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ソーシャルサポートとは?心理学の定義や効果を論文から解説

ソーシャルサポートとは?心理学の定義や効果を論文から解説

こんにちは。精神福祉士の川島です。普段はコミュニケーション講座を開催したり、精神疾患を抱える方に向けてカウンセリングを行っています。当コラムでは「ソーシャルサポート」について解説していきます。

  • ソーシャルサポートって何?
  • 不安や健康に効果的!
  • 悩みを受け入れる方法
  • 周りは予想よりも助けてくれる
  • 依存する関係は不安定

しっかりと解説して対策についてもお伝えしたいので、全部で8分程度かかります(^^;ちょっと大変ですが。是非お付き合いください。

人とのつながりを大切に

ソーシャルサポートの定義は「社会的な支援」

ソーシャルサポートの定義はその名の通り、「社会的関係の中でやりとりされる支援」のことを意味します。たとえば、家族・友人・会社の同僚・専門家の援助、など自分の周囲にある環境の中でサポートしてくれる人やものを意味します。

ソーシャルサポートは、ストレス反応を抑制するという報告もあるので( 石毛・無藤, 2005)、苦しい状態が深刻化する前の予防や回復にも役立つ重要なキーワードです。

細田ら(2009)の研究では、中学生305名を対象に以下の3つのソーシャルサポートと自己肯定感の関係について調査しました。

  1. 道具的サポート ・・・・住まいや携帯など必要な物を支援する
  2. 情緒的サポート ・・・・励ます、応援するなど気持ちの面を支援
  3. 共行動サポート ・・・・ノウハウを教えるなどの知識面で支援する

その結果が以下の図です。数字は相関係数といい、数値が大きいほど関係が強いことを意味します。せっかくなので下図の中から数字が大きいものを探してみましょう。

ソーシャルサポート 効果

父親、母親、友人、教師のいずれも情緒的なサポートが自己肯定感を強めている傾向がわかります。特に教師や友人の情緒的サポートが.40**で、父親や母親よりも高い数値が出てていますね。

両親と同じぐらい影響があることがわかります。仮にご家庭からのサポートが得られなくても、教師や友人など周りの方のサポートを仰ぐと精神が安定しそうです。

不安・疲労感を減らす効果

大坪(2017)は、大学生254名に対して、ソーシャルサポートと心理的な関係について調査を行いました。その結果、家族、大切な人、友人のサポートを受けやすい方は不安感などの項目において前向きな関わりがあることがわかりました。

ソーシャルサポート 意味

まずは、家族のサポートから見ていきましょう。上図の(-)マイナスの意味ですが、家族からのサポートが得られやすい方は、特に自立神経症状が少ないことがわかりますね。

ソーシャルサポート 心理学

次に、大切な人のサポートを見てみましょう。疲れやすさや自立神経症状は家族からのサポートほどではないものの、大きく減少しているには不安感です。大切な人が側にてくれる安心感は寂しさを和らげてくれるのですね。

ソーシャルサポート 定義

最後に友人のサポートはどうでしょうか。こちらも同様に不安感が大きく減少していることがわかります。大切な人からのサポートよりも若干少ないですが、疲れやすさ、自立神経症状は少ないはポジティブに影響しています。

このように、ソーシャルサポートは複数の間関係から受けることで、多くのベネフィットをもたらします。家族だけ、友人だけなどといった偏りをなくして幅広い人と関われるといいですね。

ソーシャルサポートで辛い体験を受け入れられる

ソーシャルサポートの影響について、城(2013)は以下の表のように報告しています。

ソーシャルサポートとは

この結果から、城は
「社会的自己の開示がソーシャルサポートの知覚に影響を及ぼし、ソーシャルサポートの知覚が被受容感に影響を与えていることが明らかにされた。」
と報告しています。

つまり、失恋したことを周囲の人に打ち明けて、ソーシャルサポートを得ることによって、受容感が高まるということです。受容感が高まれば、失恋で受けたショックを受け入れて立ち直ることができます。

何か辛いことが合った時は、周りの人に相談することで落ち込む時期を最小限に抑えることができるかもしれません。悩みを打ち明けられる人と出会えるとgoodですね。

悩みを打ち明けよう

予想以上に周りは助けてくれる

こうした話を聞くと、「ソーシャルサポートによって得られるメリットはわかったけど、相談にのってくれなかったり、サポートしてくれない人もいるでしょ」と思われるかもししれません。

しかし、助けてほしいというアクションを起こした場合、想像以上に相手は自分をサポートしてくれることがわかっています。

ヴァネッサ・ボーンズ(2008)の研究では、大学生53名を対象に町中で見知らぬ人に「携帯電話を貸してください」とお願いしてもらいました。被験者たちは、10人に声をかけても1人しか応じてくれないだろうと予測していたのですが、実際は平均6人に1人のペースで携帯電話を貸してくれたのです。

助けを求めて、見て見ぬふりをされた場合は、それはそれで相手の自由を認めて、他を当たるのが賢明でしょう。6人に相談を持ち掛ければ、最低1人はサポートしてくれます。

研究では、見知らぬ人に助けを求めていますので、友人や家族に相談すればもっと高い確率でソーシャルサポートが得られるでしょう。助けてと言えない、悩みを一人で抱え込んでしまう・・・という人は「苦しい時はお互い様!」という意識を持って、身近に少しずつでも相談を持ち掛けてみましょう。

依存しない関係を目指そう

先ほども軽くご説明しましたが、ソーシャルサポートが得られていても「友人だけ」の信頼できるなどの偏ったサポートは好ましくありません。その理由は、1人に依存するようになり、トラブルに発展しやすいからです。例えば、あなたの友人が会う度にネガティブな発言をしていたらどうでしょうか。

1度や2度であれば、相談に乗ってあげようという気持ちになりますが、会うたびに相談されると不快に思う人が多くいます。また、何度か相談に乗ったにもかかわらず、前回から何も進展がなかった場合、ストレスを感じる人もいるでしょう。

そこで、複数の人間関係からソーシャルサポートを少しずつ受けるのが理想です。1つの関係でトラブルが起きても、その他の人間関係が支えてくれるため、どの関係でもリラックスして接することができます。最低でもサポートが人間関係を3つ以上持っておくgoodです。

ソーシャルサポート 増やす

ソーシャルサポートを増やしていこう

ここまで見てきたようにソーシャルサポートは精神を安定させたり、自己肯定感を高めてくれます。意外にも人は手を差し伸べてくれることが多いので、困ったときは素直に周囲に相談を持ち掛けてみましょう。辛い体験も外に吐き出すことで、受け入れられるようになり立ち直りも早くなります。

ただ、1つの関係だけからサポートを得ると、だんだん依存する状態になってしまうのでなるべく3つ以上の関係からソーシャルサポートが得られるように環境を整えておきましょう。少しずつ相談できる人が増やせるといいですね。

専門家の講義を受けたい方へ

最後に、これまで「ソーシャルサポート」コラムにお付き合いしていただき、本当にありがとうございました!悩みごとがあったときは、1人でもいいので自分から助けを求めるアクションを起こしてくださいね。

そして、専門家から直接学びたい!という方は良かったら私たち臨床心理士・精神保健福祉士が開催している、コミュニケーション講座への参加をおススメしています。コラムだけでは伝えきれない知識や実践的なワークを進めています。みなさんのコミュニケーション能力が向上するよう、講師も一緒に頑張ります!よかったらいらっしゃってくださいね(^^)

★ソーシャルサポートは心の安定に欠かせない
人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
大坪岳 追手門学院大学心理学論集;Otemon Gakuin University Psychological Review 2017 青年期のコミュニケーション・スキルとソーシャル・サポートがレジリエンスに及ぼす影響
細田ら(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 教育心理学研究,57,309-323
城 佳子 2013 大学生の自己開示・ソーシャルサポートが被受容感に及ぼす影響の検討 : 被開示スキルとの関連を通して 人間科学研究 34,63 -72 .
If You Need Help, Just Ask: Underestimating Compliance With Direct Requests for Help  Journal of Personality and Social Psychology 95(1) · August 2008 with 139 Reads Vanessa Bohns