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悲しい気持ちを乗り越える方法,4つのプロセス

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悲しい気持ちを乗り越える方法,4つのプロセス

皆さんこんにちは。心理学講座を開催している公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。今回は「悲しい気持ちを乗り越える方法」についてご相談を頂きました。

悲しい気持ち

相談者
33歳 女性 

お悩みの内容
私はここ最近、立て続けに悲しい出来事がありました。1つは母親が病気にかかり、他界してしまったことです。やさしい母親だったので、とても悲しい気持ちになっています。

もう1つは、2年付き合っていた彼とお別れしたことです。最終的には私の気持ちが無くなってしまい、別れを切り出したのですが、楽しかったことを思い出すと悲しい気持ちになります。

私はこの気持ちをどう乗り越えていけばいいのでしょうか。

大事な人との死別や恋人との別れはとても辛いですね。当コラムでは、人間関係の喪失による悲しい気持ちの回復プロセスを解説していきます。是非最後までご一読ください。

心の黄色信号

私、川島は公認心理師として15年カウンセリングを行ってきました。その中でたくさんの方の悲しい気持ちに触れてきました。その上で悲しい気持ちには2つの意味があると考えています。

休息を必要としているサイン

悲しい気持ちは、自分自身を助けるためのサインです。心の休息をとったほうがよい、無理をせず心の整理をしたほうがよい、周りに助けを求めたほうがよい、心はこんなSOSサインをあなたに送っています。

このような悲しい気持ちがあるからこそ、私たちは、心を休める必要性や、助けを求める必要性に気がつくことができます。

 

人間関係の大事さに気が付く

私たちは辛い体験を通して、人の痛みを理解するようになります。心理学の研究では、悲しい気持ちを感じられる方は、共感性が高いことがわかっています。

例えば、大事な人との別れを体験したことがある方は、同じような体験をした人の辛さを、実感として理解しています。

悲しい体験をしたからこそ、積極的に傷ついた人を助けたり、暖かい言葉がけをしたりすることができるようになっていくのです。悲しい気持ち体験は、あなたの人間としての幅を広げる大事な体験でもあるのです。

悲しい,共感

4つの回復プロセス

アメリカの心理学者であるフィンク (Fink, S.L.)(1967)[1]は、人は4つのステップで辛い状況から回復していくと主張しています。

フィンク理論

① 衝撃期

大切な人を失う、大事な物を失う、挫折をする、そんな経験をした時、私たちは悲しい気持ちになります。これを衝撃期と言います。衝撃期には、涙が止まらない、罪悪感を持つ、不眠や食欲減退が起こる、など、心と体に負担がかかります。

② 防衛的退行期

悲しい気持ちを持ってから少し時間が経つと、出来事に対して葛藤が起こります。失敗、喪失、挫折と向き合う時間が多くなりますが、心はまだ整理できていないので、起こった出来事を認められなかったり、イライラしたり、自分を責めることもあります。

③ 承認期

悲しい出来事に意味づけができるようになってきて、少しずつ気持ちの整理がついていきます。起こったことを誰かに打ち明けることができるようになり、押し込んでいた悲しみを少しずつ外に出せるようになります。

④ 適応期

だんだんと普段の穏やかさを取り戻し、自分の好きなことに打ち込む、新しいことを始めるなど前向きな活動に取り組めるようになっていきます。悲しい出来事をポジティブに捉えて、今後のバネにしていくことができます。

このように、人には自然と悲しい気持ちから立ち直る力が備わっているのです。悲しい出来事があったら、すぐに解決しようとせず、時間が解決してくれると考えることも大事です。

長期化する場合は注意

精神疾患に注意

悲しい気持ちは、大概の場合は乗り越えていけるものです。一方で、ショック期や心の整理期で躓くと、悲しい気持ちが長期化することがあります。もし悲しいという気持ちが長期化し

絶望感がある
消えてはなくなりたい
誰とも会いたくない
生きることに疲れた

このような感覚がある方は、精神疾患を発症している可能性があるため注意が必要です。

適応障害,うつ病

特に悲しい気持ちと関連が深いのは「適応障害」「うつ病」という2つの精神疾患です。悲しい気持ちが強い方は、念のため、下記の折り畳みを展開してみてください。

適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。

ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。ストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。

ストレスの原因がはっきりしていて、悲しい気持ちが大きくなっている方は、下記のコラムを参照ください。

適応障害の基礎知識と治療法

眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。

うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。

うつ病になると、悲しい気持ちが深刻な状態になり、何事にもやる気が起きず、普段の生活もままならない状態になってしまいます。

うつ病は、早めに治療を始めるほど回復も早いと言われています。無理せず早めに専門機関に相談し、ゆっくり休養をとることが大切です。

詳しく理解したい方は、下記のコラムを参照ください。

うつ病の基礎知識と治療方法

 

絶望,消えてなくなりたい

乗り越える7の方法

ここからは発展編です。悲しい気持ちへの対処法を7つ提案させて頂きます。

①直後は休息をとる
②自己治癒力を信じる
③孤独にならないように
④無理に明るくしない
⑤適度に語る
⑥リフレーミングで意味を見出す
⑦思考停止法を試す

まずは全体を概観してから気になるリンク先をクリックしてみてくださいね。

①直後は休息をよくとる

大事な人が亡くなった時、大きな挫折をしたとき、人間関係で傷ついたとき、私たちの心は悲しい気持ちで消耗します。怪我をしたら体を治す期間を取るように、心にもお休みが必要です。

特につらい体験があった直後は、心を休める時間を取るようにしましょう。数日から数週間は心を休める期間と考え、ゆったり過ごすようにしましょう。

②自己治癒力を信じる

休息をとっている時は、自己治癒力を信じることも大事です。悲しい時は悲しい気持ちに浸るのが自然なことです。ひとしきり泣いて、落ち込めば、だんだんと心が整理され、解決していくものです。

すぐに解決することを目指すのではなく、自分の心を信じて悲しい気持ちを受け入れ、無理のない範囲で自分の感情に向き合うことが大事です。

③孤独にはならないように

元気が出ないときは、ほうっておいて欲しいものです。元気に振舞うことはとても疲れるからです。短期的には、一人で静かに過ごすことも良いでしょう。

一方で、長期的には、一人ぼっちにはならないことも大事です。気を許せる友人と2人で飲みに行く、家族と気楽に話をする時間を持つように心がけましょう。何気ない日常を過ごすことは心の回復にとても重要なのです。

もしあなたが、悩みを抱えこみやすく、孤独になりやすい場合は以下のコラムを参考にしてみてください。助けを求めるコツを解説しています。

ソーシャルサポートを受けるコツ

④無理に明るくしない

辛い出来事があったにも関わらず、無理に明るく考えることは危険です。心理学の用語には「抑圧」という言葉があります。これは、心の防衛機制の1つで、本来なら悲しくなるべきところを、心の深い押さえ込んでしまうイメージです。

無理に明るく振舞っていたとしても、悲しい気持ちは心の中では解決できていないものとして残ることになります。防衛的退行期、承認期では特に、無理に明るく振舞っていないか、気をつけましょう。

⑤適度に語る

悲しい気持ちは適度に表現しながら整理していくことが大事です。心理学の用語でカタルシスという言葉があります。

私たちは感情を素直に表現していくことで、心が晴れていくのです。子供もわー!!と泣いて、次の日にはケロっとしたりしています。

具体的には、日記に書いてみたり、親しい友人に話してみるといいでしょう。話せそうな友人がいない場合は匿名のSNSで聴いてもらうのも良いと思います。

詳しくは下記を参照ください。

カタルシス効果を理解

悲しい,過度の悲観

⑥意味を見出す

ある程度心が整理できたら、起こった出来事に意味付けをしていくことが大事です。どんな悲しい出来事でも、様々な視点で捉え直すことで、意味を見出していけるはずです。

少し大変な作業ですが、起こった出来事にどんな意味があるのか?じっくり考えていきましょう。うまく発想できないという方はこちらのコラムも参考にしてみてください。

リフレーミングコラム

 

⑦思考停止法を試す

悲しい気持ちは通常は自己治癒力で回復していくものですが、長期間にわたり悲しい出来事を何度も思い出してしまっていたら、注意が必要です。何度もマイナスの出来事を思い返すことはネガティブ反芻と言われています。

悲しい時は思い切り悲しむことも大切ですが、適度なところで切り替えることも大事です。

具体的には、「悲しい気持ちを思い出すのはあと5分!」と宣言して、実際に5分経ったら気持ちを切り替え、仕事や趣味の時間にあてます。

詳しいやり方は以下のコラムで解説しました。悲しい記憶を何度も思い出してしまう・・・という方は参考にしてみてください。

思考停止法,ストップ法のやり方

 

まとめ

今回は悲しい気持ちについて解説してきました。私自身、人生を通してたくさんの悲しい出来事がありました。ただ、四季があるように、冬が終われば春が来ます。

冬の寒さがあるからこそ、春の温かみに気が付くものです。皆さんの悲しい時期が、人生の豊かさにつながるように心から願っています。

ポジティブな記憶

講座のお知らせ

悲しい気持ちを公認心理師と一緒に改善していきたい方は、私たちが開催している心理学講座をオススメしています。講座では

・悲観的な考えを改善する方法
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など学習していきます。興味がある方は下記のお知らせをクリックして頂けると幸いです。筆者の川島達史も講師をしています♪是非お待ちしています。

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7件のコメント

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    • ハナ
    • 2022年6月9日 1:04 PM

    この前、友達に「ちゃんと言いたいことはっきり言って」って言われたので嫌なことを提案されたときに「嫌だ」って言ったら怒られて仲直りできないまま学校を卒業しもう会えなくなってしまい、心の傷が半年たった今でも消えません。どうすればいいですか?

    返信する
    • ひかり
    • 2020年4月6日 11:27 AM

    コメントさせて頂きます。
    通っている塾には同じ学校の友達がいなくてなかなか馴染めなくて不安と孤独な気持ちで辛い状況なのですね。
    私も友達や知り合いがいないスクール等に通っていたので不安で孤独感に陥ってしまう気持ちはよくわかります。
    焦って馴染もうとするとなかなか上手くいかないことがありますよね。
    これは一つの考え方ですが、自分のことを知らない人が多いのなら、自分の趣味などの会話をするのも良いですし、または塾では違う自分を演じるのも楽しいですよ。
    ご参考になりましたら幸いです。

    返信する
    • 竹島
    • 2020年1月11日 11:33 PM

    塾で違う学校の子しかいなくてなかなか馴染めなくてぼっちで辛いです。
    先生は好きなんですけど、どうすれば楽しい塾生活が送れるのかと思います。
    先生だけには嫌われたくない。
    決して周りの子から嫌われてる訳ではないです。

    返信する
    • まあ
    • 2019年11月11日 12:26 AM

    ありがとうございました。

    返信する
    • 匿名
    • 2019年10月2日 11:46 PM

    自分と、家族の平凡だけど悪くなかった日常を突如最悪な形で奪われてしまった。一緒に行きたかった場所や見たかった事や食べたかった物話したかった事やりたかった事まだまだこれから沢山沢山あったのに。やっと一緒に過ごせるし親孝行できると思ってたのに。全部駄目にされてしまった。もうできない行けない。悔しい悲しい。返して欲しい。戻して。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科 修了

取材執筆活動など

  • NHKあさイチ出演
  • NHK天才テレビ君出演
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」


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元専修大学教授 長田洋和

名前

長田洋和


経歴

  • 元専修大学人間科学部教授
  • 東京大学 博士 (保健学) 取得
  • 臨床心理士
  • 精神保健福祉士

取材執筆活動など

  • 知的能力障害. 精神科臨床評価マニュアル
  • うつ病と予防学的介入プログラム
  • 日本版CU特性スクリーニング尺度開発

臨床心理士 亀井幹子

名前

亀井幹子


経歴

  • 臨床心理士
  • 公認心理師
  • 早稲田大学大学院人間科学研究科 修了
  • 精神科クリニック勤務

取材執筆活動など

  • メディア・研究活動
  • NHK偉人達の健康診断出演
  • マインドフルネスと不眠症状の関連

・出典
[1] Fink, S.L. (1967). Crisis and motivation: A theoretical model. Archives of Physical Medcine & Rehabilitation, 48, 592-597.