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SNS疲れを改善する方法‐診断もあり

SNS疲れの原因と対策-精神保健福祉士が解説

みなさんはじめまして!社会心理学の専門家・精神保健福祉士の川島です。私は社会心理学の大学院で、成人のコミュニケーションについて研究をしてきました。現在では成人向けのコミュニケーション講座の講師として活動しています。今回は「SNS疲れ」について解説していきます!

  • SNSの問題と深刻性
  • 社交性が高まるメリットも
  • SNS疲れのデメリット
  • 依存症の特徴と問題
  • 診断・チェック
  • SNS疲れを緩和する3つの方法

SNSの問題・深刻性

ソーシャルメディア(SNS)は、世の中にすっかり定着し今や日常生活に欠かせないツールになっています。しかし、楽しむために始めたはずのSNSが

「以前の様にSNSを楽しめない…」
「SNSに疲れた…」
「SNSの事を考えると気が重い…」

など、SNSに「疲れ」を感じる人が多くなっています。みなさんはSNS疲れに陥っていませんか。

SNS疲れは放置すると孤独感を強めることもあるSNSは現実世界との相互ツールとしての役割もあるため、SNS疲れを感じながら続けている方も多いと聞きます。しかし、放置すると、依存症状が出たり、孤独感を強めてしまう可能性もあるためしっかり対策しておく必要があります。

メリットとは?

まずは、SNSのメリットを考えていきましょう。動画での解説もあります。テキストがお好みの方はそのまま飛ばして読み進めてください。

SNSのメリットは、
・遠くにいる友達とコミュニケーション
・長い間連絡しなかった友人と再会できる
・同じ趣味をもった人と出会える
・知らない分人の考え方に触れる
・地位の違う人の考え方を知る

等、「コミュ力UP」の効果が期待できると考えられます。実際に、河合ら(2011)の研究では、「SNSのメリット、デメリット」について調査が行われています。日本最大級のSNSである「SNS X」のユーザー約1500万人に対してアンケート調査を行いました。そのうち、71,926ユーザーからの回答があり、以下のようなメリットがあることが分かったのです。

 

最も大きなメリットは「人との交流」です。現実に顔合わせなくとも他者とつながることができるSNSの特徴を考えればうなづけるところでしょう。しかし、少し意外なのは、現実のコミュ力も上がることです。ネット上のコミュニケーションにハマっている人は、現実ではおとなしいイメージを持たれがちですが、実際には社交性が高まっているのです。

文字はもちろん写真や動画も送付する事ができるため、リアルな情報をより手軽でスピーディーにやり取りすることができます。その他、SNSは現実世界ではなかなか得られない人間関係や情報の広がりを作ってくれるため、SNSは日常生活に欠かせないコミュニケーションツールといえますね。

SNS疲れ‐問題点とは?

次にデメリットについてみていきましょう。動画での解説もあります。テキストがお好みの方はそのまま飛ばして読み進めてください。SNSは効率よく他人コミュニケーション取るためには非常に便利なツールですが、酷使すると心身ともに疲弊してしまうことが分かっています。具体的には①身体的リスク、②時間の浪費、③依存症リスクです。

1.身体的リスク
河合ら(2011)の同研究では、SNSには以下のような問題があることが分かっています。調査の結果、以下のグラフのようなデメリットがあることが確認できました。「視力の低下」や「睡眠不足」など身体的な問題を悪化させるリスクがあることが分かりますね。

朝から昼間にかけての時間は学校や会社にいる人がほとんどなため、SNSの利用は主に「夜間」であると考えられます。ネット上でのコミュニケーションが盛り上がると、やり取りが深夜まで続いてしまい、結果として睡眠時間は大幅に削られてしまいます。

睡眠は、「身体的な健康」や「精神の安定」に強く関係しますので、このような生活を長く続けると心も体も不健康になってしまいます。最悪の場合、身体の炎症から様々な不調が起きたり、うつ病を発症するなど深刻化する可能性があるため、注意が必要です。

2.時間の浪費
SNSのデメリットは身体的なリスクだけにとどまらず、「将来のために使う時間」や「趣味の時間」などの大切な時間を失うことも念頭に置かなくてはなりません。以下のグラフはSNSによって「どんな時間を犠牲にしたか?」を調べたものです。

ネット上でのコミュニケーションは「楽しい」ものですが、一方で「勉強」「趣味」「仕事」などやるべきことに手を付ける時間が少なくなってしまいます。その結果、インターネット上では友達が多いものの、人生に充実感がない、仕事や勉強がうまくいかないといった副作用が現れてしまうのです。

このように、SNS疲れには健康に害を与えたり、時間を浪費してしまうことが問題だと言えます。依存せずに、必要に応じて活用する必要があるかもしれません。

3.依存症リスク

日常生活に欠かせないSNSですが、SNS上の人間関係に傾倒しすぎてしまうと、依存症のリスクが増します。SNS依存とは「SNSを利用したい気持ちを自分の意思でコントロールできない状態」
の事です。

・SNS依存がトップ

SNSなどのコミュニケーションに関する依存度は、特に高いことが分かっています。下記はスマートホン保有者のインターネット利用目的の中で、高い依存傾向がある率を示したグラフです。SNSの利用は、他の利用目的と比較して依存傾向の高い人が多いことが分かります。SNSの利用に関して依存傾向が高い事を示すグラフ・女性がなりやすい

総務省・安心ネットづくり協議会(平成23年)は、インターネットと依存との関係について、携帯電話向けサービスの利用者を対象に、依存傾向について調査を行いました。

SNS疲れが強いのは女性が多い

厳し目の基準で依存
3.8%
緩やかな基準で依存
11.0%
性別でみると男性よりも女性の依存傾向が強い結果となりました。

SNS疲れは自覚が遅れる

別の研究でも、依存症はさまざまな問題が表面化するにもかかわらず「自覚がない」というのも大きな特徴として挙げられています。片山(2016)らは、大学生138名にSNSなど「インターネット依存傾向と健康度および生活習慣と関連性」の研究を行いました。

この研究では、「インターネット依存の傾向があるにも関わらず、自覚がないケースがあり、依存傾向を自覚していても、依存しつづけてしまう傾向にある」ことがわかりました。依存傾向を放置すると、症状を進行させてしまうため注意が必要です。

 

SNSへの依存は孤独感を強める

SNS疲れ簡易診断 

現在の自分の状況を把握したい方はこちらの診断をご利用ください。症状が重たいか軽いかによって、対応が異なりますので、一度診断してみることをお勧めします。
SNS疲れ診断とチェック!②

 

SNS疲れを緩和する方法

依存症状は波があることが多いため、家族など周囲がSNS依存と捉えることができず、症状を悪化させてしまうケースがあります。特にスマートフォンなどで行う機会が多いため、周囲の目が行き届きにくくなります。

SNSに疲れを感じたり、利用に関して気になることがあれば、早めに対策することが依存症の回避につながります。ここからは、SNS疲れを緩和するための「上手な付き合い方」を3つご紹介します。

1:マイナスとプラスを知ろう

SNS疲れの症状は、特に真面目な人に出やすい傾向があります。SNSへのアクセスに義務感を覚えたり、ネット上の人間関係に気遣いをするなど、心身共に疲れてしまいます。

まずは、自分の状況を客観的に捉えて「SNSに疲れている自分」に気付くことからはじめます。そして、利用することで「失うもの」「得るもの」を紙に書きだし、どれぐらいの利用なら自分にとって「バランスが良いか」を考えましょう。

自分の状況について冷静に考えることで、適切な利用方法が見えてきます。

SNS疲れの対策を心理学の専門家が解説しています

例えば
「失うもの」
・家族との会話
・友人と遊ぶ時間
・趣味の時間
・健康

「得るもの」
・新しい出会い
・タイムリーな情報
・友人の状況がすぐにわかる

「バランス」
・平日…SNSは1日2~3時間
・休日…家族や友人と過ごす・趣味の時間を優先

自分が納得できるバランスで決めましょう。

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2:ルールを作る

SNSに疲れている状況に気付けたら、利用制限のルールを決めて回復を目指しましょう。ポイントは、自分にとって無理がない「具体的なルール」にすることです。しっかり守っていくことで自分にとってバランスの良いSNS利用ができます。

時間や場所の制限でSNS疲れに対策をする例えば
「時間の制限」
・23時以降は使わない
・1日1時間以内にする
・土日、祝日は使わない

「場所の制限」
・移動時間のみ
・塾にはもっていかない
・会社ではロッカーにしまう

また、SNSでの投稿に「即座に返信(即レス)しない」という利用制限もオススメのルールです。相手に「即レスしない人」というイメージをもってもらうのも、自分が楽しむために必要です。

即レス癖のある方は
「2~3時間程度で返信する」
など、自分にとって無理のない制限ではじめてみましょう。

3:ハマれるものを探す

家族や近隣の人とあいさつをしたり、会話をするなど現実世界でのコミュニケーションを増やすことは、SNSへの傾倒を減らすことにつながります。可能ならカフェや飲み屋、地域のボランティア活動など、継続して関われるコミュニティに所属することができると、安定したメンタルヘルスを保つことができます。

特に、健康的でハマることができるコミュニティに所属するのはオススメですね。

例えば、
・ヨガ
・サッカーサークル
・楽器演奏
・ジム  など

現実世界でのコミュニケーション機会を増やすことを意識して、SNSに傾倒しない場所づくりをしていきましょう。

SNSはほどほどに、孤独感を強めない方法

SNS疲れは早めの解消を心がけよう

SNSのメリット、傾倒することの問題、上手に付き合っていくポイントを解説しました。いかがでしたか。SNSの改善には時間がかかるかもしれません。しかし、ゆっくりでもしっかり対処していけば必ず回復が目指せます。自分なりのルールを決めてじっくり対処してSNS疲れを緩和していきましょう。

★3つ対策でSNS疲れを緩和!現実世界とSNSはバランスが大切

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
河井大介(2014).ソーシャルメディア・パラドクス―ソーシャルメディア利用は友人関係を抑制し精神的健康を悪化させるか社会情報学, 3, 31-46
片山友子 水野(松本)由子 (2016) 大学生のインターネット依存傾向と健康度および生活習慣との関係性 総合健診 2016年43巻6号,9-15
総務省 平成26年版 情報通信白書 第1部 特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト, 第3節 安心・安全なインターネット利用環境の構築
河井ら(2011)SNS依存とSNS利用実態 日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 26(0), 265-270, 2011