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ジョハリの窓の使い方!

ジョハリの窓の使い方!円滑な心理学でコミュニケーションを①

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「ジョハリの窓」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • ジョハリの窓の歴史
  • ジョハリの窓とは?
  • 明るい窓
  • 盲目の窓
  • 隠された窓
  • 未知の窓
  • 自己診断・チェック
  • ジョハリの窓ゲームのやり方

それでは早速、ジョハリの窓の基礎から解説させて頂きます。

ジョハリの窓とは何か?意味と定義

ジョハリの窓は、1955年にサンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフト (1916–2014)とハリー・インカム(1916–1995)によって提出された歴史あるフレームワークの1つです。

ジョハリの窓は以下のように定義されています。

・心理学辞典
「個人間の開示的なコミュニケーションの程度を評価するために用いられるモデル。コミュニケーションを行う自分と他者という次元と、情報を知っているか知らないかに関する次元を組み合わせた4つの領域から構成される。

(a)開放(open)の窓は、
自分にも他人にも知られている自己の情報を含む。
(b)盲点(blind)の窓は、
他人にしかしられていない自己の情報を含む。
(c)隠ぺい(hidden)の窓は、
自分しか知らない自己の情報を含む。
(d)未知(unknown)の窓は、
自分も他人も知らない自己の情報を含む。

この目標は、自分も他人も知っている自己の情報を増やすことである。」

ジョハリの窓の目的?

ジョハリの窓の目的はずばり、「スムーズなコミュニケーション」です。ジョハリの窓を学習すると、なぜコミュニケーションに行き違いが生じるのか?を端的に理解することができます。

ジョハリの窓では「自己」を4つの窓に分類してそれぞれのバランスを考えていきます。まずは以下の図をご覧ください。

周囲の人が、知っているOR知らない
自分自身が、知っているOR知らない
で分類し4つの窓でコミュニケーションを考えていきます。以下それぞれ考えていきましょう。

1.明るい窓:「公開された自己(open self)」

自己開示や他人から評価を受ける、また誰も知らない自分の特徴に気づくことで、この窓を広げることができる。

長所
・自己理解が進み積極的に自己開示を行う
・裏表のないコミュニケーション
・情報を開示しているので信頼されやすい
・他人から見た自分を理解しているので暴言を吐かない

短所
・個人情報の開示に無頓着
・人気者だからこそ、ひがまれることがある

 

2.隠された窓:「隠された自己(hidden self)」


自分を隠すほどこの窓が広がり、
明るい窓が狭くなっていく。

長所
・個人情報や守秘義務が守られる
・相手を傷つけることがない

短所
・自己理解が深まらない
・コミュニケーションで誤解が増える
・自分の殻に閉じこもり成長できない

 

3.盲目の窓:「自分では気が付いていないが、他人からは見られている自己」(blind self)


この窓が大きいほど自覚していない部分が多くあり、
それを受け入れることで明るい窓を広げることができる。

長所
・新しい視点やアイデアが見つかる
・自己理解を深めるための原動力になる

短所
・自分自身がわからなくなる
・小さな選択でも迷うようになる
・信念が薄れていく

4.未知の窓:「誰からもまだ知られていない自己」(unknown self)


自分についてまだ誰も知らない新しい気づきを得ることで、
隠された窓、明るい窓を広げることができる。

長所
・新しい発見、気づきが得られる
・自己理解への原動力になる

短所
・自分が自分でないような感覚になる
・自信が持てなくなる
・知識や経験が少ない

 

初対面や人間関係が浅い場合は、②盲目の窓③隠された窓④未知の窓が開かれているケースが多いです。相手とのコミュニケーションが深まることで、①明るい窓がオープンになっていきます。

診断!自分の状態を知ろう

それでは、ここで自分の状態を知るためにジョハリの窓診断を行っていきましょう。以下の質問に答えて自分がどの窓が広いか考えてみましょう。

さて、それぞれの合計点が出たら、いよいよ窓を書いていきます。まずは、紙とペンを用意して、長方形を書いてください。

次に左上を「5」とし、左下を「20」として、最初の5問の合計点の位置から線を引いていきます。ここでは、例として中間ぐらいの13点で書いていきます。

そして、今度は右上を「20」として、残りの5問の合計点のラインから線を引いていきます。ここで、中間ぐぐらいの「13」で引いてました。

これで完成になります。この場合だとギリギリ開かれた窓が一番大きいですね。このよう、横に一本、縦に一本を加えてどの窓が大きいか把握してみましょう。

 

コミュニケーション講座について♪

コラム1は折り返し地点です!ここで少しだけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。1人で抱え込まずに、専門家やたくさんの仲間と相談しながら進めていくと、心強いと思います。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したいと感じたら、こちらのコミュニケーション講座のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

ジョハリの窓の効果

ジョハリの窓を学びとどんな効果があるのでしょうか?

新しい自分を発見

伊藤ら(2018)は、「ジョハリの窓による効果」について調査を行っています。80名の中学生を対象とした実験では、自己との対話を促したりファンレターを作成したりするワークシートを用いて、各授業の最後にはふり返りシートにより授業での気付きや自己評価を記述してもらいました。実際に授業でジョハリの窓を使って効果を調べたわけですね。その結果、以下の図のようになりました。

 

これは全授業が終了時に生徒たちにアンケート調査を行った結果です。「新しい自分を発見できた」「自分を表現することができた」のいずれも80%高い数字を出しています。ジョハリの窓は自己理解を深める効果は期待できそうですね。

自己開示の重要性を学習

城(2013)の研究では、自己開示が周りから受け入れている感覚にどのような影響を及ぼすか?について調査を行っています。大学生144名を対象に、質問紙を用いて調べました。その結果は以下の通りです。

 

自己開示が被受容感と正の相関を示していることがわかります。つまり、自分の話をすればするほど周りから受け入れてもらえている感覚が強くなるということですね。自己開示をすることで、ジョハリの窓の「明るい窓」が広がるため、周りも自分のことをよく知っていると感じやすいのかもしれません。

学校や職場でできる!ジョハリの窓ゲーム

ジョハリの窓は学校や職場で相互理解を促進するためにゲームとして実施が可能です。当コラムでは実際のやり方についてお伝えします。

ゲームの狙い

ジョハリの窓ゲームでは他人から見た自分と、自己開示を組み合わせたゲームで、OPENなコミュニケーションを促進するゲームです。ジョハリの窓の最大のポイントは、自覚できていな部分に気づくことと、自己開示をして自分を相手に知ってもらうことです。

自分の主観だけで、自己分析をすると新しい気づきを得ることができません。また、自分の中だけ完結させると、自己開示の量も少なくなってしまい、他人から誤解されることが増えてしまします。そこで、グループや集団を作り、複数の他者からの印象とセルフイメージのズレを認識する機会を得ることが大切です。

「周りからはこんな風に見られているんだ!」という衝撃を得ることが、自己開示や他者理解への行動を促すので、早い段階でジョハリの窓のゲームを経験しておきたいところです。教育関係者の方はぜひご自身の講義、授業に取り入れてみてください。

ゲームの流れ

それでは、ゲームの具体的な流れをご説明しましょう。以下の質問・回答カードを使います。

質問シート (418 ダウンロード)

質問シート(未成年) (329 ダウンロード)

     

かいとうシート (185 ダウンロード)

ダウンロードできるようにしてありますので、適宜お使いください♪

①発表者を決め
3~5人ほどのチームを作り、その中で1人発表者を決めます。

②クイズ出題
机に質問カードを裏にしてランダム混ぜてセットし、
発表者は1枚カードを引きます。

発表者、メンバーはその回答を共に記入しましょう

例「発表者はどんなお仕事をしているでしょうか?」
 * 知っている方はそのまま書きましょう
 * 知らない方は予測します

③回答タイム
 ひとりひとり発表します。同時に理由も告げましょう

④答え合わせ 
 メンバーからの発表が終わったら
 発表者が最後に自己開示をして種明かしをします。

⑤交代タイム
 1人につき5分程度で交代しましょう。

⑥感想・ディスカッション
 最後に全体で感想を話し合って終了です。(^^)

この6つのステップで行っていきます。ジョハリの窓のゲームは、自己開示や他人からみた自分を知るだけではなく、相手の性格を見抜いたり、共感力を高めることにもつながります。楽しみながら、開かれた窓をOPENにしていきましょう。

ジョハリの窓ゲームについてご紹介しました。コミュニケーションで相手に自分の印象を質問するのも効果的ですが、恥ずかしくて聞けない!という状況もあります。そこで、宴会や授業、講義などのシュチェ-ションでゲームとして行うことで、より多くの人からの意見を聞ける環境が作れて一石二鳥です。

自己理解を他者理解を深めることは。円滑なコミュニケーションを取るためにとても大切です。レクリエーションの中で、他人との認識のズレを少なくしていきましょう!

現実場面での活かし方

最後に、ジョハリの窓を実際の生活場面でどのように使えばいいか?考えていきましょう!

1.自己開示を積極的に行う

隠された窓が大きい方は、他人との認識の「ズレ」が広がりやすく、原因としては自己開示の量が少ないことが挙げられます。またコミュニケーションに苦手意識がある人は、相手から質問されても一問一答になりやすいです。そこで、より自己開示の回数を増やしてジョハリの窓の「公開された自己」を広げることが大切です。いつもより話のネタを1つ増やして話すことを意識してみましょう。

とは言え、自分の話を続けるのが難しい!という人も多いでしょう。ただ、自己開示のポイントを抑えることでより多くの情報を相手に伝えることができます。そのポイントは、

・5W1Hを意識する
・自分への感情質問

この2つです。5W1Hとは、

いつ   (When)
どこで  (Where)
誰と   (Who)
何を   (What)
なぜ   (Why)
どうやって(How)

などの観点から話題を具体的に伝えるポイントのことです。この6つの視点を持って話すことで、自己開示の情報量を高めることができます。例えば、「好きな食べ物はラーメンです」だけで終わるのではなく、「好きな食べ物はラーメンです。特に川崎にあるラーメン二郎が大好物です(どこで)」まで話すことができるようになります。

次に「自分への感情質問」ですが、これは情報ではなく感情を相手に伝えるテクニックです。「楽しかったことは?」「嬉しかった部分は?」「凄かったのは?」などの質問を自分に対して行うことで、感じたことを相手に伝えることができます。先ほどのラーメンの例で説明すると、

「ラーメンの二郎が大好物です。(凄かったのは?)ラーメンの二郎の凄いところは、山盛りの麺や具材を食べられることです」

といった感じに、自分の凄いと思ったところを相手に伝えることができます。この2つポイントを意識して練習することでジョハリの窓を使うことができるようになります。

2.他人からの評価をもらう

盲目の窓が大きい方は、知らず知らずに相手に不快感を与えたり、傷つけたりしてしまいます。自己開示と同じぐらい重要なのが、他人から見られている自分を知ることです。ジョハリの窓でいうところの、盲目の窓の情報を集めて明るい窓をオープンにしていきます。

方法はシンプルで、定期的に自分の印象を他人に質問しましょう。より多くの人から意見をもらった方が確実なので、「先生or上司」「家族」「友人」など様々な関係の人に質問すると良いでしょう。

3.新しい自分の気づく

ジョハリの窓の「未知の窓」にある自分の姿を探すことも、自己理解を深めるうえでは重要です。やり方は人の数だけありますが、

・性格診断
・動画で自分を客観視
・新しいこと始める

などの方法が考えられます。自分も他人も気づいていな部分は、新しいことに挑戦することでわかるケースがあります。例えば、「最初は相性が悪い相手だと思っていたけど、話してみたら意外といい人だった」という経験は誰しも1度はあるはずです。

性格診断や動画で自分をチェックすることも、今までやったことが無ければ新しい自分の側面に気づくきっかけになるかもしれません。

 

ジョハリの窓で自分を正確に把握!

ジョハリの窓をコミュニケーションに生かす方法はいかがでしたか。自分の新しい面に気づくことと、自己開示をして正確に自分を把握してもらうことは、円滑なコミュニケーションを送る上でとても大切です。

特に普段から大人しく自己開示をしない人は、「落ち着きがある」「まじめ」という印象を抱かれがちで、本来の自分とギャップを感じてしまうこともあるでしょう。なるべく素の自分をさらけ出すことで、よりオープンに振舞うことができます。

専門家の講義を受けたい方へ

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。ジョハリの窓演習もありますよ♪

みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★ジョハリの窓を活用して円滑なコミュニケーションを

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
・城(2013)大学生の自己開示・ソーシャルサポートが被受容感に及ぼす影響
・伊藤ら(2018)自己の多様性に気づかせる実践授業
・ファンデンボス,G.R.(2013)APA 心理学大辞典 p435