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人が怖いと感じる4つの原因と克服方法・診断を専門解説

人が怖い…克服する6つの方法,診断

皆さんこんにちは。公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。私は現在こちらの心理学講座で講師をしています。

今回のお悩み相談
「人が怖い」

人が怖い,克服したい

相談者
24歳 男性 会社員

お悩みの内容
私は中学生の後半ぐらいから、人が怖いという気持ちが出てきました。初対面の人と話すとき、人前に立つとき、異性と話すとき、ものすごく緊張します。

ひどい時は身体が固まってしまうような状況になることもあります。そのため、お昼ご飯はなるべく一人で食べるようにしています。休日は一人で過ごすことが多いです。

ですが、このまま一人で過ごすのはあまりにも寂しいと感じています。人が怖い自分を変えたいと思っています。どうすれば克服できますか?

人が怖い気持ちが大きいと、人と話すたびにすごく疲れてしまいますよね。当コラムでは治し方の基本的な手順をしっかり解説していきます。

是非最後までご一読ください。

はじめに

人が怖いという悩みは私(川島)にとって強い思い入れがあります。なぜなら私自身がこの症状に悩まされてきたからです。

私は14歳から人が怖いという気持ちが強まり、対人恐怖が22歳まで続きました。ひどいときは、重度の吃音、視線恐怖、自殺企図も起こり、生きる気力を失っていたこともありました。

そんな私も40歳間近となり、当時の私が陥っていた心理状態を、客観的に分析できる年齢になってきました。当コラムでは、心理学の知識と私の体験談を合わせてお話できればと思います。

人が怖い,克服

日本人は100年前から人が怖い

研究の始まりは日本

昔から「人に迷惑をかけてはいけない」という日本人の感覚は、人が怖いという感情を招きやすく、その治療法が古くから求められてきました。

森田正馬という心理療法家は最初の対人恐怖の治療者と言われています。森田が対人恐怖の概念を発見した時期は100年ほど前になります。

 

12~15歳に急に怖くなる

私たちは多くの場合は、12~15歳ぐらいから急激に人が怖くなります。下記の図は社交不安障害の発症年齢となります。少し眺めてみてください。

 

人が怖い 

オレンジ色の10~15歳が突出しているのがわかります。病気というと、普通は子どもか高齢者がかかりやすいものです。一方で、人が怖い気持ちは健康的であるはずの12~15歳に起こるのです。

なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

公的自己意識とは何か?

結論から言うと、12~15歳は、「公的自己意識」という意識が高まっていく時期だからです。公的自己意識とは「人の目を気にする心理」です。

嫌われたくない
笑われたくない
かっこよくみられたい

など人の目を気にする心理を意味します。

人が怖い,人の目を気にする

私たちは小学高学年までは、私的自己意識の世界で生きています。

サッカーがしたい!
お菓子をたべたい!
一日中遊んでいたい

など自分の気持ちを優先し、人の目は気にしない!楽しければいい!と活発に生きているのです。

身体の変化

しかし、中学生~高校生になると、私たちの体の変化をしてきます。

男性であれば、精通を迎え
女性であれば、初潮を迎えます。

これはなんだ!!と驚くわけです。自分だけがおかしいのではないか?と周囲の目を気にし始めます。自分と他人という境界線がどんどんクッキリしてくるのです。

異性の目を気にする

思春期は強烈な異性への興味も膨らんできます。初恋で頭がいっぱいになります。

自分は相手にどう見られているのか?
私は異性から好かれるのか?
美しく見られているのか?
頼りがいのある男に見られているのか?

と気になりはじめます。

競争のはじまり

勉強ではテストの成績をよくするために先生の目を気にします。部活では、レギュラー争いもあり、周囲よりも良いプレーしなくてはと思うようになります。

周りとどう付き合っていくか?
周りにどうすれば認められるか?

私たちは社会に出るために、周囲の目を気にしなくてはならないのです。そうして徐々に自分らしい生き方ができなくなっていきます。

思春期は心をコントロールできない

思春期の青年は、心も未発達です。コントロールの方法がまだわからないので、公的自己意識が過剰になってしまい、人が怖い気持ちが抑えられなくなるのです。

堀井(2001)は高校生(256名)と大学生(271名)の男女に対して、公的自己意識と対人恐怖傾向に関する研究を行っています。

公的自己意識

このように、対人恐怖傾向が高いと公的自己意識も高いという結果が出ています。周りの目を気にする心理と、人が怖いという悩みはとても関連しているのです。

 

人が怖い,人の目を気にする

人が怖い,深刻な問題

人が怖い状態には、実際どのような悪影響があるのでしょうか?

回避行動

人が怖い気持ちが大きくなると、人と関わることに強烈な不安を伴うので、会話場面を避けるようになります。特に目的のない、雑談場面がとても苦痛になります。

コミュ力の低下

対人場面が少なくなると、当然コミュニケーション力も低下していきます。例えば、1日1時間会話をするとしたら、10年で比べると3500時間ほどの差がつくことになります。

司法試験に合格するまでの最低勉強時間は3000時間と言われています。それほどの時間的な差が生まれてしまうため、大人になってから訓練を初めても相当なハンディとなってしまうのです。

恐怖症を発症

人が怖いという気持ちが悪化すると、

対人恐怖症
赤面恐怖症
視線恐怖症
醜形恐怖症
自己臭恐怖症

などを発症することがあります。こうした症状をそのままにしておくと、周りの目ばかりを気にしてしまい、根拠もなく自分を責めることが多くなります。

私のように引きこもりになり、自殺企図が現れることもあります。

簡易診断,チェック

念のため、人が怖い深刻度については、定期的にこちらでチェックしておくことをお勧めしています。

人が怖い克服する8つの方法

ここからは人が怖い悩みの解決策を紹介していきます。これまで心理学の世界では様々な改善法が開発されてきています。

今回は私の経験も抑えて、以下の8つのやり方を提案させて頂きます。

・私的自己意識を強くする
・失敗過敏を和らげる
・論理療法を学ぶ
・会話の自主練をする
・行動範囲を広げる
・森田療法の活用する
・漸進的筋弛緩法を学ぶ
・医療機関を利用する

すべて行うのは大変なので、上記の中でご自身の状況に合いそうなものを組み合わせて活用してみてください。

自分の見た目に自信がない

対策① 私的自己意識を強くする

人が怖い気持ちの中核を担うのが、「公的自己意識の過剰さ」です。に必ず抑えておきたいのが、

 公的自己意識を減らす
 私的自己意識を増やす

この2点です。人の目を気にする傾向がある方は、下記のコラムをぜひ参考にしてみてください。後半にトレーニングがあるので取り組んでみてくださいね。

人の目を気にする意識の改善

 

対策② 失敗過敏を和らげる

人が怖い気持ちがある方は、失敗を恐れやすいことがわかっています。

 恥をかいてはいけない
 緊張してはいけない
 少しでも失敗したら人生終わり

上記のような感覚がある方は要注意です。失敗過敏をするには、考え方を積極的に修正していく必要があります。例えば、

 ユーモアを入れてみよう  
 どうせなら楽しもう
 新しいことにチャレンジしよう

と考えるのです。前者はミスをしないネガティブな方向に向いています。一方で、後者は成功しようというポジティブな方向に向いていますね。

対人関係で失敗のイメージをしてしまう方は、下記のコラムを参考にしてみてください。ポジティブなイメージをする練習ができます。

失敗怖い…を前向きにする練習

 

対策③ 論理療法を学ぶ

人が怖いという気持ちがある方は、妄想的な考え方に囚われていることがあります。例えば、

 緊張することは恥べきことだ
 話しがうまくないと嫌われる
 赤面すると評価が下がる

こうした強い思い込みが見られます。この点については、現実的に考える練習をすると、緊張がほぐれ現実的な行動をしやすくなります。

非現実な考え方になっているかも…と感じる方は下記のコラムを参照ください。

論理療法の基礎

 

対策④ 会話の自主練をする

人が怖いという状況は、人との会話量が激減し、会話をすることに苦痛が生じます。会話=苦痛という結びつきができると、さらに人が怖くなるという負のループに陥りやすくなります。

ここで意識してほしいことが、会話の力が落ちないように、ひとまずは自主練習を継続することです。具体的には下記の動画に傾聴と発話の基礎練習リストを作成しました。

会話の機会が減った…という方は1日10分程度でOkなので継続して練習してみてください。

傾聴トレーニング(動画)
発話トレーニング(動画)

 

対策⑤ 徐々に行動範囲を広げる

人が怖い方は回避する習慣がついていしまっています。心理学では回避は、特定の不安を強くしてしまうことが分かっています。人が怖いため、人を避けることでさらに恐怖を強くしてしまっているのです。

そこで最終的には、大変ですが行動することで克服していかなくてはなりません。しかし、行動できないのに行動しろ!というのはスパルタ根性論になってしまいます。

この部分については、スモールステップを作って行動範囲を徐々に広げていくことがポイントです。具体的には下記の行動療法をぜひ学習していきましょう。

スモールステップー行動療法

 

対策⑥ 森田療法

人が怖い気持ちを克服する方法としては森田療法がとてもおすすめです。

森田療法は、ざっくりとですが、人が怖いの症状を無理に治そうとするのではなく、自然なものとして受け入れながら、目的に沿って行動しなさい。

という心理療法になります。負の感情も受け入れる…と言う考え方に出会い、私自身も救われ、思い入れが強い心理療法です。

是非一度学習してみてください。

森田療法,あるがまま,目的本位

 

対策⑦ 漸進的筋弛緩法

人間の心と体はつながっています。人と会話をするときに

緊張して硬直する
胸がドキドキする
呼吸が乱れる
汗が噴き出す

上記にあてはまる方は体ほぐすエクササイズがおススメです。具体的には、筋肉の緊張と弛緩を繰り返してリラックスする、漸進的筋弛緩法をトレーニングしてみてください。

漸進的筋弛緩法を練習する

 

薬物療法

人が怖いという気持ちが強く、ほぼ会話ができないような状態の方は、医療の助けを借りるようにしてください。

対人不安は決して恥ずかしいものではなく、世界中の研究者があなたのために研究を重ね、不安を和らげるためのお薬を開発しています。以下対人恐怖とお薬について解説をしています。

特に症状が重たい方は参考にしてみてください。

薬物療法の基礎

まとめとお知らせ

まとめ

人が怖いという気持ちは、放置しておくといつのまにか深刻な状況になってしまうことがあります。当コラムの知識を、ご自身のため、そして親しい方のために、役立てて頂けるとすごくうれしいです。

皆さんが、過度に人を恐れることなく、健康的な人間関係を築かれることを切に願っています。

講座のお知らせ

公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・対人恐怖の改善
・不安を軽くする,心理療法の学習
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。興味がある方は下記の看板をクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています。

助け合い掲示板

4件のコメント

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    • 匿名
    • 2020年10月7日 9:23 PM

    めっちゃ分かる‼

    返信する
    • みみ
    • 2020年10月7日 9:20 PM

    私は不特定多数のいろいろな人が怖いです。目が合っただけで顔がこわばってしまいます。外に出るのが億劫ですね

    返信する
    • 塾長が怖い
    • 2020年9月26日 6:51 PM

    僕は塾長が怖いです。
    怖いより「恐怖」でしょうか
    「あれが終わってないこれもしてない」
    塾に行っているのに会社の残業をするように「お前10時まで居残りな」とよく言われます。
    両親には心配ばかり。
    もう嫌です。

    返信する
    • 望美
    • 2019年6月15日 9:20 PM

    私は、中学1年生の女子です。私のクラスに、好きな人がいて、告白も、4月にしました。返事ももらいました。でも、その1か月後、冷たい言動でツッコんできたり、近くに私に対してじゃないかもしれないですが、悪口を言ってきたりします。 でも、私は、(彼も頑張っているのかもしれない)と、責める(?)ことはしません。言い返したりもしません。
    なぜなら、

    ・兄弟が上に兄(高1)下に弟(小2)がいる(らしい)
    ・働き者(率先して働く)
    ・言動は冷たいけど 本当は優しいと思うから
    ・周りの人に頼っていない(何でも自分でやろうとしている)
    ・頑張っていると思うから(学校に来る事・家での態度)

    もしかしたら、学校では、家での本当の姿とか本当の自分をみせていないかもしれないからです。 本人がそうかどうかはわかりません。でも、もしそうだったら助けてあげたいです。自分もそういうことがあったので、助けてあげたいです。

    返信する

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
対人不安の生起・維持プロセスの理論モデルに関する展望 : 回避的行動と自己愛, 他者への関心の葛藤という観点から 向井 靖子,東京大学大学院教育学研究科紀要 41, 319-326, 2002-02-25
いわゆる対人恐怖症者における「悩み」の構造に関する研究,横浜国立大学教育紀要 14, 1-33, 1974-10-05
LSAS-J:Liebowitz Social Anxiety Scale 日本語版 監修:独立行政法人国立精神・神経医療研究センター理事長・総長 樋口輝彦

羽健二・森田正哉(2015),「特集:社交不安症<総説> 『社交不安症の疫学 -その概念の変遷と歴史-』」,不安症研究,7(1),p18-28.

Dennis,C. (2014), Mental health: Asia’s tigers get the blues.Nature,429,696-698.

  • 日本精神神経学会 監修 (2014) DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
  • 音羽健司・森田正哉 (2015) 社交不安症の疫学―その概念の変遷と歴史―

World Health Organization, 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センター(訳)(2014).自殺を予防する 世界の優先課題.

堀井 俊章 横浜国立大学教育人間科学部紀要.  横浜国立大学教育人間科学部 編 16, 135-143, 2014-02