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人前で緊張する,ほぐす方法を知りたい‐ダイコミュ相談室

公開日: 更新日:

人前で緊張する,ほぐす方法を知りたい‐ダイコミュ相談室

皆さんこんにちは。
公認心理師,精神保健福祉士の川島達史です。

今回のお悩み相談
「人前に立つと過剰に緊張する」
です。

人前に立つと緊張する

相談者
32歳女性
会社員

お悩みの内容
私は昔から緊張しやすい性格で、人と接するときや、人前に立つとものすごく緊張します。頭が真っ白になってしまうので、なるべく人と接する場面を避けてきました。

ですがこんな自分をそろそろ変えたいと思っています。緊張をほぐすやり方を知りたいです。

人と接するたびに強い緊張を感じると、行動範囲がどうしても狭くなってしまいますよね。当コラムでは緊張をほぐす手法をたくさんお伝えします。一緒に改善してきましょう。

緊張は自然…だけど注意

日本人は緊張遺伝子を持つ?!

私たち日本人は遺伝的に緊張しやすい民族と言われています。緊張に関わる遺伝子には2つの種類があります。

「S遺伝子」
緊張しやすい、不安になりやすい、神経質になりやすい遺伝子

「L遺伝子」
緊張しにくい、楽観的である、ポジティブになりやすい遺伝子

センら(2004)は、日本とアメリカの人たちのS遺伝子とL遺伝子の割合を調べました。ざっと下記の図を概観ください。

図を見ると、日本はSS型とSL型に分類される人の割合が多く、その割合は世界でも最高水準に位置づけられるようです。緊張は日本人にとって良くも悪くも身近な気質なようですね。

遺伝子,緊張

緊張するのは自然なこと

この図を見て、日本人は緊張しやすいのか…緊張することは損することが多い…緊張なんてゼロになればいいのに…そんな風に考えているかたがいるかもしれません。

しかし、緊張は実は自然な感情で、私たちを助けるものなのです。私たちは緊張できるからこそ、危機に立ち向かうことができます。

面接緊張

例えば、大事な面接があるとき、だらだらとした気分だとすると、準備や発言がいい加減になってしまいます。面接官からは真剣みがない!と思われてしまうかもしれません。

緊張は適度にあったほうが私たちのパフォーマンスを向上させてくれるのです。適度な緊張は私たちを助けてくれることをまずは抑えておきましょう。

 

異常な緊張には注意

一方で緊張が強すぎすると様々な問題が出てきます。

社交不安障害
人前に一切立たない、友人の誘いをほとんど断る、電話に出れないなど、人間関係を回避し続けると社交不安障害という障害になることがあります。

*心身症
心身症とは心のストレスが体に現れることを意味します。緊張しやすい方は、血圧が高い、心拍数が高い、ストレスホルモンがでやすいという特徴があります。その結果、胃痛、頭痛、咳などの症状が出ることがあります。

*睡眠障害
緊張しやすい方は睡眠障害になりやすいです。明日の事を考え、寝ようとしているときまで緊張が襲ってきてしまいます。その結果、日中倦怠感が続くこともあります。


異常な緊張が続いている方は要注意です。

緊張とは

診断・チェック

ここで自分自身がどの程度緊張しやすいのか、簡単な診断をしてみましょう。定期的に自己チェックをしておくことをお勧めしています。

緊張をほぐす7つの方法

ここからは緊張をほぐす方法を提案させて頂きます。具体的には以下の7つとなります。

 ①私的自己意識を増やす
 ②失敗過敏からポジティブイメージ
 ③考え方をほぐす
 ④緊張受け入れ法
 ⑤目標設定を下げる
 ⑥深呼吸法
 ⑦漸進的筋弛緩法

それぞれ概要をお伝えします。その上でご自身に合いそうなものがありましたら是非トライしてみてください。

①私的自己意識を増やす

人目を気にすると緊張する

緊張に影響するのは「人目を気にする心理」です。これは緊張を克服する上で、絶対押さえておくべき知識です。まずは2つの用語の解説をしましょう。

私的自己意識
「自分の内面に注意を向ける傾向」
「自分の伝えたいことを話す」
「自分が何を考えているかに注目する」

公的自己意識
「他者から見られる自分を意識する」
「人にどう思われているのか気になる」
「他人が喜ぶ話をする」

両者にはこのような違いがあります。

菅原(1984)は、306名の大学生を対象に、

私的自己意識
公的自己意識

について調査を行いましました。その結果が下図となります。

緊張しないコツ

 

この表を見ると
・私的自己意識は緊張との関係が薄い
・公的自己意識は緊張と関係がる
ことが分かります。

私的自己意識を増やそう

この意味で緊張をほぐすには、「私的自己意識」を増やす必要があるのです。

例えば、
「嫌われないように話そう」
と相手を意識するのではなく

「昨日あった楽しい話をしよう」
と自分自身に意識を集中させて話すのです。

自分の話に集中すると、緊張は自然とほぐれていきます。人の目を気にする傾向があると感じる方は、以下のコラムで練習してみてください。

緊張ほぐす作戦,私的自己意識を高める方法

人目を気にする

②失敗過敏をポジティブに

心理学の研究では、失敗を恐れ、失敗する未来に想像を膨らせると

・実際に失敗しやすくなる
・体が硬直しやすくなる
・より緊張しやすくなる

ということが分かっています。もちろん何かチャレンジするときは、失敗する未来がどうしても頭に思い浮かんでしまうものです。

ここで大事なことは、意識的に成功している自分をイメージすることです。

・楽しく会話をしている自分
・ちょっとした笑いを取っている自分
・評価をもらえている自分

これらも合わせて想像するようにしましょう。失敗を想像してしまう…という方は、下記のコラム1を参考にしてみてください。

失敗過敏型‐完璧主義の改善

③考え方をほぐす

緊張は「考え方」の影響をうけます。例えば、100人の前で発表するという状況があったときに皆さんはどう考えますか?もし

脅威(T_T)、失敗しそう(T_T)

このように考えたとしたら緊張や不安に繋がりそうですね。

これに対して以下の考えを追加してみたらいかがえしょうか

なるようになるさ
失敗してもOk♪
緊張するのは自然なこと!

と考えれば緊張は改善できそうですね。このように「緊張」を改善するには、考え方をほぐしていくと吉です。考え方が固くなっているな…と感じる方は、以下の解説をご覧ください。

緊張しない方法‐考え方をほぐす練習

きんちょう

④緊張受け入れ法

緊張は遺伝の影響があることをお伝えしました。元々私たちにDNAレベルで組み込まれた性質なので、ある程度は受け入れなくてはなりません。

特に

 あがってはいけない!
 顔が赤くなってはいけない!
 緊張がばれてはいけない!

と緊張しないように頑張ると余計に緊張してしまいます。

改善のコツは、緊張を自然な事として受入れて、ぼちぼちと付き合い、固執しないことなのです。

 緊張は誰でもするもの
 多少の緊張はOK
 赤くなるのもご愛敬

と考えると結果的に少しリラックスできると思いませんか?緊張を打ち消そう!なくそう!と頑張りすぎてしまう方は下記のコラムを参照ください。

緊張しない方法‐受け入れ法で本番に強くなる

⑤目標設定を下げる

緊張しやすい人によく見られるのが、目標設定の誤りです。緊張しやすい人は、ハードルを高く持つためにリラックスできません。例えば、


「一度も噛んではいけない」
という目標


「とりあえず人前に立てればOk」
という目標

どちらが緊張しやすそうでしょうか。答えを言うまでもありませんね。緊張しやすい人は目標設定を改善する必要があります。

目標があまりにも高すぎると、目標がプレッシャーとなり緊張を高めてしまうことがあります。自分にちょうど良い目標をもって、適度な緊張で取り組む事が大切です。

本番で思った様に実力が出せない…と思っている方は下記のコラムを参考にしてみてください。
 
緊張をほぐす目標設定法

スモールステップでほぐす

⑥深呼吸法

緊張したからだをリラックスさせるには、呼吸法、自律訓練法、筋弛緩法…など様々な種類がありますが、入門としては簡単にできる「呼吸の仕方」を紹介したいと思います。

緊張する場面に遭遇したら以下の手順で呼吸をしてみてください。

・息を吸う
  鼻から3秒意識をすう
  おなかを膨らませる
  綺麗でリラックスする空気が入ってくるイメージ
  緊張しつつもぼちぼち話せているイメージ

・息を吐き出す
  口からゆっくり息を吐く
  5~8秒ぐらい
  過剰な失敗や恐れが出ていくイメージ
 
これを10セットぐらい行ってみてください。緊張がゼロになることはないですが、少し落ち着くと思います(^^)以下のコラムでは呼吸の詳しいやり方を記載しています。参考にしてみてください。

緊張改善,呼吸法

⑦体の緊張をほぐす

心理学のエクササイズの1つに漸進的筋弛緩法というやり方があります。簡単なやり方を紹介します。

・力を入れる
  肩にギューッと力を入れます
  5秒程度でOKです

・力を抜く   
  ストーンと力を抜きます
  脱力した感覚を10秒程度味わいます

シンプルなやり方ですが、時間がない時はこの2点でOKです。ばれないようにしたいときは手で拳を握ってやってみてもOKです。

詳しいやり方を知りたい方は下記を参照ください。

漸進的筋弛緩法のやり方

まとめとお知らせ

まとめ

今回は緊張をほぐす方法を解説してきました。代表的な手法としては以下の7点があります。

 ①私的自己意識を増やす
 ②失敗過敏からポジティブイメージ
 ③考え方をほぐす
 ④緊張受け入れ法
 ⑤目標設定を下げる
 ⑥深呼吸法
 ⑦漸進的筋弛緩法

是非ご自身に合いそうな手法をみつけて実践いてみてくださいね♪

お知らせ

公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・緊張をほぐす方法
・対人不安の改善
・心理療法の学習
・暖かい人間関係を築くコツ

など練習していきます。

興味がある方は下記のお知らせをクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています。

助け合い掲示板

3件のコメント

コメントを残す

    • 匿名
    • 2019年10月23日 12:40 AM

    緊張しない方法と検索してそれ系のサイトをいくつも見ていたのですがここのがダントツでわかりやすく、大丈夫だという気持ちになれた気がします、ありがとう!

    返信する
    • 匿名
    • 2019年5月24日 10:44 PM

    すみません、診断するというボタンを押しても無反応なのですが、こちらは仕様でしょうか?

    返信する
    • けいぷー
    • 2019年3月20日 1:10 PM

    緊張の原因をデータで説明されていたのが面白かったです。
    何だかストンと理解できました。
    日本人は緊張する運命だっただったとは!(笑)

    頭が真っ白になってしまい頭がフリーズ場合でも、コラムにある対処法で改善んできますか。友人の結婚式でのスピーチの失敗が、結構トラウマです。まあ我が人生そんなことばかりですけど。

    返信する

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・Klaus – Peter Lesch et al.’s (1996) Association of Anxiety-Related Traits with a Polymorphism in the Serotonin Transporter Gene Regulatory Region. Science, New Series, Vol. 274
・Sen S, et al.’s (2004) Meta-analysis of the association between a serotonin transporter promotor polymorphism (5-HTTLPR) and anxiety-related personality traits. Am J Med Genest
・対人ストレス過程の検証 加藤 司 教育心理学研究49(3),295-304,2001-09-30
・認知行動療法(坂野雄二 日本評論社,1995)
・心理臨床大事典〔改訂版〕(氏原 寛,亀口 憲治,成田 善弘,東山 紘久,山中 康裕 共編 培風館,1992)
・ストレスにより惹起される心身症の病態モデル: ストレス動物の症状と病態
米田良三, 秦多惠子, 大澤仲昭 – 心身医学, 2013
・菅原 健介(1984)自意識尺度(self-consciousness scale)日本語版作成の試み. 心理学研究, 55(3), 184-188.