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あがり症の原因と対処法!診断・チェック

あがり症を克服する方法と対策①

はじめまして!作業療法士の石橋、監修の精神保健福祉士の川島です。私たちは大学院で“あがり症”に関する研究を行ってきました。現在では、精神科の病院で精神疾患を抱える方へ、緊張の緩和のリハビリテーションなどを行っています。

今回は「あがり症」についてお話していきます。コラム①はあがり症について基礎的な話を5分程度させていただきます。目次は以下の通りです。

  • あがり症のメカニズム
  • 原因と4つの解決方法
  • ①認知の歪みを修正する
  • ②予測力を鍛えよう
  • ③体をリラックスさせよう
  • ④最後は開き直りも大事?
  • 診断とチェック

各コーナーにはもっと深く知りたい!という方のためのリンクがあります。まずは全体を読んでみて、気になる場合はリンク先をクリックしてみてください(^^)それでは早速、あがり症の基礎から解説させて頂きます。

あがり症 改善する

あがり症研究!緊張するメカニズム

あがり症研究とスポーツ
あがり症に関連する研究として、注目されたのは、スポーツ競技に関することです。1964年の東京オリンピック以降、選手があがってしまい、パフォーマンスが発揮できないという問題に目が向けられたのです。

そこでは、スポーツ選手が本番であがってしまうとき、どのような要因が考えられるかについて注目されました。従来、精神論や根性論で片付けられていたものが、科学的なアプローチによって分析されていったのです。

あがり症は対人不安の1つ
菅原(1992)は対人不安の類型に関する分析を行い、あがりを対人不安の一つとして位置付けています。

あがり症 対策

つまり、あがり症をコミュニケーション不安の一種として捉え、日常の対人場面でも起こる体験として捉えています。

あがり症研究について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・オリンピックで日本人はあがる
・スポーツだけではなく日常生活でも
・公的自己意識とは何か
あがり症の研究「緊張するのはなぜ」②

克服方法①「認知の歪みを修正」

認知の歪みとは?
あがり症は偏った極端な考え方が原因だと言われています。例えば、「ミスをしたら嫌われるに違いない」といった、非現実的な推測が不安を高める要因になります。こうした考え方を心理学では認知の歪みと言います。

失敗への不安であがる
本番や人前であがってしまったとき、何が原因かを考えたとき、「失敗に対する不安」が強いとあがりやすくなってしまいます。有光(2001)はあがりの原因として考えられることを、7つの要因に分けて分析をしています。

失敗不安
②責任感
③性格・感情
④不足感
⑤他者への意識
⑥新奇性
⑦劣等感

そのうち①失敗不安は「結果が悪かったらどうしよう」と、失敗に対する不安や恐怖などを表しています。試験の本番や、試合の大事な場面で「失敗はできない」と考えるのは誰しもがあることです。しかし、失敗できないと強く考えすぎて、不安を大きく募らせてはかえって失敗しやすくなってしまいます。

認知の歪みの修正について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・失敗への不安の修正法
・認知の歪みの種類
・実際に認知の歪みを修正しよう
あがり症の克服方法「認知の歪み」を改善③

克服方法②予測の見立て

未来が分からない不安
あがり症になりやすい人には、予測不能な見立てをしているという状況があります。あがり症と不安の感情はとても関係が深いことがわかっています。この不安が高まってしまうときは、先行きが不透明であったり、失敗が予想されるときに高まりやすいものです。

先行きの見えない状況というのは、暗闇の洞窟を明かりなしで進むようなものです。暗闇の洞窟は落とし穴があったり、危険な動物がいるかもしれません。

予測力が高いほどあがらない
徳永(2001)はスポーツ選手を対象にした、心理的競技能力の分類を行っています。その分類には、忍耐力や集中力、予測力などの要因が含まれています。特に、「予測力」は市町村大会の選手に比べて、国際大会に出る選手の方が有意に予測力が高いという結果が出ています。

予測力について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・スピーチでの応用
・あがらない3要素
・自分の状況で考えよう
あがり症の対処法「予測の見立て」④

克服方法③リラックス法

あがり症は心の問題だけではない
あがり症状は、体の緊張が原因の場合があります。人前であがってしまうときは、頭が真っ白になるだけではなく、体の緊張や震えなども現象として表れます。

・身体とあがりの関係
有光(1999)はあがったときの経験として、身体的不全感や震え、生理的反応など、身体に現れることもあがった状態として挙げています。

・身体的不全感
動きが早くなった、自分の体でない感じがしたなど
・震え
手足が震えた、声が震えた
・生理的反応
汗をかいた、顔が赤くなった

これ以外にも、他の研究では血圧や心拍数の上昇、呼吸数の上昇など、あがりは生理的な変化ももたらすことが報告されています。あがり症の対処には、自身の体の変化にもうまく対処していく必要があるということです。

リラックス法について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・緊張⇒リラックスまでの流れ
・丹田呼吸法のやり方
・呼吸法の4つのステップ
あがり症の克服する「リラックス法」を実践⑤

克服方法④開き直り法

・あがり症は改善不可能?
あがり症には「改善しやすいもの」と、「改善しにくいものがある」とお伝えしてきましたが、これまで紹介した方法は、「改善しやすいもの」に焦点を当てたものです。一方、改善しにくいものばかりに目を向けてしまうと、一向に改善は見込めません。あがり症で悩む人の中には、改善しにくいものにばかり目を向けて、必要以上にあがいてしまう人が多いようです。

・開き直りで緊張が和らぐ
樋口ら(2007)はあがり症の対処法として、次の6つの要因を想定しあがり症の対処法の効果について調べています。

①自己暗示
②運動
③イメージ
④積極的思考
開き直り
⑥無関係行動

調査内容は、スピーチ場面のあがり症について、スピーチ前とスピーチの最中にそれぞれの対処法で効果があるかというものです。

その結果、あがり症が高い人は、「開き直り」をすることで、症状を軽減させているということがわかっています。ここでいう、開き直りとは、あまり考えすぎないことや、気楽に考えて、気にしないことを示します。

開き直りについて詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・開き直りでどこまで和らぐ?
・気軽に考える重要性
・開き直りの練習問題
あがり症を改善する「開き直り法」⑥


ここで30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

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あがり症と病院での治療

あがり症は一般的には心理療法で改善していくのが健康的ですが、緊急性が高い場合や重度の症状の場合は、精神科の受診や薬物療法が必要になります。薬物療法はもっとも基本となる治療法です。症状によっては心理療法と並行して行う必要があります。

・「SSRI」で幸せホルモン増加
もっとも用いられるのが、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」です。SSRIは幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを阻害する働きがあります。意図的にセロトニンの分泌を止めることで、脳が「もっと増やせ!」という司令を送りつづけます。その結果、自然とセロトニンの分泌量を増やすことができ、あがり症の改善が期待できるのです。

病院での治療についてもっと詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・薬物療法って何?
・あがり症に効果的な薬物4つ
・薬物の副作用は?
あがり症は病院で治療できる?どれだけ治るのか⑦

あがり症と漢方薬

精神科の受診や西洋的な治療法に抵抗がある方は漢方の対処法もお伝えします。

・「甘麦大棗湯」でメンタル改善
薬物療法は西洋医学だけではなく、東洋医学も必要に応じて活用されています。特にあがり症などの精神疾患を抱えている患者さんに「漢方」を処方する場合もあります。その中でもあがり症に効果的なのは、「甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)」です。この漢方は心の興奮や体の緊張を緩めて、不安を改善させる働きがあります。

・「六味丸」は7つの症例で実証
近年不安やあがり症があることが分かってきたのが「六味丸(ろくみがん)」です。7つ症例であがり症の元となる「社会不安」の軽減が確認されています。

漢方治療についてもっと詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
・漢方の種類
・漢方の効果とは
あがり症と漢方!メンタルを強くする漢方薬⑧

本番に弱い

あがり症診断

現在の自分の状況を把握したい方はこちらの診断をご利用ください。症状が重たいか軽いかによって、対応が異なりますので、一度診断してみることをお勧めします。
あがり症診断で緊張しやすさをチェックしよう⑨

あがり症の4つの原因に対処して本番で実力発揮!

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目次

①克服方法を詳しく解説 ​
②研究「緊張する仕組み」
③「認知の歪み修正」
④「予測の見立て」
⑤「リラックス法」
⑥「開き直り法」
⑦病院で治療できる?
あがり症と漢方!
⑨あがり症診断しよう

コメント

1件のコメント

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    • べり
    • 2019年3月4日 11:10 PM

    「あがり症診断」では「かなりあがる」と出ました。

    特に人前にでると、頭が真っ白になるので、予測の見立てを立てて対処━事前準備をしっかりすることで対応できる様です。確かに友人の結婚式のスピーチでは、練習不足でしどろもどろになり当たって砕けました。今でも黒歴史です。

    次の機会があれば、恐怖突入→目的本位→事前準備で乗り切りたいです。

    0

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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出典・参考文献
菅原健介(1992 )対人不安の類型に関する研究  社会心理学研究 7(1), 19-28
有光興記,今田寛(1999) 状況と状況認知から見た“あがり”経験 -情動経験の特徴による分析- 心理学研究 70(1),30-37
有光興記(2001) 「あがり」のしろうと理論 : 「あがり」喚起状況と原因帰属の関係
徳永幹雄(2001) スポーツ選手に対する心理的競技能力の評価尺度の開発とシステム化
樋口匡貴,南谷のどか,藏永瞳,深田博己(2007) スピーチ状況における”あがり” の対処法とその効果  広島大学心理学研究 (7), 93-101