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あがり症の原因と対処法!あがり傾向の診断もチェック

原因と対策・克服の仕方


あがり症の克服方法と診断①

みなさんはじめまして!精神保健福祉士川島、作業療法士の石橋です。私達は、病院や一般向けの講座を通して精神疾患を抱える方へのリハビリを行っています。大学院では心理学の研究科で「あがり症」について研究をしていました。

コラム1の目次は以下の通りです。

・あがり症とは何か?体の症状
・診断‐チェック
・改善できるあがり症とは?
・改善できないあがり症とは?
・公的自己意識⇒私的自己意識

についてお伝えします。コラム2~5ではあがり症とうまく付き合う方法をさらに詳しくお伝えします。しっかりと解説したので全部で8分程度かかりますが是非最後まで読んでみてください。

あがり症とは

あがり症とは?

みなさんは人前であがり症になった経験はありますか?「人前に出るとあがり症が出る」とか「大事な場面になるとあがってしまう」など、人によってもさまざまかと思います。

例えば、
・大勢の前で発言をする
・初めての場所で自己紹介をする
・壇上に立ってスピーチをする
といった状況だと、普段冷静に見える人でもあがり症の症状が出てしまうことがよくあります。

その時、手が震えたり、声が上手く出なかったり、さらには頭の中が真っ白になってしまった経験はありませんか?

本来の力を発揮しないといけない場面であがってしまうと、せっかくの実力があってもうまく発揮できません。不完全燃焼で結果が出ないと、とても後悔してしまいます。それが人生を左右するような重要場面であれば、なおさらつらいですよね。

あがり症の問題

あがり症と体への影響

あがり症は、体にも様々な影響が表れると言われています。例えば、敦賀(2005)の研究では心拍や血圧などの生理的な指標を用いて、あがりの特徴を捉えています。この研究ではスピーチ課題を行い、あがり群と統制群を比較した生理的指標の変化を捉えています。その結果…

・呼吸量
・心拍
・血圧(収縮期、拡張期)

この3つの生理的指標が、課題を始める前にあがり群で高くなっていることがわかりました。つまり、あがり症では体の状態は以下のようになることがわかります。

このように、あがりは心理的な要因だけでなく、体の生理的な変化ももたらすということがわかります。これらの研究からも、あがり症は単純な心理現象ではなく、様々な要因がからんだ複雑な状態であるとも言えます。

あがり症診断

それではここで実際に今の状況を知るために、「あがり症診断」をしてみましょう。

あがり症診断
全くそう思わない あまり思わない どちらでもない ややそう思う とてもそう思う
1.
いい印象を与えようと気をつかう
2.
他者から評価されていることを意識する
3.
間違えないか不安になる
4.
失敗してしまうのが怖い
5.
悪い結果を予測してしまう
6.
人前で思うように行動できない
7.
頭が真っ白になることがある
8.
大事な場面で責任を感じる
あなたの生まれた年は?
あなたの性別は?  
あなたのお住まいは?
診断についての注意

あがり症診断について 注意事項
・当尺度は臨床心理士・精神保健福祉士・作業療法士の監修の元作成しました
・当尺度は医療的な診断を行うものではありません
・当尺度は、段階では予備調査の段階となります
・あくまで参考程度にご使用ください

以下は尺度作成についての、手順や趣旨が明示されています。尺度について疑問を持たれた方、専門家の方、興味がある方はご一読ください。

尺度作成の趣旨

現代社会では、主にスマフォートフォンでの検索やアプリが入り口となっており、多くの方がメンタルヘルスに関わる疑問や、問題解決の糸口をWEB検索から模索を始める傾向があります。当該入り口において方向性を誤ると、メンタルスの改善の迷路に迷い込む恐れがあるため、限られた時間の中で、ある程度簡易的に自分の状態を把握するコンテンツや診断が必要と考えています。

そこで弊社では、メンタルヘルスの問題につながりやすい種々の感情に焦点を当て、簡易的な自己判断ができる尺度を作成することとしました。医療行為、学術的な研究を目的とした診断ではなく、予防機能、メンタルヘルスに興味をもって頂くことを趣旨として作成します。

 

尺度作成の条件

尺度を作成するにあたっては以下を意識して作成する。
・電車や喫茶店で簡易的に読める文章を心掛ける
・学術的な表現は控える
・断定はしない あくまでヒントとして診断をする
・尺度の限界を明示する

あがり症についての先行研究
①スポーツに焦点を当てた研究
日本におけるあがり症の研究は1980年代から徐々に増え、主にスポーツにおけるあがり症の研究が中心であった。いかに試合であがらずに力が発揮できるか。競技パフォーマンスを上げて、結果を出すためのメンタルトレーニングという視点での研究が多くある。

②包括的なあがり症の研究
2000年代に入ると、あがり症を包括的に捉える研究がなされ、あがり症とはどのような状態か?あがってしまう原因とは?といった問いに答える研究が増えている。例えば、状態については有光(1999)が、「自己不全感」「身体的不全感」「責任感」「生理的反応」などがあがり症経験として抽出されている。原因については、有光・今田(2001)によると「失敗不安」「責任感」「性格・感情」「不足感」「他者への意識」などを原因として挙げている。それ以外にも、自己意識や他者の評価などの社会的要素との関連が指摘されている研究もある。

以上のことから、あがり症とは「他者の評価を意識し、失敗への不安や責任感を感じて、自己不全感が生じる現象」と操作的に定義する。

 

尺度作成手順

① 尺度抽出について
あがり症に近接する4つの論文と、臨床心理士・精神保健福祉士・作業療法士・社会心理学の大学院を卒業した者が協力し質問項目をブレーンストーミングを行い、質問項目を網羅した。

 

参考文献
有光興記・今田寛(1999)状況と状況認知から見た“あがり症”経験―情動経験の特徴による分析― 心理学研究,70(1),30-37
有光興記(2001)「あがり症」のしろうと理論:「あがり症」喚起状況と原因帰属の関係 社会心理学研究,17(1),1-11
堤雅雄(2006)「あがり症」現象と自己意識―対人不安への予備的考察― 島根大学教育学部紀要,40,29-33
敦賀麻理子・鈴木直人(2007)“あがり症”経験の反復が心理的反応および精神生理学的反応に及ぼす影響 感情心理学研究,14(2),115-128

 

その結果、以下の項目が抽出された。

・相手にいい印象を与えようと気をつかう
・たくさんの人に見られていることを意識する
・大勢の人前にいることを意識する
・他者から評価されていることを意識する
・間違えないか不安になる
・常に失敗することを考えてしまう
・失敗してしまうのが怖い
・悪い結果を予測してしまう
・自分の思うように行動できなかった
・今まで覚えていたことが思い出せなかった
・頭が真っ白になった
・落ち着かない
・自分の行うことはとても重要なことだと思った
・失敗が許されないと思った
・大事なことだと責任を感じた

 

② KJ法によりグルーピングを行い
  4グループにまとめ、ラベリングを行った

 

他者意識
・相手にいい印象を与えようと気をつかう
・たくさんの人に見られていることを意識する
・大勢の人前にいることを意識する
・他者から評価されていることを意識する

 

失敗不安
・間違えないか不安になる
・常に失敗することを考えてしまう
・失敗してしまうのが怖い
・悪い結果を予測してしまう

 

不全感
・自分の思うように行動できなかった
・今まで覚えていたことが思い出せなかった
・頭が真っ白になった
・落ち着かない

 

責任
・自分の役割は責任があると感じた
・失敗が許されないと思った
・大事なことだと責任を感じた

 

③ WEB対応簡易型尺度とするため
  4グループ質問項目をそれぞれ2つの質問に削った
  *通常であれば予備調査で説明変数から多い順に
   採用するが今回は石橋の判断で選択した
     
・いい印象を与えようと気をつかう
・他者から評価されていることを意識する
・間違えないか不安になる
・失敗してしまうのが怖い
・悪い結果を予測してしまう
・人前で思うように行動できなかった
・頭が真っ白になった
・大事な場面で責任を感じる

 

④ 診断結果については、因子ごとの評価は行わず
  総合点について4段階で注意事項を200文字程度で作成した
  
  ・5件法
  ・32~40
  ・22~31
  ・16~21
  ・8~15
  
の4段階とする。感情について優劣はないため、結果については長所と注意点の2方面からバランスよく記述することを心掛ける。診断結果については提案程度にとどめ、自己決定できるように記述を行う。

 

⑤ 今後の予定
  →回答数が充分集まった段階で
   因子分析と他の尺度との関連を精査し、
   精度を高めていく予定である

 

診断結果

・かなりあがり症 34~40
*長所
あがり症傾向が強いと言えます。あがりやすい人は、自分がどう見られているかを良く気にするため、相手を不快にさせてしまうことは少ないと言えます。またあがり症であることは他者からすると、裏表のなさとして認識されることもあり、好感を持たれることもあるでしょう。人間関係の機微に富んだ方が多く、意外な気遣いを発揮することもあります。

 

*注意点
大事な場面であがってしまうことで、日常生活に支障が出てしまうこともあるかもしれません。人前に立つ仕事や、スポーツな4ど過度のあがりがマイナスになる環境にいる方は、上手にリラックスできる方法を見つけたり、不安を和らげる方法を試すことをおすすめします。かなり苦しい方は心療内科や精神科の受診も視野に入れても良いかもしれません。

 

・ややあがり症 28~33
*長所
あがり症傾向がやや強いと言えます。あがりやすい人は、自分がどう見られているかを良く気にするため、相手を不快にさせてしまうことは少ないと言えます。またあがり症であることは他者からすると、裏表のなさとして認識されることもあり、好感を持たれることもあるでしょう。人間関係の機微に富んだ方が多く、意外な気遣いを発揮することもあります。

 

*注意点
時折本番であがってしまい、普段通りのパフォーマンスが発揮できないことがあるかもしれません。現段階では大きな問題はないですが、本番前にリラックスできる方法や不安をやりすごす方法を試すことをおすすめします。

 

・健康的なあがり症 22~27
*長所
あがり症傾向は中程度で健康的な範囲内です。例えあがってしまったとしても、パフォーマンスには影響しにくく、うまくコントロールできている部分が多いでしょう。
あがり症はありますが、健康的な範囲内であり、比較的安定している方が多いでしょう。

*注意点
本番であがってしまうことは少ないですが、初めての場面には注意が必要かもしれません。あがり症はその場面に慣れることで、薄れていくという心理学的な研究結果もあります。場数を増やすことで解決できる方が多いかもしれません。また、リラックスする方法や不安のやり過ごし方を学ぶことで、パフォーマンスをさらに上げることができます。

・あがりに強い 8~21
*長所
あがりに強いと言えます。本番でも普段通りのパフォーマンスができているでしょう。大衆を前にしたり、プレッシャーのかかる場面でも動じることは少なく、人前に立つ仕事やスポーツに向いていると言えます。

*注意点
あがり症にくい人は私的自己意識が高いという研究もあります。私的自己意識とは自分の内面や感情に注意を向ける傾向のことです。自分の内面ばかりにとらわれるのではなく、時には周りを見渡すことも必要かもしれません。

あがり症(MAX 40)

あがり症(MIN 8)

あなたのライン

男性
女性

点数が高いほど、あがり症傾向であることを示しています。以下の基準を参考にしてください。若干男女差があり、女性の方があがりやすい傾向があるようです。

・34~40 かなりあがる
・28~33 あがりやすい
・22~27 ややあがる
・8~21   ない~ほぼなし

解説:精神保健福祉士 川島達史

 

あがり症(MAX 40)

あがり症(MIN 8)

あなたのライン

年代別の比較となります。ご自身の年代と比較してみましょう。若年層ほどあがり症の傾向があり、年齢を重ねるごとに減少していく傾向があります。これは対人恐怖症傾向や対人不安でも同じ傾向があります。

あなたが所属する群

以下の2群に当てはまった方は注意しましょう。

・34~40 あがり症傾向かなり強い
・28~33 あがり症傾向強い

  • 総合

    順位 都道府県 平均値 回答数
    1 奈良県 40 1
    2 京都府 39 1
    3 山口県 38 1
    3 新潟県 38 1
    5 岐阜県 37.75 4
    6 徳島県 37.33 3
    7 栃木県 37 8
    7 沖縄県 37 3
    7 石川県 37 1
    10 長崎県 36.5 4
    11 岩手県 36 2
    12 群馬県 35.8 5
    13 北海道 35.79 14
    14 茨城県 35.67 3
    15 福岡県 35.38 8
    16 高知県 35.33 3
    17 岡山県 35 2
    17 愛知県 35 4
    19 埼玉県 34.87 15
    20 鹿児島県 34 6
    21 東京都 33.54 28
    22 福島県 33.5 8
    22 滋賀県 33.5 2
    24 秋田県 33.33 3
    25 鳥取県 33 1
    25 千葉県 33 8
    25 佐賀県 33 1
    28 兵庫県 32.6 5
    29 青森県 32.29 7
    29 神奈川県 32.29 7
    31 大阪府 32.21 28
    32 宮城県 32.14 7
    33 福井県 32 2
    34 静岡県 31.17 6
    35 長野県 30.5 4
    36 三重県 30 2
    36 山梨県 30 1
    36 山形県 30 1
    39 宮崎県 28 1
    40 広島県 27.67 3
    41 大分県 27 1
    42 熊本県 25 1
  • 男性

    順位 都道府県 平均値 回答数
    1 秋田県 40 1
    1 宮城県 40 1
    3 岐阜県 39 1
    4 新潟県 38 1
    5 滋賀県 37 1
    6 埼玉県 35.29 7
    7 鹿児島県 35 1
    8 高知県 34.5 2
    9 北海道 34.33 3
    10 青森県 33.6 5
    11 福島県 33.57 7
    12 愛知県 33.5 2
    12 兵庫県 33.5 2
    14 鳥取県 33 1
    14 千葉県 33 2
    16 神奈川県 32 1
    16 東京都 32 11
    16 福井県 32 2
    16 長崎県 32 1
    20 大阪府 30.64 11
    21 福岡県 30 1
    22 宮崎県 28 1
    22 群馬県 28 1
    24 静岡県 27.5 2
    25 大分県 27 1
    26 熊本県 25 1
    27 広島県 23.5 2
  • 女性

    順位 都道府県 平均値 回答数
    1 奈良県 40 1
    2 京都府 39 1
    3 山口県 38 1
    3 長崎県 38 3
    5 群馬県 37.75 4
    6 岐阜県 37.33 3
    6 徳島県 37.33 3
    8 高知県 37 1
    8 石川県 37 1
    8 沖縄県 37 3
    8 栃木県 37 8
    12 愛知県 36.5 2
    13 北海道 36.18 11
    14 福岡県 36.14 7
    15 岩手県 36 2
    15 広島県 36 1
    15 長野県 36 3
    18 茨城県 35.67 3
    19 岡山県 35 2
    20 東京都 34.53 17
    21 埼玉県 34.5 8
    22 鹿児島県 33.8 5
    23 大阪府 33.24 17
    24 佐賀県 33 1
    24 千葉県 33 6
    24 静岡県 33 4
    24 福島県 33 1
    28 兵庫県 32 3
    29 神奈川県 31.8 5
    30 宮城県 30.83 6
    31 三重県 30 2
    31 山梨県 30 1
    31 秋田県 30 2
    31 滋賀県 30 1
    31 山形県 30 1
    36 青森県 29 2

2018年6月1日から集計を開始しました。現在、集計中です。ご協力ありがとうございます。統計データを現在集めているため、もし可能であれば拡散希望です。

*長所
あがり症傾向が強いと言えます。あがりやすい人は、自分がどう見られているかを良く気にするため、相手を不快にさせてしまうことが少ないと言えます。またあがり症であることは他者からすると、裏表のなさとして認識されることもあり、好感を持たれることもあるでしょう。人間関係の機微に富んだ方が多く、意外な気遣いを発揮することもあります。

*注意点
大事な場面であがってしまうことで、日常生活に支障が出てしまうこともあるかもしれません。人前に立つ仕事や、スポーツなど過度のあがりがマイナスになる環境にいる方は、上手にリラックスできる方法を見つけたり、不安を和らげる方法を試すことをおすすめします。当コラムで対策も解説しています。参考にしてみてください。

*長所
あがり症傾向がやや強いと言えます。あがりやすい人は、自分がどう見られているかを良く気にするため、相手を不快にさせてしまうことは少ないと言えます。またあがり症であることは他者からすると、裏表のなさとして認識されることもあり、好感を持たれることもあるでしょう。人間関係の機微に富んだ方が多く、意外な気遣いを発揮することもあります。

*注意点
時折本番であがってしまい、普段通りのパフォーマンスが発揮できないことがあるかもしれません。現段階では大きな問題はないですが、本番前にリラックスできる方法や不安をやりすごす方法を試すことをおすすめします。当コラムで対策も解説しています。参考にしてみてください。

*長所
あがり症傾向は中程度で健康的な範囲内です。例えあがってしまったとしても、パフォーマンスには影響しにくく、うまくコントロールできている部分が多いでしょう。あがり症はありますが、過度にプレッシャーがかかる場面以外では冷や汗や赤面などの身体的な症状が強く出ることはないでしょう。

*注意点
本番であがってしまったとしても健康的な範囲内です。しかし、初めての場面やプレッシャーが強く掛かるとパフォーマンスが低下する可能性がああります。あがり症はその場面に慣れることで、薄れていくという心理学的な研究結果もあります。場数を増やすことで解決できる方が多いかもしれません。また、リラックスする方法や不安のやり過ごし方を学ぶことで、パフォーマンスをさらに上げることができます。当コラムで対策も解説しています。参考にしてみてください。

*長所
あがりに強いと言えます。本番でも普段通りのパフォーマンスができているでしょう。大衆を前にしたり、プレッシャーのかかる場面でも動じることは少なく、人前に立つ仕事やスポーツに向いていると言えます。冷や汗や赤面などの身体的な症状が強く出ることも少ないでしょう。

*注意点
あがり症にくい人は私的自己意識が高いという研究もあります。私的自己意識とは自分の内面や感情に注意を向ける傾向のことです。自分の内面ばかりにとらわれるのではなく、時には周りを見渡すことも必要かもしれません。

 

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あなたの診断結果

改善可能領域‐心理面

あがり症は大きく分けて、「改善できる部分」「改善できない部分」の2つがあります。改善できる部分は、主に心理面で、過剰な公的自己意識、認知の歪み、体の緊張などが挙げられます。例えば、佐久田ら(2006)の研究では、あがりと公的自己意識、自己効力感との関連について、大学生を中心とした男女436名に対して質問紙調査をしています。

・公的自己意識とは

公的自己意識とは後にも出てきますが、「自分が見られていることを意識する」ことを言います。この研究では、あがりと公的自己意識の関係について以下の結果が出ています。

つまり、「公的自己意識が高いとあがりやすい」という結果になっています。人からどう見られるかとても気になる・・・という方は注意が必要です。

・自己効力感とはなにか?

また、この研究では自己効力感についても調べています。自己効力感とは、「自分がうまく課題を遂行できる期待」のことを言います。研究では、あがりと自己効力感についてパス解析を行い、以下の結果が出ています。

もっと簡単に言い返えると、「自信がないとあがりやすい」と解釈できるでしょう。以上のことをまとめると、あがり症を改善して本番に強くなるためには、「本番で自分は上手くできる」という自己効力感が必要だということが示されています。これらの心理面の特徴は、トレーニングにより比較的改善しやすいと言えます。

改善不能領域‐遺伝や脳の問題

先ほどは、あがり症の改善できる部分について解説しました。一方であがり症は改善できない部分があります。

例えば、日本人は生まれながらに緊張しやすい傾向が研究によって分かっています。私たちが緊張を感じる時、S遺伝子とL遺伝子が大きく関係しています。ヴェルツバーグ大学精神医学部のピーターレッツ博士(1996)は、「S遺伝子」が心身の安定に必要な「脳内伝達物質・セロトニン」の分泌を妨げている事を発表しました。「L遺伝子」その逆の性質があり、緊張しない遺伝子という性質があるのです。

さらにS遺伝子とL遺伝子の割合で人間は

SS型・・・緊張や不安を感じやすい
SL型・・・緊張や不安は中程度
LL型・・・緊張や不安に感じにくい

の3つに分けられます。SS型が最も緊張しやすい、つまりあがりやすいタイプであり、LL型の人たちは緊張や不安に強いです。センら(2004)は、日本とアメリカの人たちのS遺伝子とL遺伝子の割合を調査しました。

日本はSS型とSL型に分類される人の割合が多く、世界でもTOPレベルの水準に位置づけられることが、多くの研究や調査で指摘されています。あがり症は私たち日本人にとって、いずれにせよ身近な気質だと言えます。

これら、元々持っている気質の部分は元来の私たちの基本的なものなので、いくら認知療法など行っても限界があると言えます。一般書籍であがり症を100%改善できる!というような趣旨の勇ましい本が売られたりしていますが、過剰であると考えた方が現実的でしょう。

あがり症との付き合い方

このようにあがり症については、改善可能な領域と、改善不能な領域の2つがあります。原因や対策をまとめると以下のようになります。

まず改善可能な領域としては、認知療法、行動療法などで対策をしていきます。ただ、それだけでは限界があり、緊張は軽減しつつも、ある程度は残るのが普通です。

そのため残りの改善不能な部分についてはいい意味で受け入れることで、あがり症とうまく付き合いながら、行動して行くことが大事になってくるでしょう。以下のコラムではそれぞれの心理療法について解説していきます。

コミュニケーション講座について♪

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、あがり症の改善や緊張の改善、対人不安の改善を目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらの心理学能力アップ講座のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

あがり症への対策① 「今ここに集中」

ここからはあがり症の対処法について大きくわけて4つ解説していきます。まず1つ目は、”公的自己意識”について解説をします。先ほども解説をしましたが、あがり症は改善しやすい領域としにくい領域があります。まずは改善しやすい心理面の在り方について1つ解説します。

①公的自己意識
公的自己意識とは他者との関わりの中で、自分が他者にどう見られているのかに意識を向けることです。

・良い印象を与えようと気を遣っている
・周りが自分をどう思っているのか気にする

といった場合です。

②私的自己意識
これに対して私的自己意識とは他人が知ることができない自分の内面に注意を向けることです。

・自分の行動をあれこれと見直す
・自分の心の奥の感情に注意を向ける

といった場合です。つまり、公的自己意識は他者に注意を向け、私的自己意識は自分の内面に注意を向けるということです。

あがり症状を軽減するポイント

あがり症の改善は「私的自己意識」が鍵

堤(2006)の研究では、多くの聴衆を前にした場合、

・公的自己意識が高い人ほどあがりやすい
・私的自己意識が高い人ほどあまりあがらない

とそれぞれ予測しています。例えば、スポーツ選手がインタビューで「無我夢中で集中できたので勝てました」という発言を聞いたことがあるでしょう。これは、私的自己意識が高まり、周りの視線を意識しすぎることなく競技に向き合えた結果だと考えられます。

このように、同じ自己意識でも「私的自己意識が高い」とあがりにくいという性質があります。つまり、あがり症と上手く付き合うポイントとしては、私的自己意識を高めることが大事であるということになります。

あがり症状を軽減する2つの方法

集中力を高め、今の行動に意識を向ける

では、私的自己意識を高めるには一体どうすれば良いのでしょうか。言いかえると、うまく自分の世界に入るにはどうすれば良いのでしょうか?結論から言うと、

あがり症への意識 → やるべきことに集中

とベクトルを変えましょう。

NG例

あがり症が出たときに、あがっちゃいけない・・・真っ赤になって笑われたらどうしよう・・・緊張して失敗したらどうしよう・・・このように考えている状態は公的自己意識が高まっている状態です。このようにあがり症に意識を向けるのはお勧めしません。

OK例

代わりにパフォーマンス自体に意識を集中させるようにしましょう。例えば、スピーチをしていたら「次話す内容を思い出す」とか、ピアノの演奏中なら「リズムを崩さずテンポに乗る」といった具合です。「いまここにいる自分」だけに目を向け、やっている行為に集中しましょう。

よくスポーツ選手が、競技前にイヤホンで音楽を聴いている様子を目にします。これは音楽を聴く事でリラックスをしている場合もありますが、周りからの音を遮断することで自分の世界に入り込み、集中力を高めているとも考えられます。

あがり症への意識 → やるべきことに集中

ということを心がけるだけで、緊張する時間はかなり短縮できるのです。まずは基礎として覚えておきましょう。

たくさんある!あがり症状への対処法

ここまであがり症状を改善する4つの方法のうち1つを紹介しました。長くなってしまいますので残りの3つは別のコラムで解説します。当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

あがり症解決策② あがりを打ち消さず受け入れる

失敗への不安が強い人は注意
失敗への不安があがり症を強くしていることが考えられます。誰でも本番で失敗したくはありません。特に大事な場面であればあるほど、失敗したくない思いは強いものです。

不安は無理に打ち消さない
失敗に対する不安に対処するために、コラム2では森田療法という心理療法をご紹介します。不安や恐れをあるがままに受け止めて「いま・ここ」にある状況に集中するという理論です。失敗が不安であがり症状を強く感じる…という方は、コラム②を確認してみてください。

あがり症解決策③リラックス法

身体の生理的な変化
人があがってしまう時は、身体の生理的な変化もあらわれます。具体的には、自律神経の交感神経が優位になっている状態になります。交感神経とは身体を興奮させ、心臓の鼓動を早くしたり、汗を多く分泌したりする働きをします。

呼吸を整えてリラックス
交感神経が優位になって身体の調子が思うようにいかないという場合は、副交感神経が優位になると、身体をリラックスする働きがあります。コラム3では、リラックスしてあがり症状に対処する方法をご紹介します。身体変化が強くでる…という方は。コラム③を確認してみましょう。

あがり症を改善する4つの方法

 

あがり症解決策④アイスブレイクで場をほぐす

その場の雰囲気が硬い
「初対面の人への自己紹介」や「異性との会話」など、人とのコミュニケーションの中でもあがりやすい状況は、場の雰囲気が硬いことがあげられます。その場の雰囲気が硬いと、会話もぎこちないものになってしまいます。

お硬い雰囲気にはアイスブレイクを
アイスブレイクとは、面識のない人同士が集まる場面などで、初対面の緊張感を和らげ、打ち解けるきっかけをつくるための手法です。初対面やデートなどで硬い雰囲気になってしまったときは、アイスブレイクを使ってその場の雰囲気をほぐしていきましょう。雰囲気が堅くなりやすい・・・という方は、コラム④の方法をチェックしてくださいね。

原因を知ってあがり症とうまく付き合う

あがり症は誰にでも起こる自然な現象です。あがり症の人は、人よりちょっと極端に緊張が表に出てしまっているだけなのです。基本的な心構えや対処法を知ることで、少しずつ改善していくことができます!

これからあがり症状の対処法を知ることで、あがり症と上手く付き合っていきましょう。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

次回は、あがり症状の対処法の2つ目「あがり症を打ち消さず受け入れる」についてご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

★診断であがり症チェック原因と対処法

*出典・参考文献
・有光興記 (2005) あがりとその対処法 川島書店
・有光興記 今田 寛(1999)
状況と状況認知から見た’あがり’経験 : 情動経験の特徴による分析 心理学研究
・橋本公雄 徳永幹雄ら(1993)
スポーツにおける競技特性不安尺度(TAIS)の信頼性と妥当性
・堤雅雄(2006)「あがり」現象と自己意識 ―対人不安への予備的考察―

 

 



あがり症・診断・チェック