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ムカつく時‐上司や友達への対処法

ムカつく‐上司や姑と話す時


ムカつく上司や友達と会話する時の対処法‐精神保健福祉士が解説①

ムカつく感情のコントロールの方法を専門解説

みなさんはじめまして!社会心理学の専門家川島です。当コラムは「ムカつく!」をテーマに専門家が解説をしています。コラム1ではムカつくという気持ちの理解、コラム2~では具体的なトレーニング方法をお伝えします。しっかりとお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

ムカつく感情は自分を守る感情

皆さんは「ムカつく」ことがありますか?心理学を学習している私でももちろんあります笑。列に割り込んでくる人、仕事で理不尽な要求をしてくる人・・・様々なケースがあると思います。私たちはなぜ「ムカつく」という感情を覚えるのでしょうか。ムカつく感情自体は人間のごく自然な反応の一つで、

自分自身の権利や領域、尊厳を守ろうとしている感情

なのです。ムカつくという感情は防衛反応なので、自分の権利を守るよう、相手に伝え、問題解決せよ!という脳の指令と言い換えてもいいかもしれません。

例えば、待ち合わせに無断で遅刻してきて悪びれない人がいるとしましょう。多くの人は多少なりともムカッと感じると思います。これは自然なことで、「自分の時間を大事にしよう!」という裏返しでもあるのです。そのため、その気持ちをケンカ腰ではなく、紳士的に伝えることは悪いことではないのです。

イラスト:待ち合わせに遅刻されてムカついている男性

しかし、「ムカつく」パワーは強く、コントロールが難しいので、悩みのタネになってしまうことも多いでしょう。怒りをマイナスな方向に表現することで、誤解を生んだり、余計な言葉を投げかけてしまったりと人間関係を悪化させる引き金になるのです。ムカつく感情は自分を守る感情であると共に、非常に扱いにくい感情でもあるのです。

生理学、心理学の分野では怒りについて研究が進んでいます。いくつかの科学的な調査によって、ムカつく感情が制御できない人は健康や人間関係が悪化してしまうことが分かっています。

・怒りっぽさは血圧を上げる

井澤等(2004)は、「敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連」において、怒りと体の反応について研究を行いました。男子大学生20名に対して調査をしたところ、収縮期血圧・拡張期血圧の上昇と突発的なムカつきを表す「短気」が関連を示す結果が得られました。

 

敵意的、短気な人は普段の日常生活でも怒りを感じた時に高い心臓血管反応性を示し、その結果、冠動脈疾患を患う可能性があることが判明しました。

・怒りで抑うつ症状に

筑波大学の渡辺俊太郎(2004)が、「怒り感情が心身の健康に及ぼす影響に関する研究」において、怒りが心理的、生理的にどのような影響を与えるかを調査しました。その結果、怒り持続傾向の高い男性は、副交感神経の低下により、抑うつを発症するリスクが上がることがわかりました。

ムカつく気持ちになり、怒った後は一時的にスッキリするかもしれませんが、どちらかと言えば、人間関係の悪化による後悔であったり、自責の念が大きいと言えます。ムカついた時に、強く主張することで解決できる問題もありますが、ネガティブな結果も招きやすいのです。

・高感情出力で孤立の恐れあり

強すぎる感情表出は、心理学や精神医学の世界で心理的にマイナス要因になりやすいことが分かっています。英語のExpressed Emotionの頭文字をとって「EE」とも呼ばれます。

怒りや暴言のような激しい感情表出がある方を高EEと呼びます。特にアンガーマネジメントができない時に良く見られる傾向です。この高EEが心理的弱者に向けられると、病状が悪化すると言われています。高EEの方の感情表出は以下の2点としてあげられます。

1.批判的表出

「君は本当に物覚えが悪いな!」「やる気がないなら帰れ!「この怠けものめ!」このような敵意的に批判を伴う感情を伝えることを指します。

2.情緒的表出

「私なんていてもいなくても変わらないんだから!」「私のことなんて誰も必要としていないでしょ!」など自暴自棄な発言です。

高EEによって仲間が減って、孤立してしまうこともあるでしょう。特に統合失調症の患者の方は高EEについて細心の注意が払われますが、一般的なビジネスの現場や家庭内でも対策する必要は十分にあります。

イラスト:怒りの感情を出す男性

「ムカつく!」がコントロールできない原因・対処方法

「怒りっぽい性格を治さなきゃ」と思われた方もいらっしゃると思いますが、思考を簡単に変えられない…と感じている方も多いと思います。ここでは、ムカつく感情をうまくコントロールする具体的な手法を3点お伝えします。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

1:ムカつくの根本原因を知る

怒っている自覚がない

自分の怒りをうまく処理できない時は、無自覚に怒りを感じていることがあります。塵も積もれば山となるというように、怒りは小さなイライラが積み重なって、やがて大きな噴火を引き起こしてしまうのです。日々ちょっとした怒りを自覚していないと、知らぬ間にムカつく出来事ばかりに目が行ってしまい、自分の中にため込んでしまいます。些細な事でも敵意的になったり、ストレスフルな状態になってしまうことがあります。

気づく事がファーストステップ

無自覚な怒りが原因の場合、まずは怒りの根源に気づき対処していくことが必要です。小さな怒りに気が付いていないかも・・・と感じる方はコラム②のムカつく感情のコントロール方法を確認しましょう。

2:他人が悪い!という考えを和らげる

結果を他責にする癖がある

「ムカつく!」という気持ちに支配されている時は、結果の責任はすべて他人のせいだと考えてしまうことがあります。原因は他人にあると思い込むことで、怒りが溜まっていき、周りへ不満を抱え込んでしまいます。

柔らかい思考を身に付けよう

当コラムでは、柔軟な考え方を身に付ける「認知療法」という対処法をご紹介します。いつも他人の欠点に目が行ってしまう・・・という方はコラム③の方法でムカつく感情を制御するコツを身につけましょう。

3:深呼吸法で落ち着きを取り戻す

衝動に駆れてしまう

強くムカつくと感じる時は衝動的になっていることがあります。「ムカつく!」という気持ちが先走って、怒りに身を任せていると徐々に言動がエスカレートしていきます。すると、さらに怒りが浮かんできて、相手に発散させるといった負のスパイラルにハマってしまうのです。

呼吸の仕方で改善を

「深呼吸」は気持ちを落ち着かせ、衝動を鎮めてくれます。非常に簡単な方法ですが、やるかやらないかで大きな差が生まれます。ついカッとなって怒ってしまう・・・という方は。コラム④でムカつく感情のコントロール方法を身につけましょう。

イラスト:気持ちをコントロールできている女性

「ムカつく!」をコントロールする3つのポイント

今回は「ムカつく」をテーマにカッとなってしまうことの危険性、原因と対処法について説明していきました。そして怒りをコントロールするコツとして「①ムカつく気持ちを客観視」「②他人が悪い!という考え方を和らげる」「③深呼吸法で落ち着きを取り戻す」の3つの方法をご紹介しました。

とっさの怒りにうまく対処できると、物事を受け入れることが容易になります。どんな出来事にもポジティブな面を見つけることができようになるのです。それによって、人間関係のストレスが解消され、仮にムカつくことがあっても他人に歩み寄ることができます。

このように、ムカつく気持ちをコントロールし、正しく表現していくことは、コミュニケーションや問題解決にプラスに働きます。日常生活でムカつくことあった時は、3つのポイントを実践して、良好な人間関係を保っていきましょう。

★ムカつく気持ちに対処し、柔らかい思考と深呼吸!3つの方法を実践しよう
*出典
井澤修平・長野祐一郎・依田麻子・児玉昌久・野村忍 「敵意性と怒り喚起時の心臓血管反応性の関連」 生理心理学と精神生理学,22(3) 2004
 
渡辺俊太郎 「怒り感情が心身の健康に及ぼす影響に関する研究」 筑波大学 2004



ムカつく人への対処法