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愛着障害とは?症状や診断・チェック

愛着障害とは何か?種類や克服法①

はじめまして!臨床心理士の竹元です。私は臨床心理士として精神疾患を抱える方へのカウンセリングを行っています。今回は「愛着障害」についてお話していきます。コラム1は愛着障害について基礎的な話を5分程度させていただきます。目次は以下の通りです。

  • 愛着障害とは?
  • 精神医学上の診断
  • 子供の克服方法
  • 大人の治療法
  • 診断とチェック

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^) それでは早速、愛着障害の基礎から解説させて頂きます。愛着障害とは

愛着とは何か?

・愛着障害の歴史
「愛着理論」は、元々はボウルビィという精神科医・精神分析家が提唱しました。ボウルビィは、戦争で被災した孤児と関わる中で、「泣いたときにあやしてもらう」「適切なタイミングでミルクをあげる」といったような母性的な養育と心身の健康的な発達が関係していることに気づきました。

愛着障害とは?について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・愛着形成とはなにか?
・アカケザルの実験
・愛着障害の発見
愛着形成とは何か?アカケザルの実験②

精神医学上の診断

・WHOの定義
愛着について不安定さが大きくなると「愛着障害」と呼ばれることがあります。詳しく定義すると

「母親をはじめとする養育者との間で、幼少期に安定した愛着を深める行動が断たれた事で引き起こされる、対人面や情緒面での問題症状」

とされます。精神科などで用いられる世界保健機関(WHO)が定める「ICD-10」の診断基準において診断基準が定義されています。

・大人になっても影響
幼児期の母子関係の不健康さから生じると言われており、自己肯定感の欠如、基本的信頼感の欠如など、成人になってからも影響を与えると言われています。

精神医学上の診断について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
愛着障害の「精神医学上の診断」③

子どもの保育・克服法

・愛着スタイルを知る研究
エインズワースという研究者は、赤ちゃんを対象にストレンジ・シチュエーション法で研究を行いました。ストレンジ・シチュエーション法とは、赤ちゃんがお母さんと過ごしている部屋があります。

しばらくしてお母さんだけが退室してもらい、その代わりに知らない人が入室して、赤ちゃんと2人きりになってもらいます。知らない人が退出して、再度その後お母さんに戻ってきてもらった時の赤ちゃんの反応を見るという方法で、愛着スタイルを調べました。

この方法で、子供の愛着の特徴は4種類に分けられています。

発達障害と愛着

・安定型・回避型・葛藤型・無秩序型

それぞれの特徴は以下のようになります。

安定型
お母さんがいなくなると不安に思う。お母さんが返ってくると、素直に喜ぶことができる。あるいは、泣いて寂しさを伝えることができる。

回避型
お母さんがいなくなっても、泣いたりしない。お母さんが戻ってきたあともよそよそしい。

葛藤型
そもそもお母さんとなかなか離れることができない。あるいは、お母さんが戻ってきたあとも、喜びの感情もあるが、怒りの感情などを示すことがある。

無秩序型
赤ちゃんのお母さんに対する態度に一貫性がない。急に怒ったり、泣いたり、寂しさを伝えることもある。

・改善するには安定した愛着
愛着の種類は、子ども・大人いずれも4つに分けられます。愛着障害を改善する方向として好ましいのはいずれも安定型のタイプというのはお分かりいただけましたか。ではどのように形成されていくのでしょうか。

小さい子どもの頃からを思い返すと、親との間で愛着関係が育まれてきました。「わがままを聞いてもらった」「泣いたときにあやしてもらった」などの体験は、まさにそれです。

このような体験を通して、幼少期にお母さんと子どもの間での「愛着」が育まれることは、子どもにとって心の支えとなります。つまり愛着体験を積み重ねることで症状を改善していくことができます。お子様がいらっしゃる方は参考にしてみてください。

子どもの愛着障害について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・4つの愛着スタイルとは?
・安定した愛情を注ごう
・だっこして歩く対処法
愛着障害の対策!子どもの保育・治療について④


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大人の治療・克服法

・大人の愛着スタイル
大人の愛着スタイルをみていきましょう。大人の場合は、「見捨てられ不安」と「関係構築回避」に着目します(中尾,加藤2004を参考に記述)。

愛着障害 タイプ

それぞれの特徴は以下のようになります。

安定型
不安が少なく、回避もしていない、一番健康なタイプです。困った時は悩みを打ち明けたり、相談をしたりなど他者を信頼して関わることができるし、親密な関係をもつこともできます。自分自身も安定していると言えます。おそらく充実した対人関係を持てていると言えるでしょう。

見捨てられ不安型
人と関わることには積極的なものの、見捨てられ不安を持ちやすいタイプです。親密でありたいと強く願い、しがみついてしまいます。他者からどう評価されるかということがとても気になり、拒否されたり、見捨てられることを過度に心配しています。自分自身も疲れてしまいますし、相手にとっても負担に感じられることがしばしばあります。

関係構築回避型
不安は低く、他者と距離を置くタイプの人たちです。人のことは信用しておらず、感情表現を抑えて自分を律しようとしています。日常生活では、ある程度適応的に機能することもありますが、親密な関係をプライベートで持つという点に課題を持っていることが多いようです。

引きこもり型
不安が高く、他者との関係を回避するタイプの人たちです。「他人は怖い」「きっと嫌われるに違いない」「どうせ人は私を見捨てて去っていくだろう」といったことを予期して、親密な関係を回避します。トラウマなどの傷つき体験を抱えた人などに見られます。あまり親しい関係を持てずに、対人関係が、ストレスとなってしまうことが多いでしょう。

・対人不安との関連
丹羽(2005)は、大学1年生628名を対象に、「大学入学時の対人関係不安と愛着不安」について調査を実施しました。

具体的には、
・愛着不安高い群
→親などとの重要な他者と情緒的に支えられていいない愛着不安の高い群

・愛着不安低い群
→他者から情緒的に支えられてる愛着不安の低い群

に分け、それぞれ大学にうまくなじめているかを調査しました。その結果は以下のような特徴があることがわかりました。

対人不安と愛着(丹羽(2005)の研究の一部を掲載)

①入学時に不安が大きい
愛着不安高い群のほうが低い群より対人不安が強い。愛着不安がある人は、入学時に友達ができるか?という不安が大きく、愛着不安が少ない方は、友達ができてうまくやっていけるという感覚を持っていると解釈できそうです。

②3か月後も不安の大きさは継続
どちらも対人関係不安は下がるが、愛着不安が高い群は高い対人関係不安を示しています。得点としては3ヶ月経過後で、やっと低い群の入学時期の得点にやっと近づいています。

大学という新しい環境で、愛着不安の低い人の方が、友達などを作って慣れるスピードが早いと解釈できるのです。このように、愛着は実際に社会適応の土台になっていると考えられます。*今回は論文の一部を抜粋し加工しています。詳しくは出典をご確認ください。

・相手も尊重した関係を目指す
「自分のすべてを受け入れてほしい」という人は、相手も尊重した関係を目指す様にしましょう。このようなタイプの方は、自分が求めたものが返ってこないと不安になりやすい傾向があります。あなたの重要な人も、あなたとの関係性を継続できるように努力してくれています。その人が、大切に思ってくれている部分を探し、そこに目を向けていくと良いでしょう。

愛着障害 克服

大人の愛着障害についてさらに詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・愛着スタイルごとの解決策
・他人に愛着を求めない
・大人になってからの治療
愛着障害の克服法!大人の愛着障害はどうやって治療する?⑤

愛着障害簡易診断

現在の自分の状況を客観的にしりたい方はこちらの診断をご利用ください。症状の度合いによって、対応が異なりますので、一度診断してみることをお勧めします。

コラムだけでなく心理の専門家の講義を受けてみたい!という方は下のお知らせをクリックして頂けると幸いです。私たちが講義をしている講座となります。
愛着障害の簡易診断!自分の状態をチェックしよう⑥

★対人関係に欠かせない要素。大人でも練習で愛着形成はできる

目次

①症状や行動の癖を解説​
②愛着とは何か?
③「精神医学上の診断」
④子どもの保育・治療
⑤大人の愛着障害の治療
⑥愛着障害の簡易診断!

 

コメント

2件のコメント

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    • ひかり
    • 2019年5月18日 11:21 AM

    私は、ひきこもり型の傾向があります。
    他人との信頼関係が築きにくいです。
    私は幼い時から他人を信用するな、余計な事は話すなと教わってきたので、
    今でも他人と関わるのが怖く感じます。
    大人になってから(自分を受け入れてほしい)という気持ちが強くなってきたので、
    どのように表現してよいのか分からずに、相手に冷たい態度を取ったり、
    あえて突き放すような態度を取ったりと、(振る舞い)(しぐさ)などの、
    曖昧なメッセージを使って相手に伝えようとしてしまいます。
    素直に伝える表現の仕方が分からず悩む時があります。
    普段からのコミュニケーションを大切にするように心がけていきたいと思います。

    0
    • べり
    • 2019年3月4日 7:03 PM

    愛着障害を自覚しています。興味深く拝見しました。
    文章で読むと、なんだか安心しますね。
    子供と大人とそれぞれに解説があったのが分かりやすかったです。

    何故か診断はできませんでしたが、私は見捨てられ不安型ではないかと考えます。
    いきなり自分の内面的な話をしてしまう、というのは昔よくした失敗で苦笑でした。

    年を重ね随分改善したと思いますが、過去の経験から自分には安定した関係は作れないと強い思いがあり苦しいです。この後のコラムも読んでさらに改善させたいです。

    0

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
・丹羽智美(2005) 青年期における親への愛着と環境移行期における適応過程 パーソナリティ研究 13 156-169 名古屋大学