラム

協調性コラム

相手を信頼する心を持っていたとしても実際どう協調性を発揮すれば良いのでしょうか?具体的なスキルもあると鬼に金棒です。協調性コラムではより具体的に協調性を発揮する方法を解説しています。

協調性を身に着けたい!と感じる方は下記のコラムも参照ください。

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もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

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など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています♪

 

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
Osborne, M.; Rubinstein, A. (1994). A course in game theory. MIT Press. ISBN 0-262-65040-1. MR1301776. Zbl 1194.91003.