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協調性とは?原因と対策、診断・チェックを専門解説

協調性


協調性とは?原因と対策、診断・チェック-心理の専門家が解説①

協調性を専門家が解説

みなさんはじめまして!社会心理学の専門家 川島です。私は社会心理学の大学院で、成人のコミュニケーションについて研究をしてきました。現在では成人向けのコミュニケーション講座の講師として活動しています。

当コラムは「協調性」をテーマに専門家が解説をしています。全部で5コラムあります。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

 

社会生活には協調性が必要

協調性は社会生活で欠かせない

私たちは日々、家庭や職場、学校などの様々な集団、コミュニティの中で互いに協力しあって生きています。

「Aさんは協調性が高いから、誰とでも仲良くなれてみんなから好かれていて羨ましい!

「私は周りに合わせるのは苦手だし、一人でいる方が楽だから、協調性がないのかも…

と悩んでいる方は意外と多いのではないでしょうか?あるいは、

「協調性を保ちたいがために言いたいことを我慢する」

「協調性がなく人と衝突してしまう」

という人もいるでしょう。

しかし社会生活では、組織やチーム等、共同作業や集団行動をしなければならない場面が数多くあります。みんなで力を合わせて行う仕事や課題の際に、協調性がない人がいると足並みがだんだん揃わなくなってきますよね。

例えば、協調性がない人の言動や要望を受け入れるとなると、周囲の人がその人に合わせなければならなくなり、和が乱れて空気が悪くなる…なんてことも。その結果、目標や目的が達成できないばかりか、新たな問題の発生や、時には致命的な事態に陥る可能性もあるかもしれません。

協調性がないと孤独になる?

協調性がないと孤独に協調性がなく、人間関係を築くのもあまり得意ではない場合、周りから距離を置かれて孤独を感じてしまいがちです。

実際に、協調性が高い人ほど良好な人間関係を築きやすいという実証データもあります。水野(2003・2004)の研究では、ビックファイブ(性格の主要5因子)と言われる性格特性の中でもっとも好意的に思われるのは、協調性が高い人です。

企業で求められる人物像として、
・協調性が高い人
・チームワークを大切にする人
を挙げているところも多いようです。

また、浅野ら(2008)の研究では、性格と対人関係、ストレスとの関連について調べています。その結果、ちょっと意外かもしれませんが、協調性が低く利己的な人ほどストレス反応が高いということがわかりました。

一般的には、協調性がある人の方が周囲に気を遣っていてストレスが溜まりそうですが、そうとも限らないのですね。もしかすると、協調性がないことで人間関係が気まずくなったり、揉め事が起きて嫌な思いをすることがストレスにつながっているのかもしれません。

このように、社会で他人と関わりながら円滑なコミュニケーションを取るのに必要不可欠に思える「協調性」。改めて「協調性」とは一体どのようなもので、そもそも「協調性」の高い人、低い人との違いはなぜ出てくるのでしょうか?

協調性が高い、低いとは?

「協調性がある人」というと、おそらく
・誰とでも仲良くなれる人
・和を乱さない人
というイメージがあるのではないでしょうか。

ここで改めて、「協調性」について広辞苑第6版(新村,2008)で調べてみると、

”利害の対立する者同士が穏やかに相互間の問題を解決しようとすること、あるいは性格や意見の異なった者同士が譲り合って調和を図ることを『協調』といい、周囲とうまく協調できる性質のことを『協調性』という”

と出ています。つまり、「協調性」とは、性格や意見などの違う者同士が、互いに譲りあって双方の調和と均衡を保とうとすることなのです。ただ単に人と合わせたり、流されたり迎合することが「協調性がある」とは言えないのですね。

また、人の性格を科学的に判断するための「NEO-PI-R」という性格診断テストでは「協調性」を次の6つの要素に分けて測定しています。

1:信頼性
他人を信頼するか、それとも疑ってかかるか

2:実直さ
素直で誠実か、それとも悪知恵を働かせたり、人を騙したりすることがあるか

3:利他性
喜んで他者を援助するか、他人の問題に関わるのは嫌か

4:応諾
人の頼みを受け入れたり、他人の意見に従う傾向がどのくらいあるか

5:慎み深さ
謙虚か自信家か

6:優しさ
他人に関心があり共感しやすいか、他人に関心が低く共感しにくいか

上の6つの要素が高い人が「協調性がある」と判断されるのです。

次に、この「協調性」の有無を判定するための項目を張ら(2012・2015)の協調性尺度から抜粋したものがありますので、簡単にできるセルフチェックをしてみましょう!

協調性を簡単診断!

みなさんがチームや集団の中で話し合いや作業をする場面では、どのような傾向が強いでしょうか?次のA、B、Cグループの□にいくつチェックが付くか考えてみましょう。

Aグループ 当てはまった数⇒   個


Bグル-プ

 当てはまった数⇒   個


Cグループ

当てはまった数⇒   個

あなたの協調性タイプは?!

A~Cで、当てはまった数が一番多いグループは何でしたか?それにより、あなたの協調性の高さやタイプが見えてきます。

Aグループが多い人
⇒高い協調性の持ち主!

他人に共感することができ、たとえ相手と自分の意見が異なっていたとしても、上手く調整して提案できるバランス感覚がある人です。

進んで他人を助けることができ、他人も自分に対して基本的に好意的だと思っているので、敵を作ることは滅多になさそうです。

Bグループが多い人
⇒協調性が低い、と思われがち!?

自分の考えをしっかりと持ち、正直な言動ができる半面、他人の意見を受け入れるのか苦手なタイプです。

親切にされても、相手の行動の意図が気になったり、競争的な性質を持っているため、自己中心的だと思われてしまうことも…。自分の信念を貫けるというのは素晴らしいことですので、少しずつ周囲にも目を向ける努力をすると、より視野が広がっていくはずです。

Cグループが多い人
⇒なんちゃって協調性?!の可能性あり

一見すると、周りに気を遣い他人の意見を受け入れているので、協調性があるように見えます。しかし、他人に合わせてばかりで自分の意見を言わないので、相手は何を考えているのか理解できません。

「わかり合うこと」「情報を共有すること」が集団や組織では大切ですので、理解できない人と思われてしまっているかも…。同調してばかりで他人に流される人は、協調性があるとは言えません。少しずつ自己主張することも意識して、本当の意味での協調性を身に付けていきましょう。

定期的にチェックしてみよう

結果は、あくまで「今」の傾向です。時間や状況によって変化するため、できれば月に一度ほど協調性の診断・チェックを行い、自分を見つめ直しましょう。自分の状態を知ることで、適度な協調性で対処できるようになります。後ほど、対処法をご紹介します。

協調性には適度な自己主張も必要

協調性が高い人の特徴セルフチェックをしてみて、自分自身が自覚している「協調性」の高さとは多少認識のギャップがあった、という方もいたのではないでしょうか。

人に合わせることも、自分の意見を主張することも、バランス良くできてこそ「協調性が高い」と言えるのです。また、協調性がない人は、

・自らの意思で協調しないタイプ
・協調したいのに協調できないタイプ

の2パターンがあることもわかっています。ここからは、それぞれの原因と解決策を考えていきましょう。

協調性に欠ける3つの原因と解決策

協調性がない原因

さて、先ほど行った協調性の診断・チェックはいかがでしたか。結果を元に「協調性を持とう!」と思われた方もいらっしゃると思いますが、思考を簡単に変えられないと感じている方も多いと思います。

ここでは、協調性に欠ける原因と解決策について考えていきましょう。協調性に欠ける原因と解決策は、大きく分けると3つあります。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

 

①集団への帰属意識を高める

希薄な帰属意識
協調性が低い人は、個人主義者で単独行動を好むことが多く、そもそも集団やグループに属することを避ける傾向にあります。確かに一人でいた方が、誰にも気を遣う必要がないですし、効率的で都合の良いこともあります。

しかし、社会生活の中で、人との関わりを完全に絶つということはほぼ不可能です。そして、集団活動の中でしか得られない利益や、協力することによるメリットというものもあります。

集団に属するメリットを理解しよう
集団や団体行動が苦手でも、そこにあるメリットを感じることができれば考え方も変わるかもしれません。当コラムでは、帰属意識を高めるポイントや、そのことで得られるメリットについて解説していきます。集団より一人でいる方が好き…集団に属することの目的を見いだせない…という方は、コラム②をぜひ参考にしてくださいね。

 

②相手の気持ちを想像する

自己中心的な考え方
常に自分中心で物事を考えており、「人の話を聞けない」「他人を理解しようとしない」ことが、協調性に欠ける原因となっているパターンです。自己中心的な考えは、どうしたら改善できるのでしょうか。

相手の気持ちを想像する方法
協調性を高めるには、相手の気持ちを想像することが大切です。そのための方法を、2つご紹介します。よく自己中心的だと言われる…相手の気持ちより自分の意見を優先してしまう…という方は、コラム③の解説と練習問題に取り組んでみてください。

 

③新しい視点を持とう

集団でのコミュニケーションが苦手
協調性を持とうと思っても、コミュニケーションに苦手意識がある場合です。特に、大人数のグループの中に入ると、意思疎通や自己主張が上手くできなくなってしまい、協調性のない態度や言動をしてしまうということがあります。

新しい視点を持つ3つの方法
このタイプの人が、集団の中で良いコミュニケーションをとるには、いくつかの心がけと新たな視点が必要です。

当コラムでは、集団でのコミュニケーションに対する苦手意識を克服する3つの方法について詳しくご紹介します。集団の中に入ると孤独感を感じてしまう…という方は、コラム④をぜひ参考にしてください!

 

対処法を知って協調性を高めよう!

対処法で協調性を高めよう

協調性に欠ける原因には「希薄な帰属意識」「自己中心的な考え方」「集団でのコミュニケーションが苦手」の3つが大きく関わっていることがわかりました。次回以降は、協調性に欠ける3つの原因それぞれの対処法を解説していきます。内容は以下の通りです。

1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

コラム② 協調性を高める「帰属意識」とは?3つのコツでメリットを体感しよう
コラム③ 協調性がない人の特徴を改善する方法!2つの視点で対処しよう
コラム④ 協調性を高めて苦手意識を克服!集団で存在感が出せる3つの方法

原因と対処法を知って、ちょっとした考え方や意識を変えることができれば、少しずつ協調性の低さも改善されるでしょう。そして、これまでの人間関係や社会生活が、より豊かで有意義なものになるはずです!

次回は、協調性に欠ける原因の1つ目「希薄な帰属意識」の対処法をご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★協調性が低いことがストレスになる、協調性には自己主張も必要!
人間関係講座

*出典・参考文献
水野邦夫(2004)「良好な対人関係に及ぼす性格特性・社会的スキルの効果について
– 自己評定データをもとに(人間心理学科)-」 聖泉論叢 12, 17-27.
水野邦夫(2003)「対人場面における好意的感情と外向性の関連性について : 外向性は
好ましい性格か?」 聖泉論叢 (11)13-25.
張真稲・名尾典子・首藤敏元・大山智子・木村あやの(2015)「多面的協調性尺度の作成と大学生の協調性」人間科学研究第37号(文教大学人間科学部)
張真稲・名尾典子・首藤敏元・大山智子・木村あやの(2012)「協調性尺度の開発」日本心理学会
下仲順子・中里克治・権藤恭之・高山緑(1999)「日本語版NEO-PI-R NEO-FFI使用マニュアル」東京心理(株)
Daniel Nettle (2009)「パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる」
竹内和世(翻訳)白揚社
浅野壮志・小田島 裕美・宮 聡美・阿久津洋巳(2008)「性格5因子とポジティブ・ネガ
ティブ感情,ストレス反応,対人不安の関連」岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (7)116-128.
市川照久・横山繁盛・永田守男・桜井彰人(2004)「企業が求める人材の要件とその育成法」研究技術計画 17(1/2), 90-101.



3つの解決策で対処しよう