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緊張を和らげる方法,ほぐす入門①

緊張を和らげる方法,ほぐす入門①

はじめまして!臨床心理士の加賀、公認心理師の川島です。
今回のテーマは
「緊張」
です。


改善するお悩み
・緊張しやすい…
・人前で震える…
・顔が真っ赤になる…

 

全体の目次
入門①緊張してしまう原因
入門②私的自己意識法
入門③思考の歪みを改善
入門④スモールステップ法
入門⑤受け入れ法

助け合い掲示板

 

入門①~⑤を読み進めていくと、基本的な知識と対策を抑えることができると思います。是非入門編は最後までご一読ください。

緊張は自然…だけど注意

緊張するのは自然なこと

いきなりですが、皆さんは緊張する自分を責めていませんか?緊張する自分は弱い人間だ、心が弱い、緊張なんてゼロになればいいのに…そんな風に考えているかたがいるかもしれません。

しかし、緊張は実は自然な感情で、私たちを助けるものなのです。私たちは緊張できるからこそ、危機に立ち向かうことができます。

面接緊張

例えば、大事な面接があるとき、だらだらとした気分だとすると、準備や発言がいい加減になってしまいます。面接官からは真剣みがない!と思われてしまうかもしれません。

緊張は適度にあったほうが私たちのパフォーマンスを向上させてくれるのです。適度な緊張は私たちを助けてくれることをまずは抑えておきましょう。

異常な緊張には注意

一方で緊張が強すぎて「逃げ癖がある」は注意が必要です。

人前に一切立たない
友人の誘いをほとんど断る
電話に出れない

このように人間関係を回避し続けると
「社交不安障害」
になることがあります。
緊張,人を避ける
また、ストレスにさらされ、

不眠
倦怠感
身体の震え

が続くような方は
「心身症」「適応障害」「睡眠障害」
という診断がつくこともあります。

異常な緊張が続いている方は注意が必要です。

緊張とは

診断・チェック

定期的にこちらの緊張簡易診断で自己チェックしておくことをお勧めしています。

緊張の原理

緊張は神経が作る

私たちの体には、副交感神経と交感神経があります。それぞれ以下の作用があります。
副交感神経と交感神経

緊張状態では交感神経副交感神経よりも活発に活動しています。交感神経が活発な時間が続くと、心も身体も緊張状態になります。

リラックスするには、副交感神経に働いてもらう必要があるのです。

緊張する人の特徴,心理面

緊張は個人差が多いのが特徴です。同じ状況でも、交感神経が活性化して、心臓が飛び出そうなぐらい緊張する人もいれば、ケロッと平常心の方もいます。

このような違いはなぜ起こるのでしょうか?心理学,遺伝学の2つの視点から考えていきましょう。

まずは心理面から解説していきます。

人目を気にする

緊張に影響するのは「人目を気にする心理」です。これは緊張を克服する上で、絶対押さえておくべき知識です。

人目を気にする

菅原(1984)は、306名の大学生を対象に、

私的自己意識
公的自己意識

に関する調査を行いました。聞きなれない言葉だと思います。まずは用語の解説をしましょう。

私的自己意識
「自分の内面に注意を向ける傾向」
「自分について考えることが多い」
「自分の心を理解しようとする」

公的自己意識
「他者から見られる自分を意識する」
「人にどう思われているのか気になる」
「他人からの評価を考える」

両者にはこのような違いがあります。この研究では「対人緊張で緊張する悩み」との関係が調べられています。結果は以下の通りです。

まずは、私的自己意識との関係から見ていきましょう。

緊張しないコツ

一方で、私的自己意識との間にはほとんど相関関係がないという結果になりました。私的自己意識が強い人は、緊張することが少ないと言えます。

 

この表を見ると、対人関係で緊張する悩みと公的自己意識との間には、.36と弱い相関があることが分かります。

今回の研究から緊張を改善するには「私的自己意識」を増やす必要があると言えます。これは重要事項なので必ず抑えておきましょう。

思考の偏り

緊張しやすい人は、思考の歪みがあることが多いです。皆さんは以下の考えに思い当たる節はありませんか。
「緊張すると馬鹿にされる」
「顔が赤くなると嫌われる」
「失敗は許されない!」
もし上記のように極端な考えがある場合は、緊張しやすくなるので注意が必要です。

思考の歪み,緊張

目標設定の誤り

またよく見られるのが、目標設定の誤りです。緊張しやすい人は、ハードルを高く持つためにリラックスできません。例えば、


「一度も噛んではいけない」
という目標


「とりあえず人前に立てればOk」
という目標

どちらが緊張しやすそうでしょうか。答えを言うまでもありませんね。緊張しやすい人は目標設定を改善する必要があります。

目標設定,緊張

*講師の視点 「人の目を気にする」「思考の歪み」「目標設定の誤り」は入門②~④で解説します。当てはまると感じる方は是非、チャレンジしてみてくださいね。

緊張と遺伝子

次に遺伝と緊張について考えていきましょう。

日本人は緊張遺伝子を持つ

ヴェルツバーグ大学精神医学部のピーターレッツ博士(1996)は遺伝子には2つの種類があると主張しています。

「S遺伝子」
不安、神経質になりやすい遺伝子

「L遺伝子」
楽観的。ポジティブになりやすい遺伝子

センら(2004)は、日本とアメリカの人たちのS遺伝子とL遺伝子の割合を調べました。

日本はSS型とSL型に分類される人の割合が多く、その割合は世界でも最高水準に位置づけられるようです。緊張は日本人にとって良くも悪くも身近な気質なようですね。

遺伝子,緊張

*講師の視点 遺伝の影響については、直接変えることが残念ながらできません。そこで、「受け入れる」という選択肢が大事になってきます。入門⑤で詳しく解説します。

緊張を和らげるほぐす5つの方法

ここからは緊張をほぐす方法を考えていきます。入門としては以下の4つの手法を紹介します♪

入門② 「公的→私的」意識変化法
入門③ 思考の偏り修正,認知療法
入門④ スモールステップ目標設定
入門⑤ 緊張受け入れ法

1日で読み切るのは大変だと思います。ブックマークして少しずつ学習してみてくださいね。

緊張ほぐす

入門② 公的→私的自己意識変化法

入門①でもお伝えしましたが、緊張しやすい人はとにかく周りの人を気にする傾向があります。緊張をほぐすには、「私的自己意識」を増やす必要があるのです。

例えば、
「嫌われないように話そう」
と相手を意識するのではなく

「昨日あった楽しい話をしよう」
と自分自身に意識を集中させて話すのです。

自分の話に集中すると、緊張は自然とほぐれていきます。まずは入門②で緊張緩和の基本的な手法を抑えてみてください。

入門②緊張ほぐす作戦,私的自己意識を高める方法

私的自己意識できんちょう緩和

入門③ 思考の偏り修正,認知療法

緊張は「考え方」の影響をうけます。例えば、100人の前で発表する

という状況があったときに皆さんはどう考えますか?もし

脅威(T_T)、失敗しそう(T_T)

このように考えたとしたら緊張や不安に繋がりそうですね。

これに対して以下の考えを追加してみたらいかがえしょうか

なるようになるさ
失敗してもOk♪
緊張するのは自然なこと!

と考えれば緊張は改善できそうですね。このように「緊張」を改善するには、考え方を追加してみるのが吉です。認知療法の詳しい解説は、以下からご覧ください。
入門③緊張しない方法‐認知の歪みを見直そう

きんちょう

入門④スモールステップ目標

目標があまりにも高すぎると、目標がプレッシャーとなり緊張を高めてしまうことがあります。自分にちょうど良い目標をもって、適度な緊張で取り組む事が大切です。

本番で思った様に実力が出せない…と思っている方は入門④のスモールステップ目標設定法にチャレンジしてみましょう。
 
入門④緊張しない方法!プレシャー軽減は目標設定がカギ

スモールステップでほぐす

入門⑤緊張受け入れ法

緊張は遺伝の影響があることをお伝えしました。元々私たちにDNAレベルで組み込まれた性質なので、ある程度は受け入れなくてはなりません。

特に「緊張してはいけない!」と考えると、緊張は悪化するだけです。これは神経症の治療で有名な森田療法の考え方で「精神交互作用」「精神の拮抗作用」が影響しています。

入門⑤では緊張を自然な事として受入れて、うまく付き合っていく方法をご紹介します。

緊張してはいけない!
ドキドキするには嫌だ!

と考えがちな人は入門⑤をぜひチェックしてみてください。

緊張しない方法‐受け入れ法で本番に強くなる⑤

緊張しない方法を5つ解説

専門機関を利用する

独学で心理を学ぶことに不安がある場合は、専門家の元でしっかり学ぶこともお勧めしています。

私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、緊張の改善、あがり症の改善、メンタルヘルスの向上を目指し、心理学講座を開催しています。体系的に心理学を勉強されたい方のご参加をぜひお待ちしています。

執筆者も講師をしています(^^)
 ・緊張の原理と緩和
 ・認知療法の基礎
 ・マインドフルネス療法
初学者向け心理学教教室を開催しています

緊張をほぐす方法講座の様子


次回は、緊張しない方法の一つ「認知療法」をご紹介します。お楽しみに!(もう少し下に次のコラムボタンがあります)

助け合い掲示板

3件のコメント

コメントを残す

    • 匿名
    • 2019年10月23日 12:40 AM

    緊張しない方法と検索してそれ系のサイトをいくつも見ていたのですがここのがダントツでわかりやすく、大丈夫だという気持ちになれた気がします、ありがとう!

    返信する
    • 匿名
    • 2019年5月24日 10:44 PM

    すみません、診断するというボタンを押しても無反応なのですが、こちらは仕様でしょうか?

    返信する
    • けいぷー
    • 2019年3月20日 1:10 PM

    緊張の原因をデータで説明されていたのが面白かったです。
    何だかストンと理解できました。
    日本人は緊張する運命だっただったとは!(笑)

    頭が真っ白になってしまい頭がフリーズ場合でも、コラムにある対処法で改善んできますか。友人の結婚式でのスピーチの失敗が、結構トラウマです。まあ我が人生そんなことばかりですけど。

    返信する

コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・Klaus – Peter Lesch et al.’s (1996) Association of Anxiety-Related Traits with a Polymorphism in the Serotonin Transporter Gene Regulatory Region. Science, New Series, Vol. 274
・Sen S, et al.’s (2004) Meta-analysis of the association between a serotonin transporter promotor polymorphism (5-HTTLPR) and anxiety-related personality traits. Am J Med Genest
・対人ストレス過程の検証 加藤 司 教育心理学研究49(3),295-304,2001-09-30
・認知行動療法(坂野雄二 日本評論社,1995)
・心理臨床大事典〔改訂版〕(氏原 寛,亀口 憲治,成田 善弘,東山 紘久,山中 康裕 共編 培風館,1992)
・ストレスにより惹起される心身症の病態モデル: ストレス動物の症状と病態
米田良三, 秦多惠子, 大澤仲昭 – 心身医学, 2013
・菅原 健介(1984)自意識尺度(self-consciousness scale)日本語版作成の試み. 心理学研究, 55(3), 184-188.