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ストレンジシチュエーション法とは?意味や定義を詳しく解説

ストレンジシチュエーション法(SSP)とは?意味や定義

みなさんこんにちは!公認心理師の川島です。今回のテーマは「ストレンジシチューション法」です。

  • 当コラムの目的
  • ストレンジシチュエーション法を学ぶ
  • 愛着理論のベースを理解する
  • 幼児期の愛着行動4タイプを知る

皆さんは、ストレンジシチュエーション法という言葉を聞いたことはありますでしょうか。愛着形成や、母子関係の心理を勉強されている方ですと、聞き覚えがあるかもしれません。

ストレンジシチュエーション法は愛着理論のなかでも中核を担うが概念です。当コラムでは、歴史・提唱者・実験手法などより詳細に解説していますので、しっかりと理解してきましょう。

ストレンジシュチエーション法の意味・定義

まずは、ストレンジ・シチュエーション法(Strange Situation Procedure:SPP)の定義や歴史から見ていきましょう。

ストレンジシチュエーション法の定義

ストレンジ・シチュエーション法は、発達心理学者のメアリー・エインスワースらによって提唱されました。

心理学辞典(1999)によれば、SSPは以下のように定義されています。

愛着理論に基づき、乳児期の母子間の情愛的結びつきの質を観察し、測定するために開発した実験法である。実験の手続は、人みしり激しい満1歳時の乳児が母親と見知らぬ部屋(実験室)入室し、見知らぬ人物(実験者)に会い、母親はこの人物に乳児を託して退出し、しばくしてまた戻ってくるというもので、全体で八つのエピソード場面からなる。

ややわかりにくい表現ですが、母親と赤ちゃんの愛着を測定する実験方法という理解でよさそうです。

ストレンジシチュエーション法の”ストレンジ”とは、”見知らぬ”を意味します。つまり、見知らぬ人との状況で赤ちゃんにどのような反応が現れるか、チェックするのです。

SSPの歴史

・1950年代
精神科医のジョン・ボウルビィが愛着理論の実証研究を発表します。ボウルヴィの「子供からその親への結びつきの性質」という論文で愛着について説明されました。

・1960~70年代
ボウルヴィの理論をもとに、エインスワースは愛着理論のベースが確立しました。1978年には愛着行動を観察し、分類する方法はストレンジ・シチュエーション法と呼ばれるようになります。

8つの流れ

エインズワースは、赤ちゃんを対象にストレンジ・シチュエーション法で研究を行いました。手順は以下の通りです。

①お母さんの赤ちゃん入室(30秒)

観察者は、お母さんと赤ちゃんをプレイルームに誘導する。お母さんは子どもを抱いて入室し、赤ちゃんを降ろす場所を説明して退室する。赤ちゃんにとっては初めての環境。

母親と赤ちゃん

②赤ちゃんを遊ばせる(30秒)

お母さんは椅子に座る。赤ちゃんはおもちゃで遊んでいる。

③見知らぬ人(ストレンジャー)入室(30秒)

見知らぬ人がプレイルームに入る。お母さんと見知らぬ人は、椅子に座る。3人は、以下の流れでコミュ二ケーションを取る。

・1分間黙ったままでいる
・1分間会話する
・1分間見知らぬ人と赤ちゃんが遊ぶ

ストレンジシュチエーション法とは

④お母さん退室(3分以下)

お母さんが退室する。見知らぬ人は、赤ちゃんが泣いたらなだめる。泣かなければ、そのまま座っている。

愛着行動とストレンジシュチエーション法

⑤お母さんとの再会(3分以上)

お母さんと再会、見知らぬ人は退室する。

ストレンジシュチエーション法を理解

⑥再びお母さんとの再会(3分以上)

お母さんが退室、赤ちゃんがひとり残される。

愛着形成を理解しよう

⑦見知らぬ人が入室(3分以下)

見知らぬ人が入室、赤ちゃんをなぐさめる。

見知らぬ人と赤ちゃん

⑧お母さんと再会(3分以下)

お母さんが入室し、見知らぬ人は退室する。

ストレンジシュチエーション法の意味や定義を理解

このように、以下のような状況でにどのような反応を見せるかを確認していきます。

・見知らぬ人を見た時
・母親が離れていく時
・母親が戻ってきた時

ストレンジシュチエーション法を行うことで、赤ちゃんの愛着行動を誘発することができます。その結果に基づいて、愛着スタイルを分類していくのです。

※ちなみに英語版ですが、ストレンジシュチエーション法の動画がありました。
映像で流れを知りたいという方は下記を参考にしてみてください。

4つの種類

ストレンジ・シチュエーション法で研究をおこなった結果、愛着行動のタイプは以下の4つに分類されました。

①安定型
②回避型
③葛藤型
④無秩序型

それぞれ詳しく解説していきます。

①安定型

お母さんがいなくなると不安に思う。お母さんが返ってくると、素直に喜ぶことができる。あるいは、泣いて寂しさを伝えることができる。

②回避型

お母さんがいなくなっても、泣いたりしない。お母さんが戻ってきたあともよそよそしい。

③葛藤型

お母さんとなかなか離れることができない。あるいは、お母さんが戻ってきたあとも、喜びの感情もあるが、怒りの感情などを示すことがある。

④無秩序型

赤ちゃんのお母さんに対する態度に一貫性がない。急に怒ったり、泣いたり、寂しさを伝えることもある。

発展-愛着形成について

ここからは、さらに愛着形成について理解を深めたいという方向けに発展編コラムを用意しました。ぜひ、以以下のコラムもチェックしてみてください。

①愛着障害

母子関係の悪化によって、引き起こされるのが愛着障害です。愛着障害は人生を通して、人との関わり方に影響を与えてしまいます。大人になっても以下のような状況になりやすいです。

・情痴不安定を起こす
・攻撃的に振る舞う
・信頼関係を築けない

このように、人間関係を上手く築くことが難しくなります。母子関係が人間関係にどのような影響を与えるかを知りたい…という方は、愛着障害コラムを参考にしてみてください。
愛着障害入門-診断基準や症状

②見捨てられ不安

見捨てられ不安とは、簡単に言うと「見捨てられないためのなりふり構わぬ努力」のことです。健康的な愛着形成が行われていないと、自分はいつか見捨てられてしまう…という不安を常に感じます。

そこで、見捨てられ不安を解消すべく、以下のような行動に走ってしまいます。

・相手を試す
・確認行動を過剰に行う
・何度も相手に連絡する

結果的に好かれている相手からも、距離を置かれることもあるのです。見捨てられ不安と愛着の関係性を知りたい…という方は、見捨てられ不安コラムを参考にしてみてください。
見捨てられ不安の克服方法3つ

③基本的信頼感

愛着形成が健康的であれば、他人や自分を無条件で信頼できるようになります。こうした、人との関わり方のベースとなる信頼感を「基本的信頼感」と呼びます。

自他に対して、不信感を持ちにくい人は以下のような傾向にあります。

・人づきあいが円滑
・信頼されやすくなる
・抑うつも低い

人間関係も充実し、メンタルへルスも良好になるのです。基本的信頼感と愛着形成のつながりについて知りたい…という方は、基本的信頼感コラムを参考にしてみてください。
基本的信頼感の意味とは?

ストレンジシュチエーション法とは

まとめとお知らせ

まとめ

今回はストレンジシチュエーションについて、基本的な知識をお伝えしました。特に児童心理学では必須の知識となりますのでよかったら参考にしてみてください。

お知らせ

公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催している講座をオススメしています。講座では

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など練習していきます。筆者の川島も講師をしています。詳しくは下記の看板をクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています(^^)。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
・中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣