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内向的をチェック!思考の特徴・外向性との違い

内向的をチェック!思考の特徴・外向性との違い①

みなさんこんにちは、はじめまして臨床心理士の加賀です。私は、これまで臨床心理士として精神科・心療内科クリニックでカウンセリングを行ってきました。その経験や心理学の知識の中から皆さまのお役に立てられるような情報をお伝えしていきたいと思います。 

本コラムでは「内向的」について詳しく解説をしていきます。しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。ぜひお付き合いください。  

内向的について臨床心理士が解説内向的というとあまり良いイメージのない人もいるのではないでしょうか?

例えば

・コミュニケーションが苦手
・性格が暗い
・インドア派

などのイメージがあるかもしれません。しかし、内向的の強みはたくさんあります。

今回は内向性の強みを活かせるように、これまでの研究から内向的の特徴、問題、解決法などをご紹介します。

内向的とは?社向性との違い

まず、内向的とはなにかということをご説明します。心理学では、性格についての理解の方法が2つあります。

1つ目は
「類型論」です。
類型論とは、人の性格をいくつかのタイプ(類型)に分けて理解する方法で、内向性を説明したのは、スイスの精神医学者であるユングです。ユングは、外向性のある人と内向性のある人を次のように説明しています。

外向性のある人
心的エネルギーが外に多く向かい、外的な存在を重視して物事を判断することが習慣化している人が外向性の人であると説明しました。具体的には

・気さくな態度
・臨機応変な対応
・自信を持って新たな環境に飛び込む

内向性のある人
心的エネルギーが自分の内側に多く向かっていて、主観的認識を基準に行動することが習慣化している人を内向的な人と説明しました。具体的には

・躊躇、反省が多い
・受け身の姿勢
・人をよく観察する

そして、2つ目は
「特性論」です。
特性論は、類型論に対して個人の持つ多くの特性を捉えようとする方法で、ビッグファイブという理論が有名です。ビッグファイブとは、基本的な性格の次元を5つであらわすという仮説です(辻,1998)。

・非情性-情動性
 環境刺激やストレッサーに対する敏感さ、不安や緊張の強さ
・外向性-内向性
 社交性や活動性、積極性
・分離性-愛着性
 利他性や共感性、優しさ
・自然性-統制性
 自己統制力や達成への意志、真面目さ、責任感の強さ
・現実性-遊戯性
 自分の興味関心を深めていく 

このビッグファイブでは、個人の中で外向性―内向性どちらにあたるのかではなく、個人の中にどちらも存在すると考えます。そして、どちらかの要素が強い方が外向性が強い、内向性が強いといわれるようになります。

内向的な人は合理的・外向的な人は直感的

これまで内向的な人は外向的な人に比べてネガティブな体験に注目しやすいことが報告されていました。そこで、川原・松岡(2007)らは、内向的な人と外向的な人の情報処理の違いに着目し、その違いを検討しました。

川原・松岡(2007)らは、専門学校生・大学生・大学院生335人を対象に質問紙調査を実施したところ、内向性・外向性群における情報処理スタイルにおいて次の結果が得られました。

内向性群
合理性の尺度得点が直観性尺度得点よりも有意に高い

外向性群
直観性の尺度得点が合理性の尺度得点よりも有意に高い

内向性群と外向性群における情報処理のスタイルの違いの表

この結果から、物事の情報処理の仕方に次のような違いがあることが分かりました。

内向型の人は
合理的に考える傾向がある

外向型の人は
直観的に処理する傾向がある

内向的な人は、ポジティブな面やネガティブな面をしっかりと合理的に判断するからこそネガティブな面にも注目し、外向的な人よりも思慮深くなるのかもしれませんね。

内向的思考の抑うつの要因に

ここで研究を元に、内向性のマイナス面について見ていきたいと思います。

村山ら(2002)の研究では、群馬県のある市の住民健康診断の受診者(男性144人、女性217人、年齢平均58.5歳)を対象に抑うつとライフスタイルの関連を質問紙調査によって調べました。

その結果、60歳以上の女性において「内向性」抑うつを重くする要因であることがわかりました。そのことについて詳しく見ていくと、以下の図で示すことができます。

うつと内向性についての解説図この図から、以下のことが読み取れます。

内向的な人は親戚・友人との付き合いが少なく、
病気の相談ができず苦悩を抱えやすい

内向的の特徴である心配性な面が
病気であることをより強く悩んでしまう傾向にある

内向的と外向的について解説しています内向的な人は、外向的な人と比較してエネルギーの向きが違うということや情報処理の仕方に違いがあるということが分かりました。

内向的なこと自体は悪いことではありません。しかし、抑うつなどの問題を重くする隠れた因子であることなどから自分の中の内向的な部分が強すぎる場合には、注意が必要かもしれません。

3つの問題と解決策

それではここで、内向的から起こる問題について、具体的な解決策について考えていきましょう。内向的の問題の原因と解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

①内向的でもOKという認知を鍛える

内向的が悪いという思い込み 
内向的な人の多くは、内向的が悪いという思い込みの強い傾向があります。そのせいで自分はだめだという自己否定につながっている可能性があります。では、この自己否定を和らげ、内向的を強みに変えていくにはどうしたらよいのでしょうか?

内向的でもOKという認知を鍛える!
自分の思い込みを修正する方法の1つに認知療法があります。認知療法とは、認知の偏りを振り返りバランスの良い認知に修正していく方法です。内向的は悪いという認知の偏りは、物事を白か黒かで極端に判断する白黒思考の可能性があります。そこで当コラムでは、「内向的でもOK」という認知を鍛えるためについて練習問題を交えながらご紹介していきます。内向的な自分はだめだと思っている・・・という方はコラム②をぜひ参考にしてくださいね。

②アサーションで自己主張

他人を気にしすぎている
内向的な人は、他人の目を気にしすぎるがゆえに自己主張が少なく、考えや感情を自分の中に押し込めてしまう傾向にあります。自分の意見を押し込めることが多いとストレスを感じることも多くなり悪循環につながる恐れがあります。

自分の意見を大切にする
これまで自己主張が少なかった人は、適切な自己主張の仕方がわからない可能性があります。そのため、自分の気持ちを伝える方法を練習する「アサーション」がおすすめです。自分自身の本音を確認し、うまく相手に伝える練習をしていうことで積極的な自己主張が出来るようになっていくでしょう。適切な自己主張の方法がわからないという方は、コラム③の解説と練習問題に取り組んでみてください。

③リフレーミングで特徴を活かす

内向的を活かし切れていない
内向的な人は、自分の内向的をうまく活かし切れていない傾向にあります。じっくり考える内向的の特徴を活かしたコミュニケーションを研究することでさまざまな場面で自分の内向的な性格を長所にかえることが出来ます。

リフレーミングで短所を長所に!
このコラムで、これまで短所だと思っていた内向的をいろいろな場面で長所として活かせるように工夫していきます。そこでおすすめなのが、「リフレーミングのワーク」です。当コラムでは、練習問題を交えながらポイントをご紹介しますので、内向的を長所にしたい!という方は、コラム④をぜひ参考にしてくださいね。

特徴を活かして人間関係を楽に

内向的から引き起こされる問題の原因には「内向的が悪いという思い込み」「他人を気にしすぎてしまう」「内向的を活かし切れていない」の3つが大きく関わっていることがわかりました。次回以降は、自分の内向的を活かしていく具体的な方法について解説していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

内向的な部分は、自分の特徴の1つですから、うまく付き合い活かしていく方が良いですよね。まずは自分自身と向き合い、内向的に関する自分の思い込みやコミュニケーションの方法を見直すことで長所に変えていきましょう。このコラムを読んで、自分に合った「内向的の活かし方」をぜひ見つけてくださいね。

次回は、内向的の問題を解消する1つ目の「内向的でもOKという認知を鍛える」についてご紹介します。お楽しみに!

★内向的の特徴を理解して活かしていこう

*出典・参考文献
川原正広, & 松岡和生. (2007). 外向型・内向型における注意機能特性と情報処理スタイルの関連性. 現代行動科学会誌, (23), 1-10.
辻平治郎(1998). 5因子性格検査の理論と実際―こころをはかる5つのものさし. 北大路書房
村山侑里, 山本林子, 山口実穂, 山崎千穂, 中澤港, & 小山洋. (2012). 群馬県農村部における抑うつ状態とライフスタイル要因との関連. 北関東医学, 62(1), 41-51.



特徴を理解してコミュニケーションで活かそう