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信頼関係を築く3つの方法を臨床心理士が解説

信頼関係


信頼関係を築く3つの方法!構築力を高めるコツを臨床心理士が解説①

信頼関係を専門家が解説

みなさんはじめまして!臨床心理士のケイセンです。私は臨床心理士として主に病院の精神科・神経内科や高校・中学で働いています。引きこもりや青年期のサブカルチャー研究もしており、更に今年は予備自衛官の幹部に衛生科として任官する予定です。

当コラムは「信頼関係」をテーマに専門家が解説をしています。全部で5コラムあります。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

信頼関係とは?

信頼関係を築くみなさんは「信頼関係」という言葉を聞いてどのような印象を持つでしょうか?
・相手のためなら自分を犠牲にできる
・相手を裏切らない
・相手の悪口を言わない
・いつも味方でいる
など、いろいろなイメージがあると思います。実際、「信頼関係」という言葉はたくさんの意味で使われています。

商取引や個人の財力に関して使われることもありますし、人間関係の親密さや、仕事の実力の評価でも使われます。

そんなさまざまな意味で使われる「信頼関係」ですが、少し意味を大きくとらえて、お互いの利益になれる人かどうかという意味で考えてみましょう。

利益というとお金のことと思いがちですが、友情や愛、お金が関わらない協力、なども利益と考えることができます。「望ましいもの」というくらいの意味でとらえてください。

心理学においても、信頼関係というものは多くの意味でとらえられていて、さまざまな分野での研究や理論があります。例えば、社会心理学における古典的かつ伝統的な研究でも、信頼というテーマは扱われます。

人はどのような時に相手に協力し、どのような時に協力をしないのか。

どのような人が信頼されやすいのか。そもそも信頼とは何なのか。

このコラムでは、「信頼関係」について、少しの側面を紐解き、相手を信頼する手がかりについて解説していきます。

信頼関係が築けないことは不利益

他人と信頼関係を築けないと、次のようなさまざまな意味で不利益になると考えられます。

・協力関係を形成しにくい
・親密な関係を形成しにくい
・孤独を感じてさみしくなりやすい

石田(1998)の研究は、シャイな人ほど対人行動を抑制し、多くの相互作用が展開できないために、高い親密さが感じられない傾向にあることを示しました。「恥をかいてしまうかもしれない」という考えは、他人からの否定的な評価を心配してしまうことが原因です。

信頼関係が築けないと孤独「他人が自分をよく思わないかもしれない」という想定をすることは、あまり他人を信頼できていないことの裏返しかもしれません。そうでなくても、他人を信頼していないと親密な関係を築きにくくなり、孤独を感じやすくなるというのは容易に想像がつきますね。そして、孤独を感じると、自分にどのような影響があるのでしょうか。
 
Baumeister et al. (2002).の実験では、性格テストの結果から将来孤独になるということを知らせられると、集中を要する課題の成績が低下する傾向にあることが示されました。孤独について研究をしているCasioppo. (2002).もまた、孤独に関する研究を深めており、孤独は気分を落ち込ませ、思考力を低下させると指摘しています。

「一人の時間が好き」というのは自然な考えです。しかし、他人を信頼しないまま孤独感が深まると、幸福感や思考力にまで影響してしまいます。他人を信頼して親密な関係を築くことこそが、生活に欠かせないものであると実感していただきたいのです。

中には友達は不要だという人もいるでしょうが、大部分の人はそうではありませんので、そういう人は例外として考えておきましょう。

 

信頼関係を知る実例

信頼関係について考えるために、まずはとても有名な「囚人のジレンマ」問題について考えてみましょう。

信頼関係で有名な囚人のジレンマ共謀した容疑をかけられている囚人AとBを自白させるために、それぞれに司法取引をもちかけます。

・2人が黙秘したら2人とも懲役2年。
・1人だけが罪を告白したら無罪放免。
 ただし、黙秘していた方は懲役10年。
・2人とも罪を告白したら懲役5年。

となります。そしてAとBには、互いの意思を伝達する方法が一切ありません。

さて、これを読んでいるみなさんが、仮にこの2人のうちの1人だったら、どのような行動をとるでしょうか。
 
相手が黙秘をすると思ったら、自分も黙秘をしてお互いに罪を軽減させますか?

迷いなく自白をして、相手を犠牲にして自分の無罪を狙いますか?

相手の黙秘を期待しつつも、心のどこかで裏切られる可能性を考えて、念のため自白しておきますか?

でももし自白したのに相手が黙秘していたら…。

考え出したらきりがありませんね。しかし、少し思慮を巡らせてみると、いろいろなことに気付きます。

・お互いの仲はどのようなものだ?
・裏切ったら二度と信頼されないだろう
・この状況が2回目や3回目だとしたら?

そして、2回目や3回目だとして、それは同じ相手なのか、違う相手なのか?など、たくさんの背景・状況によって選択に影響が出てくることがわかります。

結論だけを言ってしまうと、どんな相手であっても1回限りの状況であったなら、自白をした方がリスクを最小限に抑えられます。つまり、他人を信頼しない方が損をしないのです。しかし、だからといって、どんな状況であっても、どんな相手であっても、普段から信頼しない方が全体的にみると「得」なのでしょうか?

その答えについては、どのような理論的前提を置くかによってかなり変わってきてしまいます。言い換えれば、「他人を信頼する」ということはそのくらい複雑な問題なのです。

信頼の判断は、常に相手や状況に応じて変化します。そのため、相手との信頼関係に確信をもって判断するための万能的な理論はありません。しかし、それでも信頼関係について少しの側面を知るだけでも、日々の判断は大きく変わってくると思います。今回のコラムをきっかけとして、少しでも信頼関係についての考えを深め、今後考えていくための出発点にしてくださいね。

信頼関係を築けない3つの原因と解決策

信頼関係が築けない原因は3つそれではここで、信頼関係を築けない原因と解決策について考えていきましょう。信頼関係を築けない原因と解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

 

①信頼する習慣を身に付ける

他人を信頼する習慣がない
普段から相手を信頼しようという気持ちがないと、信頼できる相手かどうかを見抜くことができません。時には間違った判断もしてしまいます。でもこれは、考えてみたら当たり前のことかもしれませんね。

相手を見抜く力で信頼関係を
信頼する習慣を身に付けるには、信頼関係すべき相手かどうかを見抜けるようになった方がいいですよね。でも、どんな人が信頼できるのか、わからない…という方は、信頼できる相手かどうかを見抜くポイントコラム②で詳しくご紹介していきます。社会心理学を用いて信頼の本質についても解説しますよ。

 

②信頼するための知識を身に付ける

相手を信頼するための知識不足
世の中には信頼できない人間も確実に存在します。そのため、相手が自分を騙そうとしていないか?搾取しようとしていないか?と疑うのも、自衛のためには必要なことです。しかし、だからといって、いつでも誰でも疑うことは自衛とはいえず、貴重な協力関係を逃してしまうことにもなります。人を疑って信頼関係が築けない方は、信頼するための知識が不足しているのかもしれません。

信頼関係を築く知識を学ぼう
貴重な信頼関係を築く機会を逃さないために、信頼できそうな人を見抜くコツを知っておくといいでしょう。参考になる「目標期待理論」を、先ほどご紹介した囚人のジレンマゲームをモデルにご紹介します。

相手との信頼関係を成立させるためには、必要なことを学ぶ必要があります。そもそも信頼関係を持つというのはどんなことか…と悩まれている方は、コラム③の解説で確認していきましょう。

 

③自分の振る舞いで信頼度UP

信頼される振る舞い方ができてない
ようやく相手を信頼することに決めたとしても、今度は自分も相手に信頼される必要が出てきます。しかし、気付かないうちに自分の振る舞い方が他人にとっていまいち信頼しにくくなっていることがあるかもしれません。

信頼度UPのポイントを知ろう
信頼関係を持ちやすくするためとはいえ、相手に合わせて自分の全てを変える必要はありません。しかし時には、相手が好むような接し方をすることも必要です。

一般的に、相手と自分に「共通点」があると親近感を抱きやすく互いを肯定的に捉える傾向があると言われています。そして「補足性」「外見」も意識することで、互いを魅力的に感じられるようになります。相手から良い印象を持たれるようになりたい!…という方はコラム④の解説と練習問題に取り組んでみてください。

 

相手と良好な信頼関係を築こう

信頼関係が築けない原因には「他人を信頼する習慣がない」「相手を信頼するための知識不足」「信頼される振る舞い方ができていない」の3つが大きく関わっていることがわかりました。次回以降は、これら3つの原因それぞれの対処法として、信頼関係を築く方法をご紹介します。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

信頼関係の知識を深めることは、幸福度UPのカギとなります。これからご紹介する信頼関係の知識を、日々の生活の中で意識してみてください。そう簡単に他人を信頼することはできない、と思われるかもしれませんが、少しずつ他人を見る目が変わってくるはずです。

次回は、信頼関係を築く方法の1つ目「信頼する習慣を身に付ける」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★信頼関係を築くため、3つの原因に具体的な解決策で対処しよう
 
人間関係講座

*出典・参考文献
・石田靖彦(1998). 友人関係の親密化に及ぼすシャイネスの影響と孤独感 社会心理学研究 14( 1). 43-52,
・Casioppo, J. T., & Patrick, W. (2008). Lonliness : Human Nature and the Need for Social Connection. (カシオポ, J.T, & パトリック, W. 柴田裕之 (訳) (2010). 孤独の科学 ――人はなぜ寂しくなるのか―― 河出書房新社)
Baumeister, R. F., Twenge, J. M., Nuss, C. K. (2002). Effects of social exclusion on cognitive processes: Anticipated aloneness reduces intelligent thought.  Journal of Personality and Social Psychology, 83(4), 817-827.



3つの原因と解決策を知ろう