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信頼関係を築く・構築するには?コツを臨床心理士が解説

信頼関係を構築する


信頼関係を築く・構築するコツを臨床心理士が解説①

信頼関係を専門家が解説

みなさんはじめまして!臨床心理士の桂川です。私は臨床心理士として主に病院の精神科・神経内科で働いています。当コラムは「信頼関係」をテーマに解説をしています。コラム1では「信頼関係」の理解、コラム2~5では具体的な対策を解説します。全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

信頼関係を築く

信頼関係とは?

みなさんは「信頼関係」という言葉を聞いてどのような印象を持つでしょうか?

・お互いを尊重できる
・裏切らない
・いつも味方でいてくれる

などなど・・・いろいろなイメージがあると思います。心理学においても信頼関係は古くから研究されてきました。まずはいくつかの研究を紹介させて頂きます。

信頼関係と孤独感

信頼関係は性格とどのような関係があるのでしょうか?石田(1998)の研究によると、シャイな人ほど対人行動を抑制し、信頼関係が不利になることを示しています。以下の図を見てみましょう。

シャイ →行動力の低下 →信頼関係が築けない

という方向に心理的に揺れ動いていくことがわかります。もう少しかみ砕いて表現すると、「人と話すと緊張する」という傾向がある方は、「人と接する場面を避け」、その結果、自分も相手もお互いを信頼できないという状況になりやすいと言えます。後ほど対策についても解説しますので参考にしてみてください。

孤独感が増大すると思考力低下?

石田の研究によると、信頼関係の欠如によって孤独感が高まることも示唆されています。これは直感的にわかりやすいですね。人を信頼できないと感じる人は、引きこもりがちになり、孤独な状況になりそうです。Baumeister (2002)の研究では、「将来孤独になる」ということを知らせられると、集中力が低下し、課題の成績が低下する傾向にあることが示されました。

孤独について研究をしているCasioppo (2002)もまた、孤独に関する研究を深めており、孤独は気分を落ち込ませ、思考力を低下させると指摘しています。孤独感のデンリットと信頼関係の必要性

「一人の時間が好き」というのは自然な考えです。しかし、他人を信頼しないまま孤独感が深まると、幸福感や思考力にまで影響してしまいます中には友達は不要だという人もいますが、大部分の人はそうではありませんので注意が必要です。

信頼関係と囚人のジレンマ

信頼関係について、もう一つ有名な「囚人のジレンマ」について考えてみましょう。せっかくなので質問形式で考えてみましょう。

① あなたはある犯罪を犯し、
  容疑者として警察に捕まったとしましょう。
 
  *あくまで理解するためなので
  お付き合いください(^^;)

② あなたの友人「  」さんも
  同時に捕まりました。
  あなたと友人は別々の取調室にいます。

③ その後、弁護士から以下の表を
  渡され、選択を促されました

*************************
信頼関係で有名な囚人のジレンマ

・あなたと友人、2人共が黙秘(協調)したら2人とも懲役2年。

・あなただけが罪を告白(裏切)、しかし、友人が黙秘(協調)をしたらあなたは無罪放免。ただし、友人は懲役10年となる

・2人とも罪を告白(裏切)したら懲役5年

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④ さてみなさん・・・皆さんならどのような行動をとるでしょうか。想像してみましょう。

 
Menusch(2013)は学生、囚人相手に実際に協調行動を取るのか?裏切るのか?実験を行いました。実際の囚人に囚人のジレンマの課題するってすごいですね!

さて・・・結果はどうだったか・・・

実際、37~63%程度の方が黙秘(協調行動)を取ったのです。学生、囚人それぞれに統計的な差はほとんどありませんでした。信頼関係を持って、協調行動を選択し、2人の利益を最大化できたのです。囚人の方も相手を信頼して協調行動を取ったところがすごいところです。

信頼関係は信じることから

もちろん信頼の判断は、常に相手や状況に応じて変化します。そのため、相手との信頼関係に確信をもって判断するための万能的な理論はありません。

しかし、私たちは社会的動物言われ、お互いを信頼関係で結び付けることで幸福?な社会を形成してきました。

心理学的にもほとんどの実験で、「相手を信用する」傾向のある方の方が幸福感が高く、メンタルヘルスは良好です。信頼しない習慣をつけると、多かれ少なかれ人間関係は壊れてしまいます。たまには裏切られることもあるかもしれませんが、相手を信頼して物事を進める習慣をつけていきたいものです。

信頼関係が築けない原因は3つ

信頼関係を築けない3つの解決策

それではここで、信頼関係を築けない原因と解決策について考えていきましょう。解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①信頼関係=根拠なしでも信じる勇気!

相手を疑う人は注意
相手を信頼できない・・・すぐに疑ってしまう・・・という方は、確実な根拠を人間関係に求めてしまいます。例えば、異性のメールを確認したくなったり、やたらと契約を結びたがる方は少し注意が必要です。

信頼関係=勇気
信頼する習慣を身に付けるには、「根拠を求めず信頼する」ということから始めているといいでしょう。え?根拠がないのに信頼なんてしていいの?と感じる方もいらっしゃると思います。人を疑うことが多い・・・という方はコラム②で詳しく解説します。

②社会心理学の4つの理論で信頼度UP

信頼されない態度
ようやく相手を信頼することに決めたとしても、今度は自分も相手に信頼される必要が出てきます。しかし、気付かないうちに自分の振る舞い方が他人にとっていまいち信頼しにくくなっていることがあるかもしれません。

信頼度UPのポイントを知ろう
社会心理学においては信頼関係について様々な研究がなされています。具体的には①互いの類似性②互いの相補性③外見的魅力④自己開示の4つが重要です。例えば、「共通点」があると親近感を抱きやすく互いを肯定的に捉える傾向があると言われています。4つの理論に興味がある…という方はコラム③の解説に取り組んでみてください。

③裏切られるまで1度は信頼法

性悪説は信頼関係に不利
世の中には信頼できない人間も確実に存在します。相手が自分を騙そうとしていないか?搾取しようとしていないか?と疑うのも、自衛のためには必要なことです。しかし、いつでも誰でも疑うことは自衛とはいえず、貴重な協力関係を逃してしまうことにもなります。

信頼関係は性善説が鍵
貴重な信頼関係を築く機会を逃さないために、まずは信じ続ける事がとても大切です。当コラムでは、先ほどご紹介した囚人のジレンマの戦略から、信じることのメリットやコツをご紹介します。人を信じても自分にはメリットがないのでは…と感じている方は、コラム④の解説で確認していきましょう。

相手と良好な信頼関係を築こう

信頼関係が築けない原因には「信頼に根拠を求める」「信頼されない態度」「性悪説を取る」の3つが大きく関わっていることがわかりました。

次回以降は、これら3つの原因それぞれの対処法として、信頼関係を築く方法をご紹介します。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

次回は、信頼関係を築く方法の1つ目「信頼関係=根拠なしでも信じる勇気」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★信頼関係を築くため、3つの原因に具体的な解決策で対処しよう
 
人間関係講座

*出典・参考文献
・石田靖彦(1998). 友人関係の親密化に及ぼすシャイネスの影響と孤独感 社会心理学研究 14( 1). 43-52,
・Casioppo, J. T., & Patrick, W. (2008). Lonliness : Human Nature and the Need for Social Connection. (カシオポ, J.T, & パトリック, W. 柴田裕之 (訳) (2010). 孤独の科学 ――人はなぜ寂しくなるのか―― 河出書房新社)
Baumeister, R. F., Twenge, J. M., Nuss, C. K. (2002). Effects of social exclusion on cognitive processes: Anticipated aloneness reduces intelligent thought.  Journal of Personality and Social Psychology, 83(4), 817-827.

Journal of Economic Behavior & Organization Volume 92, August 2013, Pages 163-175
Prisoners and their dilemma MenuschKhadjaviAndreasLange



3つの原因と解決策を知ろう