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感情のコントロールができない,トレーニング方法

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感情のコントロール,7つのトレーニング方法

皆さんこんにちは。心理学講座を開催している公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。今回は「感情のコントロール方法」についてご相談を頂きました。

相談者
45歳 女性

お悩みの内容
私は現在、フルタイムで働きながら子育てをしています。結婚前は温厚な性格で怒ることはめったになかったのですが、最近なぜか感情のコントロールが効かず、大きな声で怒ってしまうこともあります。

家庭でも仕事でも人間関係が悪くなっています。感情的になってしまいイライラする自分を止めたいです。どうすればいいですか?

感情が不安定で困っているのですね。

私はカウンセラーとして日々活動をしています。様々な方のお悩みをお伺いすると、人間関係のトラブルのほとんどに感情のコントロール力の不足が絡んでいると感じています。

「批判され暴言を書き込んでしまった」
「人前は怖いのでいつも逃げてしまう」
「一度不安になるとどんどん悲観的になる」

これらのお悩みに共通することは、まさに感情コントロール力の不足です。

感情コントロールができない

心理学の世界では、感情コントロールに関する様々な手法が生み出されています。当コラムでは様々な手法を解説していきますので、是非最後までご一読ください。

感情が不安定だと起こる問題

心理学や生理学の研究では、感情のコントロールができないと様々な問題が起こることがわかっています。いくつかの研究を折りたたんで掲載しました。興味があるタイトルがありましたら展開してみてください。

城月健太郎(2013)は、社交不安障害(SAD)患者14名と大学生251名に対し、不安のコントロール感に関する調査を行いました。

結果が以下のグラフです。
・大学生のグラフが伸び
・SAD患者のグラフが低く
なっています。

感情コントロールと不安

これは、健康的な大学生は不安に対して自分で制御できる感覚があり、SAD患者は不安をコントロールできない感覚があることを示しています。

つまり、感情コントロールができないと、不安に飲み込まれやすくなると言えそうです。さらに、不安に飲まれる状態が続くと、社交不安障害などのリスクが高くなるため注意が必要です。

心理学の世界では、
感情表現が多い方を高EE(高感情出力)
感情表現が少ない方を低EE(低感情出力)

と区別することがあります。

そして高EEの傾向がある家庭は、低EEの傾向がある家庭よりも精神疾患のリスクが高いことが分かっています。特に、批判的な言動、敵意のある感情、過剰な心配をする家族がいる場合は、うつ病や統合失調症のリスクがあがる傾向があります。

井澤等(2004)は「敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連」において、怒りと生理的な影響について研究を行いました。

男子大学生20名に対して調査をしたところ、衝動的な怒り情動を表す「短気」が、収縮期血圧・拡張期血圧の上昇と関連を示す結果が得られました。

怒りに関する例の表

アンガーマネジメントができない人、いわゆる短気・敵意的な人は、日常場面でも怒り喚起時に高い心臓血管反応性を示します。その結果、冠動脈疾患に罹患しやすい可能性があることがわかったのです。

 

コントロールできない2つの原因

感情コントロールができない場合、大きく分けると2の原因があります。

原始的ルート

原始的ルートは直感的に反応する感情です。短時間で爆発的に大きくなる感情を意味します。

カッとなりやすい
見た瞬間、関わりたくないと思う
地震があるとパニックになる
肩がぶつかった瞬間怒りを覚える

これらは原始的ルートになります。当てはまる方は

距離置き法
深呼吸法
マインドフルネス療法
森田療法

が有効となります。後程詳しく解説します。

思考系ルート

思考系ルートはあれやこれや考えていくうちに、だんだん不安や怒りが大きくなっていくルートになります。

老後を考えると不安が止まらない
恋人の連絡がないと情緒不安定になる
悲観的な未来を考える
一度嫌いになると嫌な面ばかり見える

これらは思考系ルートになります。もし当てはまる方は

認知の歪みの発見
認知行動療法
日記法

が有効となります。後程詳しく解説します。なお、原始ルートと思考ルートの違いを詳しく理解したい方はこちらの動画をご覧ください。

 

原始的ルートと4つの対策

まずはじめに原始的ルートの改善策を4つ提案させて頂きます。

①距離置き法

瞬間的に怒りや不安が出てくる方は、ひとまずその対象から距離を置くことが有効です。

例えば、歩いているときに、相手がスマフォをいじっていて、肩がぶつかったとしましょう。そのままでいると、イラっとしてしまったら、相手に暴言を吐いてしまったり、喧嘩を吹っかけてしまうかもしれません。そこで速やかにその場を離れるようにしましょう。

子育てがうまく行かず、感情が高ぶったら、傷つくような言葉を言ってしまうかもしれません。その場合は夫婦であらかじめ話しあっておき、3分間でもOKなので子育てを交代しましょう。

その他

いったんトイレに行く 外に出て3分散歩する 休憩室に行く シャワーを浴びる 

などが有効です。感情が混乱したら、距離置き法を是非活用してみてください。

距離多く

②深呼吸法

少し距離を置いたら、次に、即効性のある深呼吸をすることがおススメです。深呼吸は副交感神経の働きを高め、感情を落ち着かせる効果があります。

おなかで息をしっかり吸って、鼻から息を吐くようにしましょう。これを1分間続けるだけで、かなり落ちつかせることができます。

感情的になったらまずは深呼吸!と覚えておきましょう。詳しくは以下のコラムで練習してみてください。

深呼吸の効果・やり方

 

③マインドフルネス療法

マインドフルネスとは、自分の感情や考えを客観的に眺め、観察する力を意味します。感情コントロールがうまくできない方は、自分自身の状態に気が付くことがとても苦手です。

マインドフルネス力を高めると、「怒っている自分」に気が付き、そしてその背景を探る力がついてきます。例えば、深呼吸と組み合わせ、落ちついてきたら、自分がなぜ感情的になっているのか?を考えるようにしましょう。

そしてその背景を理解していくと、意外と冷静になることができます。感情的になると我を失う…という方は下記のコラムを参照ください。

マインドフルネス療法の実践

感情コントロール、マインドフルネス

 

④森田療法

仕上げは森田療法の哲学を理解するとより効果的です。森田療法は日本人の森田正馬が作成した手法です。森田療法では、

感情に流されるのではなく、目的を大事に生きていく姿勢 

が重視されています。例えば、筆者の川島は講師業をしていますが、元々はひどいあがり症でした。しかし、あがり症だからと言って、人前に出ることを避けていては、悩みを抱える生徒さんに何を伝えることができません。

そのため、あがり症はありつつも、悩みを抱える人の役に立ちたいという目的を大事にして、行動するのです。これを目的本位と言います。

私たちは人間である以上、感情の浮き沈みがあるのは仕方がありません。大事なことはその浮き沈みに人生を支配されるのではなく、自分の人生を生きるということなのです。

詳しくは下記のコラムを参照ください。

森田療法コラム

思考系ルートと3つの対策

次に思考系ルートの改善策を3つ提案させて頂きます。

①認知の歪みを発見する

感情コントロールが苦手な人は、偏った考え方をしている傾向があります。例えば、将来限りなく起こる確率が少ないことを心配し、不安が大きくなっている方がいたりします。このような偏った考えは、心理学の世界で、認知の歪みと表現したりします。

物事を白黒で考えてしまう、相手の心を読みすぎてしまう、完全主義傾向がある…これらにあてはまる方は以下の動画一覧から気になるタイトルをご視聴ください。感情コントロールの改善に役立つと思います。

認知の歪み一覧,動画で改善

②認知行動療法

認知の歪みが見つかったら、考え方をほぐしていくことが大事です。この考え方をほぐす手法としては、認知行動療法が効果的です。

例えば、SNSでたまたま自分の悪口を言っている人を見つけたとします。この時、

人として絶対に許さない!! 

と考える人と

悪口をいう人はどこにでもいるものだ。まず自分の考えを伝えてみよう。その上で改善してくれない場合は、残念だけどブロックしよう。

と考える人では、感情が変わってくるのは理解できると思います。感情コントロールが得意な方は、感情を安定させる思考の引き出しが多いのです。

認知行動療法は筆者が運営する心理学講座でしっかり学習していきます。興味がある方は以下の講座を参照ください。一緒にトレーニングをしていきましょう。

認知行動療法を専門家から学ぶ

③日記法

考え方を整理するには日記を書くことがとてもオススメです。心理療法の研究では古くから日記を書くことが有効とされています。

日記を書くことで、自分の気持ちが整理され安定させることができます。記録にも残るので自分の状態の変化や成長も実感できます。

日常的に自分の感情を記述する機会をつくるようにしましょう。

心を整理する

まとめ

今回は感情コントロールができない問題について対策をお伝えしました。繰り返しになりますが、世の中のトラブルのほどんどが、感情コントロールを失った状態に怒ります。

感情は私たちの人生を彩る一方で、攻撃性、怒り、不安を放置しておくと、自分も相手も傷つけることになります。当コラムで紹介した手法をぜひ活かしてみてください♪

 

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・高倉実(1995,「大学生のタイプA行動パターンと日常苛立ち事、ストレス反応の関連」,日本心身医学会,35(4),p299-306.
・井澤修平・長野祐一郎・依田麻子・児玉昌久・野村忍 2004 敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連 生理心理学と精神生理学,22(3)215-224 早稲田大学