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ストレンジシチュエーション法とは?意味や定義を詳しく解説

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ストレンジシチュエーション法

皆さんこんにちは。心理学講座を開催している公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。今回のテーマは「ストレンジシチューション法」です。

  • 当コラムの目的
  • ストレンジシチュエーション法を学ぶ
  • 愛着理論のベースを理解する
  • 幼児期の愛着行動4タイプを知る

皆さんは、ストレンジシチュエーション法という言葉を聞いたことはありますでしょうか。愛着形成や、母子関係の心理を勉強されている方ですと、聞き覚えがあるかもしれません。

ストレンジシチュエーション法は愛着理論のなかでも中核を担う概念です。当コラムでは、歴史・提唱者・実験手法などより詳細に解説していますので、しっかりと理解してきましょう。

意味や背景

まずは、ストレンジシチュエーション法(Strange Situation Procedure:SPP)の定義や歴史から見ていきましょう。

定義

ストレンジ・シチュエーション法は、発達心理学者のメアリー・エインスワーズ(1978)によって提唱されました。ストレンジシチュエーション法の”ストレンジ”とは、”見知らぬ”を意味します。つまり、見知らぬ人との状況で赤ちゃんにどのような反応が現れるか、チェックするのです。

心理学辞典(1999)によれば、以下のように定義されています。

愛着理論に基づき、乳児期の母子間の情愛的結びつきの質を観察し、測定するために開発した実験法である。実験の手続は、人みしり激しい満1歳時の乳児が母親と見知らぬ部屋(実験室)入室し、見知らぬ人物(実験者)に会い、母親はこの人物に乳児を託して退出し、しばくしてまた戻ってくるというもので、全体で八つのエピソード場面からなる。

わかりやすく表現すると、母親と赤ちゃんの愛着を測定する実験方法と理解するといいでしょう。

 

SSPの歴史

・1950年代
精神科医のジョン・ボウルビィが愛着理論の実証研究を発表します。ボウルヴィは「子供からその親への結びつきの性質」という論文で愛着という概念を提唱しました。

・1960~70年代
ボウルヴィの理論をもとに、エインスワーズは愛着理論のベースを確立しました。1978年には愛着行動を観察し、その手法がストレンジ・シチュエーション法と呼ばれるようになります。

 

8つの流れ

エインズワーズは、ボルティモアにおける母子23組を対象に、ストレンジ・シチュエーションを土台として研究を行いました。手順は以下の通りです。

①お母さんと赤ちゃん入室(30秒)

観察者は、お母さんと赤ちゃんをプレイルームに誘導する。お母さんは子どもを抱いて入室し、赤ちゃんを降ろす場所を説明して退室する。赤ちゃんにとっては初めての環境。

母親と赤ちゃん

②赤ちゃんを遊ばせる(30秒)

お母さんは椅子に座る。赤ちゃんはおもちゃで遊んでいる。

③見知らぬ人入室(30秒)

見知らぬ人(ストレンジャー)がプレイルームに入る。お母さんと見知らぬ人は、椅子に座る。3人は、以下の流れでコミュ二ケーションを取る。

・1分間黙ったままでいる
・1分間会話する
・1分間見知らぬ人と赤ちゃんが遊ぶ

ストレンジシュチエーション法とは

④お母さん退室(3分以下)

お母さんが退室する。見知らぬ人は、赤ちゃんが泣いたらなだめる。泣かなければ、そのまま座っている。

愛着行動とストレンジシュチエーション法

⑤お母さんとの再会(3分以上)

お母さんと再会、見知らぬ人は退室する。

ストレンジシュチエーション法を理解

⑥再びお母さんとの再会(3分以上)

お母さんが退室、赤ちゃんがひとり残される。

愛着形成を理解しよう

⑦見知らぬ人が入室(3分以下)

見知らぬ人が入室、赤ちゃんをなぐさめる。

見知らぬ人と赤ちゃん

⑧お母さんと再会(3分以下)

お母さんが入室し、見知らぬ人は退室する。

ストレンジシュチエーション法の意味や定義を理解

このように、以下のような状況でにどのような反応を見せるかを確認していきます。

・見知らぬ人を見た時
・母親が離れていく時
・母親が戻ってきた時

ストレンジシュチエーション法を行うことで、赤ちゃんの愛着行動を誘発することができます。その結果に基づいて、愛着スタイルを分類していくのです。

※ちなみに英語版ですが、ストレンジシュチエーション法の動画がありました。
映像で流れを知りたいという方は下記を参考にしてみてください。



エインワーズと3つの分類

上記の研究の結果、赤ちゃんの態度には3つのタイプがあることがわかりました。

回避型
avoidant

親がいなくなっても不安にならないし、戻ってきても、全然喜びを表現せず、むしろ回避的になります。また自分の遊びに集中し続けるという特徴が見られました。研究では26%が回避型でした。日常的には、親は拒絶的であることわかりました。

安定型
secure

親がいなくなると、不安になって、その後、親が戻ってくると、素直に喜びます。そして親とひとしきりコミュニケーションを取った後に遊び出します。エインワーズの研究では57%が安定型でした。日常的には親はよく気遣っているということがわかりました。

アンビバレント型
ambivalent

親がいなくなると、激しく怒り、戻ってくると、親になぜいなくなったのか激しく怒りをぶつけてきます。そして親とのコミュニケーションを求め続け、自分の遊びをはじめないという特徴が見られました。研究では17%がアンビバレント型でした。日常的には親は一貫性のない接し方をしていることがわかりました。

無秩序・無方向型
disorganized/disoriented

円ワーズの研究後、教え子であったらメインら(1986)によって無秩序型が追加されました。親に対する態度に一貫性がなく、背を向けながら近づいたり、泣いたり、じっとう動かないという特徴があります。日常的には、親が抑うつ的で虐待などをしているケースもみられることがわかりました。

 

 

発展-愛着形成について

ここからは、さらに愛着形成について理解を深めたいという方向けに発展編コラムを用意しました。ぜひ、以以下のコラムもチェックしてみてください。

①愛着障害

母子関係の悪化によって、引き起こされるのが愛着障害です。愛着障害は人生を通して、人との関わり方に影響を与えてしまいます。大人になっても以下のような状況になりやすいです。

・情痴不安定を起こす
・攻撃的に振る舞う
・信頼関係を築けない

このように、人間関係を上手く築くことが難しくなります。母子関係が人間関係にどのような影響を与えるかを知りたい…という方は、愛着障害コラムを参考にしてみてください。
愛着障害入門-診断基準や症状

②見捨てられ不安

見捨てられ不安とは、簡単に言うと「見捨てられないためのなりふり構わぬ努力」のことです。健康的な愛着形成が行われていないと、自分はいつか見捨てられてしまう…という不安を常に感じます。

そこで、見捨てられ不安を解消すべく、以下のような行動に走ってしまいます。

・相手を試す
・確認行動を過剰に行う
・何度も相手に連絡する

結果的に好かれている相手からも、距離を置かれることもあるのです。見捨てられ不安と愛着の関係性を知りたい…という方は、見捨てられ不安コラムを参考にしてみてください。
見捨てられ不安の克服方法3つ

③基本的信頼感

愛着形成が健康的であれば、他人や自分を無条件で信頼できるようになります。こうした、人との関わり方のベースとなる信頼感を「基本的信頼感」と呼びます。

自他に対して、不信感を持ちにくい人は以下のような傾向にあります。

・人づきあいが円滑
・信頼されやすくなる
・抑うつも低い

人間関係も充実し、メンタルへルスも良好になるのです。基本的信頼感と愛着形成のつながりについて知りたい…という方は、基本的信頼感コラムを参考にしてみてください。
基本的信頼感の意味とは?

ストレンジシュチエーション法とは

まとめ

今回はストレンジシチュエーションについて、基本的な知識をお伝えしました。特に児童心理学では必須の知識となりますのでよかったら参考にしてみてください。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 元専修大学人間科学部教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連

出典・参考文献
・中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
・Ainsworth, M. D. S., Blehar, M. C., Waters, E., and Wall, S. (1978) Patterns of Attachment: A Psychological Study of the Strange Situation . Hillsdale NJ: Lawrence Erbaum

・Main & Solomon. Discovery of an insecure-disorganized/disoriented attachment pattern: Procedures, findings and implications for the classification of behavior. In T. B. Brazelton,& M. Yogman (Eds.),Affective development in infancy (pp.95-124).Norwood,NJ:Ablex. 1986.