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似たもの同士は好きになる?類似性の原則

似た者同士は好きになる?類似性の原則

皆さんこんにちは。公認心理師の川島達史です。
本コラムでは
「似た者同士,類似性」
をテーマに解説していきます。

  • 全体の目次
  • 類似性の意味とは
  • 似た者同士-研究事例
  • 日常生活での活かし方

はじめに

・好きな人と仲良くなりたい
・お互いの警戒心を取りたい
・安心できる関係になりたい

このような目標がある場合、相手と似た者同士になることが効果的です。

心理学では、似たもの同士の関係を「類似性が高い」と言います。類似性が高いと相手とのコミュニケーションにおいて様々な面で有利に働きやすいことが数々の研究でわかっています。

そこで当コラムでは、類似性に関する研究とコミュニケーションでどう活かしていけばいいのか?と言う点から解説していきます。

信頼の定義

類似性の意味とは

意味とは

そもそも類似性はどういった意味があるのでしょうか。心理学辞典(1999)によると、以下のように定義されています。

類似性の基礎は初期認知過程における刺激の特徴分析にある。
2刺激を考えたときに、2刺激間で共通する特徴が類似性である

なかなか難しい定義ですね(^^; 一般的にはざっくり「似ているところ」という解釈で良さそうですね。

心理学者のハイダーは1950年代にバランス理論を提唱しました。バランス理論とは、考え方や価値観が類似しているか否か?によって人は好き、嫌いのバランスを変化させるという考え方です。

類似性という言葉はそれ以来有名になっていきました。

▼ハイダーの様子 参考動画

類似性の法則

バランス理論は別名p-o-x理論と呼ばれ、それぞれ以下のような意味があります。

P=ある人
O=他者
X=物事

さらに
好意を「+」
非好意を「ー」

とします。この時、それぞれを掛けた時に+であればバランスが保たれた状態、ーであれば、人はバランスを保とうとします。

例えば、

P=自分
O=友人
X=猫

と置いた状況で考えて見ましょう。以下、それぞれのバランス理論での捉え方について解説しましたので、気になる項目を展開してみてください。

まずは「自分と友人はお互いに猫が好き」という例で考えて見ましょう。

以下の図をご覧ください。

似た者同士 バランス理論

このように、(+)×(+)×(+)=+なので、バランスが保たれた状態になります。つまり、似た者同士はお互いに好意を持ちやすいと言えそうですね。

一方で、自分が猫が嫌いだった場合はどうなるでしょうか。

以下の図をご覧ください。

猫が嫌い

このように、(+)×(-)×(+)=-とバランスが崩れた状態になっています。自分は友人は好きだけど、猫は嫌いという複雑な状況に陥ってしまっていますね。

すると、自分はバランスを回復させるために、

・猫を好きになる
・友人を嫌いになる
・友人を猫嫌いにさせる

といった行動を取るようになります。こうした人間関係のバランスを保つことで、自分にとってストレスのない関係性を構築しようするです。

 

似た者同士-研究事例

類似性、似た者同士についてはこれまで様々な研究がなされてきました。以下折りたたんで掲載をしたので、興味があるものをクリックしてみてください。

中村(1984)の研究では、「類似性と対人魅力の関係」について調査が行われています。その中の1つに以下のような実験デザインがありました。

・国立大学の男女学生60名を対象
・外向性群、内向性群を分ける
・似ている人、似ていない人
どれぐらい悩みを打ち明けたいか調査

今回はわかりやすいように「内向性群」に絞ってご紹介していきます。その結果の1つが以下の図です「悩みを打ち明けたいかどうか」の度合いを表してします。

まずは概観してみてください。

似た者同士

このように類似の方が高い数値を示していることが分かります。つまり、内向的な人は相手が自分と似ている人の方が安心して悩みを打ち明けたいと思えるのですね。

(※結果をわかりやすくするために記述しています。詳しくは論文を参照ください。)

中村(1984)の研究では、「類似性と対人魅力の関係」について調査が行われています。その中の1つに以下のような実験デザインがありました。

・国立大学の男女学生60名を対象
・外向性群、内向性群を分ける
・似ている人、似ていない人
どれぐらい悩みを打ち明けたいか調査

今回はわかりやすいように「内向性群」に絞ってご紹介していきます。その結果の1つが以下の図です。「親しみを感じる」の度合いを表してします。

性格が似ている人

こちらも、類似の方が高い値を出していますね。やはり類似性が高いほど相手との親しみを感じやすく仲良くなりやすいことが考えられます。

類は友を呼ぶは科学的に証明されているのです。(※結果をわかりやすくするために記述しています。詳しくは論文を参照ください。)

このように、似た者同士は親しみを感じやすく、悩みを相談しやすいことが分かっています。コミュニケーションを取る際はなるべく類似性を意識した方がよさそうですね。

Byrne&Nelson(1965)の研究では、魅力度と、物事に対する態度や性格(類似度)の関連について調査が行われています。以下のグラフをご覧ください。

似た者同士

このように、物事に対する態度や性格(類似度)が高くなるほど「魅力度」も比例して高くなっていくことが分かります。つまり、自分と似ている人ほど魅力を感じやすいと考えることができます。

態度や性格が似ていれば、対立することも少ないですし、個人的な意見を尊重してくれることもあります。心理学では、これを合意的妥当性と呼び、人は自分と合意できる人を好きになると考えられています。

中村(1988)の研究では、似た者同士の要素である「類似条件」が「対人魅力」にどのような影響があるかを調査しました。実験では女子学生84名を対象に、以下の2つを測定しました。

・態度の類似性
同じ趣味や価値観、しぐさが似ている

態度の類似性

・情緒的魅力
共感できる、話が合うなどの魅力

似た者同士 情緒的類似実験の結果、

「似た者同士は魅力得点が高いという結果になりました。」

つまり、同じ趣味や価値観が似ている、動作が似ていることによって「この人とは共感できる!」と思われやすいことが推察されます。

そのため、仮に相手と性格の部分でマッチしていなくても、同じ趣味、ひいては動作が似ているだけでも共感が得られるのです。

似た者同士

日常生活での活かし方

それでは、似た者同士・類似性を日常生活でどのように活かせばよいのでしょうか。ここまでご紹介した研究を踏まえて考えて見たいと思います。

恋愛での活かし方

自分の似ている相手に魅力を感じるという性質は、恋愛で活用しない手はありません。そこで、気になる異性と会話をする時は、共通点が見つかったら積極的に伝えるようにしましょう!

例えば、

・好きな芸能人が同じ
・好きな食べ物が同じ
・地元が一緒

などなど、どんなに小さなことでも良いので共通点を探していきましょう。もし共通点が見つかったら

「一緒だね♪」
「気が合うなあ!」
「え?おれもおれも!」

と積極的に強調していくとGoodです。

ビジネスでの活かし方

ビジネスシーンでは類似性は頻繁に活用されています。分かりやすいところで言えば、「服装」が挙げられます。例えば、堅い会社に訪問する場合は、きちっとスーツを着て、言い回しもまじめにした方が好まれます。

一方で、自由な社風の会社に訪問する場合は、やや砕けた服装の方が好まれます。場合によっては私服を着たり、ジーンズを履くのもOKです。その他、同じ目標を持つなども効果的です。

・来年は成功して社員旅行に皆でいこう
・社長賞をとボーナスを皆でゲットしよう
・今期は利益前年比+20%を目指そう

などです。

このようにグループ内で同じ目標を共有することで、仲間意識が生まれ、生産性もUPします。このように、他社の社風に合わせることと、自社社員の目標の共有。この2つを意識するだけでも類似性を活用できます。

友人同士で喧嘩をしたとき

友人と喧嘩した時も類似性を活用して、スムーズな関係維持することができます。例えば、お互いに野球ファンで巨人と阪神でもめたとします。

この時、類似しているところをしっかり確認しましょう。ファンは違うけど野球を好きなのは同じです。そこで、どうすれば野球業界がどう盛り上がるかを一緒に考えるか?など議論するといいかもしれません。

例えば
・サッカーに負けない野球の魅力とは?
・メジャーで成功しそうなプレイヤーは?
・野球場でおいしい食べ物を教えあう

などチームの話をするのではなく、「野球」の話しで共感を誘うことが大切です。このように、友人との食い違いが起きた時は、共通している部分はないか?と考えて見ることをお勧めします。

まとめ+お知らせ

まとめ

ここまで見てきたように、似た者同士は打ち解けやすく、お互いに魅力を感じやすいです。私たち心理師は相手との関係性を築くため、相手の趣味を勉強することも結構あります。

例えば、引きこもりの子供とお話するカウンセラーは、子供の漫画やアニメを見るケースがかなりあります。

もちろん自分を押し殺して相手に合わせる必要はありませんが、相手がどのような性格なのかを理解して、できるかぎり相手に寄り添うように心がけることが時に大事になる場面がありそうです。

ぜひ、似た者同士の関係をうまく活用して円滑なコミュニケーションを目指してみてくださいね。

お知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・対人不安の改善
・暖かい人間関係を築くコツ
・無条件の肯定のコツ

など練習していきます。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。お知らせ失礼いたしました。

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
・中村(1988)非類似の他者に対する魅力 実験社会心理学 27巻 2 号 p. 121-130
・中村(1984)性格の類似性が対人魅力に及ぼす効果 実験社会心理学研究 23(2), 139-145, 1984
・Byrne, D. & Nelson, D. (1965). Attraction as a linear function ofproportion of positive reinforcements. Journal of Personality andSocial Psychology, 1, 659-663.
Heider, F. (1958). The Psychology of Interpersonal Relations. New York: John Wiley & Sons.