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ネット依存症の原因と診断基準・予防

ネット依存症の原因と診断基準・予防

はじめまして!社会心理学の専門家・精神保健福祉士の川島です。今回のテーマは「ネット依存」です

ネット依存症の対策

改善するお悩み
・ネット依存かもしれない
・スマホがないと不安
・ネットのしすぎで夜眠れない

目次は以下の通りです。

  • ネット依存の問題・深刻さ
  • 依存症と医学的な診断基準
  • 簡易診断・チェック
  • 心と体への影響
  • 研究①SNSは要注意
  • 研究②発症は女性が多い
  • ネット依存への対策・予防
  • 助け合い掲示板

コラム①を読み進めていただくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。

是非コラム①は最後までご一読ください。もしお役に立てたなら、初学者向け心理学講座でもぜひお待ちしています。

インターネット依存症とは?

今はSNSで世界中の方と、いつでもどこでもつながることができます。情報源もグーグル、ウィキペディア、論文サイトと多様ですから、夢のような世界とも言えます。

しかし、情報共有の利便性を高めるためのインターネットへの依存傾向が強くなるとネット依存症になる可能性もあります。

ネット依存の原因と問題

依存とは何か?

これまで医学の世界では「依存症」という言葉は、薬物など「物質」に対して使われることだけが許されていました。

しかしギャンブルやインターネットなど、「物質」だけではなく「行動」にも、過度に執着し遮断されると主に精神面に支障をきたす依存状態が生じることがわかってきました。

ネット依存症とは何か?

 

インターネット依存症の始まりは1990年代です。ネット関連で生じる心の問題について、キンバリーヤング(1998)が「インターネット依存」という言葉を最初に使い、全世界に広がっていきました。

日本では1995年以降にインターネットの普及が急速に進み、パソコンでオンラインゲーム等を楽しむことができるようになりました。

大人はもちろんのこと子どももインターネットを気軽に楽しめるようになり、オンラインゲームに没頭する若者が増えていったのです。

このような背景から、医学の世界でもネット使用、特にインターネットゲームにまつわる症例が増加し、懸念されるようになりました。

SNSからのネット依存症

厚生労働省研究班(代表・尾崎米厚鳥取大教授)の調査によると、ネット依存が疑われる中高生は全国で推定93万人に上ることが分かりました。

前回の調査(2012年度)と比べて倍近く増えたことから、若者のネット依存度が高くなっていることが分かります。

この結果は、スマホの普及やSNSによるコミュニケーションの拡大が影響していると考えられます。

総務省(2019)の「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、特に10代に関してSNSの平均利用時間が増加傾向にありました。10代のSNS平均利用時間比較総務省調べ

SNSの利用では、スマホを使うことが多いため、知らず知らずのうちに依存してしまうのかもしれません。

ネット依存症の医学的な診断

DSM-5の診断基準

2018年にWHOが発表しているICD-11(国際疾病分類第11回改訂版)という疾患分類に、初めて「ゲーミング障害」が記載されました。

また、アメリカの精神医学会(APA)が2015年に発行したDSM-5(精神疾患の診断と分類)においても、今後「障害」として認められるべき疾患として「インターネットゲーム障害」を取り上げています。

これらの以下の診断基準案の9つの項目のうち、1年の間で5つ以上あてはまると依存状態とみなされます。

ネット依存の診断基準案

ネット依存症の簡易診断

ネット依存への傾向をセルフチェックできる「ネット依存診断」をご用意しました。

ご自身の依存傾向の強さを把握したい方は、コラム①を概観した後、一度診断してみることをおすすめします。

ネット依存症を診断・チェック!あなたの依存傾向を確認②

自覚がない特徴

依存症はさまざまな問題が表出するにもかかわらず「自覚がない」というのも大きな特徴として示唆しされています。

片山(2016)らは、大学生138名に「インターネット依存傾向と健康度および生活習慣と関連性」の研究を行いました。

この研究では、「インターネット依存の傾向があるにも関わらず、自覚がないケースがあり、依存傾向を自覚していても、ネットを辞められない傾向にある」ことがわかりました。

依存傾向を放置すると、症状を進行させてしまうため注意が必要です。

ネット依存の対策で治療と予防を

心と体への影響

うつ病の増加

ネット上でのコミュニケーションが盛り上がると、やり取りが深夜まで続いてしまい、睡眠時間が大幅に削られてしまいます。

睡眠不足から、身体や精神の不調が強くなり、深刻化すればうつ病を発症する可能性もあります。

ネット依存とうつ病

肥満へつながる

依存症専門外来・久里浜医療センターの中山(2015)は、トルコの中高生を対象にBMI(体格指数)の調査を行いました。

その結果、ネット依存している人は、BMIが25以上(正常値22)の人の割合がとても高いことが示されています。ネット依存症と肥満

視力の低下

河井ら(2011)は、SNS依存による身体的リスクを調査しました。その結果、身体的なリスクで最も悪化したのが「視力の低下」でした。

ネット依存者の半数以上が「視力が低下した」と感じていることから要注意です。

ネット依存と視力低下

勉強時間の減少

ネット依存は、身体的リスクにとどまりません。河井ら(2011)の調査では、SNSによって「どんな時間を犠牲にしたか?」について調べています。そ

の結果「勉強」「趣味」「仕事」など、本来やるべきことへの時間が少なくなっていることが分かりました。

ネット上でのコミュニケーションは「楽しい」ものですが、勉強がうまくいかないといった副作用が現れてしまうのです。

ネット依存症の合併症

ネット依存症の心と体への影響について、気になる方は下記をご参照ください。
・ネット依存の症状と合併症
・社会生活にも影響?!
ネット依存による症状「身体・心理的への影響」③

ネット依存の側面

研究①:SNS依存がトップ

ネット依存の中でも、SNSなどのコミュニケーションに関する依存度が特に高いことが分かっています。

下記はスマートホン保有者のインターネット利用目的の中で、高い依存傾向がある率を示したグラフです。

SNSの利用は、他の利用目的と比較して依存傾向の高い人が多いことが分かります。総務省の調査研究

研究②:女性に発症しやすい

総務省・安心ネットづくり協議会(平成23年)は、携帯電話向けサービスの利用者を対象に、インターネットの依存傾向について調査を行いました。

ネット依存 症状

厳し目の基準で依存
3.8%
緩やかな基準で依存
11.0%
性別でみると男性よりも女性の依存傾向が強い結果となりました。

インターネットは手軽に他人コミュニケーション取るには便利なツールですが、使いすぎると心身ともに疲弊してしまうことが分かっています。

ネット依存症の症例や統計について、気になる方は下記をご参照ください。
・ネット依存の現状
・日本と海外の依存症例
ネット依存の現状「統計・症例」④

ネット依存症の対策・治療

インターネット依存は、インターネットと上手く付き合う方法を知ることで対策ができます。

ネット依存症の予防・治療にもつながりますので、参考にしてください。

対策① プラスとマイナスを整理

まずは自分の状況を分析して「ネットに依存している自分」に気づくことから始めます。

ネットを利用することで「失うもの」「得られるもの」の2つを紙に書き出します。どのくらいの利用頻度なら「バランスが良いか」を考えていく中で、ネット利用のプラスとマイナスが整理できます。

② ルールを決める

ネットに依存していることに気づけたら、利用制限のルールを決めて依存傾向の改善を目指します。

自分にとって無理のない範囲で、ルールを決めネットの利用時間を調節していきます。たとえば、学生の場合なら「夜10時以降は使わない」など、ルールは具体的にすることが大切です。

③ 第三者を介入させる

ネットの利用ルールが決まったら、第三者に介入してもらいルールを守り続けていきましょう。

たとえば、学生の場合なら「夜10時になったら両親にスマフォを預ける」など、第三者に管理してもらうことで、ルールの維持がしやすくなります。

④ ハマれるものを探す

現実世界でのコミュニケーションを増やすことは、ネット依存対策にとても有効です。

学校や職場以外に、趣味のコミュニティになどに所属すれば人間関係を増やすことができます。複数のコミュニティに所属することで心の安定も図れます。

インターネットと上手く付き合う方法を、詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・バランスの決め方
・無理をしないルールとは?
・ネットに頼らない環境づくり
ネット依存症の対策「ネットと上手く付き合う方法」⑤

④コミュニケーション講座の利用

実際に人と話す機会を増やしたいという方は、専門家の元でしっかり学ぶこともお勧めしています。

私たち公認心理師・精神保健福祉士は、孤独感の改善、緊張の軽減、暖かいコミュニティの創造を目指し、講座を開催しています。

コミュニケーションを体系的に勉強されたい方のご参加をぜひお待ちしています。

執筆者も講師をしています(^^)
 ・孤独感の軽減プロセス
 ・会話力を伸ばす
 ・暖かいコミュニティへの所属
初学者向けコミュニケーション教室を開催しています

ネット依存のの側面

最後に補足として、ネットの光の部分をお伝えします。インターネットを使うことは必ずしも悪いとは言えません。実はSNSを使うと「コミュ力UP」の効果が期待できると考えられます。

実際に、河合ら(2011)の研究では、「SNSのメリット、デメリット」について調査が行われています。

日本最大級のSNSである「SNS X」のユーザー約1500万人に対してアンケート調査を行いました。そのうち、71,926ユーザーからの回答があり、以下のようなメリットがあることが分かったのです。 

SNS依存と利用自体の調査

最も大きな利点は「人との交流」です。現実に対面しなくても他人とつながることができるのはインターネットの特徴でしょう。

しかし、意外なのは、SNSを使うことで現実のコミュ力も上がることです。インターネットにはまってる人は、内向的でおとなしいイメージを持たれがちですが、実際には社交性が高まっているのです。

文章はもちろん写真や動画を送ることもできるため、現実の情報交換よりもわかりやすく手軽に素早くやり取りすることができます。

その他、SNSは現実の日常生活では作ることができない人間関係の広がりを作ってくれるため、SNSを含めインターネットは日々の生活になくてはならないコミュ二ケーションツールだといえます。

ネット依存は早めの解決を

ネット依存について、ネット依存症の診断基準やネット利用のメリット・デメリットを、心理学の研究や統計を交えながら解説しました、

依存性の改善には時間がかかるかもしれません。しかし、徐々にでもしっかり対処していけば必ず回復できます。

自分に合ったルールを決めてしっかりと対処してネット依存を緩和していきましょう。

助け合い掲示板の活用

ページ下部には助け合い掲示板があります。当コラムはネット依存について考え方が多く集います。お互いの悩みや経験談など相談してみましょう。*お互いを思いやったご投稿をよろしくお願いします。

講座のお知らせ

もし公認心理師、精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・対人不安の改善
・暖かい人間関係を築くコツ
・無条件の肯定のコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。それではコラム②に進みましょう!

人間関係講座

目次

①ネット依存の原因と診断基準
②簡易診断で依存度チェック
③身体・心理面への症状
④統計・症状の例
⑤ネット依存症の対策

助け合い掲示板

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


ブログ→
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*出典・参考文献
・総務省(2019)平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01iicp01_02000082.html
・片山友子 水野(松本)由子 (2016) 大学生のインターネット依存傾向と健康度および生活習慣との関係性 総合健診 2016年43巻6号,9-15
・河井ら(2011)SNS依存とSNS利用実態 日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 26(0), 265-270, 2011
・総務省 平成26年版 情報通信白書 第1部 特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト, 第3節 安心・安全なインターネット利用環境の構築
・小寺敦之(2013),「『インターネット依存』研究の展開とその問題点」,東洋英和女学院大学『人文・社会科学論集』31.
・Canan F,Yildirim O,Yildirim T, et al:The relationship between internet addiction and body mass index in Turkish adolescents.CyberPsychol Behav Soc Netw,17,40-45,2014.