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ソーシャルサポートとは?心理学の定義や効果を論文から解説

ソーシャルサポートとは?心理学の定義や効果を論文から解説①

はじめまして!精神保健福祉士の川島です。私は現在、こちらの初学者向けコミュニケーション講座の講師をしています。コラムを読んで興味を持っていただいたら、是非お待ちしています。

今回は「ソーシャルサポート」についてお話していきます。目次は以下の通りです。

  • ソーシャルサポートの定義
  • 自己肯定感が上がる!?
  • 疲労感や自律神経症⇩
  • コミュ二ティを増やす
  • 理想のコミュニティの数
  • ソーシャルサポートを得よう

それでは早速、ソーシャルサポートの基礎から解説させて頂きます。

人とのつながりを大切に

ソーシャルサポートの定義

まずは、ソーシャルサポートの定義について見ていきましょう。ここでは心理学的な定義をいくつかご紹介していきます。

定義①Caplan (1974)
”家族、友人や隣人などの個人をとりまく
様々な人々からの有形、無形の援助を指す”

定義②心理学辞典(1999)
ソーシャルサポートとは何かについて、まだ明確に定義はなされていない。(中略)
対人関係と人の心身の健康との関連についてさまざまな研究
をソーシャルサポート研究として総称しようという立場に立つ

とされています。

つまり、明確には定義されていないものの平たく言えば、周囲の人たちから得られる援助をソーシャルサポートと考えてよいでしょう。また、そのサポートは、物質的なものに限らないということですね。たとえば、家族・友人・会社の同僚・専門家の援助、など自分の周囲にある環境の中でサポートしてくれる人やものを意味します。

ソーシャルサポートの定義についてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・社会的包絡とは
・知覚されたサポート
・実行されたサポート
ソーシャルサポートの意味と定義をわかりやすく解説②

心と体へのメリット

周囲からのサポートが得られると、心理面、健康面でたくさんのメリットがあります。まずは心理面のメリットについて解説します。

心理面のメリット

細田ら(2009)の研究によると、中学生305名を対象に以下の3つのソーシャルサポートと自己肯定感の関係について調査を行っています。

3つのサポートとは以下を指します。

  1. 道具的サポート ・・・・住まいや携帯など必要な物を支援する
  2. 情緒的サポート ・・・・励ます、応援するなど気持ちの面を支援
  3. 共行動サポート ・・・・ノウハウを教えるなどの知識面で支援する

その結果が以下の図です。数字は相関係数といい、数値が大きいほど関係が強いことを意味します。せっかくなので下図の中から数字が大きいものを探してみましょう。

ソーシャルサポート 効果

父親、母親、友人、教師のいずれも情緒的なサポートが自己肯定感を強めている傾向がわかります。特に教師や友人の情緒的サポートが.40**で、父親や母親よりも高い数値が出てていますね。統計的に確実に言えることではないのですが、父親や母親よりも高い数値となっているのがとても印象的です。

仮にご家庭からのサポートが得られなくても、教師や友人など周りの方のサポートを仰ぐと精神が安定しそうです。ソーシャルサポートは自己効力感以外にも、様々なプラスの働きがあることが分かっています。

心理的影響についてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・受容感が向上する!?
・6人に1人は助けてくれる
ソーシャルサポートの心理的影響!自分が好きになれる?③

体の健康へのメリット

続いて身体的な健康に与える恩恵を見ていきましょう。ソーシャルサポートが十分に得られていると、以下のようなメリットがあります。

・疲労感や自立神経症状
大坪(2017)は、大学生254名に対して、ソーシャルサポートと心理的な関係について調査を行いました。その結果、家族、大切な人、友人のサポートを受けやすい方は疲労感などの項目において前向きな関わりがあることがわかりました。

ソーシャルサポート 効果

まずは、家族のサポートから見ていきましょう。上図の(-)マイナスの意味ですが、家族からのサポートが得られやすい方は、特に自立神経症状が少ないことがわかりますね。

身体的影響

次に、大切な人のサポートを見てみましょう。疲れやすさは家族からのサポートほどではないものの、大きく減少しているのは自立神経症です。大切な人が側にてくれる安心感は寂しさを和らげてくれるのですね。

ソーシャルサポート 健康

最後に友人のサポートはどうでしょうか。こちらもは疲労感が大きく減少していることがわかります。自立神経症状も大切な人のサポートよりも下がっています。このように、ソーシャルサポートは複数の間関係から受けることで、多くのベネフィットをもたらします。家族だけ、友人だけなどといった偏りをなくして幅広い人と関われるといいですね。

身体的影響についてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・孤立すると死亡率が高まる!?
・認知症リスクとの関連
ソーシャルサポートの身体的影響!疲労に効く可能性アリ④

ソーシャルサポート 増やす

コミュニティに所属しよう

それでは具体的にソーシャルサポートを得るにはどうすればいいのでしょうか?

*当コーナーは監修の川島(精神保健福祉士)の動画解説があります。*チャンネル登録くださると励みになります!
テキストが好みな方はそのまま飛ばしてご覧下さい。

・コミュニティを増やす
ソーシャルサポートを得る上で一番に考える必要があるのが、「コミュニティへの所属」です。もし以下のような状況にある方は要注意です。

・独身で話し相手がゼロ
・一言も話さない日がある
・家族と会話する時間が取れない
・業務内容に会話が不要
 
このような状況にある方は、ソーシャルサポート不足であると推測されます。コミュニティの所属することで、会話量も増えてより悩みを打ち明けやすい人と出会える確率が高まります。

・理想のコミュニティの数
もしあなたが所属しているコミュニティが5つ以上でしたら、十分でしょう。ソーシャルサポートを得られやすい環境にあると考えられます。

5個以上の方:青色信号
3~4個の方 :黄色信号
2個以下の方:赤色信号

と考えると良いと思います。

コミュニティは3か所あれば、1か所でトラブルが起きてもまだ2か所所属していることになるので他のコミュニティでサポートが効きます。

コミュ二ティへの所属についてさらに詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
・コミュティの探し方
・目的ベースで探す
・ネットを活用する
ソーシャルサポートを得る方法「コミュニティへの所属」⑤


最後に30秒だけお知らせをさせてください♪ 私たち臨床心理士・精神保健福祉士は、暖かい人間関係のある社会を創ることを目的として、コミュニケーション講座を開催しています。

心理療法やソーシャルスキルの練習を勉強したい方はぜひお待ちしています。お互いのソーシャルサポートも盛んです。もしコラムを読んでみて、もっと心理学を学習したい、コミュニティを探している!と感じたら、こちらの心理学教室のページを参照ください。それでは先に進みましょう!

ソーシャルサポートを得よう

ここまで見てきたようにソーシャルサポートは精神を安定させたり、自己肯定感を高めてくれます。意外にも人は手を差し伸べてくれることが多いので、困ったときは素直に周囲に相談を持ち掛けてみましょう。辛い体験も外に吐き出すことで、受け入れられるようになり立ち直りも早くなります。

ただ、1つの関係だけからサポートを得ると、だんだん依存する状態になってしまうのでなるべく3つ以上の関係からソーシャルサポートが得られるように環境を整えておきましょう。少しずつ相談できる人が増やせるといいですね。

★ソーシャルサポートは心の安定に欠かせない
人間関係講座

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コラム監修

名前

川島達史


経歴

  • 精神保健福祉士
  • 目白大学大学院心理学研究科修士
  • 社会心理学会会員

取材執筆活動など

  • AERA 「飲み会での会話術」
  • マイナビ出版 「嫌われる覚悟」岡山理科大 入試問題採用
  • サンマーク出版「結局どうすればいい感じに雑談できる?」
  • TOKYOガルリ テレビ東京出演


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*出典・参考文献
大坪岳 追手門学院大学心理学論集;Otemon Gakuin University Psychological Review 2017 青年期のコミュニケーション・スキルとソーシャル・サポートがレジリエンスに及ぼす影響
中島 義明 子安 増生 繁桝 算男 箱田 裕司 安藤 清志 (1999)心理学辞典 有斐閣
細田ら(2009)中学生におけるソーシャルサポートと自他への肯定感に関する研究 教育心理学研究,57,309-323
城 佳子 2013 大学生の自己開示・ソーシャルサポートが被受容感に及ぼす影響の検討 : 被開示スキルとの関連を通して 人間科学研究 34,63 -72 .
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