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信頼関係を築く方法とは?仕事や友人・恋人に使える心理学①

信頼関係を築く方法とは?仕事や友人・恋人に使える心理学①

みなさんはじめまして!臨床心理士の桂川、精神保健福祉士の川島です。私たちは現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「信頼関係の築き方」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • 信頼関係と孤独感
  • 信頼と安心の違い
  • 裏切られるまで信頼
  • 無条件に肯定しよう
  • 自己開示の重要性

まずは全体をご覧頂き、深く理解したい部分についてリンクをクリックしてみてください♪まずは信頼関係についての心理学上の研究や重要ワードをお伝えします。

信頼関係を築く

 

信頼関係とは何か?安心の違い

まずは、信頼関係とは何かについて見ていきましょう。信頼という言葉とよく同一視されがちなのが、「安心」という言葉です。

安心
→「しっかりとした根拠があり、お互いを信じる」

信頼
→「しっかりとした根拠がなくとも、お互いを信じる」

このような違いがあるのです。「あり」「なくとも」がポイントですね。ちょっとわかりにくいかもしれません。例えば、恋愛関係で考えてみましょう。

安心
→「浮気をしていないか、メールを確認した
  異性とのやりとりはなかった!信じられる」

信頼
→「浮気をしていないか気になる。
  だが確認しなくても基本私は異性を信頼している。
  ありのままを信じよう。」

このような違いがあるのです。皆さんでしたら、自分がお付き合いしている異性のどちらがうれしいでしょうか?多くは自分を信じてくれる方だと思います。

信頼関係を失うと起こる問題

安心を求める→信頼していない証拠?

私たちが「安心」と聞くと、一見メリットが大きく感じますよね。安心な家庭、安心な仕事、安心な生活・・・その安心を得るために私たちは様々な安心するための根拠を求めます。

例えば
・借金の保証人
・担保

などが挙げられます。賃貸物件契約においては、貸す相手をあまり信頼できなくても、保証人がいるから「安心」です。自分が損をしないことが明確な状況であれば人は「安心」するのです。

しかし、実は「安心」を求めすぎると、実はよい関係を結べる誰かとの出会いまで阻害する可能性があるのです。

仮の話ですがあなたはある日
すばらしいアイデアを思いつき、
起業をすることにしました。
しかし、残念ながら1000万円足りません。

そこでまずは銀行にお金を借りに行くことにしました。

安心を求める銀行は、あなたの退職金を担保にして500万円貸してくれました。

しかし、もう担保らしきものはなくなってしまいました。

もう少し貸して欲しかったのですが、担保がないと安心できない!残りの500万円は貸せない!と言われました。

信頼してくれる投資家は
担保がなくてもOK!あなたを信頼します!
と500万円を貸してくれました。

あなたは見事に成功し、毎年1億円稼ぐまでになりました。さて!この後、どちらの方をあなたは信頼するでしょうか?と思うでしょうか。担保がないと貸してくれなかった銀行でしょうか?担保がなくても自分を信用してくれて貸してくれた投資家でしょうか?もちろん銀行には感謝をしますが、より信頼するのはあなたから担保を要求しなかった投資家なのではないでしょうか?

「信頼」は根拠がなくても相手をなるべく信用しようとする行為であり、人は信頼されると、信頼された方をまた信頼します。こうして信頼関係は強くなっていくのです。

信頼関係を築く方法

信頼関係のなさと孤独感

石田(1998)の研究によると、信頼関係が得らえないことによって孤独感が高まることも示唆されています。これは感覚的にわかりやすい話だと思います。人を信頼できない人は、コミュニケーションに回避的になり、孤独な状況に陥りそうです。

「一人の時間が好き」という人もいるかもしれませんが、他人を信頼しない状況が続くと孤独感が深まってしまいます。中には友達は必要ないという人もいますが、大半の人はそうではありませんので注意が必要です。

証拠がないと築けない「安心」な関係は実はもろいものでもあるのです。信頼する習慣を身に付けるには、こんなことを言っては元も子もないかもしれないですが、根拠を求め過ぎず相手を信頼する習慣をつけることが大事です。

つまり、信頼をするということは、基本的には確実な根拠に基づかないことなのです。世俗的な言い方をすれば、「信じる気持ちが大切」としか言えないものが「信頼」なのです。騙されることや裏切られることが不安かもしれませんが、その不安と共に最初の一歩を踏み出す勇気を持つのですね。

そうした勇気が相手と自分の信頼関係の構築に繋がり、結果的に人間関係は深くなり、孤独感が減少していくものと推測されるのです。

信頼関係構築力診断

現在の自分の状況を把握したい方はこちらの診断をご利用ください。症状が重たいか軽いかによって、対応が異なりますので、一度診断してみることをお勧めします。
信頼関係簡易診断とチェック②

信頼関係を築く方法

ここからは信頼関係を築く具体的な方法について見ていきます。方法は大きく分けて3つあります。全て確認するのは大変なので、当てはまる部分だけクリックして参考してみてくださいね。

①裏切られるまで信頼法(TFT戦略)

・性悪説は信頼関係に不利
世の中には信頼できない人間も確実に存在します。相手が自分を騙そうとしていないか?搾取しようとしていないか?と疑うのも、自衛のためには必要なことです。しかし、いつでも誰でも疑うことは自衛とはいえず、貴重な協力関係を逃してしまうことにもなります。

・信頼関係は性善説が鍵
貴重な信頼関係を築く機会を逃さないために、まずは信じ続ける事がとても大切です。しかし、まずは信じる!といわれても、相手によっては「自分が不利益になるのでは…」と、信じる事に不安を抱く場合もあると思います。

・TFT戦略とは
このように、裏切られるまで信頼し続ける事をTFT(Tit-For-Tat:TFT)=応報戦略と言います。同じ相手と継続的な関係にある時に、TFTでは最初に相手を信頼し裏切られるまではずっと協力を続けます。そして、一度でも裏切られた場合は、信頼関係を見直してOkと考えるのです。

心理学の実験では、まずは性善説で行った方が利益が最大化されることがわかっています。

裏切られるまで信頼ってどうよいこと?と気になる方は下記をご参照ください。
・信頼がほしいなら信頼すべし
・裏切りの対処法OFT戦略
信頼関係を築く方法「裏切られるまで信じる法」③

②無条件の肯定が基本!

・ストロークとは
心理学では、人との関わり方のことを「ストローク」と呼ぶことがあります。Berne.E(1964)が提唱したストロークの概念は、英語のstroke「撫でる」 という文字どおりの「親密な身体的接触」を意味するとされています。そして、この親密な身体的接触の意味を分かりやすくしてBerneはストロークを、

「他者の存在の承認を意味する全ての行為」

と定義しました。

・条件をつけずに肯定する
信頼関係に関わるストロークとしては以下の2つがあります。

条件付き肯定的ストローク
条件付きとは、成功した・達成したから褒めるというストロークです。例えば、「〇〇大学だからすごい」、「〇〇会社だからあなっと一緒にいる」これらは条件付きのストロークです。このように「条件」に依存した信頼関係はもろいと言われています。なぜなら「条件」がなくなった瞬間、信頼関係は終わってしまうからです。

「無」条件の肯定的ストローク
一方で、無条件の肯定的ストロークは、結果に左右されず、存在自体、ありのままの姿を肯定するストロークを意味します。「性格が好き」「あなたがいると安心する」「あなたがどうあれかわいくてしょがない」このようにありのままの相手を褒めるのですね。

エリックバーンは、無条件のストロークを大切にしましょうと説いています。条件付きストロークが完全にNGということではありませんが、何かしてくれたら肯定するばかりでは、信頼関係を構築するのは難しいでしょう。

無条件の肯定的ストロークをより知りたい方は下記をご覧ください。
・否定的ストロークとは
・ストロークトレーニング
信頼関係を構築する方法「無条件の肯定が基本」④

③信頼関係=自己開示のバランス

初対面の時から信頼関係を築いていくには、自己開示がとてもに重要になってきます。最近巷では「聞き上手になる!」という本が人気を博しているように聞き役ひなることも確かに大事ですが、それと同等ぐらい発話は大切です。以下の図は「マルトマンとテイラーの社会的浸透理論ー六分円」と言われる図です。

話し方

六分円の円は話題を表しています。外側 が「表面的な話題」中間が「やや踏み込んだ話題」そして、内側 は「人に言えないような深い話」です。矢印 は「自己開示の深さ」を意味しています。

図から、関係の段階に対応して自己開示の深さが変わるのが分かると思います。まずは、浅い自己開示からはじめて、少しずつ深くしていくことで、信頼関係が構築されていきます。ポイントは「お互いの自己開示の比率」です。

自己開示について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・一問一答の問題点
・そんでもって法とは
信頼関係を築く方法「自己開示」⑤

信頼関係 仕事


ここで30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

信頼関係は「先手必勝!」自分から相手を信じよう!

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目次

①信頼関係を築く方法
②診断とチェック
③裏切られるまで信じる法
④「無条件の肯定が基本」
⑤「自己開示」の重要性

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・石田靖彦(1998). 友人関係の親密化に及ぼすシャイネスの影響と孤独感 名古屋大学 社会心理学研究 14( 1). 43-52,
・Casioppo, J. T., & Patrick, W. (2008). Lonliness : Human Nature and the Need for Social Connection. (カシオポ, J.T, & パトリック, W. 柴田裕之 (訳) (2010). 孤独の科学 ――人はなぜ寂しくなるのか―― 河出書房新社)
Baumeister, R. F., Twenge, J. M., Nuss, C. K. (2002). Effects of social exclusion on cognitive processes: Anticipated aloneness reduces intelligent thought.  Journal of Personality and Social Psychology, 83(4), 817-827.
Journal of Economic Behavior & Organization Volume 92, August 2013, Pages 163-175Prisoners and their dilemma MenuschKhadjaviAndreasLange
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