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人見知りとは?原因,治す方法,診断

人見知りとは?原因,治す方法,診断

皆さんこんにちは!公認心理師の川島です。
今回のテーマは
「人見知り」
です。

  • 全体の目次
  • 人見知りとは何か?
  • 2つのパターン
  • 人見知りに関する研究
  • 診断とチェック
  • 上手く付き合う方法6つ

はじめに

・会話をするとき凄く緊張する
・初対面の会話で逃げたくなる
・体が震えたり、赤面する

あなたはこのようなお悩みをお持ちではないですか。実は講師の私自身、実は人見知りをこじらせてしまい、社交不安障害になったことがあります。

私たちは人見知りとどうやって付き合っていけばいいのでしょうか?当コラムでしっかり解説していきます。人見知りで悩む方は是非最後までご一読ください。

人見知り 克服

人見知りとは何か?

そもそも、人見知りとは心理学的にどのような意味で用いられるのでしょうか。心理学辞典(1999)において人見知りは以下のように定義されています。

見知らぬ人に対する恐怖,不安

人見知りはもともと、見知らぬ人に恐怖を覚える乳児に対して用いられる言葉でした。最近では、大人も含め、知らない人に対して積極的になれない状態を表す言葉として認知されています。

私たちは社会に出ると、新しい人と出会う場面があります。入社、入学、クラス替え…。この時、人見知りがあると、緊張しやすく、またコミュニケーション場面を回避してしまうのです。

人見知り2パターン

心理学の世界で人見知りは以下の2つがあることがわかっています。

1.恐怖型
2.自意型

それぞれ性質が異なるので基礎として抑えておきましょう。

恐怖型

恐怖型は幼少期から見られる、面識のない人との間に体験される不安反応です。

以下は一例です。

・子どもがお母さんの後ろに隠れる
・小さな頃から人見知りだった…
・幼い頃から警戒心が強かった

このように、小さな頃から見知らぬ人に対して怖いという感覚が強かった方は、もともと恐怖型の人見知りと考えられます。

日比野(1977)の研究では、乳幼児の人見知りと個体識別について調査を行っています。実験では、満10ヶ月の乳児43名を対象に、質問紙を用いて調査を行っています。

そして参加者を人見知りの強度により

1.人見知りが激しいグループ
2.人見知りが中程度のグループ
3.人見知りしないグループ

の3つ群に分けて調べました。以下の図は、それぞれのグループの人数とパーセンテージを表したものです。

人見知り 調査

上記のように、約80%が中程度~激しい人見知りを経験することがわかります。当研究では、人見知りがスタートする時期についても調査が行われました。

その結果、平均的には7~8か月で現れることがことが多いことがわかっています。1歳になる前から知らない人を怖がるようになるのです。恐怖シャイネスはごくごく自然なことであると言えそうです。

 

自意識型

自意識型は他人からの評価が気になる、公の場や目立ってしまう状況で体験されます。

つまり、周りの視線が気になる心性から起こるシャイネスです。10代から急激に大きくなることが分かっています。

以下は自意識型の一例です。

・飲み会で会話できない・・・
・どぎまぎすると恥ずかしい思われる…
・好きな人だと緊張する・・・
・人前で話せる自信がない・・・

自意識型は10代から増えていきます。小学生の頃は自由闊達だったけど、中学生ぐらいから人が怖くなって来たという方は、自意識型に当てはまりそうです。

一方で自意識シャイネスは10代から急激に増えてきます。幼少期は社交的だったのに、10代になったとたん人見知りになってしまう方は、自意識シャイネスが活性化していると考えられます。

日常生活に支障が出るほどに大きくなると「社交不安症」と診断されることもあります。社交不安症を発症した人の約75%が15歳以下で発症しています(図1)。

社交不安障害

図1. 社交不安障害の発症年齢(DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアルより、一部改変)

社交不安症の特徴は、発症年齢と相談に訪れた年齢に差があることです。発症は15歳までが一般的であるにも関わらず、悩みを打ち明けることができないのです。

ましては15歳以下の人が「人見知り」という悩みで専門機関に通っている姿は想像しにくいでしょう。

ある研究では、発症年齢と10年以上ずれた30代半ばで医療機関や心理カウンセリングを行っている機関を訪れる傾向が見られることが分かっています。

このような相談の遅延が症状を悪化させる要因にもなると言えます。

 

人見知りに関する研究

人見知りに関する研究はこれまで盛んになされてきました。以下折りたたんで記載をしたので、興味があるタイトルを展開してみてください。

石田(1998年)は、大学へ入学して8か月経過した新入生を対象に人見知りに関する研究を行いました。まずは女性のテスト結果から見ていきましょう。

人見知り 比較

女性の場合、シャイな人とシャイでない人との図の大きさは小さな差になっています。つまり女性にとってシャイ傾向は、相手を好きになったり、好かれたりといったことにあまり影響しないと言えます。

一方、男性の場合はどうでしょうか。男性の結果は以下の通りです。シャイな男性親密性のテスト結果

男性の場合、シャイな人とシャイでない人とに親密性で大きな差が出ていることが分かります。男性は好かれたり、好きになったりする場合に、シャイ傾向の大きさが重要な基準となるのです。

こうした男女差は、文化的な違いも大きく影響していると考えられます。

女性の場合は人見知りは奥ゆかしさや、かわいらしさとして見られることがあります。一方で、男性の場合は、自信がないとみられてしまうこともあります。

このような文化的なとらえ方が劣等感に結びついて、対人関係での自信のなさにつながっている側面がありそうです。筆者の川島も人見知である自分を随分せめていました。

人見知りのように周囲からの視線に意識が向いてしまうことを「公的自己意識」呼びます。「公的自己意識」が過剰になると、対人不安が起こりやすいと考えられています。

キム(2005)の研究では、522名を対象に「公的自己意識がメンタルへルスにどんな影響を与えるか?」について調査を行っています。

対人不安と公的自己意識

その結果、上記の図のように公的自己意識は「対人不安」に影響することが分かりました。周りの目を意識しすぎると、人との関わりが怖くなったり、自己主張が難しくなってしまうのですね。

毎回変わる評価に付きあっていては、不安に常に付きまとわれることになります。もちろん、ある程度は公的自己意識は必要ですが、常時周りの目を気にしている場合は注意が必要です。

齋藤(2009)は、大学生474名に対して、対人恐怖心性について調査を行いました。その結果、完璧主義傾向が強い、失敗を過剰に恐れる人は、

「集団にとけこめない」
「人間関係の当惑」

があることがわかりました。つまり、人見知りになりやすいということです。

失敗過敏と人見知り

上記の図の数字は相関係数と呼ばれるものです。簡単に説明すると、AとBはどれぐらい関わりがあるかという数字です。心理学的には0.4~0.6の数値はある程度関連していると解釈していきます。

人見知り傾向が強い方は「失敗はダメだ」「嫌われたくない」と意識するあまり、ますます人見知りを増幅されている可能性もあります。

人見知りの原因としては、もともと緊張しやすい遺伝子を持っていることが挙げられます。あなたは以下のような経験をしたことがありませんか?

・初対面の人と上手く話せない
・大会の前にお腹が痛くなる

・好きな人ほど緊張して話せない

こうした感覚は、一般的に緊張と呼ばれています。日本人は生まれつき緊張しやすいという研究があります。

私たちが感じる緊張にはS遺伝子とL遺伝子の働きに左右されます。ヴェルツバーグ大学精神医学部のピーターレッツ博士(1996)は、それぞれの遺伝子について以下のように報告しています。

「S遺伝子」
心身の安定に必要な「脳内伝達物質・セロトニン」の分泌に影響を及ぼす。

「L遺伝子」
S遺伝子とは対極にあり、緊張しない遺伝子という性質があるのです。

さらにS遺伝子とL遺伝子の割合で人間は、

SS型・・・緊張や不安になりやすい
SL型・・・緊張や不安は中程度
LL型・・・緊張や不安に強い

の3つに分けられます。SS型が最も人見知りになりやすいタイプであり、LL型の人たちはプレッシャーや不安に強く、外向的な人が多いです。

センら(2004)は、日本とアメリカの人たちのS遺伝子とL遺伝子の割合を調べました。

遺伝子と人見知り

こ日本はSS型とSL型に分類される人の割合が多く、その割合は世界でも最高水準に位置づけられることが、多くの研究や調査で示されています。

人見知りは私たち日本人からすれば身近な気質なのですね。

 

 

診断とチェック

ここからは、人見知りとうまく付き合う方法を提案させて頂きます。成果を把握するために定期的に以下の診断でチェックされることをオススメします。

人見知りな気質とどう付き合うか

ここからは人見知りとうまく付き合う方法を6つ提案させて頂きます。

・全体の指針を理解
・他人の目よりも自分の気持ち
・ミスよりも成功イメージを
・リラックス法で緊張を和らげる
・森田療法であるがままに
・人見知りを受けれいる

気になる項目がありましたらリンク先をクリックしてみてください。

全体の指針を理解

人見知りは、

後天的な影響で
改善がしやすい領域

遺伝的に決まっていて
改善が難しい領域

に分けられます。

人見知りを100%治そうとするのではなく、改善できる部分は改善する。一方で、自分自身のある程度、気質として受け入れていく姿勢も大事になってきます。まずはこの2点を抑えておきましょう。

他人の目よりも自分の気持ち

人見知りな性格の原因は、公的自己意識が過剰であることが挙げられます。公的自己意識とは、

・失礼な言葉遣いになっていないか
・自分の容姿はおかしくないかな

といった周りの目を気にする自意識です。

人見知りを改善するには、他人の目が気になる・・・という心理から自分の気持ちに集中する意識を強くするのが改善のコツとなります。

いつも周りが気になる…という方は以下のコラムをぜひ参考にしてみてください。
人の目が気になる!を改善する方法

ミスよりも成功イメージを

人見知りな人の多くは、

「絶対にミスしてはならない!」

という思考に囚われています。その結果、人間関係でのミスを恐れ、人とのコミュニケーションを避けてしまいます。すると、

1.コミュニケーションを避ける
2.人への苦手意識が強まる
3.さらに人見知りになる
4.さらにコミュニケーションを避ける

という負のループに陥ってしまいます。

失敗が怖くて仕方がない…という傾向がある方は下記ご覧ください。
失敗が怖い…を改善する方法

 

リラックス法で緊張を和らげる

人見知りなコミュニケーション場面で緊張しやすい傾向にあります。極度に緊張してしまうことで、自己嫌悪に陥ってしまい、さらに人見知りなってしまうことがあります。

緊張をほぐすことができれば、

・堂々と会話ができる
・初対面でも話せる
・自分をさらけ出せる

など人見知りを軽減することができます。いつも人前で緊張してしまう…という方は、リラックス法や考え方の追加を行うことで緊張と上手く付き合うことができるようになります。

人見知りで緊張しやすい方は下記を参照ください。
緊張をほぐす方法

森田療法であるがままに

森田療法という心理療法を聞いたことはありますか?森田療法の根本には

”あるがまま”

という哲学があります。あるがままとは、気分や症状は起こるままに受け入れ、しなければならないことに集中する意味です。

「恐怖に突入せよ」
「人見知りのままでOK」
「不安を無理に抑えない」
「自然体であれ」

これが森田の根本的な考え方になります。恐怖から対人場面を避けてしまう…という方は、森田療法を実践することで恐怖を感じつつも、行動できるようになります。

森田療法をより深く知りたい方は下記をご覧ください。
森田療法の基礎

自己受容を大事にしよう

人見知りはある程度は遺伝の影響があると考えるのが基本です。遺伝の影響であるということは、あなたが人とあってしたり、不安になるのは、脳や体の仕組みとしてそうなっているのです。

そのため、ある程度は努力で改善できますが、そのうち限界が来ます。人見知りは人見知りとして自分を受け入れて、うまく付き合っていく態度もとても大事になります。

そうは言ってもなかなか自分を受け入れられない…という方は下記をご覧ください。
自己受容コラム

まとめとお知らせ

まとめ

ここまで見てきたように、人見知りを克服するには「遺伝的な部分は受け入れ、努力で改善できる部分はしっかり対処していく」ことがポイントです。

人見知りだからこそ発揮できる能力もあるはずです。人見知りを頭ごなしに否定するのではなく、あるがままな自分を認めていきましょう。その上で、人見知りへの改善に取り組むことが大切です。

人見知りと上手く付き合えるようになると、

・人間関係を広げられる
・第一印象がUP!
・自信をもって話せる

など、人生の様々な状況でプラスに働きます!自分からに人と関わることができれば、あなたの毎日はきっと大きく変わります!応援しています♪

講座のお知らせ

もし公認心理師,精神保健福祉士など専門家の元でしっかり心理学を学習したい方場合は、私たちが開催しているコミュニケーション講座をオススメしています。講座では

・心理療法の基礎
・緊張をほぐす方法
・暖かい人間関係を築くコツ
・自分を受け入れる練習

などを学習します。興味がある方はお知らせをクリックして頂けると幸いです。是非お待ちしています。

人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 公認心理師
  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
Buss, A. H. (1984). A conception of shyness. Avoiding communication: Shyness, reticence, and communication apprehension, 39-49.
Eggum Wilkens, N. D., Lemery Chalfant, K., Aksan, N., & Goldsmith, H. H. (2015). Self conscious shyness: Growth during toddlerhood, strong role of genetics, and no prediction from fearful shyness. Infancy, 20(2), 160-188.
Sen S, et al.’s (2004) Meta-analysis of the association between a serotonin transporter promotor polymorphism (5-HTTLPR) and anxiety-related personality traits. Am J Med Genest
中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
自己志向的完全主義の特徴 : 精神的不健康に関する諸特性との関連から 2009 齋藤, 路子; 今野, 裕之; 沢崎, 達夫 対人社会心理学研究. 9 P.91-P.100
キム(2005)韓国と日本の大学生における対人不安と同一性,公的自己意識,相互依存的自己との関係 
パーソナリティ研究 14(1), 42-53, 日本パーソナリティ心理学会
252 乳児期における人見知りについて : 個体識別の認知との関連で(発達7,口頭発表) 日本教育心理学会総会発表論文集 19(0), 172-173, 1977
日本精神神経学会 監修 (2014) DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
石田靖彦 (1998) 「友人関係の親密化に及ぼすシャイネスの影響と孤独感」. 社会心理学研究 , 14 (1) , 43-52.