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別れの辛い気持ちを乗り越える方法

別れの辛い気持ちを乗り越える方法①

はじめまして!学校心理士・応用心理士の栗本です。私は心理学の大学院を卒業し、カウンセリングや教育相談を行っています。本コラムでは「別れ」について詳しく解説をしていきます。

  • 別れがうつ病のきかっけに
  • 人間関係が不安定なAさん
  • 診断・チェック
  • 乗り越える3つの方法

しっかりと対策をお伝えしたいので全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

早速ですが、みなさんは人間関係などで別れを経験した時に「何も考えられない・・・」・「食事ものどを通らない・・・」となってしまうことはありませんか?

私たちの日常生活の中では、会社や学校、近所づきあいなど、さまざまな人間関係が存在していると思います。こういった人間関係の中で、出会いもありますが、別れもあります。

さまざまな人間関係や出来事の中で「別れを克服できないな」と感じてしまっている時、以下のようなことに思い当たったり、感じたりする人はいませんか?

・心の整理ができないな
・他に考え事ができない
・一人で抱え込んじゃっているな

人は、別れによって喪失感や悲哀感を抱いてしまいます。喪失感や悲哀感をうまく克服していかないと、日常生活に支障をきたしてしまいます。

こういった別れをうまく克服できない人は、心の整理ができていないことや一人で悲しみを抱え込んでしまうこと、別れ以外のことが考えられない状態が続いてしまう傾向にあります。そのため、新しく良好な人間関係を築くチャンスを逃してしまっています。

この別れが克服できることで、新しい出会いに前向きになったり、より良い人間関係を築くことができるでしょう。

このコラムでは、別れを克服できない人向けに、正しい知識を全5回にわたって解説していきたいと思います。

別れがうつ病の引き金に?

みなさんは、別れに克服できないと、どのようなことが起きるかご存知でしょうか。

別れに関連する心理学用語で
対象喪失
という言葉があります。

「対象喪失」とは、強い情動的な結びつき、愛着を感じる存在を失うことを言います。この対象喪失は大きなストレスになり、抑うつ状態になることもあります。人生の中でおとずれる別れも、この対象喪失に含まれます。

では、別れによる対象喪失を経験すると、どのような状態になるのでしょうか?ここで事例を紹介したいと思います。

対象喪失が引き金となって、うつ病を発症した例を大賀ら(1989)が以下のように報告しています(一部編成して掲載)。

13才、女性、発症年令12才、中1。
両親、同胞3人の6人家族。父親は支配的。性格的には不安定で、友達とうまくいかない。慕っていた部活の先輩の引退をきっかけに発症。無気力、無力感を抱える。

別れがうつ病を引き起こした事例の紹介

大賀ら(1989)はこの状況について、
「対象喪失は周囲や自分自身との一体感が揺らいだことによるもので、さらにそれが原因でうつ状態になった」
と報告しています。

対象喪失をしたことで、こういった症状を起こしてしまうと、新しい出会いに前向きになることはおろか、通常の日常生活を送ることさえ大変になってしまいます。

別れをうまく克服して、新しい良好な関係を築きながらも自分自身を大切にできる生活が送れると良いですよね。

ツライ気持ちを克服できないAさん

ここで私がカウンセリングをした例を1つ紹介します。なお守秘義務があるため、事実を大きく変更しています。

Aさん
・大学生時代からの恋人がいる
・社会人になって恋人と一緒にいる時間が減った
・2年間付き合った恋人と別れることになった

それからAさんは以下のような状態になってしまいました。

恋人から別れてからは仕事も手につかず、新しい出会いからも避けてしまいました。別れた相手のことばかり考えてしまい、気持ちの整理ができません。

その後は、ご飯ものどを通らなくなり、心配した両親に連れられ、カウンセリングがはじまりました。

辛い別れを乗り越えた事例を解説カウンセリングは長期化しましたが、コラムで解説していく対策を一緒に考え、続けていきました。

その結果Aさんは、
「別れた時の事ばかり考えていても、繰り返してしまうだけ。自分の気持ちを整理して、一人で抱え込まないようにしないと良い方向には考えられない。これからまた新しい出会いを探していこう。」
と思えるように、別れを前向きに捉えられるようになってきました。

私たちは、人間関係を築き上げていく中で、どうしても別れを経験することがあります。しかし、だからといって人間関係をなくす必要はありません。別れをうまく克服することで、さまざまな人と出会い、自分の世界を広げていきましょう。

乗り越える3つの解決策

それではここで、別れをうまく克服できない問題について、具体的な解決策について考えていきましょう。別れをうまく克服できない原因と解決策は、大きく分けると3つあると考えられます。全部読むのは大変なので、当てはまる項目についてリンク先をチェックしてみてくださいね♪

1.喪失の5段階を意識する

心の整理ができていない
辛い気持ちをうまく克服できない人は「別れた時のことがついさっきのように感じる」、「自分の気持ちがまとまらない」など、別れた時点の状態に気持ちや考えが固まってしまいがちです。

別れはそれほど大きなライフイベントなので、仕方のないことですが、それが極端だった場合には要注意です。こうなってしまうと、いつまでも気持ちが別れた時点の状態に止まってしまって、心の整理をすることができなくなり、克服が難しくなることでしょう。ツライときの心の状態にとらわれずに、ステップアップをしていくことがカギとなります。

喪失の5段階で整理する
喪失の5段階とは、簡単に説明すると別れた時点の状態にとらわれずに、ステップアップをしていく状況を段階的に示したものです。人はどのようにして喪失を克服していくかを5段階で示したものですので、今の自分がどの段階なのか、次はどんな段階なのかを意識することができます。

まずは、日ごろから段階を意識して心の整理をする方法を身につけるトレーニングをしていくいことが大切です。そこで当コラムでは、「心の整理をして別れを克服する方法」について練習問題を交えながらご紹介していきます。別れた時点の状態に止まってるなぁ・・・という方はコラム②をぜひ参考にしてくださいね。

2.認知行動療法で視野を広げる

別れ以外のことが考えられない
別れをうまく克服できない人は、そのこと以外が考えられない傾向にあります。何か失敗した時などにはそのことをよく考えて次回に活かすことはとても良いことです。しかし、それも考えすぎてしまって次の挑戦から回避してしまうと進歩はありません。

人間関係においても、別れの事ばかり考えてしまうと新しい出会いも避けてしまい、人間関係を広げていくことができません。

考えを柔軟にしよう
認知行動療法は簡単に説明すると、固まってしまった考えを柔軟にすることです。固まってしまった考えを否定するのではなく、「他にどんなことがあるだろうか」と視野を広げることです。

認知行動療法を応用して、別れの事に考えが固まってしまった状態から柔軟な考えができる状態にしていきましょう。

そうすることで、別れ以外のことが考え荒れない状態にとらわれることなく、柔軟にものごとが考えられるようになっていきます。他のことが考えられてないなぁという方は、コラム③の解説と練習問題に取り組んでみてください。

3.ソーシャルサポートの活用

一人で悲しみを抱え込む
別れをうまく克服できない人は、人に別れたことが言えずに、なかなか助けを求められなくなる傾向にあります。人は自分一人でなんでも解決しようとすると、どうしても無理をしたり、解決できないことがあります。特に悲しみは一人で克服しようとしてもなかなかうまくいきません。

こういった状態が続いてしまうと、どんどん一人だけで負担を抱えてしまって克服どころではなくなってしまうかもしれません。

周囲のサポートを受けよう!
ソーシャルサポートとは、簡単に説明すると「あなたの周りにある、あなたをサポートしてくれる物や人たち」のことです。

こういったソーシャルサポートを活用していくことで、一人では考えつかなかったことを、多角的に考えることができて、問題を解決することができます。

別れの経験をした時に適切なソーシャルサポートを活用して、一人で抱え込まずに多角的に考えて、時には悲しみを一緒に背負ってもらいましょう。一人で抱え込んでしまっているなぁという方は、コラム④の解説と練習問題に取り組んでみてください。

辛い別れの気持ちを乗り越えよう!

別れをうまく克服できない原因には「心の整理ができていない」「別れ以外のことが考えられない」「一人で悲しみを抱え込む」の3つが大きく関わっていることがわかりました。次回以降は、対処法について解説していきます。1日では難しいと思うのでブックマークしてゆっくり取り組んでみてくださいね(^^)

別れをうまく克服できない人の多くは、辛い気持ちにとらわれ、悲観的になり、ときには不安や恐怖さえを感じて、悩みを抱えています。まずは自分自身と向き合い、うまく克服できない原因を知ることが、良好な人間関係を築く第一歩です。

そして、日常生活の中では、どうしても別れを経験する場面がたびたび訪れます。心の改善が図れないことで、人間関係が悪化してしまうかもしれません。しかし逆に言うと、うまく克服することができると、良好な人間関係を築くことができるだけではなく、広い視野を持つことができます。このコラムを読んで、自分に合った「別れをうまく克服する方法」をぜひ見つけてくださいね。

次回は、別れに対処する方法の1つ目「喪失の5段階を意識する」についてご紹介します。お楽しみに!

★辛い別れの気持ちの放置は注意!3つの方法で乗り越えよう
人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
大賀 達雄・中川 真由美・赤間 立枝・関 直彦・栗原 雅直 1989 「対象喪失」からみた若年者のうつ状態について 心身医学 1989,29,67.